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「ジョジョの奇妙な冒険」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

MUSICAL
「ジョジョの奇妙な冒険 ファントムブラッド」


原作:荒木飛呂彦(「ジョジョの奇妙な冒険」(集英社ジャンプコミックス刊))
演出・振付:長谷川寧
音楽:ドーヴ・アチア
共同作曲:ロッド・ジャノワ
脚本・歌詞:元吉庸泰


音楽監督・編曲:竹内聡
アレンジメント・バンドマスター:蔡忠浩
歌唱指導:山川高風、西川光子


美術:石原敬、牧野紗也子(BLANk R&D)
照明:齋藤茂男
音響:山本浩一
映像:上田大樹
衣裳:久保嘉男(yoshiokubo)
ヘアメイク:奥平正芳
特殊メイク:快歩
アクション演出:HAYATE
フライング・コーディネーター:松藤和広(CCC)
振付助手:田路紅瑠美
演出補:河内大和
演出助手:末永陽一、時枝正俊、鈴木ひがし


<キャスト>
ジョナサン・ジョースター…松下優也、有澤樟太郎
ディオ・ブランド―…宮野真守
エリナ・ペンドルトン…清水美依紗
スピードワゴン…YOUNG DAIS
ウィル・A・ツェペリ…東山義久、廣瀬友祐
切り裂きジャック/アーチャー警部…河内大和
ワンチェン…島田惇平
ダリオ・ブランド―…コング桑田
ジョースター卿…別所哲也
(私が観劇した回は※キャストでした!)


初日に幕が開かないという、異例の事態となった帝劇のミュージカル“ジョジョ”、無事観劇が叶いました[るんるん]
連載初期、少年ジャンプを買っていたくらいでその後復習もしていなかったが、無事、物語についていけて、楽しい時間だった。
なにより、舞台転換が、帝劇っぽくない、2.5次元的な動きで、こういう舞台転換もやれるんだ~[exclamation×2]と、新鮮な驚きを感じたし、帝劇(東宝)の本気も感じた舞台だった。
セットの動きを観るだけでもワクワクし通しだった。


原作は第1話から丹念に読んでいたわけではなかったので、ディオの生い立ちを数十年ぶりに完全把握して、とんでもない野郎だな~[むかっ(怒り)]という思いを深くした。漫画では、貧しい生まれの主人公が、お金持ちの意地悪にも負けず、清く正しく生きていくのが定番だったのに、「金持ち喧嘩せず/貧すれば鈍する」を地で行くような、ジョジョとディオなのだった…[爆弾]
そんなディオを演じた宮野が、漫画から抜け出してきたような超絶スタイル&濃い顔立ちで、目も耳も釘付けになる素晴らしさ[黒ハート]いやぁ、惚れました[揺れるハート]悪の魅力、満開[ぴかぴか(新しい)]
とうとう帝劇のセンター(Wだけど)に立つことになった有澤は、圧倒的な主人公オーラを放ち、金持ち・弱虫・彼女持ち…という、少年漫画の主人公として共感ゼロのこのキャラクターを、人間味のある人物に作り上げていた。ジョジョに感情移入できたのは、有澤というフィルターを通して…という部分が大きい。もっともっと歌に磨きをかけて、ミュージカルの世界でも活躍してほしい。
ジョジョの父親を演じた別所が、存在感、深みのある歌唱で作品を支えていた。そして、もはや、私は河内のファンかもしれない…と思ったりしたのだった。(演出補までされてたんですね…[ぴかぴか(新しい)]


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「伝説のリトルバスケットボール団」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

MUSICAL
「伝説のリトルバスケットボール団」


作:パク・ヘリム
作曲:ファン・イェスル
オリジナル・プロダクション:アンサン文化財団、IM Culture


演出・振付:TETSUHARU
日本語上演台本・訳詞:私オム
音楽監督:田中葵
美術:松生紘子
照明:吉川ひろ子(クリエイティブ・アート・スィング)
音響:東慎吾
映像:荒川ヒロキ
イラスト:夜長秋
衣裳:高山良昭(ヒカリトカゲ)、栗原りさ(ヒカリトカゲ)
ヘアメイク:m.o.
歌唱指導:吉田純也
バスケットボール指導:石杜駿
キャスティング:霞麻衣子(FAB)
演出助手:美波利奈
舞台監督:竹内彩、林和宏


<出演>
スヒョン:橋本祥平
ダイン:梅津瑞樹
スンウ:糸川耀士郎
ジフン:吉高志音
サンテ:太田将煕
ジョンウ:平野良


<バンド>
キーボード・コンダクター:田中葵
ギター:朝田英之
ベース:澤田将弘
ドラム:足立浩


日本でも、もはやミュージカルの一大ジャンルとなっている「韓国ミュージカル」作品。今回の上演は、日本での上演用に私オム氏が上演台本を書き、登場キャラクターもオリジナルとは若干の変更がなされているとか。
出演者は6名だが、糸川、吉高、梅津の三人は、15年前に事故死した少年たちの幽霊という「本役」のほか、現在のバスケ部員や、主人公のスヒョンをカツアゲするクラスメイトなどを演じ分けた。
15年前に事故死した少年たちは、バスケ部コーチ・ジョンウのチームメイトで、彼らは、遠征先の海岸で水難事故に遭って亡くなった。が、成仏できず…15年後、彼らが閉じ込められていた校舎の屋上で、いじめられて自殺しようとしていたスヒョンと出会う。スヒョンの身体を借りることで、自由に動くことができるようになった彼らが、15年前に突然失ってしまったいろいろなものを回収して成仏していく…みたいなストーリー。
友達のいなかったスヒョンも、サンテと少しずつ打ち解け、新しい人生の幕が上がる。
音楽が美しく、歌もバスケも完璧で出ずっぱりの出演者に感動。


