SSブログ

世の中のいろんなことがつながる… [┣かんがえごと]

「フェミニスト」というと、女性が通る時にドアを開けてくれたりする男性のこと…だと、ずっと思ってきた。ここ十年くらいで、あ…そういう意味じゃないのね…と理解するようになったのだけど、そもそも差別を受けた歴史が長すぎるせいか、いろんなことに、(当たり前すぎて)無関心すぎたかも…と、この一年すごく反省している。
結局、我々の世代は、つまり男女雇用機会均等法という先人たちの努力によって生まれた法律が傍らにありながら、その運用について強く要請してこなかったり、セクハラやパワハラについて真摯に取り組んでこなかったり…言い出しづらいとか、周囲の雰囲気が悪くなるかもと考えたりとか、やっぱり、色々ぼーっと生きていたと思う。
そういう積み重ねが、ここに来て、#MeToo や、#KuToo の運動を起こさせているのかな…と思うと、私たちの世代、平成の30年を無駄に生きちゃったよね…と、感じる。


#MeToo を知って以来、女性を取り巻く問題について、しっかり見聞きするようになった。すると、以前、こてんぱんに否定したこの芝居が、変なリアリティをもって、よみがえるようになった。(もちろん、あの演出はダメだと今でも思っているけど。)
この芝居は、「いかなる理由があっても堕胎が禁止されたディストピア」が舞台になっている。しかも、「堕胎が禁止されている」以外は、今の日本となにひとつ変わっていない。許可されている避妊方法も同じだし、妊娠がわかると男が逃げ、すべての責任を女が背負うという構図も同じ。だからディストピアだと感じたのだが、もしかしたら、日本はずっと前からディストピアなのかもしれない…と、ハッキリと気づいてしまったのだ。


そもそも、この「堕胎」という行為、海外と日本では大きな違いがある。
日本では、堕胎といえば、掻爬(子宮口を無理やり広げて、鉗子などを使用して子宮内の胎児を引っ掛けて掻き出す)というイメージが強いが、海外では、経口中絶薬(人工的に流産を起こさせる薬)が主流だという。でも、これは、日本では認可されていない。
日本では、事後避妊薬(アフターピル)も、産婦人科等で処方してもらう必要があるが、海外ではドラッグストアで購入できるのだという。価格も全然違うんだとか。
ついでに、避妊具に関しても、ほぼコンドームに依存している日本に比べ、海外(欧米)では、女性が装着する避妊具が多数認可されている。
妊娠・出産するのは女性なのに、女性が自分の意志で、避妊・中絶することが、阻まれている。どうにもならなくて、出産したものの、死なせてしまって逮捕されたり…という事案は後を絶たない。
望まない妊娠をした場合、女性に残された道は、自らの身体に大きな代償を背負う覚悟で掻爬手術を受けるか、少し早まったかもしれない…と思いながら結婚して出産するか、シングルマザーになるか…。でも、相手の男性に逃げられたら…、いやそもそもレイプの結果だったら…、まさに女性ディストピア[exclamation×2]


なんで、世の中、こんなに女性ディストピアなんだろう…と、あらためて考えてみる。
男性の側からしたら、これはとっても住みやすい世の中なんだろうな…と。
妊娠するのは女性だから、結婚したければプロポーズすればいいし、したくなければ逃げればいい。てか、レイプのあげく(多くのレイプは知り合いによる犯行らしいので)妊娠したから、結婚する…という手段もあるし。
結婚する時には、氏を変えることを女性に強要し、そうすれば、女性がそれまでの人生で獲得してきたものをリセットできる。その結果、いろんなことが女性に不利に働く可能性があり、子供を産めば、さらにキャリアは分断され、保育園もなかなか入れないし…仕事の出来ない時間が増えれば増えるほど、離婚したくてもできない人が増える…。
あれ…これ、本当に男性天国[exclamation&question]
こんなことを、すべての男性が望んでいないことは、火を見るより明らか。だって、女性は不幸になるけど、だからって男性が幸福にもなっていない。


女性ディストピアを望んでいる人…っているんですよね。
それは性別に限らず。自分の幸福を他人の不幸でしか測れない人が居て、そういう人は、女性であっても、他の女性の不幸を喜ぶから。
そして、人よりちょっとだけ上の暮らしをしている…と自負している人々の中に、他人の不幸によって自分の幸福度がアップする人々が一定数存在している。
士⇒農⇒工⇒商という身分制度は存在しなかった、ということが最近は言われているが、それでも、士⇒農・工・商⇒それ以下という身分構造が江戸時代260年をうまく支えたのは、間違いないと思う。
現代日本でも、エリート男性+その妻+名誉男性⇒普通の男性⇒普通の女性⇒底辺の男性⇒底辺の女性みたいな身分構造が水面下に生きていて、下の不幸を見て、自分の現在に甘んじるってのは、あるんだろうな…。
そして、たまに、普通の女性と底辺の男性の間で、認識の齟齬が起きている…というのが、女性専用車両問題みたいなところで、表面化しているのかもしれない。それが、ネットでは、#MeToo #KuToo へのいやがらせのような反応になっているのかも。(※底辺っていうのは、自己肯定感の低いと言い換えてもいいかな…)
で、<エリート男性+その妻+名誉男性>の枠の方達は、この体制を維持することが大事(自分の保身になるから)なので、「選択制夫婦別姓」とか、上記した避妊・中絶に関する色々な薬の認可を拒否しているわけですね。
自分達以外の女性が、文句言わずにたくさん子供を産んでくれるために、いろんなことを早くから諦めるように。


女性として生きることは、それだけで、あれこれあるけど、いっこいっこ正しく怒りながら乗り越えて行かないとね。これから心を入れ替えます。そして、名誉男性を含むすべての女性が手を握ったら、この世の中は大きく変わる、ってことを考えながら、残りの人生を少し真面目に生きて行こうと思います。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感