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島原城 [┣百名城]

博多座公演「川霧の橋/Dream Chaser」が本当に良くて、ちなつちゃん(鳳月杏)の2番手羽根も違和感がなく、その高揚感のまま、ちなつちゃんが演じた松倉勝家の居城、島原城に行くことにした。唐突に。もちろん、お城に行くことは決めていたのだが、ぶっちゃけ、名護屋城の予定だったのだ。もし、最初から島原城にしていたら、帰りの便は、長崎空港からにしてたよね。いや…自分で決めたこととはいえ、往復、大変でした…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


島原-12.jpg


博多から特急かもめに乗って、諫早で、島原鉄道に乗り換え。
諫早から島原までは、片道1460円と調べていたのだが、土日は、島原の鉄道・バス・フェリー乗り放題の「1日乗車券」(2000円)を販売しているらしい。


往復で、1000円近くお得でした[黒ハート]


島原鉄道は、ディーゼル機関車で、諫早から島原まで、だいたい1時間強。


島原-1.jpg途中、大三東(おおみさき)駅で、海を撮影。


駅のホームから、何も遮るものなく海が見える…という「日本で一番海に近い駅」が売りらしい。残念ながら、干潮時だったので、海はちょっと遠く見える。島原駅の改札には、大三東駅満潮時間の看板がかかっていた。満潮時は、すごい景色なんだろうなぁ~[揺れるハート]
ちなみに、これ、乗ってる車両の窓から撮影したもの。(撮影の時だけ、窓を開けました。)


島原-2.jpg


こちらが、町おこしの一環で、車両の色に因んだ「幸せの黄色いハンカチ」。駅には、黄色いハンカチガチャ(自販機)があって、文字を書いて掲げることができるらしい。


1両編成の車で、イマドキ、向かい合わせ4人掛け席(固定)もあったりするけど、ご時世なのか、多くても対角線に二人が座る…みたいな感じだった。
私は、最初、乗った席が後ろに進む席だったので、途中、空いたところで、反対側の誰も座っていない席に移動。すると、ラッキーなことに、そっち側が海だった。


4人掛けに一人座りだったので、大三東駅にで窓を開けて撮影できたし、色々、幸運だったと思う。


島原城-3.jpgそこから進むこと、10分くらいで、島原駅に到着。
徒歩5分と書かれていたので、歩いて、島原城へ。


あ、ほんとにすぐ見える[exclamation]


島原城-4.jpg


近づいてきました。
え、何ですか、これ。なんか、天下の城的な雰囲気じゃないですか[exclamation&question]
石垣も高い[exclamation×2]


それもそのはず、現在、日本にある天守の中で、現存天守&再建天守の高さランキングをすると…
1位 大阪城
2位 名古屋城
3位 島原城
4位 熊本城
5位 姫路城(現存天守)
6位 小倉城
という順になるんだとか。(あ、全部、行ってる…[黒ハート]
4万石の松倉さんが、どうして、このランキング…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
そりゃ、一揆も起きるよね…そりゃ、最後は、打ち首にもなるよね…[爆弾]


島原城-5.jpg


33メートルの天守からの見晴らし、サイコーでした[黒ハート]海の向こうに見えるのは、熊本県だそうです。


お天気も良くて、まあ、ぶっちゃけ、名護屋城に行っても、サイコーの景色だったろうな…とは、思いつつ[たらーっ(汗)]
というのもですね…築城した、御父上、松倉重政のことは、まだ、記載があるのですが、ここ、島原城には、「松倉勝家」の名は、どこにも記載がないのですわ[爆弾]
4万石の大名でありながら、反乱惹起の責任を追及され、改易、逮捕、斬首されるって、城の歴史から抹殺されるほどのことだったんだね。


島原城-6.jpg出迎えてくれた武将隊のお姉さんに、「松倉勝家のファンです」って言わなくてよかったよ…[あせあせ(飛び散る汗)]


