SSブログ

宝塚歌劇星組東京特別公演「オーム・シャンティ・オーム」観劇 [┣宝塚観劇]

マサラ・ミュージカル
「オーム・シャンティ・オーム~恋する輪廻~」

脚本・演出:小柳奈穂子
作曲・編曲:青木朝子
振付:御織ゆみ乃、AYAKO、KAZUMI-BOY
殺陣:栗原直樹
装置:二村周作
衣装:有村淳
照明:笠原俊幸
音響:大坪正仁
小道具:西川昌希
インド舞踊指導:野火杏子
歌唱指導:彩華千鶴
映像:奥秀太郎
演出助手:野口幸作
舞台進行:宮脇学
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ

新生星組のプレお披露目公演は、世界中で大ヒットしたインド映画を原作とした、名付けて“マサラ・ミュージカル”でした[るんるん]

原作映画は未見なので、改変部分とかはまったくわからない。
しかし、宝塚歌劇として、全然違和感なく、楽しむことができた。そういう意味で、マサラ・ミュージカルby小柳先生は成功[ぴかぴか(新しい)]だったと言っていいと思う。

第1幕と第2幕の間に30年の歳月が流れ、第1幕で命を落としたトップコンビは、第2幕では別の役で登場する。一方、第1幕で若々しく登場したその他の主なメンバーは、第2幕では年を重ねて登場する。
宝塚作品として、この辺は、斬新だな~と思う。
主役が1幕で死んでしまうとか、サブタイトルが「恋する輪廻」だから、生まれ変わるのね…と思うものの、大胆すぎる。死なない2番手は、2幕でオジサンになっちゃうし…[あせあせ(飛び散る汗)]

(だまっちは、デビュー作からしてそうだったよね…とかいう暗い過去は忘れるとして)

そもそも、インドでは、古来、生命は輪廻転生すると考えられてきた。その輪廻の輪を断ち切ることを解脱と言い、釈迦は解脱を目指して出家したのだとか。
それと、カースト制度(日本ではかなり誤解されている気もするし、私自身理解しているとは言い難いのだが…)があって、人は生まれながらに身分が決まっていたりする。
だから、オーム・ブラカーシュ・マキージャー(紅ゆずる)が、どんなにカッコよくてセンスがあっても、脇役俳優の息子である彼は、脇役俳優として生きていくことになる。親友のパップー(瀬央ゆりあ)が、芸名を変えろ[exclamation]と言うのも、たぶん、苗字を聞いただけで、どの身分に属する人間かが分かってしまうようなことがあるからじゃないかな…などと思った。

しかし、オームは非常に前向きで楽天的な性格。そして、夢もビッグ[exclamation]脇役というよりは、エキストラに近い役者なのに、ボリウッド映画の大スター、シャンティプリヤ(綺咲愛里)と恋に落ちる夢を諦めてない。そんなオームを、母親(美稀千種)も親友パップーも、なんか許して応援しているというのが、微笑ましくていい。
また、“死んだお父さん”役として、堂々写真出演をしているのが、夏美よう氏。これは、なかなか珍しいパターンじゃないだろうか。
ここ数年、夏美氏の息子役は不幸になる、という設定が多いように思うのだが、(たぶん始まりは、ヨン・ホゲ氏)オームもまた、写真だけの出演とはいえ、不幸を逃れることはできないのだった[爆弾]

オームの憧れの人、シャンティは、実は、野心的映画プロデューサーのムケーシュ(礼真琴)と秘密結婚していて、妊娠している。もう結婚を公表したい、というシャンティに対し、ムケーシュは彼女を呼び出して殺害しようとする。オームは、シャンティを救おうとして火の中に飛び込むが救うことはできなかった。
そして、絶望の中、映画スター、ラージェシュ・カプール(壱城あずさ)の車に轢かれて死んでしまう。
その日、カプールに息子が誕生した。
偶然にも、カプールは、同じ病院で死んだ可哀想な男と同じ名前を息子に付ける。

そして30年後、第2幕では、映画スターとなった、オーム・カプール()が、前世の記憶を取り戻し、母やパップーに再会する。
また、今や世界的なプロデューサーとなったムケーシュの罪を暴くため、オームの大ファンというサンディ(綺咲)に協力を頼む。そんなサンディは、シャンティにそっくり[あせあせ(飛び散る汗)]
第1幕で、街の大きな看板に映った大スターのシャンティに愛を訴えるオームという場面が何度も登場するのだが、第2幕では、その看板がオーム・カプールになっていて、サンディは看板の彼を眺めて愛を訴える。そんな一致点が微笑ましい。
作劇術ということもあるけれど、互いに焦がれる綺咲の芝居が本当に可愛くて…砂糖壺に飛び込んだような甘々な二人の雰囲気に、すっかりやられてしまった[黒ハート][黒ハート][黒ハート]

殺人や怨念が登場しつつも、あくまでもコメディの体を崩さない展開が面白く、歌やダンスが随所にあって、衣装もキラキラで、楽しい作品になった。
小柳先生、やっぱ、外さないわ~[るんるん]

新主演コンビは、シリアスにもファンタジーにも対応できる柔軟さが魅力。インドのコスチュームもよく似合って、キラキラのトップコンビ誕生[ぴかぴか(新しい)]という感じ。
新2番手のは、ショーヴラン役を前に、黒い役の予行演習かな、くらいに思って観ていたが、既に真っ黒でした…[ひらめき]
しかも、フィナーレは、まこっちゃん、どこー[exclamation&question]と、思うくらいのキラキラなスターさん[黒ハート]まだ、研8だというのに、全く危なげない2番手ぶり。
美稀の母親が、この複雑な物語のカギを握る見事な助演ぶり。
大スター役の壱城と映画監督の如月蓮が、しっかりと存在感を示しつつ笑いも取り、三枚目役として十碧れいやが笑わせる。瀬央は、中年となった第2部が渋くてカッコよく、意外な収穫。娘役は、なんといっても大スターであり、オーム・カプールの母を演じた愛水せれ奈の美しさが際立った。ラジオのアナウンサーのヴィミー(白妙なつ)は、ハリウッドにも似たようなキャラクターがいたような…と思わせる。これは、「ヴァレンチノ」を観た人に“これこれ!”と思わせるためだったのかしら[exclamation&question]

新生星組、最高の船出でした[exclamation×2]


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(2) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 2