これは、本当にどうでもいいことかもしれないが、バスケのレギュラーは5人。
15年前の夏、遠征先で海に行ったのは、幽霊になった三人とジョンウの四人。なぜ、四人だったのだろう[exclamation&question]二人と三人に分かれる…とかだったら気にならないのだが、残りの一人、連れて行ってもらえなかったのかなぁ[もうやだ~(悲しい顔)]


糸川がバスケットボールと戯れる姿が、いつも、どんな時も本当に決まっていて、今年のACTORS LEAGUEも楽しみ[揺れるハート]というか、絶対出てね[exclamation×2]


IMG_3355.jpg


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「恋花幕明録」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

明治モダン歌劇
「恋花幕明録ー前日譚ー」


原作:「恋花幕明録」
脚本・演出:ほさかよう
音楽:坂部剛、田川めぐみ
作詞:三ツ矢雄二
振付:EBATO
美術:乘峯雅寛
照明:鈴木健司(ルポ)
音響:増澤努(1ststep)
音響効果:天野高志(RESON)
映像:森すみれ、荒川ヒロキ
衣裳:黒田桃加
ヘアメイク:柴崎尚子
小道具:アトリエ・カオス、枦山兼
殺陣:六本木康弘
歌唱指導:YUKO
演出助手:佐藤優次、中野真由子
舞台監督:弘光哲也
技術監督:寅川英司


<キャスト>
斎藤一…木原瑠生
土方歳三…上田堪大
木戸孝允…北園涼
西郷隆盛…spi
桐野利秋…坪倉康晴
勝海舟:川上将大
榎本武揚…輝馬
近藤勇…宇野結也
森鴎外…京典和玖
エドワルド・スネル…藤田玲
※木戸孝允役の北園涼は体調不良のため、私が観劇した日は休演。演出助手の佐藤氏が声だけで木戸を演じ、他の出演者が、あたかも木戸がそこに居る体でリアクションするという、2.5次元ならではの対応。歌声だけは、リハーサル時の北園の歌声を使用していた。実は休演を知らずに劇場に行ってしまったのだが、もしそれが理由で観劇しなかった場合は、払い戻しも対応してくれたとのこと。


水道橋のIMMシアターは初めて行った。
TOKYO DOME CITY HALLが大劇場なら、IMMは、バウホールのような存在。コンパクトで見易い劇場だが、ロビー的な部分が狭く、導線はあまりよくないと感じた。この狭いロビーで、特典渡しやグッズ販売、トイレ待機列を捌く運営スタッフには、驚嘆以外なかった。


小劇場時代から面白い芝居を書いていて、2.5次元舞台でも「魔法使いの約束」シリーズなどで定評のあるほさかよう氏の脚本・演出。「激動の明治時代で紡がれる武士たちとの恋愛物語」というコンセプトの乙女ゲームが原作になっている。
乙女ゲーム発の舞台だと、私が知っているのは「薄桜鬼」とかだが(ゲームはやってません…)、薄桜鬼の千鶴に該当するプレイヤーの影はなく、ゲームの前日譚という設定が本作だ。ゲームで活躍するキャラクターが登場するが、時代は明治になる前、「慶応」なので、少しばかり歴史の歪みが生じる。
つまり、幕末の最後期が舞台であるのに、そこで活躍し死んでいった(明治にはいない)武士の姿は描かれないっぽい。沖田総司や坂本龍馬、高杉晋作などの人気者たちが、出てこない。ゲームのキャラクターがいないから。近藤は恋愛対象外だからオリジナルで出したのかな?ただ、ゲームの方に井伊直弼が出てくるみたいなので、今後、追加で沖田たちが出てくる可能性もあるかも。
そんなわけで、新選組は、近藤・土方・斎藤がトリオのように描かれている。沖田なんか存在しなかったかのように…。それが、どうにも座りが悪いのだ。試衛館は永遠だぞっ[exclamation×2]
あと、キャラクターたちは基本、明治期の名前になっているのだが、西郷隆盛が、桐野利秋を「トシアキ」と呼ぶのは、どうにも気持ちが悪かった。むしろ「桐野」の方がまだましな気がする。(薩摩時代から桐野を知っている西郷なので、当然、「半次郎」呼びのはず。というか、半次郎と呼んでくれないと落ち着かないのよ、私が。


まあ、そんな気になることのせいで、どうにも座りが悪い舞台ではあったし、その一端に、北園の休演があったのも事実。そして、色々作品を見すぎている幕末って、難しいよね…


spiの西郷は、ピッタリ配役。バッチリはまっていた。
榎本役の輝馬は金髪が似合ってかっこいい。
そして、やっぱり藤田の存在感はすごかった。
京典は、鴎外より、幕末期のキャラ、ジョンの方が印象的だった。
主演の木原は、立ち位置が難しそうな役どころだったなーという印象。沖田ポジに持ってこられてもね…と思うし、そもそも、松平容保って死んでないよね[exclamation&question]
木戸と桐野の、繰り返される険悪なやり取りを舞台上で観たかったな~[もうやだ~(悲しい顔)]


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「イザボー」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「イザボー」


作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
美術:松井るみ
照明:関口裕二
音響:山本浩一
衣裳:前田文子
ヘアメイク:宮内宏明
音楽監督・編曲:桑原まこ
歌唱指導:西野誠
振付:三井聡、港ゆりか
アクション指導:星賢太
演出助手:渋谷真紀子、高橋将貴
舞台監督:幸光順平
宣伝美術:岡垣吏紗
宣伝写真:中村理生