ということで、こちらは、後ろに控える眉山(まゆやま)。美しいですね。


島原城-7.jpgこちら、天草四郎さんです。


なんか、どこかで見たような顔してませんか[exclamation&question]
実は、この彫刻、あの、長崎の平和祈念像の作家、北村西望氏の手になるものなのだとか。お城には、西望記念館も併設されている。(巽櫓が記念館に転用されている。)


島原城-8.jpgちなみに、織田信長像も、設置されていました。
島原城には、あまり関係ないと思うけど。


いつも、城を訪れると時間が経つのを忘れてしまい、城内を走り回ってしまうのだが、島原城はコンパクトで、1時間くらいで、回り終えてしまった。
九州在住の友人からのアドバイスにより、お昼は、具雑煮でおなじみの“姫松屋”さんに行ってみるが、まだ正午になっていないのに、けっこうな列ができていた。


がーん[爆弾]


そこで、甘味処として教えてもらった“速魚川(はやめがわ)”さんを探してみる。姫松屋さんは、島原城の入り口前にあるのだが、速魚川さんは、ちょっと離れたところにあるので。でも、グーグルマップ様のおかげで、わりとすぐに見つけることができた。島原-9.jpg
デザートだけかな[exclamation&question]と思ったら、普通にお食事も提供しているお店だった。さらに、数量限定で、「具雑煮」も出しているとのこと。


こちらが、具雑煮。
アナゴが入ってましたね。鶏肉も。
外はかなり暑かったので、中庭に面している席に座って、はふはふしながら、いただきました[黒ハート] 
おいしい[ぴかぴか(新しい)]


島原-10.jpg食後は、こちらも、友人のおススメメニューである、「かんざらし」をいただきました。


白玉粉で作った小さな団子を、島原の湧水で冷やし、ハチミツと砂糖で作ったシロップをかけたもの。
シンプルで、甘すぎず、素朴な味わい。


幸せな時間だった。


島原-11.jpg


いい感じで島原駅まで戻り、駅前の石像を。
そか、「島原の子守歌」という名曲もありましたね。


土曜日は、ホテルの部屋でサンドイッチというさびしい食生活でしたが、島原で復活。


福岡空港.jpg空港では、ヤリイカ定食をいただきました。
大満足。


城というより、グルメ記録になってしまいましたが、やっぱり、九州大好きだ~[揺れるハート] 


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劇場のおしゃべり、もう止められない… [┣身辺雑事]

東京都の感染者が、一日20人前後になってきたが、相変わらず、劇場では、客席・ロビーでは「飛沫感染防止のため」会話が禁止されている。とはいえ、連れのいる人は、開演前、休憩時間、客席でしゃべりっぱなし、という雰囲気になってきた。まあ、東京都全体で感染者が20人しかいない…かもしれないのに、この劇場に感染者がいるとは…正直、思えないし、私自身、以前はあった意味不明な怖さを、もう感じていない。
この流れは止められないと思う。


むしろ、このアナウンスと、規制退場、いつまでやるのかなぁ~という感じ。
これ以上続けるためには、無症状感染者がどれくらい存在するか、サンプル検査をする…とか、それなりに根拠を示してもらわないとね。


そうすれば、劇場だけでなく、街全体が次の段階に進めるんじゃないかな。


いつまで、見えない敵を相手にしてるんだよ、可視化しようぜ[exclamation×2]


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2022年ラインアップ発表 その5 [┣宝塚情報]

2022年 公演ラインアップ【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】


2021/10/26


2022年宝塚歌劇公演ラインアップにつきまして、【宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演】の上演作品が決定しましたのでお知らせいたします。   


花組公演


主演・・・柚香 光、星風 まどか


宝塚大劇場:2022年6月~7月(予定)<一般前売:未定>
東京宝塚劇場:2022年7月~9月(予定)<一般前売:未定>


ミュージカル 『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』
作・演出/生田 大和


宝塚の音楽家シリーズ、リストの登場ですね。
かつて、上田久美子先生の作品「翼ある人びと」にも、リストは登場していて、愛月ひかるさんが演じていましたね。時代的に、「翼…」と被るので、全員ではないだろうけど、あの辺りのメンバーが何人か出てきてくれるかな[exclamation&question]と期待しています。
「ハンガリー狂詩曲」好きなので、出てくるかな~[るんるん]と、こちらも期待。


