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「太宰治を聴く」 [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

三鷹市.jpg


初めて訪れた三鷹市芸術文化センター。
ここで、毎年桜桃忌の頃に「太宰を聴く」というイベントが催される。今年が19回目。7月20日というのは、過去一番遅い日だったみたいで、昨年は6月15日に松重豊さんが、「皮膚と心」「燈籠」「待つ」を読んだ。
今年は、田中哲司さんが、「恥」と「グッド・バイ」を読む。それで、聴きに行くことにした。
ゆうひさんが出演した作品、あえて、ほかの人で見てみたい…かどうかは、作品による。「グッド・バイ」は、変則的な作品だったこともあって、あらためて原作に当たってみたい、という気持ちで、三鷹までプチ旅行をしてきた。


太宰が暮らした街である三鷹。そのため、毎年この時期に、「太宰賞」という公募新人文学賞を発表している。(筑摩書房が共催)その受賞者の挨拶がまず行われる。
今年の受賞者は、阿佐元明さんで、受賞作は「色彩」。
ご挨拶の中で、阿佐さんは、締切日が年末なので応募した(キリがいい)、とか、太宰の作品は句読点の味わいがあるので、朗読者が句読点をどのように表現するか、気になる…など、ユニークな発言で会場を沸かせていた。


第19回 太宰を聴く~太宰治朗読会~
朗読 田中哲司


音響:星野大輔(サウンドウィーズ)
協力:株式会社鈍牛倶楽部、杉山祐介、株式会社筑摩書房、公益財団法人日本近代文学館
主催:公益財団法人三鷹市スポーツと文化財団


「恥」
“菊子さん。恥をかいちゃったわよ…”で始まる女性の独白体で描かれる小説。
書き手は、とある作家のファン。でも、自意識過剰気味のファンなので、ファンレターも上から目線の描き方をしてしまっている。さらに、“愚かな女”設定らしく、小説の登場人物を作家本人と混同し、勝手に相手を脚気にかかった貧乏で女にもてないブサイクな男だと信じ切っている。さらに、一度ファンレターを出しただけで、次の小説の主人公が自分だと思い込み、激しく動揺して自宅を訪ねる。その一部始終が菊子さんへの告白という体で語られる小説だ。
田中は、ステージにフットワーク軽く駆け込んできて、阿佐さんのトークに触れ、「プレッシャーが…」とか「句読点は一切気にしていなかった…」と言って笑わせる。
朗読が始まっても、椅子に座ったままではなく、歩き回ったり、客席に背を向けたり、自由に振る舞っていた。そして、手にしていたのは、綴じられた本ではなく、A4横サイズの紙に縦書きされたものだった。田中はこれを読み終わるとステージに投げ捨てる。特に最初は、「恥」で一枚投げ捨て、「太宰治」で一枚投げ捨てるから、客席から笑いが漏れる。これは、“掴み”として大きかったと思う。
すごく自由に楽しんでいたように見えたが、休憩時間に投げ捨てられたままの原稿を見ると、「歩き回る」などとペンで書いてあるのが見えたので、ちゃんと意味を持って立ったり歩いたりしていたらしい。
女性言葉がなんとも言えず、可愛らしい感じのする朗読だった。


「グッド・バイ」
昨年、ゆうひさんが出演した舞台「グッド・バイ」は、根幹にこの小説があるものの、太宰自身の人生を被せることで、田島と永井キヌ子の物語をそこに収束させていくという手法を採っていた。そうでもしないとどうにもならないくらい、この未完の遺作は短い。10人もいるという愛人の一人一人とグッドバイしていく物語と書いておきながら、実際には一人とグッドバイして、二人目の話を始めようとしたところで、終わってしまうのだ。
三島由紀夫が「豊饒の海」シリーズ最終作を書き上げてから自衛隊駐屯地に向かったのとはえらい違いだ。最後の最後まで、太宰は読者泣かせの作家だったらしい。


この作品については、どうしてもゆうひさんの舞台を忘れて臨むことはできなかった。
主人公の名前は、田島周二。これを昨年の舞台では、田島周二=津島修治(太宰の本名)により近づけるために、「田島」を「たしま」と濁らずに読ませた。が、そもそも、原作にはルビがないので、今回は、一般的な読み方として、「たじま」と読んでいた。
ユーモアとペーソスに溢れた作品は、これからさらに面白くなりそう…というところで、ブツっと終わる。
「未完」と、最後の文字を読み終えた田中の声は、少し怒っているようだった。
「続き読みたいですねっ[exclamation]」と呟いた言葉が、彼だけでなく、客席全員の思いだったように思う。
この作品も、一枚読み終わるごとに、原稿が客席にばら撒かれ、終演後にそれを見ることができた。会話のシーンなどは、カギカッコのところにマーカーで色を付けて、誰が喋っているかを分かりやすくしたり…と、この一度きりのステージのために、様々な工夫がされていたことを知ることができ、朗読+αの楽しみを感じる時間だった。


ほんの短い時間だったが、太宰作品をたっぷり楽しめ、身近で田中さんの朗読する姿を見ることができ、楽しい土曜の午後だった。


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SHINGO十番勝負「ぼくらの時代」篇 その弐 [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

以前、通っていた落語公演「SHINGO十番勝負」が装いも新たに帰って来た。その第二弾を見てきました。


この「SHINGO十番勝負」は、落語家の古今亭文菊さんが、先輩の胸を借りるというシリーズだった。SHINGOは、文菊さんの本名。その昔、「新吾十番勝負」という映画があったので、それにかけてるんですね。(昔過ぎて、かけてることに気づかない人が多いように思う…[爆弾]
十番を終了後、シリーズが一新され、今度は「ぼくらの時代」篇となった。
同じ世代の、違う分野の芸術家との共演。前回は、薩摩琵琶の女性奏者、そして、今回は、一中節の浄瑠璃語り、都了中さんがゲスト。
場所は、いつものエコー劇場ではなく、代々木能楽堂。2月以来の初台駅。新国立劇場とは反対側の南口にある。環状六号線・山手通りからすぐ…という位置なのに、まるで別世界がそこにあった。


代々木能楽堂2.jpg橋掛かり(左正面の廊下みたいなとこ[ひらめき])の前庭部分が屋外。なので、出演者はすごく寒いらしい…[爆弾]
客席側は、ストーブもたくさんあって、風がなかったこともあり、暖かく快適。座布団を敷いた座敷での鑑賞だったが、ゆったりと席が設定されていたこともあり、足が痺れることもなく(ずっと崩してたから…)そちらも問題なしだった。