<出演>
イザボー・ド・バヴィエール…望海風斗
シャルル七世…甲斐翔真
シャルル六世…上原理生
ジャン(ブルゴーニュ公)…中河内雅貴
オルレアン公ルイ…上川一哉
ヨランド・ダラゴン…那須凜
ブルゴーニュ公フィリップ…石井一孝


イザベル…大森未来衣
ヴァレンチーナ…伯鞘麗名


フランス史上最も悪名高き王妃と言われる(らしい)イザボー・ド・バヴィエールの生涯を描いた日本発のミュージカル。…という謳い文句なのは、本作を海外に売り込みたいという希望があるのだろう。
最近、世界的に発信されている韓国ミュージカルでも、欧米を舞台にした作品が多く上演されているし、日本発ミュージカルがフランス王妃の物語でも全然おかしくない。


時代は、14世紀末から15世紀初め、百年戦争の頃。
現ドイツのバイエルン地方の公女、ヴィッテルスバッハ家のエリザベトが、フランス王・シャルル六世に見初められたことから物語は始まる。もしもーし[あせあせ(飛び散る汗)]でも、これは創作ではなく事実なので、あの一族は、皆様、なにか業を背負っているのかもしれないですね。
こうして、ドイツ語圏から、慣れないフランスという外国にやってきた14歳の少女(これもどこかで聞いたような…)は、イザベルという名の王妃となる。エリザベト(ドイツ語)がフランスではイザベルになるのね。でも、たしか、ルイ十六世の妹はエリザベトという名だったはずなので、18世紀頃には、この外国名も普通にフランスで普及していたのでしょう。
それが、「イザボー」という名に変換した経緯には、本作は触れていない。
イザボーは、Isabeauとスペリングされる。「Beau」は「美しい」という意味なので、美しかったのかな…と想像したものの、「美しい」の女性形は「Belle」なので、それは関係ないのかな。バヴィエールは普通にバイエルンのフランス語形。


幸せなはずの結婚生活は、夫が精神疾患を患ったことによって、大きく変わっていく。フランスも、王の統治なき不安定な状態が長く続く。でも精神疾患を発症して、1400年頃にはイザボーが誰かもわからなくなっていたのに、1407年まで国王夫妻の間に子供は生まれ続けている。
そんなわけで、1403年に生まれたシャルル七世は、自分の出自に自信が持てない設定になっている。完全に狂った王が作った子なのか、それとも、母の不貞の子なのか。母親である悪女・イザボーは「あなたは王の子ではない」と劇中告げたりしているし、精神的にもきつかっただろう。
そんな混沌とした時代に、颯爽と登場したのが、ジャンヌ・ダルク。
ジャンヌは、「神のお告げ」によってシャルル七世のもとに現れ、彼が正当な王位継承者であると言い、そんなジャンヌをオルレアンに派遣したことによって、シャルル七世は百年戦争の劣勢を挽回し、国王になることもできた。(狂王・シャルル六世の死後、7年間戴冠できず)
ジャンヌは、結婚当初のイザベルを演じた大森未来衣が演じているので、フランスを滅ぼそうとしたと言われているイザボーに、フランスを救う(盛り立てる)未来もあったのではないか、という見立てなのかな、と思った。


フランスの中世史を知らなくても、イザボーという不幸の中でも生きることを諦めなかった、逞しい女性の人生を観るのは爽快で面白い。
音楽が難解かつ美しく、それをスーパー歌ウマチームが圧倒的な声量でぶちまけてくれるのが、気持ちよかった。
女優枠で参加している那須凜が、あれだけ歌えるとは、嬉しい驚き[ぴかぴか(新しい)]上川一哉の歌声は、本当に心地よい。
一方で、気になったのが、客席を使った演出。
冒頭、アンサンブルキャストに煽られて、シャルル七世の戴冠式に参加した我々観客。「シャルルセット(七世・フランス語)」と叫び続けたのだが、その影響で、次の楽曲の歌詞「The Queen」が気になった。これがなければ気にならなかったのにな…。(フランス語で王妃は、La Reine)
あと、裁判シーンで、主人公であり、望海風斗が演じるイザボーを客席を巻き込んで糾弾する演出があったが、それはやりたくないので、やらなかった。舞台を盛り上げる演出なら協力するけど、ストーリーの進行役までさせられるのは、ゴメンだわ。望海さんを糾弾してまで。
(これは「テンペスト」と繋がるかも。私の個人的な感情です。)


ブラッシュアップしていけば、面白い舞台になるかも…と思ったが、「エリザベート」意識しすぎ(黒死病の場面で甲斐にトート閣下パロディやらせるのも今回限りでお願いしたい。いつか絶対トートやる子なんで。)とか、色々修正は必要かな、と思った。


その後、「The Queen」の件で、観劇仲間K様と盛り上がった。
英語でQueenといえば、女王(女性の王)と王妃、二つの意味がある。フランス語のReineも同じかというと、実は、フランスを含む旧フランク王国系の国家は、なんと「国家」が相続財産と考えられているのだが、女性には相続権がないということになっている。
なのでReineは、王妃ではあっても女王ではない。そこまで考えての歌詞なら、(つまり、イザボーは実質女王になることを目指した王妃だった…と)納得するしかない。その代わり、「シャルルセット」呼びスタートはやめた方がいいかな。


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ミュージカル「ファントム」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「ファントム」


