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「笑わせんな」観劇 [┣演劇]

「笑わせんな」


脚本:福谷圭祐
演出:オクイシュージ


音楽:遠藤浩二
美術:仁平祐也
照明:高野由美絵
音響:藤本純子
衣裳:高田菜々子
ヘアメイク:武井優子
演出助手:山田翠
舞台監督:宇佐美雅人


<出演>
藤原宙介…浜中文一
比嘉有希…山下リオ
山田遊太…鳥越裕貴
郷田宏…松島庄汰
鯉川愁平…岐洲匠
田中みゆ…佐藤日向
三池史帆…松原由希子
香坂麻尋…福井夏
佐藤真由…辻本耕志
吉岡美…久ヶ沢徹
松本正義…入江雅人


本多劇場で「笑わせんな」を観劇した。


面白いだけでなく、考えさせられるところもあり、充実した演劇空間だった。
やっぱ、鳥越裕貴が、出る舞台は、ハズレがない。


美容室の地下行われている秘密の会合。
参加者は、くすぐりたい「ぐり」と、くすぐられたい「ぐら」に分かれ、基本、ペアで参戦する。
※初参加者には「ぐりですか?ぐらですか?」という質問がなされる。これはもちろん、ロングセラーの絵本「ぐりとぐら」を意識している。
彼らは、スタート前にくすぐりをストップするための合言葉を設定する。というのは、「やめて」「やだ」という言葉は、くすぐられている間、ついつい口をついて出てしまうので、本当に「ぐら」がこれ以上はイヤだと思った時に、終了宣言として口に出す言葉が必要なのだ。
※実は主人公たちペアの終了ワードが「笑わせんな」だったということが途中でわかり…タイトルまで、くすぐりが効いているのだった。


オーナーに内緒で美容院の地下室を秘密会合に使っている主人公もひどいが、その他の登場人物たちも、めちゃくちゃ。誰一人、まともな人がいないと言っていい。
お仕事でSMクラブの女王様をやっている女性をのストーカーするドMの男性客が出てきたり、ハサミが握れない主人公を指名し続ける客が出てきたり。
そんなキャラクターの面白さで話をひっぱりつつ、「人のいやがることはしない」っていう当たり前のことが、どんなに守りづらいことなのか、考えさせられる。自分の欲望の成就や満足感が、他人の犠牲の上に成り立っているかもしれない、という意識を持ち続けることは、難しいけど本当に大切なことだと思う。
「くすぐり合う」という現実にはあり得ない趣味で繋がる人々のファンタジーな物語かと思わせておいて、実は、サスペンスを通り越してホラーになっていく展開に震え、あっという間に終演。 


 


演劇を観る楽しみって、つまり、こういう作品に出合うことなんだよ、と思える舞台だった。


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この日からスタートしたスタバの桜メニュー。まだまだ寒い中、心がホットになりました[黒ハート]


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