「開口一番」は、前座の林家彦星さんによる「元犬」
「白い犬は人間に近い」と言われていて、来世は人間に生まれ変わりなよ~などと言われていた真っ白な犬が、来世のことなんか分からないから、今生で人間になりたい…と蔵前八幡に願をかけたところ、本当に人間になってしまった。そして…という噺。
デビューして2年とちょっとなのかな[exclamation&question]
登場は橋掛かりから…なので、通常の寄席の袖から…とは、距離感が違うため、心細そうに高座に上がった。
口跡はよく、噺もこなれていたと思う。またの登場をお待ちしています[exclamation]


代々木能楽堂1.jpgちょっと、橋掛かりの写真も載せます。
左側の屏風の後ろから登場する。けっこう長いですよね、距離。
文菊さんも、ここから登場。ちょっと屈んだような感じで歩いていらっしゃる。


文菊さんの一本目の噺は、「金明竹(きんめいちく)」。
与太郎が店番をしていると、雨が降って来て軒を貸してほしいという男が現れる。“軒を貸してほしい”の意味が分からず、妙な押し問答があった後、傘を貸してやる与太郎だったが、店の主人は、自分が大事にしていた傘を与太郎が貸したことにお小言。傘を貸すのを断る口上を指南する。
ところが、与太郎は、ネズミを追いつめたのでネコを貸してほしいと現れた近くの店の番頭さんに対してこの口上をやってのける。曰く「うちの貸しネコは、この間の長雨でバランバランになって、骨と皮にばらして物置に放ってある」と。
それを聞いた主人は、とんでもないことを言うヤツだ!と、ネコを貸してほしいと言われた時の断り方を指南する。
すると今度は、店の主人をお借りしたい、という客にこれをやってしまう。曰く「この間からサカリがついてとんと帰って来ない。やっと帰ってきたら、エビのしっぽでも食べたのかお腹を壊して粗相をするので、マタタビを舐めさせて奥で寝かしています」と。
こんな風にとんちんかんな与太郎だが、文菊さんの与太郎は、頭は悪いが、自分がどういう目にあっているか、については、ちゃんと認識していて、小言ばかり言う主人を疎ましく思ったりしている。そのくせ勉強嫌いで、努力が嫌い、人の好意を曲解する…というクセの強いキャラクターで、それが面白い。
後半は、この与太郎だけでなく、おかみさんまで巻き込んで、上方の商人のような男が早口で業界用語(お店は骨董屋)だらけの口上を聞かせ、その外郎売のような立て板に水のトークが聞かせどころになっている。(計4回繰り返す)
そして、最後は与太郎ではなく、おかみさんのセリフにサゲがある…という一風変わった仕掛けになっていて、与太郎がアホというだけの噺になっていないところが面白い。
そして文菊さんの、アホだけどちょっと意固地でめんどくさい与太郎、上品だけど実はそんなに賢くない、でも与太郎の前では威張っているおかみさん…みたいな毒のある話芸もまた一風変わっていて面白かった。


代々木能楽堂4.jpg休憩前には、ゲストの都了中さんとのトーク。
一中節というものの成り立ちや、どんな風に修行をしていくとか、今日の楽曲(石橋)の解説など、色々勉強させてもらった。
一中節は、浄瑠璃語りのひとつだが、文楽や歌舞伎のような舞台ではなく、主にお座敷で披露されているようだ。一中節は、三味線と語りで構成されるが、了中さんのお父様が、現在の家元、都一中さん。(十二代目)
お父様は三味線方なのだが、了中さんは語りをされている。
どちらでもやりたい方をやれる…ということらしい。


ここで少々休憩があったので、代々木能楽堂の写真を色々撮ってみた。
歴史を感じる建物です。


休憩後は、都了中(語り)都一志朗(三味線)による「石橋」。
歌舞伎などでよく観る、あの「石橋」が語りだけで表現される。
大江定基は出家して寂昭法師となった。中国から天竺(インド)に渡り、仏跡を巡り、ようやく清涼山に辿り着いた。目の前に有名な「石橋(しゃっきょう)」がある。
寂昭法師は、現れた山人に、くれが石橋か?と尋ねる。
たしかにここが清涼山であれが石橋なので、よく拝みなさいと言われ、あれが石橋なら、渡ろう[exclamation]と思う寂昭。が、山人に止められる。
難行苦行を積んだ高僧もこの橋を渡れた者はいない。橋の下は数千丈の谷底。悪いことは言わないからやめなさい、と。
寂昭は、橋というのは、人が渡るためのものではないか、と食い下がるが、山人は、そもそもこの橋は、人が渡したものではなく、自然にできたものなので、人が渡れるものではないのだ、と説く。しかし、文殊の浄土には美しい音楽が流れ花が降りかかり獅子の王が舞い遊んでいるとか、その時を待つのです、と言われ、寂昭は、座して時を待つ。
はたして、いつしか、獅子が現れ牡丹の花と戯れている。そして…


宝塚100周年の日本もののショーを思い出してしまった[黒ハート]


文菊さん、別分野の方のパフォーマンスの後は、たっぷりと枕を取る。
落語の世界に客席が自然に戻って来るのを待っているようだ。その姿は、時を待つ寂昭法師のよう。
代々木能楽堂3.jpgが、非情にも、この代々木能楽堂、住宅地の中にあるため、21時終演を1分も遅れてはならないのだ[exclamation]
ということを正直に告白した後、語り始めたのは「夢の酒」。
うたた寝の中で、どこぞの色っぽい御新造さんに誘惑されたという若旦那。女房のお花が起こすと、どうも様子がおかしい。でれでれしている。
不審に思って、夢の話を聞くと、今度はお花が怒ってしまう。
夫婦喧嘩に割って入った父の大旦那に、お花はお願いする。若旦那の夢の中に入って、その御新造さんに、うちの人を二度と誘惑しないでほしいと頼んでくれ、というのだ。
“淡路様の上の句”というのを唱えると他人の夢の中に入れるんだとか。
はたして、大旦那、御新造さんのところに到着する。息子の若旦那は、お酒に弱いが、大旦那はお酒が大好き。御新造さんもさっそくお酒を勧める。最初は固辞している大旦那だが、それじゃ、少しだけ…とその気になる。ところが、女中が火を落としてしまったので、燗が出せない。
冷でいかがですか、と勧められるが、大旦那、酒は燗と決めている、とかなり頑固に断る。そうして、しばらく待っている間に、お花が大旦那を揺り起こしてしまう。
目覚めた大旦那、「冷でもよかった」という酒飲みらしい一言でサゲとなる。短い中に、ちゃんとストーリーの起伏があって、実に面白かった。