脚本:アーサー・コピット
作詞・作曲:モーリー・イェストン
原作:ガストン・ルルー「オペラ座の怪人」より


演出:城田優
美術・衣裳:トム・ロジャース
翻訳・通訳:伊藤美代子
訳詞:高橋亜子
音楽監督:森亮平
照明:吉枝康幸
音響:山本浩一、宮脇奈津子
映像:西田淳
振付:新海絵理子
ヘアメイク:馮啓孝
特殊メイク:ニール・マーツ
アクション:幸村吉也


指揮:森亮平、湯川紘惠
歌唱指導:西野誠、平岡由香
稽古ピアノ:太田裕子
オーケストラコーディネート:新音楽協会/安達くるみ、楠理名


「ファントム」は宝塚で何度も観劇しているものの、外部での公演はこれまで観てこなかった。今回、真彩希帆ちゃんがクリスティーヌを演じることになったので、外部でも観てみる気持ちになった。
結果…


素晴らしかった[exclamation×2]
もう、次から、宝塚の演出も城田“先生”にお願いしたいくらい[黒ハート]


宝塚版の意味不明な部分が全部クリアになっていた。やはり、自分が俳優として出演もしている城田ゆえに、小さな綻びも丁寧に修復して、納得性の高い「ファントム」を再構築していた。
もしかして…宝塚版は演出に問題があっただけ…[exclamation&question]


舞台は、パリの街角から始まる。
パリの人々が、三々五々舞台に登場し、平和な日常を演じている。そんな中、開演前の諸注意アナウンスが流れ、パリの人々に扮したアンサンブルさんが、店先からスマホに×をつけた絵を客席に提示する。自然。人々の中に、果物でジャグリングを始める人が出てきて、いつの間にか、舞台と客席がひとつになって応援し、客席が温まっていく。自然に客席を温めていく、素敵なやり方だな、と感じた。
客席が温まったところで、舞台は一転、「ファントム」の世界に包まれていく。
音楽・照明…こんな風に一気に観客の心を舞台に引き付けてしまうものなのか。まだ、主役が登場していないのに。城田優、天才か…[ぴかぴか(新しい)]


我らが真彩ちゃんは、[るんるん]メロディ・メロディ[るんるん]と軽やかに歌って、一瞬で空気を変える。そりゃ、シャンドン伯爵じゃなくてもスカウトしちゃうわ。ちなみにシャンドン伯爵は、下手前方の扉から入ってきて、その辺りに溜まっていて、お近くに座っていた私、すごく眼福でした[黒ハート]


さて、「ファントム」という作品、というか、宝塚版の私が思う、納得できない点は、次の通り。
[1]冒頭からファントム(素顔)が銀橋を渡る。いや、たしかに、ちょっとグロいメイクではあるが、叫び出すほどのものではない。私(一般観客)が耐えられるのに、恋人であるクリスティーヌが絶叫して逃げ出すってどういうこと[exclamation&question]
[2]クリスティーヌの心の動きが丁寧に描かれないので、二股にしか見えない[爆弾]
[3]ファントムが死ぬところで、クリスティーヌが仮面を脱がせる場面が出てくる。死ぬ間際でもクリスティーヌに顔を見られることに恐れを抱くファントム。それでも仮面を脱がせるのは、クリスティーヌの自己満足じゃないかという気がして…[むかっ(怒り)]
[4]従者、なんでファントムに従ってるの[exclamation&question]トート閣下と黒天使のような関係性に見えるが、そもそもそれっておかしくない[exclamation&question]


この辺、ものすごく納得できるように作られているのが、すごく良かった。クリスティーヌのシャンドンへの思い、そしてエリックへの思いが、ちゃんと繋がっていて…ここまで繊細にヒロインの心情を描き出す城田優、天才通り越して怖い…[あせあせ(飛び散る汗)]ここまで女心に精通しているとは…[爆弾]
城田優は騙せないな…そんな機会はないが[わーい(嬉しい顔)]
仮面が精巧に作られていて、見栄えが素晴らしいし、照明の力なども借りて、ファントム(エリック)の素顔を見せないようにしているのも、よかった。先行作である「オペラ座の怪人」では、怪人が居室などでは、ずっと素顔をさらしていることと、宝塚でトップスターがずっと仮面を付けているのが無理…という諸般の事情により、ファントムの顔は「出ているもの」と考えがちだが、そんなことはないんだよね。
(スタジオライフの「PHANTOM-Untold Story-」では、ファントムの顔は一切出てこない)


なにより、真彩の天使の歌声がとっても素敵で[黒ハート]
ファントムの母親である、歌姫ベラドーヴァもクリスティーヌ役者が演じることで、いろいろな部分がとても自然に受け止められ、これも真彩でベスト「ファントム」を観られてよかったと思った部分。(これは、宝塚版では難しい部分もある。ミュージカル1本物は通し役が少ないので…)
Wキャストのもう一人の方が降板してしまい、真彩ちゃんのシングルキャストになってしまったが、疲労も見せず、クリスティーヌとベラドーヴァを歌い続けてくれ、大満足でした[ひらめき]


チケットは3公演申し込んだうちの2公演しか当たらなかったため、ファントムは加藤和樹、カルロッタは石田ニコルのものしか観られず、(シャンドン伯爵だけは、大野拓朗城田優両方観劇)ちょっと残念だったが、どのキャストも素晴らしく、解釈違いの一切ない、最高の公演だった。
エリックのキャラクターも、ちょっと幼児性の抜けない部分が解釈通りで、加藤和樹の地団駄がめちゃくちゃツボでした[黒ハート]


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ミュージカル「ムーラン・ルージュ」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

