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「VAMPIRE LEGENDS」カーミラ編撮影会 [┣Studio Life]

スタジオライフ公演「VAMPIRE LEGENDS」を観劇。
撮影大会だったので、撮影した写真のお裾分けを。今回の公演は、原作通りの「カーミラ版」と、ライフが長年上演してきた「ゼーリヒ版」を交互上演する。私がまず観たのは、カーミラ版。


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ヒロイン、カーミラ(松本慎也)。圧倒的に美しく、スタイルもバツグン[黒ハート]


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右がカーミラを慕うローラ(山本芳樹)。18の乙女です。左はローラの父、エドワード(曽世海司)。


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我が子の仇、カーミラを追い詰める将軍(緒方和也)。


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整列。右の二人は、右からローラの家庭教師・ラフォンテン(伊藤清之)、家政婦のペロドン(大村浩司)。


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このお父様は、家庭教師とどうこう…ということは、ないようです。


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二人のヒロイン。


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お父様、カーミラを不審に思うも、綺麗なので、ちょっと嬉しそう。


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二人なら最強[黒ハート]


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仲が悪いわりに、一緒にいる二人。


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二人は親友。


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全方位スキなしのラフォンテンさん。(無防備なペロドンさん)


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敵にしなだれかかるカミーラ。不本意に腕を組まれるラフォンテン。


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父と娘。


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記念撮影。一瞬、家族[exclamation&question]に見えるけど、全員、赤の他人。


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男前な娘。


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出演者一同。
公演感想は、別記事でお届けします。


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「60‐60の会」配信観劇 [┣Studio Life]

「或る俳優の物語~もう1つのクリスマスカロル~」


脚本:松田環(劇団しゅーくりー夢)
演出:倉本徹


昨年、観劇するつもりだったが、行けなかった公演。
出演は、「60‐60の会」こと、スタジオライフ代表の藤原啓児とシニアの倉本徹。
耽美劇団である劇団スタジオライフでは、劇団員の年齢はタブーということになっているらしい。が、男優集団ということもあり、誰も話を聞いていない。一応、どこかでバラされそうになって汗かいた…とか言っているちゅーちゃん(仲原裕之)みたいなかわいい人もいるのだが、そうじゃないメンバーの方が多い。
そもそも代表自身が、「還暦、還暦」と言って、同じく還暦の倉本さんと「60‐60の会」を結成してしまうのだから、もう、何をか言わんや、である。
そんな緩い、還暦お二人の朗読劇ー


すごく素敵だった。
配信見られて、本当によかった[黒ハート]
個性派俳優と、同級生の物語。いわゆる幽霊ものだったりするのだが、そこに込められた思いは、若い人には出せない、コクと深みがあって、味わい深かった。
お二人が出演する「言葉の奥ゆき」(配信)も、購入しちゃいますよ、そりゃぁ~[黒ハート]


再演されたら、今度こそ、絶対に行きます。
再演じゃなくても、別の作品でも、朗読劇じゃなくてもいい。
60‐60のお二人のファンです、私[ハートたち(複数ハート)]


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またまた「Y’s Live」! [┣Studio Life]

11月に行われたばかりの「Y's Live」、またまた開催されました[exclamation×2]


演劇公演が飛んでしまったこともあるかもしれないが、こんな短期間に連続開催されるのは、珍しい。(と思う)
今回は、ゲストが、さらに増えて、笠原浩夫(シニア)、関戸博一(Jr.7)、若林健吾(Jr.11)。演劇できますね、既に。(このメンバー、かなり昔に「3MEN…」をやったチームということらしい。その時のチーム名が「Mind the GAP」。学年差を意識しようってことですかね。)
てか、笠原さん、歌うんだ…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
と思ったけど、歌ってくれました[わーい(嬉しい顔)]


なんか、よくわからないけど、笠原さんが楽しそうだったから、いい[黒ハート]
レギュラーの関戸氏は、今回も、ロートレックの時の芳樹さんの画像を取り込んだTシャツを着て参加。もうすっかりライブに馴染んでますね。そのうち、ソロライブとかやりたがるのでは…[exclamation&question]ドキドキ[あせあせ(飛び散る汗)]
若ちゃんの歌は、すごく素直で、声質がやわらかくて、好き[かわいい]
芳樹さんの歌は、今回も魂を揺さぶられました。コロナが収まったら、参加してみようかな。


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「Y’s Live」配信を見た! [┣Studio Life]

山本芳樹ライブ「Y's Live」を配信で見た。


スタジオライフファンとして、劇団員の外部出演作品も追いかけたいな…とは思うものの、なかなか追い切れていない。特にライブともなると、真ん中の人のファンでないと行きにくい。
しかし、配信なら…と、申し込んでみたら…


かっこいい[黒ハート]
芳樹さん、トシ取るの忘れてませんか[exclamation&question]
あと、歌う芳樹さんって、イケメンだよね~[揺れるハート]
(演じる芳樹さんは、七変化だから、いつもイケメンというわけではない…)


ゲスト出演のせっきー(関戸博一)も、頑張ってました[exclamation]


この状況下、ライブをやる覚悟もすごいし、会場で応援するファンの心意気もすごい。
胸アツのライブでした。


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スタジオライフ「バタフライはフリー」観劇 [┣Studio Life]

The Other Life Vol.11
「バタフライはフリー」


作:レオナルド・ガーシュ
訳:黒田絵美子
演出:倉田淳


美術・照明・舞台監督:倉本徹
音響:竹下亮(OFFICE my on)
ヘアメイク:MUU
ヘア協力:葛城奈菜海
衣裳:石飛幸治
演出助手・照明操作:中作詩穂
音響操作:鈴木宏明
版権コーディネート:シアターライツ
企画制作:Studio Life


6月頃に上演する予定だったが、新型コロナの影響で劇団の上演計画を見直し、7月に朗読「言葉の奥ゆき」を上演し、本公演は9月まで延期した。感染対策を万全にして、MAX130席のウエストエンドスタジオで、舞台スペースから2メートルの距離をとったうえで、1席おきの着席…チケット代を上げるでもなく…大丈夫か[exclamation&question]