ショー グルーヴ 『Fashionable Empire』
作・演出/稲葉 太地


Empireとは、別にどこかの帝国(国)ではなく、ファッションの帝国ってことなのかな。
ダンサブルな、キラキラのショーになりますように。


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シニア割! [┣宝塚情報]

花組 宝塚大劇場公演「シニア割チケット」の販売

2021/10/23

宝塚歌劇では下記の対象公演について、60歳以上の方を対象にA席、B席を一律1,000円引きで販売いたします。この機会にぜひ宝塚歌劇をご体験ください。   

料金 A席:4,500円、B席:2,500円
※通常料金A席:5,500円、B席:3,500円   

<対象公演>
★花組宝塚大劇場公演 忠臣蔵ファンタジー『元禄バロックロック』 レビュー・アニバーサリー『The Fascination(ザ ファシネイション)!』-花組誕生100周年 そして未来へ-
2021年11月8日(月)~12月10日(金)
※上記期間のうち、貸切公演、新人公演を除く一般前売の残席がある公演のみ対象   

<販売方法および販売期間>
宝塚歌劇インフォメーションセンター[宝塚大劇場]にてお電話で予約受付いたします。
※ご予約の際、オペレーターに「シニア割引」をご希望の旨、お申し出ください。
花組宝塚大劇場公演 2021年10月25日(月)10:00より観劇日当日まで。

宝塚歌劇インフォメーションセンター[宝塚大劇場] TEL.0570-00-5100(10:00~18:00/水曜定休)
・自動音声が流れますので[1]の番号を押してください。
・一部の携帯電話、IP電話等からはご利用いただけません。   

<引換方法>
チケットはご観劇日当日に、宝塚大劇場チケットカウンターにてお引換ください。   

<注意事項>
〇シニア割チケット分としての別枠でのご用意はございません。残席のない場合、販売はございません。
〇「SS席」、「S席」、「2階17列目(当日B席)」ならびに「立見席」は割引対象外となります。
〇1回の購入は1公演2枚までです。またシニア割チケットは対象者の方のみ適用となります。
〇チケット引換時には対象者(60歳以上)の方ご本人にお越しいただくか、必ず対象者をご同伴ください。
〇60歳以上であることを証するもののご呈示をお願いいたします。60歳以上であることを証するものをご呈示いただけない場合や対象者のご同伴がない場合は、通常料金での販売となりますので、予めご了承ください。

お問い合わせ:宝塚歌劇インフォメーションセンター[宝塚大劇場] TEL.0570-00-5100(10:00~18:00/水曜定休)


※太字、色変え等強調は、夜野によるものです。


シニア割導入なんて、ステキだな~と思ったのですが、まだ、試験的な感じですね。
これが恒久的に導入され、もっと簡単に予約できるようになれば、ついでに東宝でも導入され、一般発売と同時に提供されるようになれば、そして、友の会抽選の段階でも導入され、友の会割引にプラスして割引されれば、明日の私(やあなた)の大きなモチベーションになるはず[exclamation×2]
我々の老後の不安払拭のためにも、よろしくお願いしたいです。
そして、試験導入の段階で、多くの方が利用されることが、今後の本格実施への大きな推進力になるので、現在60歳以降の皆様は、後に続く我々のために、ぜひぜひ、ご利用を検討してくださいませ[黒ハート]


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「群青領域」注目! [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

NHKで放送が始まった(毎週金曜日OA)「群青の領域」、初回から、どっぷりとハマった。


やっぱり、シム・ウンギョン、好きだわ~[黒ハート]
彼女が起用されている段階で、見ないという選択肢はないわけだけど、細田善彦も出演してるし、これは、以前ハマったNHKドラマ「だから私は推しました」の世界線に繋がるな…と勝手に思っている。