「ムーラン・ルージュ ザ・ミュージカル」


<ORIGINAL CREATIVE TEAM>
BOOK:John Logan
DIRECTOR:Alex Timbers
CHOREOGRAPHER:Sonya Tayeh
MUSIC SUPERVISOR, ORCHESTRATOR, ARRANGEMENTS & ADDITIONAL LYRICS:Justin Levine
SCENIC DESIGNER:Derek McLane
COSTUME DESIGNER:Catherine Zuber
LIGHTING DESIGNER:Justin Townsend
SOUND DESIGNER:Peter Hylenski
HAIR DESIGNER:David Brian Brown
MAKEUP DESIGNER:Sarah Cimino
MUSIC PRODUCER:Matt Stine
CO-ORCHESTRATORS:Katie Kresek, Charlie Rosen, Matt Stine
DANCE ARRANGEMENTS:Justin Levine, Matt Stine
PRODUCER:Carmen Pavlovic, Gerry Ryan
PRODUCER:Bill Damaschke


<JAPAN PRODUCTION TEAM>
演出補:ジャシンタ・ジョン
振付補:ダニエル・ビリオス
稽古場振付:トラビス・カーン
音楽監督補:スティーヴン・エイモス
装置デザイン補:イザベル・ハドソン
衣裳デザイナー補:ジャネット・ハイン
照明デザイナー補:クリス・ハースト
音響デザイナー補:デヴィット・グリズリー
ウィッグ・ヘアメイクデザイナー補:カイリー・クラーク
テクニカルスーパーバイザー:リチャード・マーティン
プロダクション・ステージマネージャー:マディソン・バーケット


日本語版台本:瀬戸山美咲
演出スーパーバイザー:上田一豪
音楽スーパーバイザー:前嶋康明
照明スーパーバイザー:高見和義
音響スーパーバイザー :山本浩一
ウィッグ・ヘアメイクスーパーバイザー:馮 啓孝
テクニカルディレクター:田中孝昭
ステージマネージャー:徳永泰子
テクニカルマネージャー:寺﨑秀臣
演出助手:永井 誠
振付助手:大畑浩恵、飯作絵梨子
美術助手:松生紘子
衣裳助手:桜井 麗
照明助手:平安山良伍
音響助手:吉田早哉香
ウィッグ・ヘアメイク助手:松下よし子
アシスタントステージマネージャー:八木 茜
歌唱指導:高城奈月子、宮本美季、長谷川 開
稽古ピアノ:野口彰子、桑原まこ、村井一帆、栗山 梢、石川花蓮、亜久里夏代
稽古ドラム:萱谷亮一、岡山たくと
制作:龍 貴大、橋本 薫、斎藤凌子、髙山みなみ
アシスタント・プロデューサー:梶原亜沙子
プロデューサー:小嶋麻倫子、柴原 愛


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本公演は、かなりの出演者がWキャストになっている。
組み合わせによって、だいぶ印象が違う作品になると思うが、なにしろチケットが高額なので、井上芳雄×望海風斗主演の公演を一度だけ観劇した。最近のミュージカル作品のチケット高騰、つらすぎる…[もうやだ~(悲しい顔)]


事前情報を入れずに行ったので、劇場に入るなり、「赤の洪水」に戸惑う。
20世紀にだけど、一度だけ本物のムーラン・ルージュに行ったことがある。こんな感じだったかな[あせあせ(飛び散る汗)]


舞台は、19世紀末のパリ。
一人の若者がパリにやって来る。アメリカ人の青年、クリスチャン(井上芳雄)。
彼がまず出会ったのは、パリのボヘミアン、トゥールーズ=ロートレック(上野哲也)とサンティアゴ(中井智彦)。パリでエンターテイメントを作りたいと希望を語るクリスチャンに、それなら、ムーランルージュに行くといいと助言するトゥールーズたち。
一方、ムーランルージュでは、経営難に悩む、支配人のジドラー(松村雄基)が、モンロス公爵(K)にパトロンになってもらおうと、花形スターのサティーン(望海風斗)を焚きつける。しかし、ちょっとした手違いから、デューク(公爵)ではなく、クリスチャンに愛想を振りまいてしまい、クリスチャンは一瞬でサティーンに夢中になってしまった。
さらに手違いが続き、クリスチャンは、サティーンの部屋(ムーランルージュ名物の象の中に彼女は住んでいる)にまで入り込み、そんなクリスチャンにほだされて、サティーンも彼と恋に落ちる。けれど、歌姫は、籠の鳥。クリスチャンは間夫の立場で構わない、君を愛せるだけで幸せだと言っていたのだが、クリスチャンの作・演出でミュージカルを上演することになり、サティーンとの仕事が増すにつれ、デュークの存在が許せなくなってくる。
デュークは、娼婦あがりの場末の歌手とわかりつつも、サティーンの魅力に夢中になり、彼女を独占することを考え始める。そしてー


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サティーンの住む象は、右側の青いヤツね。
全体が赤い中で、ひとつだけ青い象は、とても目立っていて、観劇した人は、「象が…」とみんな言っているので、インパクト大なのは間違いない。


さて、ここから感想。
主な配役のほとんどがWキャストで、クリスチャン役は、井上芳雄(44)と甲斐翔真(25)のダブルで、これはさすがにどういうダブルキャストだと言われている。年齢的なリアルを求めて甲斐くんでチケットを取ったお客さんもけっこういたらしい。
でも、舞台上で見れば、芳雄でも全然違和感はなかった。
甲斐×望海は、以前、母と息子役で共演しており、それだって逆の意味でリアリティがない。どちらであっても、ちゃんと、関係性を見せてくれるのであれば、実年齢はすぐに気にならなくなる。井上のうまいところは、劇構造(本人のナレーションによる過去再生)を利用して、回想としての若い自分として演じた部分だろう。それによって、悲劇にも深みが出る。(彼が、壮年になっても痛みを忘れていないことが伝わるから。)


