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スタジオライフ公演「Stars」観劇 [┣Studio Life]

「Stars」
作・演出:宮本紗也加


大道具・美術・照明:倉本徹
音響・音楽協力:竹下亮(OFFICE my on)
ヘアメイク:MUU
振付:宮崎卓真(style office)、千葉健玖
宣伝美術:宮崎卓真(style office)、宇佐見輝
制作:Studio Life
協力:星野良明、style office


スタジオライフの若き演出家、宮本紗也加の第2弾作・演出作品。


画家のエディ・ブラウン(宮崎卓真)は、5年前に妻を事故で亡くした。その時、母を慕う幼い子供たちに、お母さんは星になったのだ、と伝えた。
ある日、エディは、レイラ(宇佐美輝)という女性に出会い、二人はまたたく間に恋に落ちる。
まだ、死んだ母親を忘れられない息子のマシュー(千葉健玖)とアダム(鈴木宏明)は、突然現れた新しい母親と、これまでとは違った人間になってしまったような父親を見て、何を思うのだろうか。そして、感情的になるアダムに、エディは、とうとう、ブラウン家の秘密を話して聞かせるのだった。


この作品、ミュージカルになっている。
前作、「Who am I?」も音楽劇だったが、本作は、宮本さん自身が、作詞作曲をしている。音響の竹下亮さん協力の下とはいえ、全12曲のミュージカルナンバーを創り上げたのは、とても素人とは思えない。
また、ダンスナンバーは、出演者の宮崎千葉が「らしく」振付をして、それなりにミュージカル作品になっていたことは、称賛できる。私が観た千秋楽の舞台だったら、ちゃんとお金を取って観せられるものになっていたと思う…が、初日の各人歌唱力は相当ずこーっとするものだったらしく、前回公演の初日を観た私としては、あながち、ウソじゃないだろうな…と思ってしまったので、まあ、今後は、初日にプロらしい舞台にすること…が、求められるんだろうな…と思う。
(ライフのお客さんは優しいけど、そこに甘えちゃダメだと思う…)


ストーリーは、短編としてはうまくまとまっていて、愛によって結ばれた両親…でも、子供にとっては、突然現れた「おかあさんじゃないおかあさん」とどう折り合いをつけていくか…ということで、なるほどな~と、深く納得できる思う内容。
ただ、少年たちの考えることが、13歳と10歳にしては、ちょっと大人びている気はした。15歳と12歳くらいが相当かな。まあ、お母さんを失くした年齢にこだわったのかもしれないけど。


出演者は、父親役の宮崎が客演とは思えないほど、座組に嵌まっていて、かっこいいお父さんだった。もういっそ、入団してほしい。
継母になる宇佐見は、元気でポジティブなキャラにすることで、「問題」を子供たちの側に絞るための重要なキャラクター。そこを違和感なく演じたことで、ドラマが生きたものになった。
長男の千葉は、ホントに上手い。色々なことを飲み込んで、いい子を演じるジレンマが静かに伝わって来る好演。
ポイントとなる次男の鈴木歌の出来不出来が極端なとこが気になるが、(たぶん緊張してるんだよね)少年期独特の拗ね感が似合っていて、作品のよきスパイスになっていた。また、血筋に拘るアダムが実は養子だったことを知る場面の慟哭が、素直に伝わったところは、とても良かったと思う。


お金をいただいているのだから、プロ…といいつつ、ファンイベント「秋デリ!」の一環のような上演形態でもあるので、新人公演的に観た方がいいんだろうな、とは思うし、新人公演としては、よい出来だと思った。
あとは劇団として、宮本さんをどう育てていくのか、劇団の今後の方向性も含めて、劇団スタッフが考えていく時期が来ているのかな…。そのためにも、ここ数年で宮本作品をしっかりレギュラー化し、その是非を観客に問う必要があるだろう。ライフとして有りか無しか。


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