今回は、どれも知らない噺ばかりで、一中節もお初で、代々木能楽堂も初めて。何もかもが異空間で、とても面白い一夜だった。


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「HEROES」 [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

真瀬はるか出演のコンサートに行ってきました[exclamation]


真瀬2.jpg


「HEROES~Another version~」


ステージング:RONxII
音楽監督:大貫祐一郎


出演:大月さゆ、真瀬はるか、吉田萌美
演奏:大貫祐一郎(Pf) / 谷源昌(Ba) / 足立浩(Dr)


場所は、渋谷のイープラス・リビングルーム・カフェ。
マウントレーニアやシブゲキのある、澁谷プライムに1年ほど前に出来たライブのできるカフェ。
カフェなので、食事をしながらライブを観ることができる。…という前情報をあまり聞いていなくて、わりと通常タイムに現場に着いたため、食事が届いたのは、開演1分前でした[もうやだ~(悲しい顔)]
実は、ライブ自体が2部構成だったので、無理して食事しながら聴かなくてもよかった…ということにも、休憩時間に気づいた。てか、そうだったら、あったかいメニューじゃないのを頼めばよかったよ。
(なにごともお勉強)


真瀬1.jpg


出演者は、グランアーツ所属の女性タレント3名。
うち、大月さゆ真瀬はるかは、元宝塚歌劇団ということで、懐かしいライブだった。


第1部 HEROESメドレー
〇Think of me(真瀬はるか
『オペラ座の怪人』のクリスティーヌのナンバー。怪人じゃなくても惚れちゃうよ~な美声でした[ぴかぴか(新しい)]
〇宿屋の主人(大月さゆ&真瀬・吉田萌美
大月が、テナルディエと夫人の一人二役をやって、真瀬吉田がお客のナンバーを。ヒロイン的な役を多くやっていた大月が、こんなアクの強い歌を歌うようになったんだな~[がく~(落胆した顔)]
でも、“イ〇ポ”のところだけは、口だけ動かして言わない、という奥ゆかしさも、元娘役らしいな~[揺れるハート]と思った。
〇私だけに(大月
もちろん、ちゃんとヒロイン歌唱もするのです[ぴかぴか(新しい)]
〇オンマイオウン(吉田
こちらは、エポニーヌ。可愛い~[ハートたち(複数ハート)]
〇マスカレード(大月・真瀬・吉田
三人揃っては、『オペラ座の怪人』2幕冒頭のキラーチューンを。ステキなハーモニーでした[ひらめき]
〇魂の自由(ヴィンデッシュ=大月、エリザベート=真瀬
『エリザベート』本公演をご覧の方は、真瀬がヴィンディッシュ役なのは、よくご存じだと思う。ここは、あえてのエリザベート役を真瀬が演じる…という、ファンサービス[exclamation×2]
〇闇が広がる(トート=大月、ルドルフ=吉田
娘役の大月トートと、男役経験のない吉田ルドルフ…元男役の真瀬を敢えて出さない挑戦も、大月が超カッコよくて、ドキドキ[揺れるハート]
〇民衆の歌(大月・真瀬・吉田
最後は、『レ・ミゼラブル』の大合唱。三人が好きな『オペラ座…』『レ・ミゼ…』『エリザ…』の三作品から抜粋した、ノリノリのメドレーでした。
これは、すごく聴きごたえがありました[黒ハート]


第2部
〇I’m in the Mood for Dancing(大月・真瀬・吉田
えーと、私の世代だと、この曲は、ノーランズの「ダンシング・シスター」なのですが、今の方は、このタイトルは使わないのかな…[あせあせ(飛び散る汗)]超大好きなナンバーなので、心の中で一緒に歌っていました。
ここから、個人コーナー。それぞれ自分で選んだ曲を2曲ずつ歌います。
吉田萌美コーナー
☆スマイルスマイル
平原綾香のナンバー。えーと、たしか、平原なら「Smile」という曲を私はよく知っているんだけど…いつの間にかスマイルが一個増えている…そして、曲は全然違いました(笑)
☆gimme gimme
こちらは、ABBAの「Gimme Gimme Gimme」じゃないです。学生時代、文化祭だったか、卒業公演だったかで、ミュージカルに主演し、この曲を歌ったのだそうです。そして、その時にグランアーツの社長さんが観に来ていて、所属が決まったのだそうです。思い出の曲というわけですね。
真瀬はるかコーナー
☆GOD HELP
ディズニーの『ノートルダムの鐘』でエスメラルダが歌っているナンバー。初挑戦だったそうです。
☆ノンフィクション
こちらは、グランアーツの若大将・井上芳雄さんが歌っているのを聞いて、挑戦してみたい[exclamation]と、歌うことにしたんだとか。今回は、初めての歌をたくさん聴くことができて、嬉しかったです[るんるん]
大月さゆコーナー
☆ダンスはやめられない
ご存じ『モーツァルト!』のナンバー。やっぱりカッコいい[exclamation×2]
☆cheek to cheek
こちらは、古いミュージカル『TOP HAT』のナンバーですね。ソフトでコケティッシュでステキでした。
〇Tomorrow(大月・真瀬・吉田
みんな大好き、『アニー』のおなじみのナンバー。元気が出てくるナンバーですよね。
〇マンマミーアメドレー(大月・真瀬・吉田
そして、元気が出るを通り越して、テンションマックスになる『マンマ・ミーア』で、もう去りがたくなっちゃいました。いやー、いいもの観たな~[ひらめき]Kさま、いつもありがとうございます[黒ハート]


宝塚ファン的にはおなじみの大月真瀬だったが、今回、吉田萌美(めぐみ、と読むそうです)ちゃんという、ステキなシンガーを知ることができて、よかった。


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「夢の中にきみがいる」 [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

「夢の中にきみがいる」


演奏:藤本えり(ピアノ)、鳥海涼子(アコーディオン)、中津裕子(ベース)、鳥垣優羽(ドラム)


一日だけのコンサート。
11月7日は、越路吹雪さんの御命日…ということで、この日、元タカラジェンヌらでコンサートが開催された。


MCは、最上級生の高汐巴。そして出演者のほとんどが元タカラジェンヌだったこと、越路さんも元タカラジェンヌということで、まず、全員の歌う「すみれの花咲くころ」からコンサートは開始した。