物語的には、「君と一緒にいられるなら、僕は秘密の恋人でかまわない」とか言っていたクリスチャンが、どんどんサティーンを情婦にする代わりに、ムーランルージュに出資するというデュークの前で、だんだん「サティーンは俺の女だ」という態度をとるようになり、デュークに色々バレそうになり…というサスペンスと、サティーンが長年の不摂生がたたって結核を患い、早死にしてしまうという悲劇が交錯している。
若気の至りとはいえ、クリスチャン、うざすぎる。
あと、このミュージカルは、既存のポップスを各場面に配して展開していく、ジュークボックス・ミュージカルの一種なのだが、時代が19世紀末ということで、さすがにエルトン・ジョンの「YOUR SONG」で愛が芽生えるっていうのは、なんか違う感じ。ちなみに、これらの楽曲は、著名人(「YOUR SONG」はユーミンとか…)が訳詞をしていて、話題作りに一役買っていた。
そういう、どこか、お祭り騒ぎのような舞台だったが、たとえば、ムーラン・ルージュのダンサーたちの中に、一人、女装の男性(シュート・チェン)がいたりするのだが、その属性みたいな部分は少しも語られないので、どうとらえていいかわからない。サンティアゴのような、南米出身のキャラクターも、どんなふうにフランスに流れてきて、どういう人生になっちゃってるのか、もう少しヒントがあれば、群像劇としてさらに面白く感じられるのにな…という気持ちが強い。


出演者に文句はないが、ミュージカルの日本版としては、ちょっと期待外れに思った。チケット代も高かったし、そこは文句をつけたいところ。
だいもん(望海)の歌と踊りと美しさを堪能したから、満足するしかないかな。


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ミュージカル「Trace U」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

Musical
「TRACE U」


演出:加古臨王
脚本・歌詞:月森葵
音楽監督:オレノグラフィティ


「ドバイ」という名のクラブ。
そこで演奏している、イ・ウビン(瀬戸かずや)とボーカルのク・ボナ(宇月颯)。ク・ボナは、演奏を途中ですっぽかすし、どうやら、ヤク中っぽい。
ボナの様子がおかしいのは、一人の女性に逢ってから。
彼女はその女性に恋をしていたー


(ここから全公演終了後)
ネタバレしないと感想が書けないので、ご容赦いただきたい。
この公演は、瀬戸&宇月のほか、津田英佑&榊原徹士、風間由次郎&榊原徹士のトリプルキャストで上演された。
瀬戸と宇月は、男役としてでなく、女性役として出演していた(ボーイッシュな女性たちだったが…)。
とはいえ、「恋した相手が自分を産んだ母親だった」という設定は逆にできないため、結果としてク・ボナはレズビアンの設定になってしまった。
この点については、ちょっと気になっている。
同じ脚本で、登場人物が異性愛者と同性愛者というのは、ずいぶん大雑把な設定だな…と。相方が異性愛者か同性愛者かで、イ・ウビンの立ち位置も変わったりしないのか…と。


会場は、ステージで客席を取り囲むような設営で、観客の席は敢えての丸椅子。好きな方をくるくる回って観てほしいということらしい。
なかなか真後ろを振り向くっていうのは難しくて、(後ろの席の方の顔をバッチリ見ちゃうことにもなるので)前方と横くらいまでしか観ることはできなかった。でも、周囲の方々が、トシちゃんとアキラ、どっちのファンなのかは、すごく伝わった。宝塚ファンとしては心温まる光景だったが、男性俳優さんだと、どうなんだろう[exclamation&question]
人気に差があったりしたら…とか、いらぬ想像もしてしまった。


ちょっとヤバい(ヤク中系)ボーカルのトシちゃんと、優等生なアキラ…キャラがしっかり立っていて、私もクラブドバイに行ってみたいな~と思った。
二人のゴージャスな雰囲気に、勝手にドバイにあるクラブだと思ってますが…違うんでしょうね、きっと。


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音楽劇「ダ・ポンテ」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

音楽劇
「ダ・ポンテ」~モーツァルトの影に隠れたもう一人の天才~


作:大島里美
音楽:笠松泰洋
演出:青木豪


美術:杉山至
照明:原田保
音響:山本浩一
音響効果:青木タクヘイ
衣裳:半田悦子
ヘアメイク:林みゆき(スタジオAD)
映像:松澤延拓
振付:新海絵理子
擬闘:栗原直樹
歌唱指導:満田恵子
稽古ピアノ:松木詩奈
監修:小宮正安
演出助手:陶山浩乃
舞台監督:中西輝彦
プロデューサー:仁平知世、田中利尚


後援:公益財団法人としま未来文化財団
主催:キョードーファクトリー
企画製作:東宝


今年、ダ・ポンテを主役にした公園が2つ独立して上演される運びになり、それじゃあ、両方観てみるか、となったので、こういう競合はアリだなと思う。


で、観劇してみたら、これ、両方とも日本オリジナル作品。以前観劇した「マドモアゼル・モーツァルト」といい、日本人、モーツァルト好き過ぎ[exclamation&question]もちろん、本作も「親友(同志)」という立場でモーツァルト(平間壮一)が登場する。
そして、全編を通して、モーツァルトの珠玉のメロディーがBGM的に使用されている。
こういう作品で音楽担当するって、どういう気持ちだろう…勇気あるよね[exclamation&question]でも、それぞれのナンバーは、とても美しい楽曲だった。笠松さん、ナイス[るんるん]


