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Tri-anGle「ライム」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカルコメディ
「ライム」


脚本・演出:平野華子
楽曲提供:梟(https://owlsnest8989.wixsite.com/owlsnest/home
振付:干泥遥
音響・照明:長江篤弘(ステージオフィス)
舞台設営:南雅之(セントラルサービス)
中付:JUN
宣伝写真・舞台写真:kikineko
宣伝美術:さいとうまゆみ
舞台映像撮影:井出直樹
受付:長澤まりえ、紗蘭広夢、つばりん@、稲田聖子、今野櫻子
制作:Tri-anGle(劇団メリーゴーランド)


今年の夏、ライブという形で復活した劇団メリーゴーランドの男子チームTri-anGleが、とうとうミュージカル作品で帰ってきた。澤田写真館というコンパクトな会場での復活だったが、作品は面白く、梟さんという新たな音楽協力を得て、また新しいメンバーの側面を見ることができる時間だった。


20世紀初頭のヨーロッパ。ルイス・ウィンクラ―(華波蒼)が開発した「TR0310(まるさんひとまる)通称ライム」は、有機物を石灰化させる化学兵器。遺体はただちに灰になり、生きているものは、吸い込んだ体内から石化が進み、やがて死に至る。自らが開発した「ライム」(本当は、ライムとだけ呼ぶことは厳禁らしいです。常に、「TR0310通称ライム」と言わなければならない[わーい(嬉しい顔)])の威力におののいたルイスは、戦場で実験的に使われた直後に姿を消す。
その3年後、さびれた港町に係留している船に、腰の曲がった神父が現れたー


研究所から逃げ出したルイスは、この船の持ち主であるデリック・クラウゼ(月夜見翔)と一緒に旅をしていた。そこへ神父に変装して、かつての同僚、フォルカー・ヴァイス(斎桐真)が現れた。ルイスを呼び戻すために。
船で巡礼の旅を続けているルイスとデリックは、互いの境遇について、あまり深い話をして来なかったが、フォルカーの登場で、それぞれの事情が明らかになり、一触即発の状況に。その主な原因である常にひとこと多いフォルカーポーカーフェイスが可愛い[黒ハート]
角書が「ミュージカルコメディ」なので、仇を討つだの、不治の病が進行して…みたいな話には終わらないだろうと思いつつも、どんどん不穏な方向に話が進んでいくので、だんだん不安が高まる。それが、90分の枠の中で綺麗に収束していく快感[ひらめき]
三重唱も見事だったし、それぞれのソロナンバーも素晴らしかったし、音楽的にも大満足。
これを発端として、デリックの逃げた(笑)妻が登場する「ライム2」(となると娘役も出演する本公演ということになるのかな[exclamation&question])も作ってほしいな…と、早くも続編を期待しちゃったりして。


今回の音楽は、梟さんが楽曲提供している。
文節の途中で音を切る独特の音使いが、クセになる感じ。変なところで途切れることで、逆に歌詞に注目する。こういう音楽の使い方もあるんだな~[るんるん]


主人公のルイス役は華波蒼。巻き込まれ方の主人公というのが、これまでのメリゴ作品の定番だったが、今回は、少し違う役どころかな。ミュージカルコメディという角書なのに、シリアスでは[exclamation&question]という疑念を最後まで払拭できなかった(たぶんミスリードされてる…)のも、ルイスのキャラクター設定に負うところが大きい。
この物語の登場人物周辺では、最終的に誰も死んでいないが、ルイスに出会わなかった多くの(多くはなかったかもしれないが…)市民たちは、ライムを吸い込んで、石化して死亡したかもしれない。決して大団円の物語ではないのだ。
そんな世界観の中でも、ちゃんと主人公として、ダメなところも含めてかっこよく描かれている…というのは、ニュー華波かもしれない。いや、脚本家・ニュー平野[exclamation&question]早口に物語をどんどん回していくフォルカーの言葉を、時にテンポを落として受け、(ここで、いい感じにオウム返ししたり、要約して確認したり、脚本としても技が光る[ひらめき])観客にストーリーを的確に伝えつつルイスの困惑を表現する一方で、ツッコミは切れ味が鋭く、すべてが「さすが」としか言いようがない、スタア華波様でした[黒ハート]


ルイスの同僚から、現在は研究所の所長になってしまったフォルカーは、斎桐真。冒頭の腰の曲がった神父さんでの、おじいちゃんっぽい口調とか、フォルカーになってからの、立て板に水トークとか、本当にスピーディーかつ伝わりやすい口跡に感動[黒ハート]
ルイスへのちょっと嫌味混じりのセリフとか、味があるのよね。本当は好きなんでしょ[exclamation&question]
そして、なんといっても、片眼鏡です[exclamation×2]これ、まじ、性癖刺さりまくりでしょ[exclamation×2][exclamation×2][exclamation×2][爆弾]しかも、フォルカーさん、ライムのせいで片目の視力を失い、眼鏡かけても見えてないらしい。なんだよ、それ、ファッションか[exclamation&question]さんからの、ただのファンサか[exclamation&question]
斎さんで怪盗ルパンが見てみたい…(戯言)


ルイスとフォルカーに翻弄されるデリックは、月夜見翔。しかも、藪医者に手術されて腹の傷が開いてる…[あせあせ(飛び散る汗)]
血を滲ませながら、愛する妻への思いを熱唱するデリック[ぴかぴか(新しい)]すごい、熱い[いい気分(温泉)]かっこいい[黒ハート]でも、腹の傷は大丈夫なの[exclamation&question]…と思ううち、さらなるどんでん返しが次々と襲い掛かり…可哀想すぎるぞ、デリック[もうやだ~(悲しい顔)]
亡くなった妻への愛を語り続けていたのに、一方的な勘違いだったと発覚、妻を亡くしたのではなく、妻に逃げられたのだと認めざるを得ない事態にまで…しかも、フォルカーが義理の弟[exclamation&question]ってか、フォルカーが自分より年上ってことは、奥さん、もっと上[exclamation&question]知らなかった…みたいなことまで…いったい自分は妻の何を知っていたのだろう…わずか90分でそこまで追いつめられるデリックが辛すぎる[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]
それが悲惨というレベルにまでならないのは、ひとえに、月夜見自身の明るいオーラゆえだと思った。


三人の素敵なキャラクターは今回も健在。よき観劇でした。


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