そして、ソロコーナーは、麻乃佳世からスタート[exclamation]歌は、「夢の中に君がいる」。今回のコンサートタイトルのナンバーですね。ベージュのスリップドレスがとてもキュート。そしてお歌も、現役時代より艶のある声が出ていて、とても雰囲気がありました[るんるん]


続いて、同期の初風緑「ろくでなし」。黒系の衣装で、低音をビンビンに響かせて、パンチのある歌いっぷりでした[ぴかぴか(新しい)]


続いて、星奈優里「バラ色の人生」。綺麗だった~[かわいい]ちょっと緊張しているような気がしたが、ゆりちゃんらしい、泣き節が懐かしかった。(薄茶のドレスのスカート部分に薔薇の花が立体的に施されていて、美しかったです)


舞風りらは、「愛の幕切れ」。ゆうひさんや、宝塚の舞台で何度も聴いてきた曲なので、イントロから、おおっ[exclamation×2]と思った。可愛らしい印象のまーちゃんだったけど、引きずるような長さの真っ赤なロングドレス姿で、大人の女な感じ。ドラマチックな歌声に魅了された。


そして、沢希理寿「家に帰るのが怖い」。肩くらいの長さの髪を、片側編み上げて、反対側に多く垂らしたヘアスタイルで、紺のワンピース…だったかな。恋を失くした女性が、恋人の思い出の残る家に帰るのが怖い…という歌。この曲は、たぶん初めて聴いたが、ステキな歌だった[わーい(嬉しい顔)]


続いて、貴澄隼人「ジョリー・シャポー」。トップハットを背中に隠して登場したパンツルック姿がめっちゃ可愛くて。つい半年前まで髭が生えていたはずなのに…可愛い[かわいい]なんとなく、ドラマ「越路吹雪物語」のヒロイン、瀧本美織ちゃんにも似ているような気がして、すごく気持ちを入れて見ていた。歌を続けてほしい人。


そして、輝城みつる「ワン・レイニーナイト・イン・トーキョー」。黒×金のスリップドレス。退団から1年だけど、筋肉がすごくて、きっと鍛えているのね…と思う。髪形はショートなので、そんなに雰囲気は変わっていなかったが、歌声は高い音域を使っていて、新たな魅力。ちなみにこの曲は、いわゆるムード歌謡という分野のナンバーになると思うのだけど、一応、越路吹雪さんの楽曲のひとつです[ひらめき]


で、優ひかる「ユーヌ・シャンソン」。黒のパンツスーツで登場し、現役まんま、といった風情だったが、一応、足元はピンヒール。そして、歌声は、なかなか可愛らしかった。というか、私、ひかちゃんがこんなに長いこと歌っているの、聴いたことなかったな…などと思う。ハクハクする部分もあったが、概ね満足のいく出来でした[グッド(上向き矢印)](←発言が微妙にファン)


そして、上野ようこ「さくらんぼの実るころ」。この方は、元タカラジェンヌではないですよね…。4月にゆうひさんが歌った曲なので、もちろんイントロで、おおっ[exclamation×2]と思いましたとも。赤いワンピースを着てました。


続いて、紗愛せいら「セ・シ・ボン」。可愛らしいワンピース姿。緊張していたと思うが、客席から手拍子が入って、笑顔になったのが可愛かった[かわいい]


ブルーのノースリーブワンピースで登場した藤咲えりは、「私の心はヴァイオリン」を。落ち着いて、美声を披露。現役時代そのままの清楚さで、うっとり。ゆうひさんと同時退団なのに、すごい…[ぴかぴか(新しい)]


1幕ラストは、高汐巴「ジジラモローゾ」。ちょっと芝居仕立てのような歌いっぷりで、貫禄十分のペーさんでした[ぴかぴか(新しい)]


第1部は、全員が1曲ずつソロを歌うという平等な構成だったが、第2部は、学年とか現役時代の立場で少しずつ待遇に差ができている。ま、それは、当然だと思うものの、2曲歌う人しか自己紹介できなかったのはイタい。1幕でも名乗ってないし、フィナーレでも名乗ってないし、あまり詳しくない人は、あの人誰[exclamation&question]で終わってしまう。ここは、反省点だと思った。


第2部の最初は、星奈。曲は、「離婚」「ケサラ」。衣裳を変え、黒いドレス。大胆なスリットがセクシー[キスマーク]MCも堂に入っていて、感慨深い。「離婚」の歌いっぷりがあまりに素晴らしくて、何かあったかとビクビクしていたが、私生活は大丈夫なようです[あせあせ(飛び散る汗)]
腰に手を当てた時の攻めっぷりが、最強な星奈優里だと、私、心底思っております[るんるん]


続いて、舞風「最後のワルツ」「アマリア」。こちらも衣装を変えて、ブルーのドレス。「アマリア」は、越路さんの歌ではないが、岩谷時子&内藤法美の曲ということで、選曲されたらしい。何度も男に騙されるアマリアという女性を慰める歌。ラストの歌詞がすごく胸に沁みた。「[るんるん]明日はブドー酒かついであなたの身を焦がす若者が来るわ[るんるん]」「あなたに身を焦がす」じゃないところが、奥深いな…と思う。さすが岩谷さん[exclamation×2]


紗愛&優「花祭り」。94&95期で退団したばかりだと、二人で一曲なのか…[爆弾]
ひかちゃんがせいらちゃんと同じキーで歌っていて、しっかり可愛い声なのがツボでした。


そして輝城「メランコリー」。衣装は同じ。こういうところも学年と曲数で制限があるのかな…と思ってみたり…。


貴澄「君を待つ」。黒ワンピースに同色のストール。(92期から衣装替えOK[exclamation&question])やっぱ、可愛い[揺れるハート]声は深みがあって素敵でした。


藤咲「シャンソン」。えりちゃんは、同じ衣装でした。低いキーの曲も歌いこなしていて、とてもステキでした[るんるん]


沢希「ジャヴァ」。ジャヴァというのは、アコーディオンを伴奏とした快活な三拍子の音楽だそうです。薄いピンクの短めのワンピースに着替えての登場だった…かな。


初風は、「恋ごころ」「ラストダンスは私に」。グレー~赤のグラデーションの裾の広がったドレスで、とても綺麗だった。トークも絶妙。MCをした人の話を総合してみると、曲は、本人の希望だったり、プロデューサーにお任せだったりしたらしい。ガイチさんは、お任せしてみたら、最初の曲が「ろくでなし」だった、と笑わせる。
どの曲も低いキーで歌い切っていたが、これが越路さんのリアルのキーだったのかな。