入口で手指消毒、靴裏消毒、マスクシールドorフェイスシールドプレゼント。そして、客席への階段は、行きと帰りがかぶらないように、間に暗幕で仕切っている。これは、開演後に到着した客の誘導にも効果的かも。(遅れて登場すると、出演者のごとく目立つので。)開演するまでは、客席にデカい送風機を設置、劇場上部の通風孔もオープン。通常30分前の入場を1時間前に設定して、入場が密にならないように配慮し、公演後は、規制退場を実施している。
「言葉の奥ゆき」の時は、あまりにも早く入場させたことで、逆に客席内での観客同士のトーク止まらない現象が起きていたが、それを防ぐ目的か、早めに入場した客を対象に、フェイスシールドに身を固めた代表による開演前トークが実施された。
私の知る限り、一番すごい対策をしているし、させている。


The Other Life公演は、海外の優れた戯曲を日本に紹介するというテーマで、本公演とは別に上演しているもので、過去に以下のような作品が上演されている。
「Happy Families」(Vol.1、4→本公演)
「THREE MEN IN A BOAT+ワン」(Vol.2、5、8→本公演)
「桜の園」(Vol.3)
「Daisy Pulls It Off」(Vol.6→本公演)
「孤児のミューズたち」(Vol.7)
「BLOOD RELATIONS~血の繋がり~」(Vol.9)
「VANITIES」(Vol.10)
(今回がVol.11なのに、過去7作しかないのは、再演でもVol.ナンバーをプラスしていた過去があったためで、現在は、The Other…で上演後の再演は本公演としているようだ。)


今回の作品は、21歳の青年と19歳の娘がアパートの隣室になって恋に落ちて…という展開なんだけど、その青年が全盲だったことから、母親が出てきたり、娘が出演する芝居の演出家が出てきたり…と、紆余曲折してしまう物語。どうなることかと思わせてからのハッピーエンドで、嬉しいやらホッとするやら、なかなか後味のよい作品でした[黒ハート]


では、出演者感想です。
宮崎卓真(ドン・ベイカー)…歌手を夢見る盲目の青年をもはや、準劇団員宮崎卓真が演じた。歌唱シーンも手に汗握らないし、21歳の青年にしか見えないし、(去年の秋は、10代の息子が2人居るお父さんだったのに…[あせあせ(飛び散る汗)]自分のテリトリーが守られている時の自信に満ちた表情と、それが崩された時の痛々しさのギャップがたまらない[黒ハート]実に庇護欲をそそる存在でした[グッド(上向き矢印)]
生まれつき目が見えないため、過保護な母親に大事に育てられてきたものの、それじゃいけない[exclamation×2]と奮起して一人暮らしを始めるたドン。隣室のジルとさっそく恋仲になったものの、母親にしてみれば、目のせいで失恋したら…と、それもまた気になるところ。
しっかりしているようで、実は、ものすごくナイーブなドンだから、彼の恋の行方が、とても気になる[揺れるハート]
ハッピーエンドでよかったね[るんるん]
彼が盲目である、という設定に、ジルと同時に気づいた。それほど自然な演技だったところもすごい[ぴかぴか(新しい)]


伊藤清之(ジル・ターナー)…ドンの隣室に越してきた19歳の女優志望の女性。ティーンエイジャーだけど、離婚歴あり。初対面の相手に対しても臆することなく、背中のジッパーをあげてほしいとか言えちゃう。会ったその日でも、気持ちが通じれば、ベッドインあり。でも、自分は人を愛せないのではないか、という疑問も感じている。蓮っ葉なようでいて、実は、ドンの母、ミセス・ベイカーの意見を尊重して、愛想尽かしと取られるような行動を取ってみたりする。
揺れる娘心を丁寧に紡いでいて、劇団ヒロインとしての階段をまたひとつ上ったかな[exclamation&question]
けっこう露出度の高い衣装だったが、思いのほか、逞しい二の腕、てか、肩[exclamation&question]に、うーん…[爆弾]となる。マツシンも筋肉質だけど、ここまでの違和感はなかったような…


曽世海司(ミセス・ベイカー)…口うるさい母親に見えて、実は、ものすごく愛情深くて、自分からジルに愛想尽かしを頼んだくせに、実際に息子より、変なおじさんを選んだかのようなジルの態度には、めちゃくちゃ腹を立てる。息子からは疎まれているのに、とにかく息子ファースト。その見返りを求めない大きな愛(なんだけど、心は狭い)コミカルに逞しく表現してくれる。
曽世らしいおしゃべりテイストが役作りにも自然に表れていて、若い恋人たちへのよいスパイスになっていた。
あと、ミセス・ベイカーは児童向けの作家なんだけど、彼女がどんな思いで、ドニーという名の盲目の少年を活躍させたのか、というストーリーには胸が熱くなった。それが途中からドンへのプレッシャーになる、というのも切ないけど、その「愛」にようやく気づいたドンは、もう、大丈夫だよね…[黒ハート]と思った。


大村浩司(ラルフ・オースティン)…ジルが受けると言っていたオーディション作品のプロデューサー。ジルをすっかり気に入って出演させることにしたらしいが、下心がミエミエ[爆弾]ジルは、彼の誘いに乗って、彼の家に引っ越すと言い出すが…
芸術家なのか、ヤバイ人なのか、紙一重な感じ。
ドンへの接し方も、ジルからどう思われるか、という部分だけでやっている辺り、「そういうとこだよ」って雰囲気がよかった。他の三人が、すごく繊細な芝居を紡いでいるところに、ガーッと土足で踏み込んで、根こそぎ壊していく感じ。そういう部分を求められていたと思うので、まさに適役だったと思う。


緻密な演出も楽しかったが、訳が若干古いのか、“ホモ”“レズ”という言葉が悪意なく使われていたのには、ちょっと驚いた。さすがに、今は、この呼び方、まずいと思うよ[exclamation&question]


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「言葉の奥ゆき」配信 [┣Studio Life]

