「エニシング・ゴーズ」でクラスター？

明治座で上演中だった紅ゆずる主演のミュージカル、「エニシング・ゴーズ」は、新型コロナウィルス陽性者が出たとのことで、8月19日から公演を中止していたが、ここに来て、千秋楽までの公演中止が発表された。

上演中止のお詫びとお知らせ

平素より格別のご高配を賜り厚く御礼申し上げます。
明治座では本公演の全出演者・スタッフに週一回の定期PCR検査を実施してまいりましたが、その結果8月18日夜に新型コロナウイルスの陽性反応が確認されました。これに伴い、公演を24日まで中止とし、全出演者・スタッフを対象に医療機関によるPCR検査を再度実施した結果、23名の陽性者が判明いたしました。
つきましては、誠に残念ながら明治座の8月公演ブロードウェイ・ミュージカル『エニシング・ゴーズ』は8月29日までの全公演を中止とさせていただきます。
ご観劇を心待ちにしておられたお客様には心より深くお詫びを申し上げます。
8月25日（水）13時開演
8月26日（木）13時開演・18時開演
8月27日（金）13時開演
8月28日（土）12時開演・17時開演
8月29日（日）12時開演（千穐楽）
今回の件を受けまして、中止となった公演のチケットをお持ちのお客様には払い戻しを承ります。お手元のチケットはお手続きの終了まで保管いただきますようお願いいたします。払い戻しの詳細につきましては追って本サイトにてご案内申し上げます。いま暫くお待ちください。
この度の陽性者はすべて舞台上の出演者とスタッフであり、直接お客様と接触のあったスタッフはおりません。また、公演の実施に際しましては、感染症の専門医の指導のもと、感染予防のガイドラインに則り舞台と客席の間には十分な距離を設けております。あわせてお客様にもマスクのご着用をご協力いただいておりますので、お客様は濃厚接触者には該当いたしません。
なお、個人のプライバシーにかかわるお問い合わせに関しましては、お答えいたしかねますので、何卒ご理解のほどお願い申し上げます。 　　　　　　
主催:ミュージカル『エニシング・ゴーズ』実行委員会
製作：東宝株式会社

※強調は、夜野によるもの。

「エニシング・ゴーズ」は、緊急事態宣言を受けて、上演期間を短縮することになり、8月1日～29日の上演期間だったものを、11日～29日に変更、さらに、11日～21日までは夜公演を行わない形で上演を始めていた。
その、短縮上演期間の間に陽性者が出てしまったのだから、実質、上演できた回数は数えるほどになってしまった。出演者の無念を思うと胸が痛い。

23名の陽性者は、クラスターと認定すべきものだろう。
そして、これだけの人数の感染者が発生するのは、大型の演劇では、初めてかもしれない。詳細は不明だが、デルタ株の影響と考えていいように思う。
どんなに感染対策をしても、舞台の上では、出演者はノーマスクだ。
誰か一人、キャストでもスタッフでも、デルタ株に感染した人がいたら、このような結果になる。

そして、外食をしないなどの対策をしたとしても、家族と同居している場合、完全に感染ルートを遮断しているとは言えない。出演者は、今後、「公演中は自宅が近くてもホテルに缶詰」のような対応はできるかもしれないが、スタッフまで…というのは、難しいだろうし、そう考えると、グランドミュージカルの上演というのは、デルタ株が収束するまで、相当のリスクになる、ということだ。
これはもう、「エニシング・ゴーズ」がたまたま運が悪かった…的な問題ではないと思う。

上演期間の短縮
出演者・スタッフ数の削減…というか、そもそも作品選びから再考
掛け持ちの制限（出演者もスタッフも）

私の頭では、こんな対策しか思いつかないが、演劇を止めないために、新たな対策が必要だと感じている。

私は舞台が好きだけど、大好きな人達を危険にさらしてまで、観たいわけじゃない。
次にまた、大型の舞台でこんなことが起きたら（弱小演劇では、毎週のPCR検査は無理なので、体調不良者が出て初めて明るみに出ることも多いと思う）、いよいよSTOPの時かもしれない…。