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「恋のヴェネチア狂騒曲」 [┣演劇]

シス・カンパニー公演
「恋のヴェネチア狂騒曲」


作:カルロ・ゴルドーニ
上演台本・演出:福田雄一


美術:二村周作
照明:服部基
音響:山本浩一
衣裳:十川ヒロコ
ヘアメイク:佐藤裕子
舞台監督:瀬崎将孝
プロデューサー:北村明子


演出助手:木下マカイ
美術助手:伊従珠乃
衣裳助手:柿野彩、桃木春香、芝原小鈴
照明操作:稲田桂、白仁華子、見竹真歩
音響操作:松山岳、金成亜莉沙、坪井七緒
現場ヘアメイク:横田聡子
演出部:川嶋清美、清水将司、古田亜希子、国代雅子、佐々木智史、荒智司、永井天智
制作<進行>:土井さや佳、黒沢ひかる、市川美紀、鈴木瑛恵、森友美香


大道具制作:(株)俳優座劇場舞台美術部(高橋光大)
小道具:(株)藤浪アート・センター(浅海敬)
履物:(株)アーティス(斉藤裕彦)
衣裳制作:東宝舞台(株)、榛葉洋子、神原秀佳、植田和子、曽我里華、井上美佐子、(有)タイガーリリー
運搬:加藤運輸(有)
コスメ協力:TV&MOVIE


協力:渥美博(アクション指導)
   肥田光久(台本協力)
   (株)二村周作アトリエ
   (株)ライティングカンパニーあかり組
   (株)エス・シー・アライアンス
   (有)cacocalo
   スタジオAD
   (有)プラティナ
   芸能花伝舎(稽古場)


企画・製作:シス・カンパニー


原作は18世紀のイタリア古典喜劇。
ストーリー展開は、シェイクスピアの喜劇にもありがちなパターンで、そう考えるとシェイクスピアの200年後にこの程度の芝居が上演されていることに新しさはない。
妙齢の美女が男装するとか、恋人が身内を殺して逃亡とか、ストーリーもシェイクスピアでお馴染みな感じ。
まあ、どうして、敢えてこの作品を上演するのかよくわからない…という状況下、演出の福田雄一は、この危機を「とにかく当てる」「とにかく観客を満足させる」ことで乗り切ろうとしたようだ。


そうした時、ムロツヨシ主演というのは、大きな武器になる。しかも、共演に池谷のぶえがいる[exclamation×2] 
まあ、これだけで、面白いものが作れるのは、間違いない。
正直、ズルい、と思っている。


競演は、相手役となる、メイドのズメラルディーナに池谷のほか、ムロ演じるトゥルファルディーノの主人で、男装して旅をするベアトリーチェに吉田羊、その恋人で逃亡中にトゥルファルディーノを召使に雇うフロリンドに堤真一、ベアトリーチェの亡き兄が求婚していたクラリーチェに若月佑美、クラリーチェの恋人、シルヴィオに賀来賢人、クラリーチェの父に高橋克実、シルヴィオの父に浅野和之、宿屋の主人に野間口徹、ボーイ長に晴海四方…と、まあキャスティングもズルい。
これで、新国立劇場じゃなかったら、ギャラで大赤字である。


いや、でも、これ、役者がすべてよ。
あ、もちろん、演出が交通整理したからこそ…というのはあるにせよ、完全に脚本を役者が凌駕している。


主演のムロは、八面六臂の大活躍、特に、1幕終わりの、食事を頬張りながらの、二室往復は、ものすごいハードワークだと思うが、見事にやり切っていた。これも、脚本だけなら冗長なシーンだと思う。てか、福田さんが、ムロの演技力+アドリブを信じてここを1幕の見せ場にしたのかもしれないが。
この手の物語、シェイクスピアだと、ムロの役どころは道化なので、当然、本筋の主役がいる。
その恋人が、吉田。これがまた、素晴らしい。最後に、吉田に男装を解いてほしかった気はするが、現実的に考えて女子の衣装を持って旅行するわけないので、その辺は“宝塚じゃない”から諦めよう。この二人の達者かつ真面目な芝居があるから、道化担当のムロの芝居が生きる。
賀来は、つっころばしの二枚目的ポジションで、若月は赤姫といったところか。若月演じるクラリーチェのメイドが池谷で、これが結婚に憧れる若い娘、という役どころなのが、面白い。そのまま演じても美声の池谷だから、それなりによい芝居になったとは思うが、原作がイタリア仮面劇(コメディ・デラルテ)ということで、あえて喜劇的なキャラクターを創造したのだろう。
(シェイクスピアも、道化キャラの相方になる女性は、ちょっと太っていて頭が弱い性格の素直な女性…ということになっているようだ。)
父親役の高橋浅野の場面が、ややシリアス気味で、所々、くすっとさせる辺りが上手いと思った。そして、野間口のトボケ感がまた最高だし、春海ムロのやり取りが、セリフのない場面でも光る。


ほんと、福田さんは、ズルい男だと思う。


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