Jun企画
「言葉の奥ゆき~回帰~」


「言葉の奥ゆき」、劇場で2回公演見て、配信で2公演見た。
こんな舞台の楽しみ方がwithコロナ時代ということなのだろう。劇場で観た(聴いた)時の感想はこちらです。


配信で選んだ作品は、以下の4作。


倉本徹…「メキシコのメロンパン」(皆川博子)
曽世海司…「薔薇密室」(皆川博子)
大村浩司…「人の顔」(夢野久作)
松本慎也…「ルルとミミ」(夢野久作)


倉田さんの挑戦として、太宰、モーパッサン、O・ヘンリーが封印になり、今回は、久坂葉子、皆川博子、夢野久作作品が台頭した。なかなか面白く、そしてちょっと怖い、そんな作品群。朗読作品としてよい選択だったように思う。
以下、順に感想を。(感想は聴いた順です。)


「ルルとミミ」(夢野久作)
語感から、二人の女の子の話かと思ったら、ルルは男の子で、ミミは女の子、二人はきょうだいだった。
二人の父親は、鐘を作る職人だったが、ある時、お寺の鐘を新規に鋳造したところ、附いても鳴らず、そのことを苦にして湖に身を投げた。すると、どす黒かった湖が美しく澄んだという。
ルルは父の汚名を雪ぐため、子供ながら鐘を作り始める。そして、美しい鐘が完成する。しかし、その鐘も鳴らなかった。ルルもまた、一人で湖に飛び込み、ミミは一人ぼっちになった。
ある日、ミミは、湖に咲く睡蓮の花から、ルルは湖の底に住む女王様のところで、湖の底にある噴水の修理をしていると聞かされる。湖がどす黒くなるのは、底の噴水が壊れるからだった。そして、湖に住む生物(女王様も含む)の生存をかけて、地上から職人を呼び寄せるために、鐘を鳴らなくしたりしていたのだ。
ミミは、花のロープを作って、湖に入っていった。
そこでミミはルルに再会し、ルルは噴水の修理を終え、二人は海月に見守られて地上に戻ってきた。しかし、湖の女王様の母親のような魅力に心を奪われたルルは、やはり湖に戻る道を選ぶ。ミミはルルの作った鐘が、女王様の魔法が解けて美しく鳴ることを確認して、やはり湖に飛び込むのだったー


湖の女王様のセリフの読み方が、今回の松本の挑戦というか、新境地だったらしい。小柄で童顔なので、舞台上ではキャラが限定されてしまうが、朗読という世界では、新たな松本を打ち出しやすかったかも[exclamation&question]
ライフの顔として、これからも、精進してほしいです。


「メキシコのメロンパン」(皆川博子)
普通に生きている人と会話をする亡くなった人々…という、かなり混乱する不思議な作品。だんだん、話が見えてきたところで、また混乱して、そしてゾッとするラストの一行に繋がる。さすが皆川先生、という短編を倉本が飄々と語り上げる。
ポチというあだ名の画家の雰囲気が、倉本自身に重なって、ああ、だからこの作品は倉本に当てたんだな~と思う。画家という設定もピッタリだし。
まあ、そんなわけで、ラストの衝撃はハンパなかった。うそ…そういう話なの[exclamation&question]


「人の顔」(夢野久作)
全体は五つのパラグラフに分かれている。主人公はチエ子という子供。最初のパラグラフで、チエ子の生い立ちが語られる。孤児だったが、船乗りの夫婦にもらわれて可愛がられて育つ。が、時々、空をじっと見ていることのある、ちょっと変わった子供に成長していく。
二つめのパラグラフで、父が航海に出ている間のある日のことが語られる。チエ子は、母と活動写真を見に行った帰り、空の星が父の顔に見えると言い出す。それだけでなく、別のところの星が“おかあさまと仲良しの保険会社のおじさま”に似ていると言い出す。それを聞いて母親はチエ子を恐れる。
三つめのパラグラフで、母親に可愛がられなくなったチエ子が、夜、壁などを見ていると、そこが人の顔に見えてくるので眠れない…という話を聞いた母親が、チエ子に眠り薬を与えるようになったことが語られる。
四つめのパラグラフで、父親が帰ってきた夜のことが語られる。父親は、薬のせいか、すっかり病的になったチエ子を心配しつつ、せっかく家族がそろったので、活動写真を見に行こうと言う。母親は具合が悪いと言って参加しなかったので、父とチエ子は二人で行くことになる。
そして五つめのパラグラフで、あどけない顔でチエ子は、空の星が母の顔に見えると言い出す。そして“オジサマ”の顔も見えると言う。父親が誰のことか、と聞くと、ずっと前から毎晩家に来ておかあさまとキスしたり、座敷でおねんねしたりなさるの…と付け加える。
ヤバい話を淡々と語る大村の語り口が、それゆえに怖い。そして、チエ子役は、めちゃ可愛かったです[黒ハート]


「薔薇密室」(皆川博子)
曽世の朗読は、女性の一人称。ミステリーの語り口らしく乾いた口調は、どこかに色っぽさを含む。
女性の一代記の背景に、ジロドゥの「オンディーヌ」がまとわる。バレエに一生を捧げた女性が、一番愛した男のことを語る。長い片思い。が、思いが遂げられたのもつかの間、彼はフランスに行き、帰ってこなかった。女は、年を取り、バレエもできなくなり、記憶もあやふやになった。そんな時ー
ぞっとするような、でも、耽美にも思える物語、曽世にしか表現できない世界。


「言葉の奥ゆき」は、全部で12ステージ。
コロナの感染が広がる中、万全の態勢をとっているとはいえ、中野まで毎日通うのは、家族にも説明しづらい。配信というシステムはとてもありがたかった。
これは、コロナが収束しても、続けてほしいかも。


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スタジオライフ「言葉の奥ゆき」 [┣Studio Life]

Jun企画
「言葉の奥ゆき~回帰~」


構成・演出:倉田淳
美術・照明・舞台監督:倉本徹
演出助手・照明操作:中作詩穂
音響操作:鈴木宏明
収録・編集:永井純
配信:彩高堂
協力:竹下亮(OFFICE my on)、宮本紗也加、東容子、小泉裕子
企画制作:Studio Life