麻乃「じらさないで」「アコーディオン弾き」。どちらもドラマチックな歌。特に、「アコーディオン弾き」は一人の女の愛と哀しみの歴史を歌い切り、見事なシャンソンになっていた。たしか…赤いドレスに着替えていたんじゃないか…と思います。最後の「やめて!」の悲鳴が、すごい印象的[exclamation×2]


高汐は、黒のパンツスーツで、「そして今は」を歌う。一度客席が暗くなり、越路さんが亡くなってしばらくした頃に、岩谷さんが書いた「眠られぬ夜の長恨歌」という詩を朗読し、最後に「水に流して」を熱唱。
「眠られぬ夜の長恨歌」は、岩谷さんの心が血を流しているような、そんな詩だった。越路さんと岩谷さんの長き二人三脚をドラマで見ていなかったら、この詩にここまで心を揺さぶられなかっただろうと思う。ほんとに素敵なドラマだったな~[揺れるハート]


最後に、スペシャルゲストの雪村いづみが登場。越路さんの代表曲である「愛の讃歌」を歌うはずが…ちょっとアクシデントで中途半端に終わってしまった。ちゃんとリハーサルとかしてたのかな…と少し疑問に思った。短い時間しか聴けなかったが、御年81歳でも衰えぬ美声ではあった。
で、これが最後で、あとはカーテンコール「幸せを売る男」だったので、あれあれ[exclamation&question]みたいな感じになってしまった。


一日限りのステージだったので、まあ、舞台裏は大変だったんだろうな…と思いつつ、それでも、懐かしい歌声を堪能できたことに感謝しつつ、ヤマハホールを後にした。
音響、本当に素晴らしいホール。またここでゆうひさんの歌を聴きたいな…と思った夜だった。


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ウツバー [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

宇都宮隆ファンの友人に誘われて、コンサート[exclamation&question]ライブ[exclamation&question]に行ってきた。
ツアーの初日にも行っていて、今回は千秋楽。


コンセプトはほぼ昭和の「歌謡曲」。
「ウツバー」という名のバー[exclamation&question]居酒屋[exclamation&question]的セットの中、宇都宮隆を中心とした4人編成(ボーカル・ギター・ベース・キーボード)のメンバーで、昭和の歌謡曲を歌いまくる…というコンサート。
もう何年も前からやっているそうだが、私は、今年初めての経験。


日々、バンド名を考えているとのことで、千秋楽のこの日は、「シュランシュラン」だった。
(デュラン・デュランというロックバンドがありまして、それに、“酒乱”をかけたんですね。)


オープニングナンバーは、沢田研二の「TOKIO」
そのまま演奏するのではなく、ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」のイントロから始まるというアレンジ。その他の曲も、大ヒットした洋楽をアレンジに使っていて、それが面白い。


そして、次の曲は、「ビー・マイ・ベイビー」。洋楽だけど、この訳は誰のだったんだろう[exclamation&question]曲は知っていたけど、日本版のオリジナルが誰なのかは、知らなかったです。この曲は初日には出てこなかったと思います。


そして、越路吹雪「サン・トワ・マミー」
これは、初日も聴いたような気がする。


キーボードのニシケンくんによる、「長崎は今日も雨だった」(内山田洋とクールファイブ)。
ニシケンくんは、前川清さんの大ファンなんだとか。それで、初日も「東京砂漠」を歌っていたのね…[ひらめき]


続いて、「夢見るシャンソン人形」。これも洋楽で、日本で歌われているのは、岩谷時子作詞のものだそうだ。


そして、和田アキ子の「古い日記」[るんるん]あの頃は~ハッ[るんるん]ってやつですね。


ここから少し新しくなって、岩崎宏美の「思秋期」。ようやく私の記憶が鮮明になってまいりました[exclamation×2]


と思ったのも束の間、次は、ピンキーとキラーズ「恋の季節」でした…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


さらに次の曲は、黛ジュンの「天使の誘惑」。少し前に、この曲は、ハワイアンのコード進行で作られていると聞いたばかり。そう言われてみれば…[ひらめき]


ここで、新御三家メドレー。
「情熱の嵐」(西城秀樹)~「ギャランドゥ」(西城)~「私鉄沿線」(野口五郎)~「19:00の街」(野口)~「青いリンゴ」(野口)~「林檎殺人事件」(郷ひろみ・樹木希林)~「ハリウッド・スキャンダル」(郷)~「サタデー・ナイト」(ベイ・シティ・ローラーズ)~「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」(西城)~「花とみつばち」(郷)
初日(4/4)もこのメドレーはやっていて、その時は、「林檎殺人事件」のところでミニコントみたいなのも入ったりしていたのだが、今回はシンプルに歌だけだった。まさか、こんな気持で新御三家メドレーを聴くことになるとは…。
とはいえ、秀樹の訃報にふれることなく、普通に流れていく時間でした。


さらに、千秋楽スペシャルで、メドレーも二つ。今度は、ジャニーズメドレー。
「君だけに」(少年隊)~「パラダイス銀河」(光GENJI)~「ギンギラギンにさりげなく」(近藤真彦)~「抱きしめてTonight」(田原俊彦)~「スシ食いねぇ」(シブがき隊)~「WAになって踊ろう」(V6)~「LOVE YOU ONLY」(TOKIO)~「硝子の少年」(Kinki Kids)~「A-RA-SHI」(嵐)~「青春アミーゴ」(修二と彰)
一応、看板にはこう書いてあったのですが…「抱きしめてTonight」はイントロだけだった…[わーい(嬉しい顔)]
ベースが野村義男だったので、「ギンギラギン…」や「抱きしめて…」イントロでは、モノマネなんかも聞けて面白かったです。


そこから、さらに、「どうにもとまらない」(山本リンダ)まで遡り、そこから、中山美穂の「JINGI・愛してもらいます」で終了。アンコールは2曲あったが、やっぱり、ウツは、小室さんのことが好きね…なんて、思う夜だった。


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落語に行ってきました! [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

落語の会、またまたお誘いをいただき、行ってきました。


「第十回 古今亭文菊 SHINGO十番勝負」


古今亭文菊師匠(本名が“しんご”とのこと)が、大先輩の胸を借りて十番の落語会をやる…という会の十回目。
つまり、ファイナル[exclamation×2]
(その昔、「新吾十番勝負」という時代劇があり、それにかけたタイトルだそうです。)