バンドのボーカル、ハルキ役には、柿澤勇人。キーボードのジュニ(シム・ウンギョン)の恋人だったが、バンドから脱退、ジュニからも離れていく、じこちゅーなヤツ。
バンドメンバーには、細田のほか、「銀河鉄道の父」でゆうひさんと共演した田中俊介くんも。
バンドのマネージャーは、板谷由夏さま[るんるん]
キャスティング担当、誰なん[exclamation&question]どストライクなんですけど…[揺れるハート]


というわけで、NHKドラマ、恐るべし、なのです。


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「こう見えて元タカラジェンヌです」 [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

見てなくてもアナタの瞳にダイビング!でおなじみ、花組の視線ドロボウだった、たそこと、天真みちるの「こう見えて元タカラジェンヌです」、シャンテでフェアをやっていた時に購入しました。



こう見えて元タカラジェンヌです

こう見えて元タカラジェンヌです

  • 作者: 天真みちる
  • 出版社/メーカー: 左右社*
  • 発売日: 2021/04/07
  • メディア: Kindle版



いやー、おもしろい。
WEBで連載していた時も楽しく読んでいたのだが、本になっても、やっぱり笑った。


購入した帰りの電車で読み始めたら、電車の中でとてもアヤシイ人になってしまったので、残りは家で読んだ。
たそのことは、ゆうひさんが花組に異動してから、パレードで男役なのに、挨拶の時、首を傾げて可愛い笑顔を見せる…ということに気づいたファン仲間の言葉で、注目するようになった。
それから、ころんとした体形なのに、ダンスが綺麗なこと、セリフの間がめちゃくちゃいいこと、もちろん声もステキなことなど、どんどん、瞳に(も、耳にも)ダイビングされていった。退団はめっちゃショックだったが、その後の活躍を考えると、よいことだったのかな…と思う。
これからも、才能を生かして、ステキなお仕事を[exclamation×2]


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「魔界転生」配信観劇 [┣演劇]

コロナ下で、観劇が叶わなくなった「魔界転生」、配信で観劇できました~[るんるん]


これは、以前、観劇した、「真田十勇士」の世界線なのね。
淀殿(浅野ゆう子)は、大坂城で死んでるけど、秀頼様は薩摩に逃れて生きている。(劇中、薩摩において不慮の事故で亡くなったことが判明するけど。)


天草の乱から物語は始まる。天草四郎(小池徹平)は、幕府軍に包囲され、姉の品(藤原紀香)を逃がし、自らは死を受け入れる。しかし、その魂は、天国には行かず、魔界転生を果たす。魔界転生は、四郎の側近、森宗意軒によって編み出された秘術。由井正雪(山口馬木也)が幕府転覆のために、この秘術を使って蘇らせる人々を選んでいく。
柳生宗矩(松平健)、荒木又右衛(財木琢磨)、田宮坊太郎(田村心)、宮本武蔵(渡辺大)、宝蔵院胤舜(野添義弘)、そして淀殿。
由井正雪らは、魔界衆を使って将軍家光を襲い、最終的には、没後700年となる平将門を蘇らせようとしていた。この企みに立ち向かったのが、柳生宗矩の嫡男、十兵衛(上川隆也)と、弟の又十郎(木村達成)、そして、お品。彼らと偶然知り合った根津甚八(村井良大)は、十勇士の生き残り。あれ、たしか、根津甚八が秀頼様にそっくりだったことで、入れ替わって秀頼様を逃がしたんじゃなかったっけ。(いや、記憶がもう定かではないのだけど…)


十兵衛らが、魔界衆を一人一人昇天させていく姿がかっこよかった。
天草四郎が、秀頼様の忘れ形見とかいう、仰天展開もあり、ナレーションが片岡愛之助だったり、そのナレーションも含め、ちょこちょこネタが仕込まれているのも面白かった。
舞台効果も派手だったので、やはり、劇場で観劇したかったなぁ~と、改めて思った。


コロナめ…[もうやだ~(悲しい顔)]


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タカラジェンヌのクリスマス [┣宝塚情報]