「言葉の奥ゆき」シリーズも4回目らしい。(3回目、いつだったんだろう[exclamation&question]
今回は、次回公演(演劇)を延期して何もなくなってしまったところに、朗読を入れることで、劇団活動の始動としたもので、少人数でソーシャルディスタンスを守りながら行える朗読は、他の舞台でも取り入れられているが、スタジオライフの強みは、もともとこのシリーズが存在していたことだろう。
そして、今回は、感染拡大を危惧して劇場に来れないファンのために、配信も用意されている。(配信特典映像もあるらしい。)→https://theatre-live.myshopify.com/blogs/nextevent/kotobanookuyuki
(1公演2,500円)
配信は、全公演終了後から始まるので、どんな感じかはわからないが、劇場で聴く(4,500円)のと同じなら、かなりお得なんじゃないだろうか。


今回の朗読内容は次の通り。
藤原啓児…「接吻」(江戸川乱歩)
倉本徹…「メキシコのメロンパン」(皆川博子)
笠原浩夫…「継子」(夢野久作)
石飛幸治…「鋏と布と型」(久坂葉子)
大村浩司…「人の顔」(夢野久作)
楢原秀佳…「扉の彼方へ」(岡本かの子)
山本芳樹…「水色の煙」(皆川博子)
曽世海司…「薔薇密室」(皆川博子)
青木隆敏…「江川蘭子」(江戸川乱歩)
関戸博一…「入梅」(久坂葉子)
松本慎也…「ルルとミミ」(夢野久作)


今回の倉田さんの挑戦としては、太宰封印らしい(笑)あと、モーパッサンとO・ヘンリーも。
私は、この中で、笠原、石飛、青木、関戸の4人の朗読を聴いた。以下、順に感想を。(感想は聴いた順です。)


「入梅」(久坂葉子)
関戸は、少し丈の短いカジュアルパンツから素足で靴履いてて、わりといつもこんな感じだよね…なんて思う。(素足に靴=どうしても石田純一を思い出してしまう。)
冒頭の地の文から、ぐいぐいと脳内に情景を呼び起こしてくれるのは、作者が誰であっても変わらない。
物語は、戦後しばらくした頃の関西が舞台。
何不自由ない地主の息子と結婚した語り手が、戦後、「絵ざらさ」(よくわからないのだが、布地に絵を描いてテーブルセンターや日傘やネクタイなどに仕上げているらしい)で生計を立てている。一人息子の行雄と、じいやの作衛の三人暮らし。作衛には妻の“おはる”がいたが、関節炎に苦しみ2年ほど前に亡くなった。
最近仕事が忙しくなった語り手は、仕事の手伝いをさせるため、一人の若い女を雇ったが、その名が偶然、“おはる”だった。そして、作衛とおはるは、語り手の目を盗み、いつの間にか男女の仲になっていた。おはるは足が悪く、それが、名前とともに亡妻を思い起こさせるのかもしれなかった。
ある日、おはるの母親がやって来て、おはるの縁談を持ち込む。おはるはすっかりその気で、そのまま母親と一緒に出て行ってしまう。残された作衛は荒れた。その後、おはるの新婚の家にも行ったらしい。おはるの苦情を受け、語り手は作衛が悪いと断じる。
その後、作衛のせいで離縁された、とおはるがやって来る。責任上、語り手は作衛に暇を出すことになるが、作衛は、おはるが離縁された理由を推察し、彼女の不自由な足と、子供ができないことが原因だろうと言う。真実がどうであれ、もう決まったことなので、ひとりぼっちで生まれ故郷の熊本に帰っていく作衛。
そんな物語が淡々と語られる。
語り手の乾いた語り口に、彼女の「持っているもの」と「持っていないもの」が透けて見える。
住むに困らない自身の家があり、家族を養える仕事があり、それも前途洋々らしい。一方、話し相手になる存在もなく、若い身空で、未亡人。もう二度と夫に甘えることも、誰かと肉の交わりを持つこともない。(願望はあっても、彼女の自尊心がそれを許さない。)
その苛立ちで物語を終わらせるところと、作衛への憐憫が通り一遍なの(あと、息子への偏愛がこの先大変だな~ってのも)を含めて、作者の語り手への悪意も感じられる。それでいて美しい文体なのだ。
関戸の朗読は、そんな作者&語り手の意地悪さをも巧みに表現しながらも、華美な表現ではなく、こちら側に決定権を委ねるような、しなやかな語り口。ああ、だから、この作品は、関戸なんだな~と、倉田さんのキャスティングに納得した。


「江川蘭子」(江戸川乱歩)
一方、青木は、実に演劇的に「江川蘭子」を紹介した。
生まれながらに毒婦の要素を持つ“江川蘭子”の一生を紹介するのかと思いきや、彼女がまだ16歳くらいのところで、突然、この先のことはしーらないっ[exclamation]と投げ捨てる江戸川乱歩、何があった[exclamation&question]


女妖江川蘭子の悪魔の生涯も、恐らくは彼女の赤ちゃんであった時代の世にも奇異なる環境のせいであったに違いない。


とか、


この老人こそ、江川蘭子の悪魔の生涯の、謂わば一種のポイントマンであった。


と書きながら、ラストは、


 だが、彼女はまだ老い先長い十六歳の小娘だ。年と共に、彼女の胸に咲き乱れるであろう悪の華が、如何に毒々しく美しいものであるか。年とし長ちょうじてどの様な妖婦となり、年老いて如何なる悪婆となるか。彼女が第一に行う大犯罪はそもそも何事であるか。又この女悪魔を向うに廻して闘うものは誰か。或は飜然ほんぜん悔悟かいごして、和製女ヴィドックとなるか。それとも又、江川蘭子は忽然姿を消し去って、全く別の人物が舞台を占領するか。凡て凡て、この作者は何も知らないのである。


