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ショー「アクアヴィーテ!!」感想 [┣宝塚観劇]

ショー・トゥー・クール
「アクアヴィーテ!!-生命の水-」


作・演出:藤井大介
作曲・編曲:青木朝子、手島恭子
音楽指揮:佐々田愛一郎
振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、ANJU、百花沙里、中塚皓平
装置:新宮有紀
衣装:有村淳
照明:佐渡孝治
音響:大坪正仁
小道具:松木久尚
歌唱指導:彩華千鶴
演出助手:樫畑亜依子
舞台進行:香取克英


アクアヴィーテは、生命の水という意味で、藤井先生は、ウィスキーのことだと言っている。でも、お酒って、どれも生命の水なのよね[exclamation]ウオッカも生命の水という意味らしいし。


第1章 ザ・キング・オブ・リカーー酒の王者ー
音楽:青木朝子
振付:羽山紀代美


銀橋下から専科の英真なおきが登場して歌い出し、ショーが始まる。
トップシーンで、誰かが銀橋下から登ってきたら、トップさん[exclamation&question]2番手さん[exclamation&question]とオペラグラスを上げますよね[exclamation&question]
見事な、藤井先生のフェイントでした[exclamation×2]
(1990年の芝居「アポロンの迷宮」(作・演出:小池修一郎)でも、こんな演出があって、銀橋下から英真さん@まだ下級生が登場したんですよね。オールドファンには、あれ以来のだまし絵でした[わーい(嬉しい顔)]


第2章 ジェントルマン・クラブー紳士の社交場ー
音楽:青木朝子
振付:羽山紀代美


藤井先生のお酒シリーズ、本当に面白いのかな…と思っているクチですが、プロローグの衣装(光沢のある茶系の衣装って、なかなか珍しい)は、雰囲気があって、今回も素敵[黒ハート](Sante!!の衣装も好きだった[るんるん]
あと、舞台後方が巨大なバーカウンターになっていて、そこから生徒たちが次々に飛び降りてくるという演出も、なるほど[exclamation]と思った。こんな風に、ウイスキーがお客さんに提供されていくのね…[ひらめき]と、元気に飛び降りてくる琥珀色の衣装の生徒たちを眺めながら、感じた。
いや、それよりなにより、英真さんの場面が終わって、真風涼帆がセンターに浮かび上がり、バーカウンターの前に、男役たちがわらわらと登場する場面、ずっと見つめ合う、芹香斗亜和希そらに、けっこう心を奪われた。(腐のパワー[あせあせ(飛び散る汗)]
スポットの中で踊っている男女は、実羚淳愛咲まりあ。退団者への藤井先生の愛を感じる。
総踊りの場面は、羽山先生らしい振付で、皆さん、カッコよかったです[黒ハート]


第3章 ゴージャスリー・ブライトリーー華やかさとキレー
音楽:青木朝子
振付:百花沙里


総踊りから全体がハケた後、トップ娘役・星風まどかを中心とする娘役だけの場面でプロローグが終わる。星風は、こんな風にひとつの場面を任せられる安心感があるね[ひらめき]


第4章 ダウンタウン・ビーストーダフタウンの猛獣ー
音楽:青木朝子
振付:御織ゆみ乃


2番手スター、芹香を中心とした場面。
藤井先生、スターに猛獣役をやらせるの好きなんだけど…私はいまだに意図が分からない。
芹香が酒瓶片手に銀橋で歌っている(この歌が、また恥ずかしい歌詞なのだ…[あせあせ(飛び散る汗)])間、舞台上では、和希を中心とした男役たち(ビーストマンらしい)が踊り始める。ここも、キキソラなのね[るんるん](というか、キキソラ多かった[ハートたち(複数ハート)]
そして、カーテンが開くと、本舞台上には、女豹のようなビーストウーマンたちと、岩の上で、足をぴーんと上げたトゥシューズの女(ロフティドリーム)姿の実羚がいる。
ロックのビートで踊りまくるビーストたち。同じ振りをトゥシューズで踊り続けるロフティドリーム。アンマッチだけど、目を奪われる。
どんどん熱いビートで場を盛り上げるシンガーの和希瀬戸花まり。二人のデュエットは、息が合って、カッコよくて、最高だった[黒ハート]
超長い脚を駆使してトゥシューズで踊る実羚を観るのも、これが最後なんだな…と、しみじみ。宙組を観る楽しみのひとつでありました。


第5章 スモーキー・ナイトー煙った夜ー
音楽:手島恭子
振付:中塚皓平


あれ、この花柄の衣装は…[あせあせ(飛び散る汗)]
ワインをテーマにしたショー、「Sante!!」で男役たちが着ていた、あのチャラチャラした花柄じゃありませんか[exclamation×2]ウイスキーもワインも酔ってしまえば、花畑…みたいな[exclamation&question]
酒場の店主夫妻(寿つかさ・美風舞良)と、看板娘(星風)が、がんがんお酒を売りまくり、男女がカップルになって寄って楽しく踊る…という場面。真風星風も相当ヤバいデザインの衣装を着ているのだが、(柄on柄みたいな…)似合ってしまうのが、おそろしい…[あせあせ(飛び散る汗)]
最後は男女がペアになって踊るのだが、途中、遥羽らら天彩峰里が下手花道裾でいちゃいちゃしながら歌っているところが、個人的に大好きで、そこばかり観ていた[わーい(嬉しい顔)]