ロレンツォ・ダ・ポンテ(海宝直人)は、父の後妻に来て、召使のように使われているオルソラ(田村芽実)に思いを寄せていた。しかし思いは届かず、やがて、神学校に進学する。元々ユダヤ人の家系だったのにキリスト教の神学校に行ったため、ロレンツォはかなりのいじめを受け、そのうっぷんからか、女遊びに走り、とうとうヴェネチアを追い出される。
神学校時代、詩の才能を見出されたロレンツォは、その才覚を生かしてウィーンの宮廷劇場詩人を目指す。そのために、詐欺まがいのことにも平気で手を出したりも。ウィーンの宮廷で、ロレンツォは、アントニオ・サリエリ(相葉裕樹)に出会い、彼の指示するまま、オペラの作詞を手掛けることになる。
作品は不評で、するとサリエリは、その責任をダ・ポンテに押し付ける。
が、そんなときに出会ったヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトとコンスタンツェ(青野紗穂)の夫婦。ロレンツォとヴォルフガングは、「フィガロの結婚」という傑作を世に送り出す。そして、次には、「ドン・ジュアン」を。そして「コジ・ファン・トゥッテ」…
しかし、サリエリが再びロレンツォに接近したり、庇護者だった皇帝ヨーゼフ2世(八十田勇一)が亡くなったり、ヴルフガングもシカネーダーとドイツ語のオペラを作るようになったり、世の中が大きく変わっていく中、ダ・ポンテもウィーンを離れることになる。
その後、イギリスで、初恋の人によく似た女性(田村の二役)と結婚し、アメリカに渡って余生を過ごすのだが、ダ・ポンテが去ってすぐ、盟友のモーツァルトは死去してしまって、心に大きな傷を抱えながらの余生だったのかな…という気がした。(モーツァルトの倍以上生きたそうです。)


2月に観劇した「逃げろ!」ほどヤバい男でもなく、まあ若干詐欺的ではあったけど、女にもだらしなかったけど、才能もあり、不幸な生い立ちもあり、ミュージカル作品の主役っぽかったダ・ポンテさん、とっても素敵でした[黒ハート]
そして、モーツァルトをはじめとする周囲のキャラクターが、みんな素敵だった。
コンスタンツェも、悪妻モードでなく、心情が伝わりやすい。プリマドンナで居続けるために政治的に生きるフェラレーゼ(井上小百合)も逞しくて素敵。ここに出てくる女性、みんな魅力的だな~[黒ハート]と感じた。妻となるナンシー(田村)も明るくて優しくてほんと可愛い。
男性陣も適材適所。海宝直人の新しい魅力が感じられたし、相葉っちは、新機軸。とはいえ、サリエリも従来のイメージと違い、天然味のある憎めないキャラ。
そして、なんといっても平間モーツァルトが魅力的。これまで観てきたモーツァルトで一番、こういう人物だったらいいなーと思うモーツァルトだった。


よき観劇でした。


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「ダーウィン・ヤング」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「ダーウィン・ヤング 悪の起源」


原作:パク・チリ
台本・作詞:イ・ヒジュン
作曲:パク・チョンフィ
編曲:サム・デイヴィス、マシュー・アーメント


潤色・演出:末満健一


日本版編曲改訂・音楽監督・ピアノコンダクター:松田眞樹
振付:大熊隆太郎
美術:田中敏恵
照明:加藤直子
音響:ヨシモトシンヤ
衣裳:惠藤高清
ヘアメイク:武井優子
映像:横山翼、桜葉銀次郎
歌唱指導:西野誠、木村聡子
稽古ピアノ:中條純子
バンドコーディネート:東宝ミュージック
演出助手:高橋将貴、新早由季
演出補佐:吉本考志
音楽監督助手:長崎真音
振付助手:奥山寛
舞台監督:鈴木輝


翻訳協力:コン・テユ
韓国コーディネーター:高原陽子
企画:田窪桜子
制作:田中景子、中曽根さやか
プロデューサー:鈴木隆介、塚田淳一


オリジナル・プロダクション:ソウル芸術団
製作:東宝


いやー、すごい作品観ちゃいました[exclamation×2]
ネタバレがあるので、ミュージカル・演劇作品は、終了後に感想をアップしたりしているが、これはもう、待っていられない。とにかく観てほしい。なんかわからないけど、これは、目撃すべき作品です[exclamation×2]


特に韓ミュ苦手で、敬遠している方、ぜひぜひ[exclamation×2]
本作は、日本版のアレンジが効いているのか、歌唱的に「絶対歌えてないやん」なところがなく、(韓国のミュージカル俳優は音域が化け物の方が多く、日本で上演されると、キャストが歌い切れず、苦しい声を聴かされるので、日本版の韓ミュを苦手にしているミュージカルファンは、一定数存在するのです。)見事なのです、すべてが。