「悪魔の生涯」ってなんだったの[exclamation&question]
ちなみに16歳の時点では、小悪魔的なことはやっているものの、殺人など犯罪は一切行っていない。
なにか、長編を書くつもりが、途中で飽きて投げ出してしまったような、あるいは、こんな話、連載は無理です[exclamation]と編集部に切られたか…[爆弾]
少女、江川蘭子の愛くるしいように見えながらも、どこか尋常ならざる雰囲気が、芸なのか、自然になのか、青木は見事に出してくる。
その他のキャラクターも、実に演劇的。そもそも地の文からして、おどろおどろしい雰囲気たっぷり。前のめりになって楽しく鑑賞した。
途中、立ち上がったのは演出かと思ったが、青木自身が盛り上がって立ち上がってしまったらしい。
スポットライトがその動きをしっかり追っていたのが、劇団というあ・うんの世界だな~としみじみ。


「鋏と布と型」(久坂葉子)
石飛は、短いスポーティーなパンツに、カウボーイブーツ。
この作品は、戯曲。石飛は、ト書きも読む。登場人物は二人[exclamation&question]というか、一人の女と一体のマネキン。女は、谷川諏訪子というファッションデザイナー。彼女は、自分の仕事にプライドを持っていて、成功者であり、家庭的にも恵まれていて、自分中心に世界は回っていると思っている。
オートクチュールのスーツが着られなくなったという電話にも、「太ったあなたが悪い」と言ってしまうくらい。
それを、マネキンがあざ笑う。そして、マネキンが人間を憐れむ。それを聞いているうちに、諏訪子の中にどんどん不安が高まっていって…という、短いが、皮肉に満ちた戯曲。
これ、ゆうひさんが演じたら面白いんじゃないかな…と、聴きながら思った。
マネキン役は、踊るシーンがあるので、ダンサーの人に動きをやってもらって、声は声優さんにやってもらってもいい。想像は膨らむ。
でも、終演後、このセリフのやり取りは、かなり病む…みたいなことを石飛氏が話していたので、トーンダウン。とても面白い作品に感じられるけど、何かを生み出す人には、これがキツいのかもしれないのか…[爆弾]
そして、この作品は、そうして自分を追い込んだ久坂の、最期に向かっていくひとつの道筋だったのかな…と感じた。(最後の作品ではないが、久坂が阪急電車に飛び込んで亡くなった月に発表されている。)
二人の女性の本音トークを一人で演じ分ける様は、石飛らしく、容赦がない。「これはトビちゃんに…」と思った倉田さんは、さすがだなーと思う。


「継子」(夢野久作)
こちらは、普通の朗読作品。
主人公の玲子は華族(子爵)の令嬢なのだが、継母の大沢竜子宛に、前の夫だという男から手紙を預かったことから、恐怖に苛まれる。そして、急に家に来なくなった家庭教師を頼って手紙を送るのだが、真夜中に目が覚めてしまい、起きて外を眺めていたところを継母に見つかり、叱られる。そして、不安の理由を答えるうちに、手紙を渡すことになる。継母は、手紙を音読して、“こんなケチなユスリにかかってビクビクするような子爵夫人じゃないんですからね”と啖呵を切るが、そのしばらく後に殺害されてしまう。
そして、そこへ現れる家庭教師の中村先生。
現代からすると、絶対怪しいわ、中村先生…と思うが、彼は本当に正義の味方だったらしく、ここから謎解きが始まってハッピーエンド。
お話自体がとても面白く、笠原が読んでいる、ということを忘れて、楽しめた。
倉田さんは、「グッド・バイ」の時の永井キヌ子がすごかったので、この竜子役も期待していた、という。もちろん、「 」内部分は、セリフのように読まれるのだが、そこだけが突出していない、ちゃんと悪女と二枚目を演じ分けているけれども、地の文も大事に読まれていて、聴きやすい朗読だった。


終演後、出演者と倉田さんとの短いトークがあった。
両日読まれた久坂葉子は、19歳の時に芥川賞の候補となり、21歳の大晦日に阪急電車に飛び込んで生涯を終えた。50年以上前のことだ。私はこの作家のことをまったく知らなかったのだが、倉田さんは高校生の時に初めてその名を知って興味を持っていたらしい。
時期的に「自殺」がセンシティブ・ワードになっている感じで、出演者(石飛・関戸)が言葉を選んでいるのが、印象に残った。(倉田さんは、初日、普通に語っていたけど、次の時は、なんとなく意識していたみたいで、“自殺”とは言っていなかった。)
四人とも、この自粛期間で、自身のキャリアのこと、演劇のこれからのこと、いろいろ考えたらしい。それは、年齢が若ければ若いほど、悩みは大きかったようにも感じた。演劇はなくならない[exclamation]という力強い言葉は、シニアと…なにより、倉田さんが一番確信を持っていたように感じた。
この調子で、次回公演になだれ込むであろう、倉田さんのパワーが、今は心強く感じる。
これから、配信版を見るのも楽しみ[黒ハート]


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スタジオライフ始動 [┣Studio Life]

今日からスタジオライフの朗読公演「Jun企画『言葉の奥ゆき~回帰~』」が始まった。


明日からの公演をご覧になる皆様のために、今回の公演の事前準備について、書いておきますね。


[1]受付は事前メールの時間ぴったりに[exclamation×2]その時間に、劇場一番手前側の受付場所で、整理番号を伝え、手指にアルコールを噴射してもらって、おでこで体温を測ってもらいます[揺れるハート]


ちょっと早めに着いたので、時間調整に、こちらに行ってきました。


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新井山なんですね…[わーい(嬉しい顔)]
新井薬師と呼ばれてますが、本当の名は、真言宗のお寺、梅照院さんです。


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千秋楽までの無事を祈ってきました。これでもう大丈夫[黒ハート]


というわけで、時間つぶし以上の素敵な時間を過ごし、ちょうどお時間となったところで、藤原さんに受付をしていただきました。これは、毎日藤原さんかどうかは不明です。


[2]マスクガードか、フェイスシールドを受け取ります。マスクガードは、マスクの外側に付けるもので、両サイドの切れ込みにマスクの紐を通して使います。ちなみに、藤原さんによると、マスクガードの方がおススメだとのことです。(目はフリーですからね[目][パンチ]