宝塚歌劇団では、時々、クリスマスソングCDを発売する。



CHRISTMAS PRESENT(初回生産限定盤)(DVD付)

CHRISTMAS PRESENT(初回生産限定盤)(DVD付)

  • アーティスト: 宝塚歌劇団
  • 出版社/メーカー: SMD jutaku(SME)(M)
  • 発売日: 2007/11/28
  • メディア: CD



以前、ゆうひさんが在団中に買ったな~と思ったら、2007年の発売だった。
眩暈がしてきた…[台風]


ブログ記事タイトルは、この眩暈のCDよりさらに前、平成の初め頃に発売されたクリスマスCDのタイトル。紫苑ゆう・涼風真世・安寿ミラ・真矢みき・一路真輝・麻路さき・天海祐希らが歌っている。おそらく1992年発売と思われる。15年後に上記のCDが発売され、その14年後に今回のCD。スパンが長いな…[あせあせ(飛び散る汗)]


今回、発売されるのは、「Xmas Dream Box」というタイトルで、収録される楽曲と歌手は下記の通り。
[1]「白い季節」永久輝せあ
[2]「クリスマスキャロルの頃には」綾凰華
[3]「Hard Days, Holy Night」聖乃あすか
[4]「もろびとこぞりて」(男役全員)
[5]「奇跡を望むなら…Xmas story」風間柚乃
[6]「silent」縣千
[7]「Xmas Medley」音くり寿天彩峰里夢白あや瑠璃花夏きよら羽龍
[8]「雪のクリスマス」暁千星
[9]「クリスマス・イブ」天華えま
[1][0]「聖なる夜の贈り物」瑠風輝
[1][1]「Burnin’ X’mas」極美慎
[1][2]「everlasting snow」和希そら
※バランス的に和希そらは、宙組にカウントした。発売時点(12/11)ではほやほやの雪組なのだけど。
これまで、トップから3番手くらいで構成されていたのだが、今回はもう少し下のメンバーにしたのね。次回発売まで15年くらいあるから…かしら[exclamation&question]


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「いとしの儚」観劇 [┣演劇]

「いとしの儚」


作:横内謙介
演出:石丸さち子
美術:松生紘子
音楽:かみむら周平
振付:多和田任益
照明:山口暁
音響効果:天野高志
衣裳:西原梨恵
ヘアメイク:武井優子
演出助手:本藤起久子
舞台監督:久保年末、岩戸堅一(アートシーン)


三途の川の渡し場で、次の舟が出るまでの時間潰しとして、青鬼(久ヶ沢徹)が語り出す一人の博徒の物語。
鈴次郎(鳥越裕貴)は、無敗の博徒だった。ただ、人間としてはクズ。負けた相手をとことん追い込むので、各所で恨みを買っていた。ある日、博打好きの鬼・鬼シゲ(辻本祐樹)にも勝ってしまい、鬼シゲは、代償として、鈴次郎の好みの女を提供することに。
墓場の死体と赤ん坊の魂をもとに鬼婆(原田優一)が、ひとりの人間を作り出す。「儚(はかな)」という名で鈴次郎の前に投げ出された娘(鎌滝恵利)は、身体は大人だが、赤ん坊のように寝転がって泣くだけだった。鬼婆は、鈴次郎に、「身体と魂が完全にひとつになるには、きっかり百日が必要。それより前に女を抱けば、その瞬間に彼女は水になってしまう」と伝える。
鈴次郎は、大きな赤ん坊などいらない、と言うが、彼の温もりを求めて泣き叫ぶ儚に、つい仏心を出してしまい育てることにする。数日経つと、儚は、鈴次郎と同じ暴言を口にするようになるが、花や鳥に興味を示す優しさもあった。さらに、歩けるようになっても温もりを求める儚の行為は、若い男である鈴次郎には刺激が強すぎて、我慢の限界を超えた鈴次郎は、遊郭を訪れる。
おとなしく待つように言われていたのに、鈴次郎を探し始めた儚は、狂ったように別の女を求める鈴次郎を見てしまい、どうして自分にも同じことをしてくれないのか、と詰問する。鈴次郎は、儚の生まれを本人に暴露し、そんなに言うなら、今ここでお前を水にしてやろうか、と儚に挑む。儚は、そこで、自分は水になんかなりたくない、生きて人間になりたい、と、キッパリ言い返す。
ここで、儚を偶然目にした、僧侶の妙海(原田優一)は、二十両の金で彼女に一人前の教育を授けてやろうと言う。読み書きだけでなく、楽器や舞や、夜伽の秘術まで、すべて授ける…と。


