SSブログ

「ガラスの動物園」観劇 [┣Studio Life]

The Other Life Vol.12
「ガラスの動物園」


作:テネシー・ウィリアムズ
翻訳:鳴海四郎
演出:倉田淳


美術・舞台製作:申大樹
衣裳:竹原典子
ヘアメイク:川村和枝(p.bird)
照明:山崎佳代
音響:竹下亮
音響操作:宮本沙也加
美術助手:小林由尚
宣伝デザイン:田代祐子
制作:持田有美
当日運営・票券:三國谷花
当日運営助手:常盤美妃
協力:日本文藝家協会、株式会社タトル・モリ エイジェンシー 深海洋燈、東容子、小泉裕子
企画制作:スタジオライフ


<キャスト> BlueRose
アマンダ・ウィングフィールド:楢原秀佳
ローラ・ウィングフィールド:吉成奨人松本慎
トム・ウィングフィールド:笠原浩夫奥田努
ジム・オコナ―:曽世海司鈴木翔音


「欲望という名の電車」などでおなじみのテネシー・ウィリアムズの「ガラスの動物園」をスタジオライフが上演する…ということで、観劇してまいりました。今回は、別の舞台で「ガラスの動物園」と、その続編的なストーリー、「消えなさいローラ」(作・別役実)を観劇したばかりというK様と一緒に観劇。
(そちらも観たかったなぁ…)


舞台は、アメリカ、セントルイス。登場人物はたった4人で、そのうち3人は家族。狭いアパートに母と姉娘と暮らしているトム(笠原/奥田)の回想として、物語は描かれている。
貧しい暮らしの母と姉弟。父親は、ある日、家を出て、遠い地から絵葉書を寄越したきり、音信不通。
母のアマンダ(楢原)は、娘のローラ(吉成/松本)の行く末を心配している。ローラは、病気で足が不自由になり、今はだいぶ回復しているが、高校生の時は、金属製の補助具を使って歩いており、その音が響くのが気になって、高校を中退してしまった。今もタイプの学校に行くふりをして、実は行っていない。父の残したレコードを聴き、ガラス細工の動物たちのコレクション(彼女はそれを「ガラスの動物園」と呼んでいる)を愛でることが、ローラの幸せだった。
アマンダは、トムに誰かローラに似合う男性はいないの[exclamation&question]とせっつき、トムは同僚のジム(曽世/鈴木)を家に誘う。実は、ジムはローラの高校時代の同級生で、ローラがひそかに憧れていた相手。最初は、一緒に食事をすることもできずに怯えてしまうローラだったが、ジムが少しずつ心を解きほぐしていく。
そして情熱の赴くままキスを交わした瞬間、ジムはハッとして身を引く。実は、少し前にジムは既に婚約していたのだった。
ジムが帰った後、意味のないご馳走をしてしまった…と嘆くアマンダを見て、もうここにはいられない、と、トムは心を決める。(同僚が婚約した…なんていうことは、知らされないものだ。いよいよ結婚する…となれば、休暇のこともあるから公にされるだろうが)
それくらい理不尽な母親との同居がイヤになっていたのだ。


動物園は、英語で「Zoo」だが、この「ガラスの動物園」は、「The Glass Menagerie」という英語タイトルだった。Menagerieは、現在の動物園ではなく、見世物小屋(サーカスと一緒になっているような…)のイメージらしい。たしかに雑多な動物が同じ場所に混然と置かれているのだから、Zooとはイメージが違うのだろうな。


楢原のアマンダは、もう絶対こういう人、いる[exclamation×2]と思った。独善的で、おしゃべりで、でも、なんか憎めない。娘時代の栄光(?)が忘れられず、思い通りにならない今の人生を嘆く。特に娘のことが心配でならない。が、あまり悲観的に見えないところが、独善オバサンのいいところかもしれない。
松本のローラは、役に松本の魂が吹き込まれたような、これぞ松本慎也、というヒロインだった。The Other Life の「ガラスの動物園」は、こういう解釈なんだな~と、松本のローラを観て納得する。作品と一体化したヒロイン像だった。
一方、吉成のローラは、母に逆らえず、壊れそうになりながら、ギリギリのところで自我を保っている、繊細な少女で、思わず手を差し伸べたくなるような、健気さが魅力だった。
奥田のトムは、本作の構成の妙(トムの回想)を成り立たせるように計算して、各場面を作っているように感じた。こういうトムだから、アマンダをこう思っていて、ここで爆発するんだなーとか、すごく納得。
笠原のトムは、圧倒的な主人公感があり、語り部=主人公というのは、たしかに成立するので、こちらも納得。吉成の弟には、どうにも見えなかったけれど…。
鈴木のジムは、「こんなん惚れてまうやろ」的イケメン。キスシーンも、本当に高校時代に気持ちが戻って、ローラが愛しくなったんだよね…その後の狼狽にも誠意が感じられた。
曽世のジムは、やばいチャラ男の雰囲気がぷんぷんしていて、でも、笠原のトムには見抜けないというか、同類な感じが見え隠れしていて、Blueチームは、本当に徹底してローラが気の毒な方向でキャスティングされたんだな、と思った。
同じ日に両チームを観劇したことで、違いが如実に伝わり、面白い観劇だった。


両公演とも撮影日だったので、別記事で、撮影タイムの画像をアップしたいと思います。


nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。