[3]それから、ちょっと奥で、お金を払います。チケットは出ません。受け渡しはトレーで行います[有料]


[4]お金を払ったら、劇場に入れます。その前に、靴裏を消毒する場所があります[exclamation]中に入ると、通路の右側に、倉本さんのマスクを描いた絵のコレクションがあります。素敵です[黒ハート]


[5]中は自由席です。チラシの置いてある席に座り、開演まで静かに待ちましょうね。1席おきに座れます。開演するまでの間は、通風口[exclamation&question]排気口[exclamation&question]が開けてあります。入口の扉は開演中も開いていて、衝立を置くことで光を遮っている感じです。ここまで感染対策をしてくれているんだな~と感動です[ぴかぴか(新しい)]


[6]座れない席は、荷物置き場にできます。足元に荷物を置かないで、椅子の上に置きましょう。これ大事[どんっ(衝撃)]


[7]開演前に、藤原さんから、懇切丁寧な対策説明があります。マスクの扱い方まで説明してくれるところに、本気を感じました。なので、安心して、でも気を抜かずに、千秋楽まで、素敵な朗読に酔いましょう[ひらめき]


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「死の泉」観劇(2) [┣Studio Life]

Bパターンに続いて、Aパターンも観劇。全体感想&Bパターン役替り者の感想はこちらです。Aパターンの撮影会の模様はこちらですが、その時、投稿が漏れていた写真を少しこちらで。


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大沼&松本の同期コンビ。なんか、すごーく同期だなーと感じたので、あらためてここに載せてみます。


死の泉7.jpg


集合写真の方で、芳樹さんの顔がほとんど隠れていたのが気になっていたので、こちらをどうぞ。


みなさん、楽しそうですね。


というところで、楽しそうにしてくれていた、客演の皆様について。


まず、ヘルムート役の宮崎卓真さん。
既にレギュラーメンバーと化しているけど、一応、客演。
ヘルムートは、第2部にいきなり現れて、第2部の前半を担うゲルト(松村優)に付き纏う。それが、スポーツ団長のヘルマン(船戸慎士)の命令だからなのか、ヘルムート自身がゲルトに執着しているのか、この芝居ではよくわからない。12年前の公演では、ゲルトの首筋にキスをしていたので、ゲイの人で、ゲルトに岡惚れしているのだろう…と理解したが、今回、そのような演出はなかったため、判断はつかなかった。
とはいえ、ゲルトを守るために命を懸けているところを見ると、団長の命令で、ゲルトをスポーツ団に連れ戻そうとしているものの、ヘルムート自身は、「ゲルトが大事」というだけなのかな。もちろん、好き[揺れるハート]というのが根底にあるのも伝わったけれども。
12年前に比べて、LGBTをどう扱うか…という問題は格段に進歩し、ステレオタイプの表現はそれだけで批判の対象になるようになった。いきなりキスのような「わかりやすい」表現はもう古いのだろう。
そんな中で、それっぽい雰囲気を封じられつつも、「ゲイなのかな[exclamation&question]」「ゲルトが好きなのかな[exclamation&question]」という部分を伝えてくれる誠実な演技に胸が熱くなった。城での戦闘シーンもカッコよかったです[ぴかぴか(新しい)]


青年フランツ役の馬場良馬さん。
笠原さんの若い頃を思い出させるような、超イケメン。金髪が似合う。怒りのエネルギーの中に、ふと見せる、自らが抱える秘密へのたじろぎ…なにより、城の爆発前のシーンの美しさは、忘れ難い。
長身で若いイケメンなので、脱いでも大丈夫だったら、「LILIES」に出てもらいたい…と、わりとマジで祈っている。(スタジオライフファンにしかわからないけど、最大限の賛辞です[揺れるハート]
あ、そうそう、第1部で登場したゾルマン長官が、めちゃくちゃカッコよかった[黒ハート]思わず、配役が載っているペーパーを確認するくらい…[たらーっ(汗)]


青年エーリヒ(Aパターン)の松村泰一郎さん。
退団後の客演って、珍しいんじゃないかな…。スタジオライフのFC申込書にも掲載されていたから、ファンも多かったんじゃないかと思うし、やっぱ、綺麗な顔立ちしてるな…とあらためて思った。せっかく戻って来てくれたのに、Aパターンだけの出演なんて…倉田さんのイケズ…[ちっ(怒った顔)]
馬場さんと二人で並ぶと、美男兄弟という感じで、これは、クラウスもコレクションしたくなるだろうな…と、納得した。
いい意味でライフに馴染んでいるし、いい意味でライフ役者のクセがなく、いい卒業したな~と感じた。


グラーフ・クノーケ役の竹之内景樹さん。
集合写真で名前を間違ってしまってすみません。修正ができないので、お許しを…(私がPCに疎いから…ですが)[もうやだ~(悲しい顔)]
客演の方が持っている「軽やかさ」みたいなものがなく、ライフ役者と同じような重みを感じる。あんまり配役を見ないで舞台を観るので、役者が出てきてから、「あー、ここ客演なのね…」とか、思うのだけど、グラーフに関しては、「あれ、誰だっけ[exclamation&question]」と真剣に思った。
クラウスの家で働いていた下男…なのかな[exclamation&question]主人夫妻にはどちらかというと無愛想だが、二人の子供たちに優しく、十数年経っても迎え入れてくれる優しい人…そのハートが伝わって来るステキな俳優さんでした。


ゲルト役の松村優さん。
おっきくて可愛い[黒ハート]ゲルトの行動って、思春期特有の爆発的エネルギー(喧嘩早い)があったりして、大人女子から見るとよくわかんない感じなのだが、その辺を素直に演じていて、ゲルトだからな~という納得がある。
いい意味で、ライフにいないタイプの役者。なので、前回の「死の泉」と印象が大きく異なる一因になったと思う。良いものを見せてもらいました。