舞台は英語圏のどこか。たぶん、我々の世界線には存在しない国。どこかのディストピア。
国民は、1から9の階級に分けられ、主人公ダーウィン・ヤング(渡邉蒼※)はその最上級、1ランクに属している。ダーウィンは16歳。父、ニース(矢崎広)は、30年前、16歳だった時に殺された親友のことを今も悼んでいる。一見、円満そうに見えるヤング家だったが、ニースとその父、ラナー(石川禅)は、ギクシャクした親子関係を続けている。
※ダーウィン役は、大東立樹とのWキャスト。
伝統あるプライムスクールに入学したダーウィンは、好奇心旺盛な少年。学校の先生の言うことを聴くだけの同級生とは少し違う個性を持っている。同じように破天荒なレオ・マーシャル(内海啓貴)と意気投合した。
レオの父、バズ(植原卓也)は映画監督。30年前、バスとニース、そして亡くなったジェイ・ハンター(石井一彰)は、親友だった。今、ダーウィンとレオ、そして、ジェイの姪に当たるルミ(鈴木梨央)は、同じように、友情を温めていた。ルミは、一緒に、30年前の未解決殺人事件の謎を探ろうと言い出し、ダーウィンはそれに引きずられている。
教育部長官であるニースのIDで国立図書館のデータを入手したダーウィンは、ヤング家の秘密に気づいてしまい…


矢崎広の真骨頂を観た気分。
そして、渡邉蒼の高音の美しさ。なんだかんだ、全部持っていく、安定のさん。


ネタバレなしに書けるのは、ここまでかな。
すごいものを観た、としか言えない。素晴らしかったです。


25日までクリエで、そして、30日から7月2日まで、兵庫県立芸術文化センター阪急中ホールで上演しているので、もし、お時間がありましたら、ぜひぜひご覧ください。


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「ジャングル大帝」 [┣ミュージカル・音楽劇]

リーディング音楽劇[るんるん]
「ジャングル大帝」


原作:手塚治虫
脚本・作詞:福田響志
演出:ウォーリー木下
音楽:岩崎廉


振付:ホナガヨウコ
美術:伊藤雅子
照明:奥野友康
音響:岡田直樹
映像:大鹿奈穂
衣裳:屋島裕樹
ヘアメイク:伊藤こず恵
演出助手:坂本聖子
舞台監督:山本圭太


プロデューサー:江口剛史


制作協力:手塚プロダクション
協力:フジテレビジョン
協賛:チケットぴあ
主催/企画・製作:シーエイティプロデュース


手塚治虫の「ジャングル大帝」、有名な作品なので、内容も知っている(覚えていないだけで)と思っていたが、全然、まったく、ノータッチだったことがわかった。へえ、こんな話だったんだ[exclamation×2][目]


舞台上には、バンドのエリア、その手前に出演者の座るパイプ椅子が並び、そのさらに手前に、出演者が演技を行う、もう少し高いステージが設えられている。演者は三々五々登場、ダンサーの二人(ホナガヨウコ・池田遼)は、ステージ上でウォーミングアップをしている。ダンサーだけでなく、演者は全員裸足。そんなところに、「ジャングル大帝」という作品へのこだわりが感じられる。
もっくん太田基裕)もパイプ椅子の上で、ちょっと体をほぐしたりしていて、リラックスした雰囲気が感じられる。朗読で台本を読むから…か、黒ぶちの眼鏡着用。                          



ジャングルの王者、パンジャは、人間を敵視し、人間側と見做して家畜すら殺す非情なライオンだった。しかし、妻のエライザを守るために、パンじゃは人間に殺される。エライザは捕えられ、人間たちの手によって動物園に贈られるために船に乗せられた。その時、エライザは身ごもっており、船の中でレオを産む。
生まれたばかりのレオ(辰巳雄大)を故郷に帰そうと、エライザ(ダンドイ舞莉花)は、わざとレオに冷たくし、レオを旅立たせる。が、レオが船から飛び出した直後、嵐によってエライザの乗った船は沈没した。
アデンという港町に住むケン一(太田基裕)は、同じ学校のメリー(梅田彩佳)とその子分たちにいじめられていた。そんな時、ケン一はライオンの子どもを見つける。船の破片につかまってたどり着いたレオ(松崎祐介)だった。ケン一とレオは、すぐに仲良くなった。そんなある日、ムーンライトストーン(月光石)を探すというハム・エッグ(辰巳雄大)と娘のメリーを後援するヒゲオヤジ(福田悠太)は、親戚の子どもであるケン一をハム・エッグに同行させる。そして、ケン一と一緒にレオもアフリカに渡る。
人間と一緒に育ったレオは、洋服を着たりしていたが、かつてパンジャに仕えたオウムのココ(入野自由)に様々なことを教わりながら、レオ(福田悠太)はジャングルの王者への道を歩き出す。そしてドンガ族に殺され、敷物にされていた父の毛皮と悲しみの対面を果たしたり、囚われていたライヤ(松崎祐介)というメスライオンと出会い、彼女の仕えるリョーナ(ダンドイ舞莉花)という白ライオン(パンジャの姪)にも出会った。
ケン一は、ハム・エッグを亡くし、はぐれてしまったメリーが、ジャングラ族のコンガ女王になっているらしいと気づき、なんとか取り戻そうとする。レオ(越岡裕貴)は、パンジャに右目を潰されたブブ(越岡裕貴)と戦ったり、ライヤと結婚して子供ができたり…と、ジャングルの王としての生活が始まるが、ケン一と話したい一心で、人間の言葉も習得、意思の疎通ができたところで、それぞれの道に進んでいく。


戦いのシーンなどは、ダンサーの二人がライオンらしい動きで、こちらの想像を掻き立ててくれたり、アフリカらしいナンバーは、スペシャルコーラスの浦嶋りんこ、コーラスの小林遼介が、表現してくれる。
あと、思ったより歌が多かった。「スウィート・ホーム(埴生の宿)」以外は、全部オリジナルで、どれも素敵[黒ハート]もっくんの元気な姿も見られたし、今度ゆうひさんと共演する福田くんも拝むことができて、よき観劇でした。
梅田彩佳ちゃん、ダンドイ舞莉花ちゃん、入野自由くんもステキでした[黒ハート]


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