演劇を観る時、誰かひとりにぐわっと感情移入することはあまりなくて、どの人物に対しても、あーわかる、とか、こういう風に考えるんだー、とか、わりとフラットに観ていることが多いのだが、今回は、「クズ」と書かれている鈴次郎にめちゃくちゃ感情移入してしまった[あせあせ(飛び散る汗)]
こんな風になるのは、「WEST SIDE STORY」のチノ(大空祐飛)以来かもしれない。


「この作品を観てほしい」という、主演・鳥越裕貴の強い思いは、SNS等でも流れていたから、よく知っていたが、鈴次郎という登場人物の思いと、鳥越裕貴という俳優の思いが交錯して、なにか、奇跡が起きたような、そんな瞬間が何度もあった。
博徒である鈴次郎にとっての「博打」が、鳥越にとっての「演劇」に近い存在だから…なのかな。
好きとか、そんなレベルではなく、それなしで生きていられない、生きることとイコール、みたいな。


鈴次郎は、親の愛も知らず、教育も受けず、友達の一人もいない。失うものが何もないから、博打に強い。そんな鈴次郎が、「儚」という「愛するもの、守るもの」が生まれた途端、勝てなくなる。
勝てなくなった鈴次郎に、教育を受けた儚は、「まじめにこつこつと生きていく」ことを切々と説く。
でも、それは、鈴次郎にとって、「人生」といえるのだろうか。「愛する人と一緒に生きていくこと」は、最高の人生なのだろうか。ことが「博打」だから、共感を得られないが、「演劇」だったらどうなのか。「愛しているから、演劇をやめて、私と一緒にこつこつと生きてほしい」と言われた時、彼は、それを選ぶだろうか。コロナ下の演劇人すべてに突き付けられているような問いを、演出の石丸さんが、ここに込めなかったとは思えない。

鈴次郎は、「丁半博打」の目を読む。確率論ではない。彼には、鈴の音が聞こえるのだ。その音に従って、賭けるだけだ。100%答えの分かっている博打は、楽しいだろうか。楽しくない。だから、彼は、勝ち続け、荒れ続ける。しかし、鈴次郎は博打を辞めない。
それが、彼にとって「生きること」だからだ。
鈴を鳴らすのは、「運命の女神」のような賽子姫。おお、LUCK BE A LADY[黒ハート]
鈴次郎は、徒手空拳だったから、運命の女神に愛された。が、儚が鈴次郎にとって大切な存在になる(彼女の命を救うために奔走するとか…)と、運命の女神は鈴を手放してしまう。
賭けに負けて、儚を女郎屋に売り飛ばした時、再び、鈴の音が聞こえてくる。というのは、話の設定として、すごく深い。儚を愛することが「ダメ」なのではなく、それによって、人の心を取り戻すことが「ダメ」なのだ。
だから、百両の金のために、妙海を殺すことではなく、そのあとに、最後の博打にするから、これから二人でまっとうに生きていくと約束するから…と、儚に言ったことで、彼の最後のツキが消える。言った…というか、嘘ではなく、心からそう言ったから。


百両の金も取られ、とうとう、負けたら鬼になるという賭けまでしてしまう鈴次郎。
儚が人間になるまで、あと数時間。(夜が明けたら百日目になって、人間になれる。)しかし、その同じ数時間後に、鈴次郎は鬼になると決まった。
人間として、鈴次郎と儚が対峙する時間は、1分もまじわらない。
最後に、儚と語り合う時間を…と、鬼シゲはその場を立ち去る。その時、鈴次郎と儚の胸に去来した思い…