第6章 リファインド・テイストー洗練された味わいー
音楽:青木朝子
振付:若央りさ


桜木みなとを中心とする短い場面から、中詰が始まる。
暗闇で光る衣装が目立つ。藤井先生お得意の極楽鳥的メンバーが今回も(春瀬央季七生眞希)。黒の網タイツにブーツを履いて、細く長い脚を見せびらかしていた。宙組の男役、みんなスタイル抜群ね。
中詰は、全員が白い衣装で。微妙に黒のヒョウ柄がワンポイント。ウイスキーなのにヒョウ柄なんだ…てか、藤井先生、やはりアニマルテイスト好き[exclamation&question]
スターの銀橋渡りの中、唐突に和希が、白のダルマ姿で銀橋を渡る。なんだ、この大サービス[ぴかぴか(新しい)][揺れるハート]
普通、ダルマで登場したスターは、そのまま中詰ラストまでダルマでいてくれるのだが、歌って踊れる和希は仕事が多いので、ダルマはラストの総踊りには登場しないのだった[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
この辺で登場する「夜空にウイスキーレイン」という粋なナンバーは、西城秀樹の曲なんだそうで…。最近の大介&吉正は、ヒデキブームなんだな…[わーい(嬉しい顔)]
中詰の真ん中辺で、Wデュエットダンスが入る。真風・星風のトップコンビと、芹香・夢白あやWデュエットダンスは、かなり珍しくて、ここに入るトップ以外の娘役がよっぽど買われてないと実現しない。私の記憶にあるのは、花組時代の実咲凜音かな[exclamation&question]その後、一年以内に宙組のトップ娘役に昇格したと思う。
若い夢白と一緒にいると、星風がお姉さんに感じられるし、貴公子然とした芹香夢白の大人っぽいノーブルな魅力は、お似合いに感じた。
娘役二人が、連れ立って銀橋から花道に去ると、桜木が登場して、真風、芹香と三人が、銀橋で「ウイスキーが、お好きでしょ」を歌う。そのまま客席に下りて、観客に語り掛ける。かなり、こっぱずかしいセリフを…[あせあせ(飛び散る汗)]さらにそれぞれの愛称とウイスキーの名を掛けた恥ずかしいダジャレまで…[爆弾][爆弾][爆弾]
これをやり抜くなんて、ジェンヌの精神力、ハンパないな…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
再び総踊りになって中詰は終わる。
この時、次景で歌手を務める星吹彩翔桜音れいが、ハンドマイクを持って登場し、そのまま客席に下りるのも、けっこうツボだった。特に桜音は、超キュートなパンツ姿なので、目が釘付けになった。


第7章 ヒーローズ・テスティモニーー勇者の証ー
音楽:青木朝子
振付:百花沙里


星吹桜音[るんるん]ウイスキー・ボンボン[るんるん]と歌う中、和希を中心とした男役たちが踊る。ジャジーでおしゃれな、短くてインパクトのある場面だった。最後に和希をセンターに星吹桜音に銀橋を渡らせるのは、なかなか胸アツだった。藤井先生、GJ[exclamation×2]


第8章 ターストー孤高の渇きー
音楽:手島恭子
振付:ANJU


アルゼンチンのもぐり酒場。
そこに現れた一人の男(真風)。煙草を片手にタンゴを踊る男達とひと踊り。
咥え煙草で踊る場面もあるのだが、咥え煙草って難しいのね[バッド(下向き矢印)]オペラグラスで個々の顔を見ると、それほどカッコよくない。手に持っている方がステキだった。
そして、現れる一人の美女(秋音光)。美女をめぐる緊迫した男達の踊り。そして、真風秋音による、激しいアルゼンチンタンゴ。踊っただけなのに、やがて、男は倒れ、女は去って行く…藤井先生らしい1シーン。
意味を求めるのは、ショーでは無粋だけど、どうして、倒れちゃったの[exclamation&question]酔いが回っただけ[exclamation&question]
ダンサー・真風涼帆の魅力を伝える秀逸の場面ではあった。


第9章 リザウンド・リッチリーー豊かに響くー
音楽:手島恭子
振付:御織ゆみ乃


麦芽の発芽からウイスキーができるまで…の長い長い工程をダンスで表現する…という、チャレンジングなステージ。でも、宙組は、昔から、こういう全力群舞の場面がステキなので、今回も堪能した。
音楽に笛や太鼓を使っていて、ダンサー達も鉢巻のようにカチューシャを付けているせいか、和風な音楽によく似合う、祭りのような威勢の良さを感じる。
ダンスの振りの激しさ、ダンサー達のフォーメーション変化の激しさ、相当の運動量と思うが、一糸乱れぬ動きは見事だった。こんな風にして、ウイスキーは生まれていくのね…と思いつつ…なんか、大人の味というよりは、体育会の味だな…[わーい(嬉しい顔)]って思った。


第10章 ヴィヴァシャス・ホースー快活な馬ー
音楽:手島恭子
振付:百花沙里


上品な薄いグレーの衣装に身を包んだ瑠風輝夢白あやが、下手花道から登場して、銀橋を渡る。そのまま、ホワイトホースに扮したロケットガール達のナンバーへと引き継がれる。


第11章 アンバー・モーメントーバラ色のひとときー
音楽:手島恭子
振付:若央りさ


男役の群舞の前に、ピンクのドレスを着た娘役たちが真風に絡むシーンがあり、そこから、黒燕尾の男役のダンス(アンチェイン・マイハート)となり、曲調が変わって真風が歌う中、大勢のデュエットダンスに展開していくのは、とても美しかった。
真風・星風のデュエットダンスは、芹香が英語で歌う「男が女を愛する時」。曲の切れ目のところの芹香のポーズがカッコいい。ハケるところまでの一連の動きには、うっとりしてしまう。デュエットダンスは、手数の少ないしっとりとしたもので、最後に赤いバラを星風に贈ってからのポーズが美しかった。


第12章 アクアヴィーテ!!-生命の水ー
音楽:青木朝子
振付:若央りさ


エトワールは小春乃さよ
バラエティに富んだショーの最後は、レビューっぽくたくさんのスターをセンターで下ろしていて、楽しく眺めることができた。藤井先生、なんだかんだで、お酒のショーは、クオリティーが高いわ[黒ハート]
ベタすぎるギャグさえなければ…ね[爆弾]


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初ヨガ [┣身辺雑事]

1月も末になって、ようやく新年初ヨガに行くことができた。


決算で忙しく、なかなか行けなくて…[もうやだ~(悲しい顔)]


でも、やっぱり、行くと、スッキリする。


退勤時間ピッタリにオフィスを出ないと、間に合わないので、本当に行けるかどうか、毎回綱渡りなのだが、今年こそ、しっかり通いたいと、あらためて心に誓った。とりあえず、月に一度は必ず[パンチ]


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私の#KuToo [┣かんがえごと]

