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「ボイラーマン」観劇 [┣演劇]

赤堀雅秋プロデュース
「ボイラーマン」


作・演出:赤堀雅秋
舞台装置:池田ともゆき
照明:佐藤啓
音響:田上篤志
衣裳:坂東智代
ヘアメイク:林摩規子
演出進行:松倉良子
舞台監督:足立充章


<キャスト>
中年男…田中哲司
喪服の女…安達祐実
老人…でんでん
中年女…村岡希美
喪服の男…水澤紳吾
若い女…樋口日奈
若くもない男…薬丸翔
小柄な女…井上向日葵
警官…赤堀雅秋


赤堀雅秋×本多劇場、わりとコンスタントに観ている気がする。


今回の作品は、過去に観た作品ほどヤバい人も出ていなくて(少々ヤバい人しか出ていないとも言う)、事件も起こらない。主人公の中年男は、たぶん、今夜のことを今後の人生で思い出すことはないような、そんな、なんでもない一夜の物語が、ちゃんとエンゲキになっている…というのが、素晴らしい。


村岡希美の、訊かれてないのに「独身なんです」と言っちゃう中年女のプチヤバい雰囲気や、喪服の男のカタギなのだけど、ちょっとヤバい感とか、小柄な女の醸し出す宗教感とか、彼女の語る「死」と、老人が恐れる「死」の徹底的に相容れない感とか、赤堀演劇の濃いエキスがあちこちに散りばめられている。
それでいて、若い女と若くもない男が、うまくまとまってしまう展開は、あー、まだなんか知らない部分があったかも…と、興味深く感じた。


田中演じる中年男の「ここの人じゃない感」と、安達演じる喪服の女の「ここにしか生きられない感」が交差し、なんとも言えない人生の妙が浮かび上がる。ただ夜の道を歩く二人の世界をもっと見たかったが、それは心の中で想像するべきことなんだろう。
全然しみじみしてる話じゃないのに、しみじみ人生を感じる素敵な舞台だった。


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