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宝塚星組「RRR/VIOLETORIA」観劇 [┣宝塚観劇]

「RRR×TAKARAZUKA~ルートビーム~」
Based on SS Rajamouli's 'RRR'.


脚本・演出:谷貴矢
作曲・編曲:太田健、高橋恵
音楽指揮:笹田愛一郎
オリジナル振付:Prem Rakshith
振付:御織ゆみ乃、若央りさ、KAORIalive
殺陣:清家三彦
装置:國包洋子
衣装:加藤真美
照明:笠原俊幸
音響:秀島正一
映像:溝上水緒
小道具:福井良安
歌唱指導:堂ノ脇恭子
演出助手:竹田悠一郎
衣装補:薄井香菜
舞台進行:陳京雅


有名なインド映画「RRR」を1時間半に凝縮して宝塚歌劇の舞台に上げる…なかなかハードな宿題を谷先生が見事に成し遂げてしまった。


大英帝国傘下のインド。この時代の英国貴族の傍若無人ぶりは、「憂国のモリアーティ」を想起させる。
本作のインド総督、スコットも相当ひどいヤツで、今回もオレキザキこと輝咲玲央がいい味を出している。その妻、キャサリン(小桜ほのか)も慈愛に満ちた笑顔の奥で、かなり鬼畜。今日も気まぐれに気に入った現地の娘、マッリ(瑠璃花夏)を少々の小銭で村から連れ出そうとする。
驚いた母親が抗議して、殺されようと(弾がもったいないので撃つことだけは止められたが)顔色一つ変えない。こんな風に、英国貴族以外人間と思っていない貴族が各媒体で続出しているのだが、これはマジでマジなのだろうか。(産業革命以降、貴族だけでなくブルジョア層も相当酷い人間が描写されているし、ロンドンの貧民の生活の酷さは資料も残っているが、人間としてあまりに酷くて、信じたくない…)
こうして不当にも拉致されたマッリを奪還するために、英雄コムラム・ビーム(礼真琴)と仲間たちが立ち上がる。
一方、総督府では、ビームが立ち上がったという情報が届き、対応に追われていた。もし、ビームを逮捕できれば、特別捜査官に昇進させると聞き、インド人ながらイギリス警察に所属しているラーマ・ラージュ(暁千星)は、その任に立候補する。(彼は、独立のための武器を手に入れるために、警察組織に入ったが、目的のためには出世が必要で、インド人が出世するためには、大きな仕事を成し遂げるしかない。)
潜入の機会をうかがっていたビームは、総督邸の前で、イギリス人でありながら、インド人を庇う姿勢を見せるジェニファー(舞空瞳)の存在に心を動かされる。
そして、偶然、火事の中から協力して子供を助け出したことで、ビームとラーマは出会い、二人の間に友情が芽生えた。市場でジェニファーを見つけても、声をかけられないビームをラーマがアシストして、総督邸で行われるパーティーへの招待状を受け取るという幸運に見舞われた。パーティー会場では、ダンスも踊れない…と、インド人=野蛮人扱いするイギリス人たちを前に、ラーマは、ナートゥを紹介し、踊り切ったビームは一同の賞賛を浴びる。宝塚ファンには、ほぼランベス・ウォークだったナートゥ。直前に「ME AND MY GIRL」をやったのは、わざとだった[exclamation&question]
二人の強固になった友情は、運命に勝てるのか[exclamation&question]そして、マッリを取り返すことhできるのか[exclamation&question]
最後まで、ドキドキハラハラ、一瞬も気が抜けないステージ。
本当に谷先生、今回は感服です[exclamation×2][ぴかぴか(新しい)]
そして、のナートゥはまさに圧巻[ぴかぴか(新しい)]タカラジェンヌの底力を感じる場面だった。


エピローグは、出演者総出で客席降りになるのだが、2階席にイギリス総督邸メンバーを配したのは、さすがのアイデアだったと思う。芝居の終幕でオレキザキ総督が斃され、妻や側近がその後のエピローグで楽しそうに歌い、踊っていたら、気になってしまう。
2階席という隔絶した世界で、スター然として振る舞う小桜や楽しそうな碧海の姿に、こちらも大満足[exclamation×2]となった。


レビュー・シンドローム
「VIOLETOPIA」


作・演出:指田珠子
作曲・編曲:青木朝子、玉麻尚一、多田里紗
音楽指揮:笹田愛一郎
振付:御織ゆみ乃、長谷川達也、KAORIalive、港ゆりか
装置:二村周作
衣装:有村淳
照明:笠原俊幸
音響:大坪正仁
小道具:増田恭兵
歌唱指導:KIKO
演出助手:古川愛梨
舞台進行:陳京雅


指田先生の大劇場デビュー作品。
森の中を青年(礼真琴)が歩いていると、廃墟の中の劇場から記憶達がよみがえるー


ダークで、耽美で、退廃的で、禍々しい世界。世紀末の見世物小屋のようなぞっとする世界の中に、宝塚的な耽美さが同居している…というか。フィナーレを除く全編が、そんなゴテゴテした独特の世界観で貫かれていた。
夜の劇場にぽつんと灯る常夜灯。
そこに指田先生が見た幻想の世界はコレなのか…と思いながら、次々に変わる景色を眺めていたら、退団者用の場面で、いきなり「AS TIME GOES BY」が流れ、息を吞んだ。歌うぴーすけ(天華えま)はトレンチコート着てるし、思い出しちゃう[もうやだ~(悲しい顔)]


チケット難で一度きりの観劇だったため、こんな感想になってしまうが、星組のエネルギーを感じる素晴らしい舞台だった。一度だけでも、B席でも、観られてよかった[黒ハート]


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