昨年、「#MeToo」運動(性暴力・セクハラ被害経験を受けた、と告発する人々を支援するために、「私も同じような被害を受けた」と語って援護射撃。ツイッター上で#MeTooのハッシュタグをつけて世界の女性が連帯した。)をもじった、「#KuToo」運動が話題になった。
会社でパンプスなどを履く事を義務付けられる(一部の業種では、こういうことがあるらしい)ことに対して、「NO」という運動だ。これに対して、多くの女性が賛同したが、心無い意見を述べる男性陣や、「私がハイヒールを履くのは、私の勝手。その権利を奪わないで」という女性の意見などが入り乱れ、大騒ぎになった。
その頃は、「選択制夫婦別姓」と同じく、やりたい人はやればいいし、「NO」な人のために、規則を変更してあげたらいいのに…と、私は思っていた。


しかーし[exclamation×2]


ヒールは、本当にダメなんです。
多くの女性は、加齢の後、足に負担を抱えることになります。


足.jpg


この見事な外反母趾をご覧ください。これが、20年以上ヒールを履き続けた私の足です。
(あまりにリアルが醜いのでモノクロにさせていただきました。)


現在、外反母趾+巻き爪で、医者通いをしています。
ずっと巻き爪に悩んでいたのですが、外反母趾を直さない限り、巻き爪も治らないそうです。
もはや、指を折り曲げることもできないほど、足裏の筋肉が弱っていました。つまり、ヒールは現代の纏足なのです[exclamation×2]


私の場合、どんな靴でも足が馴染むので、靴を選ばない足だったことも、よくなかったのかな…と、今は思います。ヒール履いて走り回っていたあの時代の私に言ってやりたい。
「ヒール、やめなさい」
と。


今、楽しくヒールを履いている女子の皆様、外反母趾になっているようなら、早めに整形外科に行ってください。そして、医師の指導のもとに、靴を選んでくださいね。
加齢と共に、たいへんなことになりますよ…。


そして、パンプスを強制している企業は、女性の健康を奪っているということを自覚すべきです。今すぐ、#KuTooへの賛同をお願いします。


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東宝のトイレは… [┣ヅカネタ]

いつも、思っているのだが、東宝のロビー階(2F)のトイレ、分岐点のところに立ち止まるのではなく、あと一歩進んで、各トイレ列のところまで、各1名ずつは進んでよいと思う。
そこなら、トイレが空いているか目視できるからだ。
出た人の数だけ、進んでいく…というのは、数人単位で出入りした場合、すぐにズレが生じる。
中には、あと〇人空いてるわよ[exclamation]と教えて下さる方もいるが、たいがい、〇人の数字は間違っている。ドアを閉めていないだけで塞がっている個室もあるからだ。
誰かが出たらそこへ進む、それを目視する、そこが重要。
右に行っても左に行っても1分も変わるわけじゃない。どちらかに進んでお待ちください、って、壁にも貼り紙がしてあるし、ここを守ることで、全員がストレスなく利用できると思うのだ。


あと一歩、右か、左に[exclamation×2]


トイレ.jpg


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テセウスの船 [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

日曜の夜、「あなたの番です」で眠れない日々を過ごしていたあの頃から、早、数ヶ月。「いだてん」を楽しみ、「グランメゾン東京」でスッキリしていた前クールから一転、再び、眠れぬ夜がやってまいりました。


「テセウスの船」-
予告見た時に、「これはやばいやつや」と思って見ていなかったのに…見逃し配信で第1話を見てしまい…嵌まってしまった…
終わった…
日曜の睡眠が奪われた…
原作があるので、ネタバレ情報もありつつ、既に原作と違う部分も出てきているようなので、最後まで楽しみにハラハラしたいと思います。


今シーズンは、見たいドラマが多く、嬉しい悲鳴です。
謎解き多いのよね…


あ…あと、アニメも。
(かいちゃんが出てるやつね)


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宝塚歌劇宙組東京公演「イスパニアのサムライ-El Japon-」 [┣宝塚観劇]

宝塚ミュージカル・ロマン
「イスパニアのサムライーEl Japon-」


作・演出:大野拓史
作曲・編曲:玉麻尚一、高橋恵
音楽指揮:佐々田愛一郎
振付:峰さを理、平澤智
殺陣:清家三彦
装置:新宮有紀
衣装:河底美由紀
照明:氷谷信雄
音響:大坪正仁
小道具:西川昌希
歌唱指導:彩華千鶴
映像:九頭竜ちあき
演出助手:生駒怜子
舞台進行:香取克英


大野先生のフィクションと史実が入り混じった作品を観るのは、「NOBUNAGA」以来かな[exclamation&question]
舞台はスペインなのに、マカロニ・ウエスタン的風変わりな作品…というか。まあ、大野先生が楽しんで作ってるな~というのは感じたので、よかったね[黒ハート]と、大きな愛で包んでおきたいと思います。


江戸時代の初め(慶長18=1613年)、仙台藩の伊達政宗は、藩で船を建造して、スペイン及びバチカンに使節を送った。教科書に出てくる支倉常長の慶長遣欧使節団である。その時、随行した日本人の一部が、長い滞在期間(4年弱)だったため、現地に家庭を持ち、帰国しなかった。その人々の子孫が、現在も、ハポン(日本)という姓を持って暮らしているのだとか。
という、史実が下敷きになっているものの、本筋は、大野先生創作のラブストーリーとなっている。


主人公の蒲田治道(真風涼帆)は、仙台藩から和賀家に派遣され、岩崎一揆に参加した武士。史実では戦死したこのキャラクターを生かしてスペインに派遣するところから、大野先生のフィクションは始まる。登場人物も、日本人、スペイン人と多彩で面白い。
ラブストーリーなのに、主人公が、無口な武士なため、一気に展開しないのも面白いし、番手スターのキャラクターもそれぞれ個性があって、楽しめる。娘役もそれぞれしっかり見どころがあるし、脇役の演技巧者たちも、見せ場がある。
座付き作家として、しっかり仕事をこなしている大野先生には頭が下がるが、どういうわけか、中盤、眠くなる。けっこうな回数観劇したのだが、My楽に、おお、こんなシーンが[exclamation×2]なんてことがあった。これまで、作品が酷すぎて眠くなったことは数あれど、面白いのに寝てしまう…というのは、どうしたことか[あせあせ(飛び散る汗)]
私も年取ったってことかしらね[exclamation&question](体力の低下[爆弾][爆弾][爆弾]