パワフル演出家、石丸さち子ゆえか、儚の「人間になりたい」エネルギーはすごい。
人間になりたい、というよりは、より正確には、この素晴らしい世界に、もっと生きていたい欲だ。
遊郭に売られても、妙海に授けられた秘技を使って「させず太夫」として名をはせる。相手が“殿様”(辻本祐樹)であっても、一歩も引かない。
その生きる欲は、知らない世界を知りたい欲でもある。妙海がいくら教え上手であっても、立ち居振舞いや言葉遣い、読み書きだけでなく、文学や音楽、舞に至るまで身につけるのは、それが儚にとって、楽しいことだったから。
ただ、儚にも泣き所があって、それが、鈴次郎だった。
刷り込みということもあるのだろう。知らない世界を知りたい儚にとって、鈴次郎が、「自分にしてくれないこと」を遊女相手にしているのが、つらかったのもあるだろう。
しょせん、生まれて百日の狭い世界ということもあるだろう。
それでも、儚にとって、鈴次郎は別枠だった。
彼女は、鈴次郎に恋をしていて、鈴次郎だけが、儚にとって、世界を手放してもいい存在だったのだろう。恋というのは、いつだって理不尽なものなのだ。


儚の決断は、それでよかったのかな~という気が、人生を重ねてきた私には、ちょっとするのだけど、ラストシーンの鈴次郎の表情に心が洗われたような…そんな気持ちになった。私にも、こういう心が残っていたのね[黒ハート]
とはいえ、「女にして」というセリフは、パワフル儚には、ちょっと似合わないかな。「させず太夫」が、その瞬間に、生きるエネルギーでなく、鈴次郎への操立てになってしまう。それに「女になる」は「女として生きていく」前段階のものであって、それがイコール死であるなら、女になるというのは、変な言葉だと思う。


この「いとしの儚」は、扉座という劇団の公演用に書かれた戯曲であるため、登場人物が多い。それを6名のキャストが演じるため、いろいろな離れ技が使われているのだが、「キオスク」観てる私としては、石丸さんならやりかねない…という感想。
ってことは、原田さんポジションがゆうひさんだったの[exclamation&question]


鈴次郎役の鳥越裕貴。「眠れぬ森のオーバード」の時も思ったけど、この人の出る芝居は、とりあえず、買っておいて損はないな、と。クズな側面にも嘘がなくて、それでいて、目を背ける気にはならなくて、凝視してしまう。魅力的な鈴次郎だったし、魅力的な俳優だな~と改めて思った。
儚役の鎌滝恵利。声とかセリフとか、理想の女みたいなものに寄せてなくて好感がもてた。生まれっぱなしのまっすぐな儚だな~と思った。妙海に育てられて以降は、着物での所作が素晴らしくて、ここはものすごく感心。あと、これは、演出への感心なのだが、着物の下に薄いピンク色のステテコ様のものを身に着けていて、裾がはだけても、肌が見えない。思い切り演技をしてもらうために大事なことだと思う。


辻本祐樹、中村龍介、久ヶ沢徹…と、イケメンオンパレードの舞台だったが、予想通り、全部持って行ったのが、原田優一
地蔵菩薩オンステージは、夢に出るレベル。原田さんには、誰も勝てんな~[わーい(嬉しい顔)]


さて、誰よりも良い人間になってしまった鈴次郎は、これから鬼としてちゃんと生きていけるだろうか。


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あしたはお休み [┗エンタメへの想いとか薀蓄とか]

決算の状況により、日曜日は、出社かお休みか、どっちかなーという状況だった。


どうやら休めそうだ…ということで、メンバーの合意が取れたので、気になっていた舞台のサイトを見る…やはり、今日の明日では、チケットはもうない。(当日券もなかった!)
残念だけど、舞台の活気が少しずつ戻ってきているのを実感する。
抽選も当たらなくなってきた。
先着先行も1分で玉砕した。
残念だけど、なんか嬉しい。
もう少し、あと少し。


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