今回は、いつものエコー劇場ではなく、紀伊國屋ホールでの開催[exclamation]
しかも満席[exclamation]
ゲストは、人間国宝、柳家小三治師匠[exclamation×2]


まず、前座の金原亭駒六さんが、「手紙無筆」を。今回は上演時間の関係で、18:30開演といいつつ、前座の開始は18:20。情報を知らないお客さんがゾロゾロ入ってくる中、噺を続ける…というのは、厳しい状況だったと思うが、動揺することなく聴かせてくれた。


無筆というのは、読み書きができない人のことで、職人の八五郎は、無筆だった。ある日、伯父から手紙が届いたので、「学がある」と吹聴していた職人仲間の通称“兄貴”に読んでもらおうと訪れる。しかし、“兄貴”は―
もう、どう考えても、兄貴も無筆なのに、どうにかやり過ごそうと、色々な手段を講じてくる辺りが笑いどころ。もしかしたら、もう少し長い噺なのかもしれないが、ジャスト10分で修了した。
口跡がよくて、とても聴きやすかった。味付けみたいな部分は、これから出てくるのだろうな。頑張ってください[黒ハート]


続いて、文菊師匠は、「厩火事」
「髪結いの亭主」という言葉があるが、髪結いのお崎の亭主は、仕事もせず、昼から酒を飲んでいるような男。夫婦はケンカが絶えず、ケンカのたびにお崎は仲人のところに相談というか愚痴を言いにやってくる。
業を煮やした仲人は、中国に孔子という偉い人がいて、ある日可愛がっていた白馬が厩の火事で死んでしまったと聞いた孔子は、馬のことより、弟子の無事を喜んだという話を聞かせ、同時に、麹町のさるお武家様は、瀬戸物に凝ったあまり、奥方が皿を持って階段を下りる際に、足を踏み外して下まで落ちてしまった時に、「皿は?皿は?」と皿のことばかり言ったために、離縁されてしまったという話もする。
そして、亭主が大事にしている皿をわざと割ってしまったら、亭主の本心が分かる、とお崎に伝え―
亭主は皿よりお崎を心配してくれたものの、ちゃんと落語らしいサゲが用意されている。


そこへ持って行くまでの、お崎さんの女心を丁寧に描いた辺りが、文菊さんらしいな~[揺れるハート]と思える一席だった。


続いて、本日のゲスト、柳家小三治師匠「出来心」
「出来心」は、以前、この「SHINGO十番勝負」でもかかった演目。あらすじは、こちらをご覧ください。
でも、さすが、人間国宝。
本題に入る前に、自由で長い枕がつき、俳句を披露されたり、フランク永井さんの「公園の手品師」という歌まで歌ってくれた。


「出来心」の方は、前座サイズの短い噺になっていたが、自由な語り口は変わらず、知っている噺なのに、爆笑していた。
体調不良でお休みされていたこともあって、心配半分で見ていたが、飄々としたベテランの芸風に、してやられた感あり。演劇でいうなら、江守徹みたいな感じかな。
こういう味を出してくるから、ベテランは恐ろしいのだ。 


休憩を挟んで、柳家小菊さんによる「粋曲」。
三味線を手にトークと「さのさ」や「都々逸」披露。
とっても粋な寄席の雰囲気を感じることができた。


最後に再び、文菊師匠の「抜け雀」
枕のところで、小三治師匠がたいへん上機嫌でお帰りになったと。そして、「どうして柳家の大御所の方は、歌いたがるんでしょうね~。我々古今亭には、いないタイプ」というような話に持って行く。
そして、江戸時代の旅において嫌われていたのが、「護摩の灰」と「駕籠かき(雲助)」であるとして、軽く解説をした上で、一文無しを泊めてしまった街道の宿屋夫婦の噺に入る。
一文無しなのに一週間も泊まった挙句、朝昼晩に一升ずつ酒を飲む。酒代だけでも支払ってほしいと言うと、居直って、金はないから、絵を描いてやると言い出す。やはり宿代が払えないから、と職人が作って置いていった衝立に絵を描くと言う。宿の亭主は、衝立だけなら売れば金になるのに、変な絵を描かれては売れなくなると思うが、男は強引に絵を描いてしまった。
それは雀の絵だったが、翌朝、亭主が部屋に行くと、朝日を浴びて雀が衝立を抜けてエサを求めて飛び立って行き、しばらくすると衝立に戻ってきた。この不思議な出来事はすぐに有名になり、とうとうお殿様が千両を出して買いたいというほどになってしまう。
ある日、一人の老人が宿に泊まり、この衝立を見るなり、この衝立には止まり木がないから、このままだと雀が死ぬと言って、止まり木を描かせろと言い出す。亭主はイヤだったが、老人に気圧されて絵を描かせてしまう。すると老人は、大きく鳥籠を描き、雀は、籠の中に収まったのだった。
またこれが評判となり、お殿様は二千両を出すとまで言っている。
そんな時、あの一文無しが、すっかり身なりもよくなって再逗留に来た。亭主はこれまでのいきさつを語り、鳥籠付の絵を見せると、男は涙を流して、この絵は父が描いたものです、と言う。
あなたがご立派になって、父上もお喜びでしょうと亭主が言うと、
「私は、親不孝です。父を籠描き(駕籠かき)にしてしまった」
とサゲる、というもの。


なるほど、あの、用語解説はこれだったか[exclamation]
と納得し、ここに至る物語を見事に聴かせてくれた文菊さんに感動のひとことだったが、帰り道、演目の解説を調べて、痺れた。


「抜け雀」は、その昔、上方以外では、志ん生師匠しかやっていなかったそうで、志ん生師匠存命中は、遠慮して他の人は演じていなかったと、書いてあった。
ああ、だから、枕のところで、軽いジャブみたいに「柳家一門」「古今亭一門」みたいなことを言ったのだ。
志ん生師匠から、弟子に受け継がれていった「古今亭一門」の大事な噺を、このファイナルに精一杯演じる[ひらめき]
ベテランには、抜け感の良さがあるが、今が旬の芸人は、フルスロットルの芸が見たい。今の最高を見せてもらったし、その気概も感じることができた。


コンプリートはできなかったが、この十番の間に、さらに魅力的になった文菊師匠。これからも応援していきたいです。


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落語に行ってきました! [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