では、出演者感想です。


真風涼帆(蒲田治道)…口跡に硬いところがある真風なので、武士は、似合いのキャラクター。無口で、真面目で、女性への対応もスマートじゃなくて…そういう男性像がピッタリ嵌まった。ラストシーンのテレが、とても可愛かった[黒ハート]


星風まどか(カタリナ)…コリア・デル・リオの街道(聖地サンティアゴ・デ・コンポステーラに向かう街道のひとつ)に面した宿屋の女主人。婚礼の朝に夫を殺された、という過去を持つ未亡人。夫婦の過去の会話が音声で再現されるが、夫役は真風なので、たぶん、死んだ夫は、治道に似たタイプだったのではないか、と思う。宿を守るために、治道に剣術の弟子入りをするのだが、そういう一本筋の通った気の強い女性が似合うなぁ~と思う。だんだん治道に惹かれていく心理描写も丁寧。ラストシーン、さっくりと治道を受け入れるところが、オトコマエだった。
※サンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼道は、日本で言うと熊野古道。たくさんのルートがあることも共通している。巡礼道が数珀キロに及ぶ「道」の世界遺産は、ふたつだけ…ということで、現在「共通巡礼」の取り組みが行われているとのことです。


芹香斗亜(アレハンドロ)…流れ者の剣士。でも実は、レルマ公爵の息子(五男)…という[あせあせ(飛び散る汗)]充実期の男役ならではの肩の力の抜けた洒脱な立ち姿[ぴかぴか(新しい)]ラストシーン、治道とカタリナを結びつける粋なセリフが似合っていた。とはいえ、今の芹香であれば、もう少し難しい役どころを与えても応えられるはず。芹香だからこそ魅力的にできた役ではあるものの、いささかの役不足感は、あったように思う。


英真なおき(ドン・フェルディナンド)…大農場主。当時のスペインでは、モリスコ(改宗イスラム教徒)追放政策により、深刻な労働力不足に見舞われていた。そんな中、密輸入した日本人奴隷を使って大儲けし、金の力で貴族の地位を買おうとしている強欲なおじさん。カタリナに横恋慕していて、その夫を殺させた…という過去がある。いやー、お主も悪よのぉ~[揺れるハート]英真さんに任せておけば、何の不安もありません[るんるん]


寿つかさ(支倉常長)…歴史の教科書にも出てくる慶長遣欧使節団の団長。真剣な場面、コメディリリーフ的な場面、それぞれで、いい味を出している。そんな中、この旅のことについて、自分達は役目を果たせたのだろうか…と自問する場面に、ぐっと来た。


凛城きら(レルマ公爵)…国王フェリペ3世の寵臣。政治面を取り仕切っていた実在の人物。というわけで、存在感がすばらしかった[ぴかぴか(新しい)]終盤、農場に乗り込んだ場面での、アレハンドロとのやり取りが、なんともステキ[グッド(上向き矢印)]なんだかんだで、息子愛は強いらしい。


松風輝(内藤半十郎)…使節団のナンバー2みたいなポジション。治道たちよりは年長で、張り切ると腰痛が出てしまうらしい[あせあせ(飛び散る汗)]組長同様、深刻な場面と息抜きになる場面の対応が的確で、作品の要になっていた。


星吹彩翔(フェリペ3世)…スペイン国王。実務はすべてレルマ公爵に任せていたらしい。でも、本作品のフェリペさんは、超軽い言動ながら、しっかり現状を認識し、指示も与えている。サヨナラの配慮かな。ステキなフェリペさんでした[黒ハート]王妃役の美風舞良もしっかり国王を際立たせていたと思う。


美月悠(伊達政宗)…めっちゃ色っぽい殿さまでした[黒ハート]剣舞の時、なぜか、周囲に人が居なくなる…という辺り、仙台藩の警備はどうなっているんだろう[exclamation&question]と思ったが、いやいや、それは、作十郎と二人きりになるためかも[exclamation&question]と思わせるほど、したたる色気がありました[揺れるハート]


桜音れい(バランシャ伯爵夫人)…レルマ公爵の娘だそうです。日本から来たサムライにも興味津々だったし、新しく貴族の地位を得ようとする農園主にも興味津々…という、アバンチュールを求める享楽的な奥様役。一応、ツバメのカルロスをキープしていて、都合が悪くなると呼ぶところが面白かった。楽しそうにサヨナラ公演を過ごしているな~と、嬉しく思いました。


春瀬央季(ウセダ公爵)…レルマ公爵の息子…ということは、アレハンドロの兄。さすらいの用心棒みたいになっているアレハンドロを連れ戻して教育すると言っているが、そんなに真面目な兄上に見えない辺りが、春瀬だな、と思う。あ、褒めてますよ。


桜木みなと(エリアス)…ドン・フェルディナンドの息子。カランサの名門剣術学校で剣術を学んでいたが、彼に貴族の地位が与えられることになったため、父に呼び戻される。そうとう、こじれた性格。こじれまくり方が、可愛かった。そして、ラストシーンでアレハンドロに握手を求める姿が可愛すぎた[黒ハート]剣術の腕には自信があったらしいが、あまり強そうな姿を見られていない…[バッド(下向き矢印)]


七生眞希(只野作十郎)…伊達政宗の小姓。武家と小姓の間では常に衆道疑惑があるものだが、政宗と作十郎の関係は、恋文が残っていることから史実であると認識されているとか。色小姓に相応しい美形だった。でも、剣舞の暗殺者を一人で相手していたので、実はかなり強いと思う。


和希そら(藤九郎)…和賀一族の生き残り。岩崎一揆の際、仙台藩に見捨てられたことを恨んで、慶長遣欧使節出港の宴に乗じて、政宗暗殺を謀るが、治道に妨害される。藤九郎だけは、姉の仇である治道を狙っていたため、撤退せずに治道を襲うが、捕えられ、遣欧使節の一員として治道ともども出港することになる。スペインで、治道と行動を共にするうち、彼を慕うようになる。役もそもそもおいしいのだが、和希の芝居がきゅんきゅん[揺れるハート]させてくる。藤九郎はいい感じのこじらせ方なんだよね。ラストのぼそっと言うセリフ(男女の誓いといえば、ねぇ…みたいな)が、またいい[exclamation]しかも、このセリフを彼が言うことで、死んだお姉さんも含めて治道の幸せを願っている…と感じられることもいい。ただ、治道の命を狙うには、あまりに弱い気が…[バッド(下向き矢印)]


