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宝塚月組シアター・ドラマシティ公演「出島小宇宙戦争」観劇 [┣宝塚観劇]

デジタル・マジカル・ミュージカル
「出島小宇宙戦争」


作・演出:谷貴矢
作曲・編曲:太田健、高橋恵
振付:若央りさ、桜木涼介、KAORIalive
殺陣:清家三彦
装置:國包洋子
衣装:加藤真美
照明:笠原俊幸
音響:秀島正一
映像:奥秀太郎
小道具:福井良安
歌唱指導:堂ノ脇恭子
演出助手:町田菜花
舞台進行:阪田健嗣
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:溝部誠司
制作補:西尾雅彦
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:株式会社梅田芸術劇場


鳳月杏主演のドラマシティ公演ということで、大阪まで行ってきました。
2年弱前に、バウホールで、同じ貴矢先生作の「義経妖狐夢幻桜」という公演を観て、そのわちゃわちゃ感に目眩がした身としては、私に合わないのではないか…という不安を抱えながら。


とりあえず、作品の外題は、奇数文字にしなければならない、という日本の演劇界の伝統(歌舞伎や文楽のタイトルは、5文字・7文字…のように奇数文字にしているとか。そのためにあえて漢字を創作することすらあったそうです[ひらめき])には忠実でありたいらしい。そういうプチ拘りには、クスッとしている[わーい(嬉しい顔)]


舞台は、地球からみて、ちょうど宇宙の反対側にある、よく似た星のよく似た国(byプログラム)。…と書きながらも、パラレルワールドとも書いている。どっちやねん[爆弾]
まあ、どっちにしても、我々の歴史にある江戸時代ではない江戸時代末期、長崎の出島に宇宙人が現れたとの情報を聞き、幕府の老中、タダアキラ(紫門ゆりや)は、長年監禁しているカゲヤス(鳳月杏)に、出島潜入捜査を命じる。カゲヤスは、樺太探検を行ったお庭番のリンゾウ(暁千星)と共に長崎に向かう。
そこでカゲヤスは、謎の外国人シーボルト(風間柚乃)や、不思議な女タキ(海乃美月)と出会う。
彼らは、カゲヤスが持ってるはずの、タダタカ(光月るう)作成の日本地図を狙っている。カゲヤスは、リンゾウがタダタカの地図にはない、北海道の測量をしていることから、それを手に入れて日本地図を作りたいと思っている。
一方、リンゾウは、カゲヤスを師・タダタカの仇であると疑っており、これらの思いが交錯する中、タキは、自分が月から遣わされたスパイ・カグヤだと言い出し、そして、やがて、初代カグヤことツクヨミ(梨花ますみ)が地球に降臨するー


貴矢先生の第1作「アイ・ラブ・アインシュタイン」は、SF、第2作「義経妖狐夢幻桜」は歴史ファンタジー、そして、この第3作は、歴史SFファンタジー[ひらめき]
少しずつツッコミどころも減り、今回は、出演者の力量もあって、突拍子もない物語が、すんなりと心に入ってきた。(第1作は、あまりの無理設定に目がテンだったので、出演者がどうこうできるシロモノではなかった。第2作は、たぶん、私がファンタジー苦手なせいで、ちょっと受け入れがたかったのだろうと思う。)
※ファンタジーでもSF系のファンタジーなら大丈夫なのは、たぶん、子供の頃からSF好きだった影響だと思います。けっこう読書傾向が偏っているのです…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


でも、ストーリーに深くコミットするのは、やめておこう[あせあせ(飛び散る汗)]
今回の作品では、舞台セットの美しさ、出演者の美しさ、音楽の美しさが抜群だった。その相乗効果で、物語の世界観がどーのこーの…というのは、ちょっと置いておいてもいいかな…[揺れるハート]という気分になれた。作品を構成する各要素の完成度の高さが、プロットの甘さを凌駕したといったところだろうか。
出演者についても、全員が素晴らしかった。
中でも、主演コンビ、鳳月杏海乃美月の二人は、この不思議なファンタジーを、絶妙なリアリティーをもって客席に提示し、この作品を成立させてしまった。演技力という意味だけでなく、衣装の着こなし、ヘアメイク…すべてがパーフェクトすぎて、この二人ならどんな脚本も大丈夫と思わせ、逆に怖い…[バッド(下向き矢印)]
鳳月に関して言えば、芝居冒頭のシルエットからの、強気のセリフからの、天体望遠鏡を担いでのバーンッ[どんっ(衝撃)]とした登場が、“土方銀ちゃん登場シーン”を思わせ、ゆうひさんの銀ちゃんを懐かしく思い出してしまった。こういうの、似合うなぁ[揺れるハート]
海乃は、遊女というたてつけ(実際は、月の住人)のため、衣装は、かなりアバンギャルド。それでも品を失わない、ザ・宝塚の娘役[exclamation×2]面目躍如。
二人とも、肩の力が抜けてかろやかに演じているところが、いいな~[黒ハート]
肩の力が抜けているといえば、タダタカ役の光月[exclamation×2]
これ、ラブストーリーとしては、タダタカ×タキ(カグヤ)だからね。江戸時代的には、立派なおじいさんなのに、ちゃんと恋愛して失恋して落ち込む色気が、素晴らしかった[黒ハート]
若干、ずるいな、と思うのは、白雪さち花、春海ゆう、佳城葵芸達者トリオに、江戸と出島の風景を割りゼリフで説明する狂言回しトリオを演じさせるところかな。うまくやってのけるのは、分かり切っているけど、もったいない使い方だな…と、思う[むかっ(怒り)]
シーボルトの配下、ヘレーネを演じた蘭世惠翔、ツクヨミへの通信係を演じた菜々野あり詩ちづるの下級生娘役たちは、文句なく可愛かった[黒ハート]
リンゾウの、シーボルトの風間は、きっちりと仕事をこなしていたが、特には、貴矢先生のイタい部分にまともにぶち当たって苦戦していたかも。風間は、楽しんでよい役だったところが幸いしたかな。ただ…あの付耳のせいか…大先輩の北嶋せんぱいに似ていたような…[あせあせ(飛び散る汗)]
まゆぽんの特別出演に笑いが止まらなかったです。さすが[るんるん]


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