ニコス役の滝川広大さん。
とんがってるゲルトと、やわらかいニコスはよいコンビだった。
一番、難しい役だと思うんだけど(個性が少なくて)、一番、大事な役なんだよね。ゲルトとリロ(山本芳樹)を繋ぐのが彼で、そこで、すべての登場人物が繋がるから。
ふわっとした雰囲気のある役者さんでした。


客演さんは以上かな。
Aパターンは、松本慎也がマルガレーテを演じた。
美しくて、氷の心を持つ…本来のマルガレーテ。彼女の心はラストシーンで爆発する。ずっとずっとフランツを愛していたんだな、と氷解するカタルシスを感じるのは、Aパターンだった。
少年フランツは、澤井俊輝。愛していたことが伝わらない…とすると、第1部でのマルガレーテとフランツのキスシーンは、完全に口止めに見える。そして見事に丸め込まれる澤井…なんてピッタリなの[exclamation×2]
青年エーリヒは松村泰一郎だったのだけど、そういえば、Bパターンの宇佐見について、書いていなかったかも。宇佐見のエーリヒは、よりアクロバット的な擬闘シーンがすごかった。22歳と言ってたけど少年のような身体の軽さが印象的。(ホントは17歳だもんね。)で、実際、既にライフにいない松村の方が、両性具有的な妖しさを出していたのは、両者の持つ個性の違いか。
レナは、Aパターンでは宇佐見。レナの持つ数奇な運命…とかを纏った感じはなく、10歳の、普通の少女だった。しっかり戦後まで生き延びるので、たくましい普通の少女という役作りも、ありかもしれない。完璧なアーリア人というのは、どうかな[exclamation&question]綺麗だけど、見事に東洋人だよね、宇佐見って。


以下、Aパターンの撮影会。席が思いっきり下手だったので、よい絵が少ないけど。


死の泉8.jpg


集合写真。こちらは、クリックすると大きくなります。


死の泉9.jpg


もう一枚。馬場くんの表情が少し違います。


死の泉10.jpg


ちょっとアップの画像です。先輩っぽい表情の前木くんに注目[exclamation×2]


死の泉11.jpg


娘役さんたちの美しさにご注目[exclamation×2]昔に比べて鬘の技術が雲泥の差ですね。


(写真は全部、クリックすれば大きくなります。)


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「死の泉」観劇(1) [┣Studio Life]

「死の泉」


原作:皆川博子『死の泉』(ハヤカワ文庫刊)
脚本・演出:倉田淳


舞台美術:乘峯雅弘
舞台監督:倉本徹
照明プランナー:阪口美和
照明操作:高橋明子、宮内理恵、和田東史子
音響・音楽制作:竹下亮(OFFICE my on)
衣裳プランナー:竹原典子
衣裳協力:矢作多真実
ヘアメイクプランナー:川村和枝(p.bird)
ヘアメイクスタッフ:望月香織
演出助手:中作詩穂


各劇場が、早々に公演中止を決める中、強い意志を持って公演を続けているスタジオライフ。演るからは、応援します[exclamation×2]


「死の泉」は皆川博子の長編小説。
入れ子構造になっていて、中身は「ギュンター・フォン・フュルステンベルク著/野上晶訳」の回想録という体裁。最後に訳者の野上が、著者のフュルステンベルク氏を訪問したエピソードが載っていて、それによって、彼の著書の真実性が崩壊する。古城の崩壊とともに死んだのは、本当にクラウスだったのか…[exclamation&question]
倉田脚本は、その部分をまるっとカットしているため、皆川博子の書いたフィクションとしてマルガレーテの物語が綺麗に完結する形になっている。(ということは、座席に置いてある無料ペーパーにも記載されている。)
私が前に一度だけ観たのは、再々演だったのかな。その時の感想はこちらです。


今回の公演は、スタジオライフ×東映のコラボ企画ということで、出演者は、ライフ初めましてのメンバーが多かった。もちろん、準劇団員といってもおかしくない、宮崎卓真氏も出演[黒ハート]いや、もう、You、入っちゃいなよ[わーい(嬉しい顔)]
初めましてさんが多かったせいか、Wキャストは少なめ。
配役は、(AパターンBパターン)の順で記載します。色の変わっていないところは、シングルキャストです。


舞台は、恋人、ギュンター(曽世海司)の子を身ごもった金髪の娘、マルガレーテ(松本慎也関戸博一)が、レーベンスボルン(生命の泉という意味)という施設を訪れるところから始まる。ここでは、未婚の娘が出産でき、子供は、ナチスの将校が引き取ってくれることになっている。ただし、アーリア人の特徴(金髪・碧眼)を持たない子供が生まれた場合は、赤ん坊はその場で処置(殺害)される。
マルガレーテの産んだ子供は、美しい金髪だったため、ミヒャエルという名を付けられ、レーベンスボルンの中で育てることができた。そして、ある日、施設の医師、クラウス(笠原浩夫)がマルガレーテに求婚した。施設には、未婚の妊婦が産んだ子供だけでなく、ポーランドなどから連行された金髪の子供たちも、実験台のような形で住まわされていた。その一人、エーリヒ(伊藤清之)は天使の声をしており、その声に惚れ込んだクラウスは、彼を養子にしようと考えた。しかし独身のクラウスが養子を持つことに当局は難色を示し、レーベンスボルンの産婦から誰かを選んで求婚しようと思ったところ、ポーランド人なのにこれ以上ないほどアーリア人の特徴を持つ娘、レナ(宇佐見輝澤井俊輝)の勧めで、エーリヒがマルガレーテを選んだらしい。
こうして、エーリヒが兄と慕うフランツ(澤井俊輝松本慎也)、マルガレーテの息子ミヒャエルの三人の息子たちを持つ両親として、クラウスとマルガレーテは結婚した。
しかし、マルガレーテには、大きな秘密があった。彼女は、見事な金髪を持っていたが、実は、彼女の祖母は、ロマとの混血だった。マルガレーテの血の1/8はロマ…それがわかったら、マルガレーテだけでなく息子までも収容所に入れられるかもしれない…マルガレーテにとって、クラウスとの結婚生活は、針の筵に座るようなものだった。また、同じようにレーベンスボルンの産婦から看護師助手になったブリギッテ(山本芳樹)が、クラウスと関係を持ち、子供を産んだことも、マルガレーテを傷つけていた。
戦局は、どんどん悪くなり、マルガレーテが疎開した城は、故郷の近くだった。そこで、レーベンスボルンの施設からマルガレーテの家の家政婦として働きに来ていたモニカ(石飛幸治)が、村の青年と恋仲になり、その曾祖母からマルガレーテの秘密を聞き出してしまった。空襲の中、モニカの怒りが爆発、ミヒャエルを地面に叩きつけようとした時、フランツがモニカを刺殺した。
クラウスは、エーリヒを去勢しようとし、空襲の中、マルガレーテを助手に手術を敢行、フランツは、まだ傷口が塞がっていないエーリヒを抱いて失踪する。
そして、戦後ー
ブリギッテの息子、ゲルト(松村優)は、スポーツ少年団に所属していたが、団長のヘルマン(船戸慎士)が苦手なため、ヘルムート(宮崎卓真)の誘いから逃げまくっていた。が、親友のニコス(滝川広大)を介して、ロマのグループと知り合う。そして、コンビの歌手、フランツ(馬場良馬)とエーリヒ(松村泰一郎宇佐見輝)に対して、競争心を抱くが、いつの間にか仲良くなる。
一方、マルガレーテの恋人だったギュンターは、現在、かつてマルガレーテが疎開していた城の持ち主になっていた。そこへ、息子ミヒャエル(鈴木宏明)を連れたクラウスが現れる。運命の歯車に導かれるようにすべての人々がひとつの場所に集まっていく。そしてー