遥羽らら(藤乃)…藤九郎の姉で、治道が和賀一族に派遣されている間に恋仲になった。治道が戻って共に戦ってくれることを信じ、落城と共に死ぬ。回想シーンにだけ登場。限定的な出演だったが印象を残した。


瑠風輝(西九郎)…仙台藩士。慶長遣欧使節団の一員。夢想願流の使い手。治道は、西に憧れて剣の道を志したが、今では、治道の方が腕を上げている。学年差を乗り越えて、先輩に見える立ち居振る舞い、頑張ったね~[黒ハート]


天彩峰里(はる)…欧州に売られた日本人奴隷。ドン・フェルディナンドの農場で働かされていたが、逃げ出し、治道と出会う。治道に剣を学び、ドン・フェルディナンドの屋敷から奴隷売渡証書を発見するなど、大活躍した女剣士チームの中心人物。いやー、可愛い~[かわいい]可愛くて元気で、こちらも楽しく観ることができた。


その他、女官・道化のトリオ(綾瀬あきな・瀬戸花まり・留依蒔世)、ドン・フェルディナンドの傭兵(穂稀せり・若翔りつ・希峰かなた)など、適材適所の起用だったが、もう少し冒険も見たかったかな。


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舞台「RED&BEAR」観劇 [┣演劇]

「RED&BEAR~クイーンサンシャイン号殺人事件~」


原作:林 誠人
脚本:天真 みちる
演出:中島 庸介(オフィス上の空/キ上の空論)
音楽:遠藤 浩二
プロデューサー:丹羽多聞アンドリウ(BS-TBS)
舞台監督:西川 也寸志(箱馬研究所)
美術:田中 敏恵
照明・映像:関口 裕二(balance,inc.DESIGN)
音響:百合山 真人(エスイーシステム)
衣装:鈴木 真育
ヘアメイク:工藤 聡美
主催・企画・制作: 2020年RED&BEAR製作委員会(BS-TBS・MIXER・キングレコード・明治座)


七海ひろき、宝塚退団後の初舞台…ということで、舞台「RED&BEAR」を観てきました[黒ハート](ちなみに、そんな七海さんのDSに行った私のポンコツな微かな感想はこちらです。)


豪華客船「クイーン・サンシャイン号」の船上では、人気バンド“ヒア・カム・ザ・サン”の特別公演が行われていた。が、その演奏中に、ドラムのショウヘイ(三原大樹)が背中を刺されて死亡。船にたまたま乗り合わせていた刑事の熊田(西岡徳馬)と、脅迫状を気にしたマネージャーの荻原(新田恵海)から依頼を受けた探偵のRED(七海ひろき)が、この事件を解決すべくタッグを組むことになる。
しかし、続いて、ベースのタイセイ(遊馬晃祐)が毒殺され、自分が犯人だと名乗り出たリーダーのチヒロ(正木郁)は、拳銃で頭を撃ち抜かれて死んだ。犯人は、1年前に死んだ元メンバー[exclamation&question]一人残されたハルカ(近藤頌利)にも犯人の手が伸びる…[exclamation×2]
パーサーの伊藤(佐奈宏紀)、舞台スタッフのメンバー(堀田優希・柴小聖)、そしてREDの助手の沢口(後藤夕貴)も含め、誰が犯人なのか…RED&BEARの推理が始まるー


実のところ、私は、ユーモアミステリとか、コメディミステリという分野が苦手である。
なぜなら、そこで人が死んでるのに、コメディとかあり得んだろ…と思うからだ。
そして、今回の作品、次々にヒアカム(バンド)メンバーが殺されていく。人気バンドのメンバーが公演中に殺害されただけでも、パニックものだというのに、あっという間に4人のメンバーのうち3人が死んでしまうのだ[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
笑ってる場合じゃないだろ…[むかっ(怒り)]と思う。
しかも、舞台は豪華客船。その中に設えられた劇場の中だ。密室in密室である。そこで、どんどこ人が殺されて、客席は、ほぼヒアカムのファンという設定。REDがどんなにイケメンで名推理だったとしても、パニックになってるだろ、少なくともタイセイが殺されたあたりで、統制不可能な状況に陥っているのは間違いない。
さらに、メンバーを全員殺せば犯人の目的が達成される…という状況下、4人中3人まで殺されたんだったら、RED&BEAR、ほぼ負けてんじゃないかと思う。


とはいえ、七海演じるRED様はめちゃくちゃカッコよかったので、その辺は水に流してやろう…と思う。
REDは、“性別不詳”という設定だそうだが、別に普通に男子で良かった気がする。男役ではなく、男性役も演じる役者…それが七海の身上なのだし、実際、REDが男性ということに、違和感はなかったのだから。
REDがイケメンなのは当然として、その他、出演した男性陣は、皆さんイケメンで、女子は皆さん可愛かった。芝居部分の終了後、ヒアカムメンバーが生き返ってフィナーレのライブへと突入するのだが、それぞれのキャストカラーのペンライトが振られていて、(七海さんのファンの方達も、七海さんが出てくる前は、別カラーのペンライトを振っていたり…[わーい(嬉しい顔)])こんな風に、うちの推しもステキだけど、そちらもステキですね[かわいい]みたいな無言の交流って、心温まるな~[いい気分(温泉)]なんて思った。七海さん登場時には、客席全体がペンライトの色を赤にしてくれるし[ひらめき]
ちなみに、私は、チヒロくんが可愛いな[ハートたち(複数ハート)]と思っていました。


今後、シリーズ化しても面白いバディもの。次は、コメディ色を少し抑えたトーンでもいいかな…と思った。


さて、このヒアカム、メジャーデビュー直前にドラム担当が変更になった、ということが、事件のキッカケになっている。そして、ベース担当は左利きである。そもそも、グループ名は、英語にすれば、Here Comes the Sun[exclamation×2]
ビートルズを意識して書かれているんですね[るんるん]
(Here Comes the Sunは、アルバム「アビーロード」に収録されている楽曲)


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「DANCE OLYMPIA」感想 その2 [┣宝塚観劇]

