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コロナ下なのに、どうして劇場でしゃべるのか… [┗エンタメへの想いとか薀蓄とか]

先日、なぜ、人は劇場の座席で、どうでもいい話を、し続けるのか、ということについて、考えてみた。こちらです。
これは、特にコロナ下となってしまった昨今のことではなく、一般論として、自分も含めて考えてみたことです。


コロナ禍の中、劇場も何度か公演中止の憂き目に遭い、感染リスクを減らすために、各劇場はたくさんの対策をしている。その中に、開演前、休憩中、終演後の時間帯に、観客同士が会話しないように注意するという対策も含まれている。
東京宝塚劇場では、「飛沫防止のため、お客様同士の会話・談笑はお控えください」というアナウンスを行っている。まあ、それが、本当に感染防止対策として有効なのかどうかは、かなり怪しいところではあるが(※)、いくつかの理由(☆)で、こうせざるを得ないのだろうということは理解できる。


※有効性が怪しいと思うワケ
〇飛沫は前方に落ちるので、座席に座って横同士で話している限りは、感染する危険が少ないと専門家も言っている。また、マスクをして一定の距離を保って大声でなく会話する場合もリスクが低いと言われている。劇場以外の場所では、マスク越しの会話は禁止されていない。
〇「お連れ様同士の会話・談笑」を注意しているが、そもそも「お連れ様」であれば、ここで会話しなくても、その前後で会話を存分にするだろうし、そもそも知り合い・友人・家族なんだから、別の場所でも一緒なんじゃないだろうか=もし感染しても、ここで会話したことが原因だなんて特定できないよね。
〇飛沫が問題なら、「お連れ様同士の会話・談笑」を注意して歩いている係員も飛沫を飛ばしながら、アナウンスをしているわけで、私はよくてあなたはダメというのは、理にかなっていない。係員はフェイスシールドをしているが、あれは、全然意味がないと専門家も言っている。
〇「飛沫」ではなく、「エアロゾル」感染を警戒しているのであれば、たしかに、会話は危険かもしれない。そうであれば、係員も「私語禁止」の看板を持って黙って歩いてほしい。


☆こうせざるを得ない理由
〇劇場側が、「飛沫感染リスクがあるから危険」と思っているのではなく、観客側から、「ずっとしゃべっている他の観客がいるため、安心して観劇できない」という苦情が多く寄せられている。
〇「東京宝塚劇場では、休憩時間に観客が普通にしゃべっている。あそこは、観客の気が緩んでいる」ということをSNS等に書き込まれてしまったり、噂になったりするので、劇場として対策の必要がある。


とはいえ、静かにはならないんだろうな、と私は思っている。
なぜ、安心して観劇できないという苦情を寄せるのだろう、と思えば、それは当然のことだ。
前にも書いたが、この劇場の座席は、狭い。前後の距離も狭いし、座席の幅も狭い。パーソナルスペースに切り込んでくるのだ。そこで、知らない人がしゃべっていると、このご時世、怖いと思う。それは、実際のリスクとかではなく、ただ、恐ろしいのだ。
だから、みんなで黙って座っていたい。
でも、左隣の他人が怖い分、右隣の知人は、安心感が強くなる。その知人に話しかけられて、答えないことができるだろうか。
また、コロナウィルスは、どこからやってくるかわからないし、感染するしないは、ロシアンルーレットみたいなものなのだが、「ちゃんと予防していれば、感染しない」という、変な神話ができている。本当は、「できるだけ感染しないようにするために、予防対策をしましょう」というだけで、対策していても、感染する可能性はゼロにはならない。
ここが理解できない人が多い。
だから、「感染する人は、ちゃんと予防していない、ダメな人」というふうに感じてしまう。
そして、友人・知人に話しかけられて応じないことは、その友人・知人を「ちゃんと予防していない、ダメな人」認識することになる。それは、失礼だと思うから、つまり、相手を、一人前の「ちゃんとした人」と認識していることを表明するために、なんとしても話すことになってしまうのだ。
こういう考えの人は、自分が劇場で話していても、よその人が話していると、「ずっとしゃべっている他の観客がいるため、安心して観劇できない」というクレームを言いかねない。


日本では、欧米と違って、知らない人同士が言葉を交わし合うことは、ほとんどない。
それは、感染拡大防止に少し役立ったかもしれない。(欧米に比べ、感染者数は少ないし、地域的な拡大も抑えられている。そのわりに死者が多いのは、また別の問題があるのだろう。)
しかし、自分と周囲の人は安心で、他人は怖い…という、安易な発想で国内が分断されていくのは、別の意味で怖いと思う。係員さんに逆らうつもりは毛頭ないが、一人一人が、なぜ、そうなんだろう、ということを考え、自分なりの対策を考えてみることも、大切なのではないだろうか。


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