まず、観劇したのは、Bパターン。
マルガレーテは美女じゃないと、話が進まないんだなー[ひらめき]と思った。いや、その、せきどっちがアレというわけでは…まあ、あるんですが…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
でも、マルガレーテに初めて感情移入することができた。
やはり、美しいマルガレーテの気持ちは、私にはわからないし、ついついひねくれて、モニカやブリギッテの方に気持ちが寄ってしまうので。関戸の演じるマルガレーテは、彼女の心の美しさにクラウスが惹かれ、物語が動いていくという面白い展開だった。だから、マルガレーテの心の動きは、最初から観客に漏れていて、それは、長い長いマルガレーテとフランツの秘めた愛の物語だったーということが、初見の観客にもわかる。
演じているのが、関戸×松本というのは置いておいても。だって、関戸×馬場になっても、ちゃんと繋がっていたから。
その一方で、笠原がクラウスを演じたことは、ずいぶん大きな改変だったように思う。
原作のクラウスは、醜い小男だったはずだ。だから、過去に観た時のクラウス役は、山本芳樹だったり、山崎康一だったり、美しいけれど(醜さは演技で作り出すことができる)、小柄な俳優だった。
美丈夫な笠原船戸がナチコスを着ている姿は、めちゃくちゃかっこいい。やはり、ナチコスって、徹底的に考え抜かれたデザインなんだなーと、しみじみ感じる。が、見た目をステキにしたことで、逆に、彼の異常さが際立つのは、笠原の長年に亙る看板役者としての経験に裏打ちされているのだろうか。
15年後のクラウスも、それほど年を重ねた演出を施さず、笠原VS曽世の若々しい対決が観られたのも、眼福だったし、緊迫感を持って舞台を観ることができた。彼らは、スリ集団やスポーツ団員にボコられる場面もあるので、初老のオジサンにすると、なんか可哀想に感じてしまうし、15年の歳月は演技力でいかようにでもなるので、この演出は良かったと思う。
モニカとブリギッテは、12年前、青木隆敏(Jr.5)、吉田隆太(Jr.7)が演じていたのだから、逆にベテランに移っていっている。これは、スタジオライフの課題というか、中堅がどんどん退団していったり、在団していても、使われなかったり…ということで、昨今、出演者の空洞化が起きているような気がする。
倉田さんの起用法にも、少々問題があるのかもしれないが、ライフの芝居は、すでにライフとしての、ひとつの型ができあがってしまって、そのメソッドでしか生き残れないようになっている。それが、俳優たちに、「このまま一生、この芝居をやり続けるか」という強迫観念をもたらしているのかもしれない。
Jr.8から下は、本当に定着率が悪いんだよね[爆弾]あと、毎年オーディションやってるわりに、起用される役者とそうでない役者の差が大きいし、結局、ある程度美形じゃないと使われないし。そういう意味で、Freshの富岡くんの今後に注目したい。残ってほしいな。
話が逸れたが、やはり、ベテランの演じるモニカとブリギッテの印象はすごかった。勝手にマルガレーテに同情してしまうもの[exclamation]
少年フランツ、エーリヒは、美少年コンビ[ぴかぴか(新しい)]そりゃ、クラウスでなくても養子にしたいよね。松本のフランツは、説得力があり、マルガレーテへの忠誠心(愛)と、クラウスへの強い憎しみが、ストレートに表れていて、さすがライフの現・看板役者[exclamation×2]伊藤は、悪魔的な美少年なので、エーリヒにはピッタリだと思った。成長したミヒャエル役の鈴木は、運命を背負って生まれてきてしまったことへのストレスとか、諦念とかが、端正な顔立ちからうかがえて、とてもよかった。伊藤もそうだが、声変わりしていない、と言っても納得できるような、柔らかなテノールボイスが魅力的。
澤井のレナは、完璧なアーリア人と言われると、そうかもしれない…と思ってしまうような、顔の各パーツがセンター寄りな顔をしていて、しかも、薄倖そうな顔立ちなので、レナ役はピッタリだった。ブリギッテでなくても、ちょっと意地悪をしてみたくなるような、そんなレナだった。ラストシーンも、透明感があってよかった。
船戸は、さすがの怪演[黒ハート]ライフに、なくてはならない役者だと思った。


Aパターンの感想と、客演者については、別記事で。


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