柚香光のプレお披露目公演「DANCE OLYMPIA」、第1部の感想は、こちらです。


第2部は、ショー形式。
ただし、大劇場公演のショーとはだいぶ趣が違う。たった2週間の公演ゆえに、稲葉先生は、とんでもないステージを創り出した。正直、初見の時(2日目)は、こんな公演、やってもいいんだろうか[exclamation&question]とまで思った。
かれーくん、おめでとう[るんるん]的、のーてんきな気分で劇場に来て、第1部で、まんまと、にまにまへらへらした私は、第2部で、冷水をぶっかけられたような気持ちになった。こんなことやって、かれーくんが潰れたらどうしてくれるのー[むかっ(怒り)]とも思った。
座付演出家の、団員に対する、厚い信頼と、確かな判断あればこそ…だったのだろうか。2回目に観劇した時は、安心して観ることができたし、柚香光に対する尊敬の気持ちは、さらに強まった。
まあ、でも、もし、1回しか観ることがなかったとしたら、稲葉先生に対して、「かれーくんを潰そうとした」という印象を拭えなかっただろうし、そう考えると、かなりデンジャーなことしてくれたな[爆弾]というのは、間違いないと思う。
それと、もうひとつ気になったのは、会場での写真撮影。
2日目の時は、「開演中でなくても場内での写真撮影は禁止」ということを、ものすごくアナウンスしていて、実際、注意されていた人もいた。それが、10日以上経過した2回目の公演では、特にアナウンスもなく、撮影している人をスタッフもスルーしていた。同じ公演中に、こういう変更はまずいんじゃないかな…[爆弾]と思う。
(舞台に関するすべての権利は、宝塚歌劇団にあるので、貸ホールである国際フォーラムが、「DANCE OLYMPIA」の吊り物などの撮影を注意するのは当然のことで、博多座などでも同じことが行われている。宝塚ファンは、東京宝塚劇場でOKだから平気で撮影しているし、注意されたら鼻白むと思うけど。)


S1 Japanese Drums
音楽:高橋恵
振付:百花沙里
和太鼓指導:吉村靖弘
第II幕は、和のシーンから始まった。
出演者全員が和太鼓を叩き、その高揚感溢れるリズムが、新しいトップスターの誕生を祝うようでもあり、2020年の幕開けを祝うようでもあった。
トップの柚香は、途中から舞台中央に設えられた大太鼓を叩き始める。それに、全員の太鼓が呼応する場面は、新生花組への期待で胸弾むよい場面だったと思う。
テーマ曲「DANCE DANCE DANCE」も歌われ、会場で販売されているタオルを使った客席参加場面もある。振付も簡単で、タオルを持っていなくてもクラップで参加することもできて、色々と配慮されてるなーと思った。
場面終了後、柚香が一人残って、「東京の屋根の下」を歌う。
ちなみに、1948年発売だそうです。すごいな。稲葉先生、どこで知ったんだろう[exclamation&question]


S2 Salome
音楽:高橋恵
振付:若央りさ
有名なオスカー・ワイルドの戯曲「サロメ」を、永久輝せあ(サロメ)と聖乃あすか(ヨカナーン)のダンスで見せる。あれ、そういえば、去年の彩風咲奈主演公演でも劇中劇に「サロメ」が使われていた。若手の先生方、サロメが好きなのかしら[exclamation&question]
ダンスだけだと、嫌がる聖乃を追いかける女装永久輝にしか見えないので、語り部という役どころが設けられている。語り部は、美花梨乃。この公演の最上級生娘役だ。前回本公演で、謎の老婆という難役を演じただけあって、娘役ながら、迫力の語り口。サロメの情熱が乗り移ったかのような熱く、色っぽい語りだった。
その永久輝サロメ、できれば、腹も出してほしかった…というのは、多くを望みすぎかもしれないが、女役だから…というシナを作ったりせず、サロメという人間のパッションの化身となったかのような踊りがステキだった。聖乃は、腰が引けていて、逃げ惑う姿が、妙にセクシーだった。


S3 Xango
音楽:太田健
振付:森陽子
パーカッション演奏:Kahlil Cummings
シャンゴは、ブラジルの民間信仰に出てくる雷の神の名前だそうだ。
なので、この場面は、カポエイラの振付で宝塚でもおなじみ、森陽子先生の振付場面になっている。
民俗舞踊のようなダンスシーンで、女役の衣装も、着ぐるみのようで面白い。オシュン役の華優希は、大きな衣装に着られる感じも可愛い。が、イアンサン役の水美舞斗は、オシュンの色違いのような衣装なのに、私は、「女装してるけど、男の神」という設定に違いないと思ってしまった。
すごいな、男役10年超えて、もはや、女役をやっても女に見えない[exclamation×2]しかも、この場面、腕とか背中が見える衣装だというのに…[あせあせ(飛び散る汗)]水美舞斗の筋肉は、既に日本の宝ですな[ぴかぴか(新しい)]


S4 Latin Passion
音楽:高橋恵
振付:若央りさ
みんな大好き「クンバンチェロ」からのラテン場面。
ここは、宝塚らしいショー場面になっていたと思う。柚香の衣装がシックで、ラテン調の場面には珍しいと思ったが、すごく似合っていて素敵だった。


S5 Explosion
音楽:高橋恵
振付:平澤智
名曲「トゥーダーン・ホット」に乗せた若手だけのダンス場面。
数人ずつ出てきて踊り継いだり…と、かなり美味しい場面になっていた気がする。
ただ、このシーン、手拍子が入っていたのだが、手拍子するには、カウントが早すぎる気がした。手拍子しながらでは、せっかくの平澤先生の絶妙な振付が堪能できないため、私は観ることに専念させていただきました。
ごめんね…[たらーっ(汗)]