落語の会、またまたお誘いをいただき、行ってきました。


「第九回 古今亭文菊 SHINGO十番勝負」


古今亭文菊師匠(本名が“しんご”とのこと)が、大先輩の胸を借りて十番の落語会をやる…という会の九回目。(その昔、「新吾十番勝負」という時代劇があり、それにかけたタイトルだそうです。)


今回のゲストは、春風亭一朝師匠。
基本的に前座の方が一席、文菊師匠が一席、ゲストが一席、5分の休憩をはさみ、文菊師匠がもう一席、でお開きとなる構成。


まず、前座の春風亭一猿(いちえん)さんが、「松竹梅」という落語を聴かせてくれた。


職人の松五郎、竹蔵、梅吉の三人が、得意先のお嬢さんの祝言にお呼ばれし、なにか余興をやりたいと、物知りの隠居を訪れる。それで、ちょうど、三人の名前が松竹梅で縁起がいいから、その順に並んで、祝儀の言葉を述べるのがよかろうということになった。
そして、松さんが『なったあ、なったあ、蛇(じゃ)になった、当家の婿殿蛇になった』。次に竹さんが『何の蛇になあられた』。最後に梅さんが『長者になぁられた』というオチを教わったものの、実は、梅さん、かなりのおっちょこちょい。本番で、全然違うことを言い出してしまう。最後には、“亡者になぁられた”とまで言ってしまって…という噺。
梅吉がイケてないのは重々わかりつつ、おめでたい席なので、松竹梅の順に並んで余興をする、という縛りが、三人を苦境に陥れる。その辺が面白いな~と思う噺だった。
短くて、わかりやすい噺だったが、前座の力で、たくさんの人物(少なくとも同時に、ご隠居、松五郎、竹蔵、梅吉の4人が登場する)を演じ分けるのは難しいなぁ~と感じた。


続いて、文菊師匠は、「四段目」
丁稚の定吉は、大の芝居好き。今日も朝から出かけたきり、戻ってこない。主が、お灸を据えようと待ち構えていると、戻ってきた定吉はしゃあしゃあと嘘を言って逃れようとする。
しかし、主の誘導尋問、「今上演中の忠臣蔵の見どころは五段目の山崎街道で、猪の前足を片岡愛之助、後ろ足を藤原紀香が演じているそうだね」に対して、ついつい、そんなことはない、自分は観てきたばっかりだと、語るに落ちてしまう。
こうして、お仕置きに蔵に閉じ込められた定吉だったが、鞍の中で、空腹を紛らわそうとして、忠臣蔵の四段目を一人演じているうちに盛り上がってしまう。
さらにリアリティを追求しはじめ、蔵にあった短刀を手に切腹シーンを演じようとしていたところを女中に見つかり、それを聞いた主は、腹が空きすぎて妙なことを考えたのかと、慌てて飯を届ける。
サゲは、「蔵のうち」(=内蔵(助))「待ちかねた~」と、どこまでも芝居の台詞。


演劇的な文菊落語が見事に花開いた噺だった。
今は亡き、団十郎さんの真似も、うまかったです[黒ハート]


続いて、本日のゲスト、春風亭一朝師匠「天災」


気が短くて喧嘩っ早い八五郎、ある日、ご隠居さんから「紅羅坊奈丸(べにらぼうなまる)という心学の先生を紹介され、訪問する。
最初は、「てやんでぇ、ちくしょうめ」などと言っているが、途中から、すっかり感心してしまい、自分も誰かにその教えを語ってみたくなる。
後半は、そんなわけで、「青菜」的展開。
新しい女を連れ込んだところへ、前妻が戻ってきて大騒ぎになっている友人のところへ行って、にわか仕込みの間違いまくった格言を次々に聞かせる。そして、「前の奥さんが飛び込んできたのも、すべて天がしたこと、天災と思って…」と諭すと、逆に、「テンサイじゃなくて、うちは、センサイ(先妻)でもめてるんだ」というサゲになる。


真夏の落語会ということで、絽の羽織をお召しだったのが、とても粋に感じました。
若い文菊さんを応援しようという感じの枕も素敵でした。


休憩を挟んで、再び、文菊師匠の「船徳」
これ、以前に上方バージョンを聞いたことがある。こちらですかね。
勘当されて船宿の二階に住んでいる若旦那が船頭になりたくて…という、だけで、展開は予想できると思うが、船宿の親方、船頭たち、女将さん、お客さん…と、様々な登場人物を見事に演じ分け、一人で演じるコメディといった雰囲気、素晴らしかった。


次回は、いよいよ、最後の10回目。11月14日とのこと。またぜひ行きたい。


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真央ちゃん… [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

フィギュアスケートの浅田真央選手が引退を発表した。

26歳…世界には30歳近くまで現役を続け、順位を上げていく選手もいるので、一概には言えないが、トリプルアクセルを跳び続けた真央ちゃんは、それだけに故障も多かったと思うし、昨今の状況を見るに、もう気持ちが途切れてしまったんだろうな…と…[もうやだ~(悲しい顔)]

伊藤みどり選手がオリンピックでトリプルアクセルを跳んだのは、1992年のアルベールビル大会だった。ゆうひさんが初舞台を踏んだ年ですよ。四半世紀前。
同じ大会、男子で金メダルを取ったペトレンコ選手もトリプルアクセル(トリプルトゥとのコンビネーション)が一番難しいジャンプだった。
つまり、男子と女子、最高難度のジャンプが同じレベルだった[exclamation]

今は、男子は、複数の4回転をプログラムに入れる時代。
女子もトリプルアクセルが優勝の条件になってもおかしくないのに、なぜか、そうなっていない。25年前とほとんど同じレベルで戦っている。

男子でも、4回転に挑戦するより、トリプルアクセルをキレイに跳んだ方が高い得点になった時代があった。
バンクーバー五輪はそんな時代の大会で、その頃は4回転に挑戦するのはばかばかしい雰囲気にもなった。
それが真央ちゃんVSキム・ヨナ選手と言われたオリンピックだった。そういう時代の巡り合わせがあったことも残念だったな、と思う。

男子はその後、4回転複数時代が到来し、観戦もハラハラドキドキ、とても楽しくなったが、女子はいつになったらそんな時代が来るのか。
真央ちゃんの引退で、また遠のいたかもしれない。

いままで本当にありがとうございました。真央ちゃんにたくさん元気をもらえて、楽しかったです[黒ハート]