S6 Spanish Fantasy
音楽:太田健
振付:佐藤浩希
ギター演奏:斎藤誠
2日目の公演で、私が「大丈夫か[exclamation&question]」と思ったのはこのシーン。
激しいソロダンスの途中、歯を食いしばって踊りを続ける柚香の姿に、「美しい」と感じるより、「心配」になってしまったのだ。それほどまでに「宝塚」の枠を大きく超えた、超絶技巧のフラメンコだった。
このシーンは、柚香のソロだけでなく、デュエットダンス、群舞、そして、まったく雰囲気の違うバストン(ステッキ)や、マントン(ショール)を使った楽しい場面があったり(でもテクニック的には難しい)、構成時間も長く、圧巻の連続だった。
こんな場面の音楽として、かつて、ゆうひさんが踊った「かもめ」(Red Hot Sea)が使われているって、なんだか不思議な気がします。(一般的には、「哀しみのコルドバ」オープニングの曲ですね。)
シーンの最後は、永久輝のソロ歌。新しい旅立ちを歌う楽曲は、新生花組のことでもあり、花組生としてスタートを切った永久輝自身のことでもあり、なんか、納得[るんるん]


S7 Takarazuka
音楽:高橋恵
振付:御織ゆみ乃
1921年10月、宝塚に花組と月組の二つの組が誕生した。2020年は、花組さん研100の年…ということで、花組で使用された楽曲のメドレーが最後のシーンとして用意された。
花組だけど、出演する生徒の衣装は、淡い黄色×金×白で、どっちかというと月組っぽい。ま、月組さんも研100だもんね、いっか。
「モン・パリ」など昔の楽曲に始まり、「ジタン・デ・ジタン」「ジャンクション24」「Asian Sunrise」など最近の(あ…もう最近でもないのか[あせあせ(飛び散る汗)])曲まで楽しませてもらった。初めて観た時は、えー、なんか、これ、かっこいいのかなぁ[exclamation&question]と思った“エイサー”のナンバーも、20年経つとノリノリのナンバーに思えるのだから、ヅカファンはやめられない。最後の曲は、「心の翼」。ずっとショーの楽曲で綴って来て、最後は、「テンダー・グリーン」という芝居のナンバーだったけど、花組的には、この曲は外せないということかもしれない。(宙組にとっての「明日へのエナジー」的な感じ[exclamation&question]


S8 Finale
音楽:高橋恵
振付:百花沙里
最後にもう一度、「DANCE DANCE DANCE」で盛り上がり、タオルをもう一回使う指示はなかったが、クラップで一体感を感じて終了。よき新生花組の船出だったと思う。


新生花組のトップコンビは、共に歌が弱い。
そして、柚香光は稀代のダンサーなので、ダンス中心のショー作品という演目は、とてもいい選択だったと思う。他の出演者についても、歌がメインになる場面は少なく、ダンスシーンが生きるような構成で貫かれ、歌唱が伴うダンスシーンは、カゲ歌を使うという徹底ぶり。
こんな形でダンスに特化する公演はとても挑戦だし、柚香光という若いトップスターの、期間限定公演だったからこそ、できたのかな…と思った。大劇場のお披露目公演は1本もののお芝居だし、今、踊らなくていつ踊る[exclamation]みたいな企画だったのかもしれない。


一時はすごく心配したけれども、やっぱり、圧巻は柚香のフラメンコかな…[黒ハート]あのストイックな美しさ、ちょっと忘れられない。


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宝塚花組東京特別公演「マスカレード・ホテル」観劇 [┣宝塚観劇]

ミステリアス・ロマン
「マスカレード・ホテル」
~原作 東野圭吾「マスカレード・ホテル」(集英社文庫刊)~


原作:東野圭吾
脚本・演出:谷正純
音楽監督・作曲・編曲:吉崎憲治
作曲・編曲:植田浩徳
振付:尚すみれ、御織ゆみ乃
装置:新宮有紀
衣装監修:任田幾英
衣装:加藤真美
照明:勝柴次朗
音響:切江勝
小道具:下農直幸
演出助手:熊倉飛鳥
舞台進行:荒川陽平
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:藤枝太一
制作補:恵見和弘
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:阪急電鉄株式会社


東野圭吾の人気小説で映画化もされた「マスカレード・ホテル」を宝塚で上演[exclamation]
木村拓哉&長澤まさみ主演の映画を見たのは、もう1年前…になるのか。びっくり[あせあせ(飛び散る汗)]あ、ミニ感想はこちらです。


宝塚版の「マスカレード・ホテル」は、木村拓哉が演じた新田役を瀬戸かずや、長澤まさみが演じた山岸役を朝月希和が演じる。宝塚でも、原作のあるミステリ作品を上演したことは何度かあったが、そのまま現代日本人の役を日本人名で演じるのは珍しい。
11年前の「逆転裁判」は、成歩堂龍一じゃなくて、フェニックス・ライトだったもんね。少しずつ、宝塚も変わってるんだな…と思う。


通常のミステリ作品だとネタバレ問題があるものだが、ここまで有名な作品だと、犯人も動機もちゃんと知られた上で、あの場面をどう表現するのか…みたいな方に興味が行くので、そういうミステリの上演というのも、面白いな…と思った。
脚本・演出は、谷正純先生。
昨年、引退すると噂になっていたが、どうやら撤回なさったらしい。デビュー後の10年間は、「皆殺しの谷」と言われていたが、ここに来て、殺人犯を捕える方に行くなんて、大きな転換である。
とはいえ、この舞台化が難しそうな作品を、どう料理するのかな[exclamation&question]という期待には、あんまり応えていただけなかったような気がする。
難しさ…それは、本作品を左右するフロントをどう設置するか、また、どんなカタチのカウンターにするか、にあった。本作品では、チェックインカウンターは、舞台後方に正面に向けて設えられ、チェックインする客が、客席に背を向けるスタイルになっていた。(一番コンパクトなホテルの方式)また、客がホテルに入ってからフロントに至る動線が、よくわからない。このため、ホテルのグレードが低めに見えてしまったのが、とても残念[バッド(下向き矢印)]
この「コルテシア東京」というホテルは、五つ星ホテルではないかもしれないが、ビジネスホテルではない。
高級ホテルとビジネスホテルの違いはどの辺にあるか…というと、ロビーの雰囲気が大きく違う。高級ホテルは、広くてゆったりしているのだ。これ、映画では出せるけど、舞台では難しい。空間を空間として演出しなければならないからだ。また、この作品、ロビーも出てくるが、客室も出てくる。ついでにバックステージ(支配人室)も出てくるので、谷先生は場面転換して、これを処理していた。そのため、チェックインカウンター自体ハケる必要が生じ、それほど重厚な質感を生み出すことができなかった。
(カウンターのデザインはおしゃれだったので、かえって「ラブホか[exclamation&question]」という揶揄まで生んでしまい、気の毒な気はした。)
大劇場公演なら、盆を使って転換も出来たと思うし、別箱でも、セットを組むことで対応することも出来たと思うが、セットを組まなかったのは、フィナーレナンバーをどうしてもやりたかったから…[exclamation&question]
あと、動線が見えない芝居は、方向音痴の私には、すごく見づらい。
それ以外は良かったと思うが、そもそも映画も良かったし、同じようなつまみ方をしていたから、特に谷先生の手腕を感じる部分はなかった気がする。