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落語に行ってきました! [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

落語の会、一度間があいてしまったのですが、またまたお誘いをいただき、行ってきました。

「第八回 古今亭文菊 SHINGO十番勝負」

古今亭文菊師匠(本名が“しんご”とのこと)が、大先輩の胸を借りて十番の落語会をやる…という会の八回目。(その昔、「新吾十番勝負」という時代劇があり、それにかけたタイトルだそうです。)

今回のゲストは、入船亭扇遊師匠。
基本的に前座の方が一席、文菊師匠が一席、ゲストが一席、5分の休憩をはさみ、文菊師匠がもう一席、でお開きとなる構成。

まず、前座の柳家小多け(こたけ)さんが、「出来心」という落語を聴かせてくれた。

いまいちイケてない泥棒さんが、師匠の指導のもと、空巣に入ろうとするが、どうも才能がないらしい。留守宅にあがりこんで、タバコと羊羹を勝手にごちそうになるが、家人が2階にいたことがわかり、命からがら逃げだして…それでもタバコと羊羹分儲けたからいいか…と思ったら、下駄を置いて来てしまった、というサゲ。
この「出来心」という噺は、同じタイトルで出だしも一緒で、途中から2つのストーリーがあるようですね。もう一つの「出来心」も聞いてみたいな…と思いました。
小多けさんは、大学の落研出身のようですね。

続いて、文菊師匠は、「湯屋番」
枕でいきなり、宝塚歌劇団という言葉がでてきて、急に姿勢を正してしまいました[わーい(嬉しい顔)]
文菊師匠、宝塚で雪組生を相手に、落語を聴かせ、質疑応答までこなし、『幕末太陽傳』の東京初日に招待されたんだそうです。トップさんから、「ぜひダメ出ししてください[exclamation]」と頼まれたんだとか…。
なにやら、いきなりのオファーだったようで、どうして文菊師匠だったのかは、ご本人も首を傾げていました。昨年くらいにNHKで、小林一三の生涯を描いたドラマをやった時に、出演されていたからかなぁ~[exclamation&question]と思ってみたり。

落語には、若旦那という、遊ぶことしか考えていないキャラが登場することがよくあるが、その典型的なキャラを描いているのが、今回の湯屋番。
家からは勘当され、居候している家からも煙たがられ、仕方がないので、湯屋で働くことにした。が、やりたい仕事は、番台だけ。
その番台に乗ったものの、女湯には客が来ない。暇なので妄想している姿を男湯の客たちに笑われている…という情景を描いた噺。

いやー、もう、文菊さんの演じる色っぽい女性像が面白すぎ[黒ハート]最初の頃は、そこにクセを感じていたが、(言葉を発せずに口だけ動かすことで色っぽさを表現するのは、あまり上品とは思えなかった)最近は、クセも個性の範囲になって、違和感を感じることがなくなった。今はもう、心の底から面白いと感じている。

続いて、本日のゲスト、入船亭扇遊師匠の「妾馬」

人情噺って感じかな。サゲが特にあるわけではなく、八五郎というハチャメチャな男が、殿様の側室になって跡継ぎを産んだ妹の祝いに御屋敷に招かれ、様々な失敗を繰り広げながら、なぜか殿さまにも気に入られて出世することになる、という、サクセスストーリー。

年の功というか、温かみのある素敵な噺でした[黒ハート]

休憩を挟んで、再び、文菊師匠の「子別れ」
放蕩が過ぎて、妻子に出ていかれた大工の熊五郎。後添えにした吉原の女郎は、朝昼晩寝ているばかりで、叩き出そうとしていたら、先に男を作って出て行ってしまった。さすがに反省し、酒をやめて立ち直った熊五郎。ある日、町で一人息子の亀坊に会う。
逃げた妻が再婚もせずに女手一つで亀坊を育てていることを知る。そして、明日亀坊に鰻をごちそうしてやると言って別れる。
熊五郎は亀坊に自分のことをお母さんに話さないでくれ、と口止めするが、小遣いに渡した50銭が見つかり、誰からもらったのか、と母から問い詰められ、ゲンノウで叩くと言われた亀坊は、本当のことを話してしまう。
翌日、鰻屋で再会した元夫婦は、元の鞘に収まるが、その時「子は鎹(かすがい)だ」と聞いた亀坊が、「だからゲンノウで殴られるのか」と納得するというサゲ。

ゲンノウは、トンカチ、ナグリのことですね。鎹は、扉なんかに付いている、二つの板を繋いで開け閉めができるようにするアレですね。今は金具なことが多いですが。

文菊師匠は、夫婦と息子の三役を見事に演じ分け、芝居のような素敵な落語でした[黒ハート]

次回は、7月とか。また行けますように。


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箱根駅伝2017 [┣コンサート・スポーツその他のパフォーマンス]

今年も行ってまいりました[exclamation×2]

箱根2017-1.jpg 2日目の日の出を見ながら、出発[exclamation]

箱根2017-2.jpg 

2台の白バイの先導で、今年も選手たちがやってきました[黒ハート]

箱根2017-3.jpg

左から青学大・一色選手、東海大・關選手、神奈川大・鈴木健吾選手、駒大・工藤選手、その奥に隠れているのが東洋大・山本選手、早大・永山選手です。

箱根2017-16.jpg 山本選手、隠れちゃってたから、別角度でもう一枚。

箱根2017-4.jpg 早稲田・永山選手、もう一枚[exclamation]

箱根2017-5.jpg

順大・塩尻選手、帝京大・内田選手、中央学大・高砂選手です。

箱根2017-6.jpg

大東大・原選手、國學院大・蜂須賀選手、上武大・東選手です。

箱根2017-7.jpg 箱根2017-8.jpg

左が拓大・デレセ選手、右が法大・足羽選手。

箱根2017-9.jpg 箱根2017-10.jpg

左が日大・ワンブィ選手、左が日体大・小町選手。

箱根2017-11.jpg 箱根2017-12.jpg

左が創価大・ムイル選手、右が明大・江頭選手。

箱根2017-13.jpg 國士大・住吉選手。

箱根2017-14.jpg 箱根2017-15.jpg

左が山梨学大・ニャイロ選手、右が関東学生連合(オープン参加)の中大・堀尾選手です。

今年は、全選手を撮影できたみたいです[手(チョキ)]

【1月2日】
東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)が第32回大会(1956=昭和31年)より1月2日・3日の開催となる。

昔は、1月2日・3日ではなかったんですね。


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