<出演者感想>
瀬戸かずや(新田浩介)…警視庁捜査一家警部補。映画では木村拓哉が演じたちょっと一匹狼的な刑事を、アキラ氏がどう演じるのか、楽しみにしていた。てか、そうだよね、こういう役、文句なくカッコいい[exclamation×2]冒頭の長髪はカツラだったが、こちらもよく似合っていた。どの場面もステキで、これは惚れるやろ[exclamation&question]と思ったが、原作通り、事件を追っている間は、特にロマンスもなく…その辺がもったいない、と思った。でも、香水も付けてない山岸の香りだけで“この部屋だ[exclamation]”と気づくのは…愛、だよね[黒ハート]そういうのを納得させるイケメン力が瀬戸かずやなのだ[exclamation]
フィナーレナンバーは、白に紫が織り込まれた特上の新調燕尾で、デュエットダンスを踊る。これがあるから、あの装置だったのか…と納得させるフィナーレだった。てか、フィナーレナンバーの衣装でパレードって珍しくない[exclamation&question]


朝月希和(山岸尚美)…ホテルコルテシア東京のフロントクラーク。映画では長澤まさみが演じている。若いが、総支配人の信頼も厚く、最初は新田を敵視しているが、その努力を一番最初に認めたのも彼女。説明台詞が多く、しかも早口で言わなければならなかったりして、滑舌が辛そう…。でも、有能なホテルマンである部分は、しっかり伝わったし、恋愛抜きの作品であっても、ヒロインとして成立していたのは、さすがベテランの味。
フィナーレは、一転してしっとりと美しいダンスを見せてくれた。


汝鳥伶(藤木総支配人)…警視庁の捜査に協力する…という大バクチを受け入れてしまう懐の大きさを演じられるのは、やはり汝鳥しかいない。映画では石橋凌なので、ちょっとイメージが違うのだけど、その分、受け入れる理由も違う感じがして、役者次第で印象って変わるな…と思った。汝鳥支配人の根底にあるのは、警察への信頼なんじゃないかな。命懸けで客を守ってくれるだろう…っていう…。
フィナーレナンバーでは、もちろん踊っていなかったが、総支配人の衣装が、フィナーレの男役群舞で使われる衣装にマッチしていて、この辺は、衣装スタッフ(加藤さん)の力量を感じた。


高翔みず希(栗原健治)…宿泊客。フロントで新田の姿を見て逆上、突然、モンスタークレーマーに転じる。映画では、生瀬勝久が演じていた。生瀬は、クセのある役が大得意だが、気弱なおじさん役が多い高翔なので、大丈夫か[exclamation&question]と思っていたら、実にいやらしいモンスタークレーマーになっていた。さすが組長[exclamation]


飛龍つかさ(能勢金治郎)…品川警察署の巡査。新田とは、この捜査に入る前、別の捜査で組んでいて、一方的に慕っている。映画では、小日向文世が演じていて、定年間近のおじさん刑事だったが、若くてチャラい刑事にしたことで、宝塚らしく若手スターの活躍する場が増えた。
新田の妹を紹介してほしいと言い続けている青年で、その新田を飛び越えてちゃっかり妹を口説いていた、というラストシーンには、膝を打った。憎めないキャラクターがピッタリで、どんな役でも安心して任せられるな、と感じた。
フィナーレシーンでも群舞の中心で大活躍。三拍子揃った実力派の面目躍如だった。


音くり寿(長倉麻貴)…映画では松たか子が演じた、重要人物。冒頭、片桐という名の盲目の老女として宿泊し、山岸を試すようなことを繰り返し、あたかも信頼を寄せたように振舞うが、その実態は…という役。松たか子が演じた役をやらせる…というだけで、への信頼が分かる。
老女の役を演じる…って、舞台版の方が演じ切れる…というか、老人風の声音とか、映画だと作り過ぎ…って思われるけど、舞台では自然に感じられる。そこをうまく生かした素晴らしい演技でした。あと、歌唱シーンでもソロで活躍していた。さすがです[黒ハート]


東野圭吾なのでストーリーはしっかりしているし、フィナーレもバッチリついて、安心して観劇できる公演だった。新生花組公演、どちらも順調な船出で何よりでした。


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メリゴ発声上映会「誘惑のクミンシード」 [┣演劇]

9月に上演された、劇団メリーゴーランド10周年記念公演「誘惑のクミンシード」。(その時の感想は、こちら。)その楽しかった公演の“発声上演会”が開催されるというので、行ってきました[黒ハート]
会場では、盛装したメリゴクルー(劇団員)の皆様がお出迎えくださり、普通の発声上映会だと、出演者の皆様も客席で一緒に観る「だけ」なのですが、今回は、主演コンビの羽良悠里さま、華波蒼さまのお二人が解説してくださるのを聴きながら、映像を観る…という、なんとも贅沢な時間でした。


裏話や失敗談、設定の秘密など、次々に飛び出してくる。
解説の二人以外のクルーからも、続々と…[わーい(嬉しい顔)]
皆さん、本当に仲が良くて、性格もステキな方々ばかりだから、こういう催しができるんだなぁ~[グッド(上向き矢印)]


次回公演は、神楽坂THE GLEEでの特別公演。
「不埒な花は誘惑する」と「ハッピー・メリー・ファクトリー!」の連続上演。
「不埒…」は、4月10日(金)18:30~、4月11日(土)11:00~、14:00~
「ハッピー…」は、4月11日(土)17:00~、19:30~
別々の公演なので、両方ご覧になりたい方は、それぞれチケット買って下さいね。
お申し込み先:https://merrygo-tokyo.com/ticket/


(メリゴの手先か、と思った、そこのあなた、その通り[るんるん]勝手に応援団やってます[るんるん]


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