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宝塚月組舞浜公演「Rain on Neptune」観劇 [┣宝塚観劇]

ドラマティック・ショースペース
「Rain on Neptune」


作・演出:谷貴矢
作曲・編曲:太田健、高橋恵、多田理紗
振付:御降ゆみ乃、若央りさ、港ゆりか、百花沙里
装置:國包洋子
衣装:加藤真美
照明:笠原俊幸
音響:秀島正一
映像:九頭竜ちあき
小道具:下農直幸
歌唱指導:堂ノ脇恭子、板垣辰治
演出助手:平松結有
舞台進行:香取克英
舞台美術製作:株式会社宝塚部隊
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:真加部隼
制作補:西尾雅彦
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:阪急電鉄株式会社
映像協力:パナソニックコネクト株式会社、株式会社エイド・ディーシーシー
メイク協力:LUNASOL


休憩なしの2時間弱の公演。
とはいえ、内容は、前ものの芝居+ショーみたいな感じ。プログラムには、ショー部分は「フィナーレ」と書いてあった。いやいや、フィナーレが半分あったぞ[爆弾]


お芝居は、SF。降り続く雨を浴びると汚染される星、地球。(あれ、どこかで聞いたような[exclamation&question]
プロローグから踊り続けているスターライト(彩音星凪)とシャドー(菜々野あり)のダンスが素晴らしい。リフトの高さなど、目を見張る。
芝居パートでは、ベルメール(海乃美月)と少年シャトー(蘭尚樹)の服装は、クラシカル。汚染された空気を遮るマスク[exclamation&question]は、それで大丈夫なのか[exclamation&question]あくまでも雰囲気重視らしい。
そこから、時が流れ、大人になったシャトー・ド・カロー◆(月城かなと)は、トレジャーハンターとなり、ダイヤモンドの雨が降ると言われている海王星を目指して宇宙船に乗っている。同乗者は、元刑事のピック[スペード]夢奈瑠音)、天才ハッカーのトレフル[クラブ]英かおと)、アンドロイドのクール[黒ハート]彩みちる)。人間の三人は、コールドスリープを利用して長い旅を短い体感時間で過ごしている。
と、急に海王星に引き寄せられ、船は不時着。シートベルトを締めていなかったシャトーは、船外に放り出される。そして、人間のような宝石たちに発見される。アレキサンドライト(千海華蘭)やオパール(佳城葵)の意味不明な尋問に頭がおかしくなりそうになったシャトーだったが、彼らの王、トリトン(鳳月杏)には、人間だと理解されて安心する。
トリトンは、ダイヤモンドに手を出さない、ネプチューンに恋をしないなら、この星に留まることを歓迎する、とシャトーに言う。会ったこともないネプチューン に恋はできないと安心するシャトーに、トリトンは気前よくネプチューン(海乃美月)を会わせる。それは、幼い日、憧れたベルメールにそっくりな、しかし、氷のような女性だった。
シャトーとベルメールは同じ孤児院にいたが、ある日、ベルメールはサーカス団にスカウトされ、孤児院を出ていく。しかし、ベルメールはほどなく雨の影響を受け、病を発症して亡くなった。
ネプチューンのもとを訪ねるシャトー。彼女は、昔、ベルメールが歌ってた歌を口ずさんでいた。その歌をきっかけに親しくなるシャトーとネプチューン。
紆余曲折あって(戦闘シーンもちゃんとある)、クローン開発でおたずねものになったトリトンが、地球に残してきた娘がベルメールで、ネプチューンは、亡き妻のクローンだったことが判明。ネプチューンは、ないはずの亡き妻ルミエールの記憶を持っていて、だからこそ地球に行ってみたいと願い、トリトンはそれを許す。(ただし、シャトーには絶対に手を出さないこと!と条件を付ける。まあ無理だろうな[ふらふら]
海王星のダイヤモンドの雨のしずくは、不老不死の薬らしい。必ず帰ってくると約束するネプチューンと、それまで待っていると言うトリトン。気の長い三角関係の物語は、これからどうなる[exclamation&question]というところで終了。


他愛のない物語だし、舞浜の半円形劇場をそのままの形で使っているので、セットらしいセットも置けないので、イメージ重視の物語という感じ。すり鉢状の客席(アンフィシアターの名称は、すり鉢状の客席から来ている)に座る観客のブレスレットタイプのライト(スイッチオンするだけで、あとは勝手に点滅したり色が変わったりする)がまるで星の海のように煌めいているのが、なによりの演出だった。
私たちが星の海を演じているみたいで、なんか尊い気分になれました[るんるん]


フィナーレという名のショーは、トリトン役を好演した鳳月杏のセリ上がりから。
「Over the Rainbow」のメロディーに乗って、優雅に踊り、英語の歌詞で美しく歌う。ダリ風カイザー髭の面白いおじさんの片鱗はどこにもなく、ただもう美しく、尊い。
鳳月がハケ、同じ曲でトップコンビのデュエットダンスへ。美しい…[ぴかぴか(新しい)]


と、ここから、舞浜公演定番のディズニーソングへ。
まずは、楽しい「Under the Sea」
私の認識に間違いがなければ、この曲を外部で最初に使ったのって宝塚だったような。(たぶん雪組公演)
しかし、楽しいだけではなかった。途中から、突然変わった手拍子を要求されるというハード展開。一瞬、何が起きているか理解できなかった[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
にこやかに、なんて要求をするんだ、ちなつちゃん…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
ちょっと真面目に書かせてもらうと、観客的に難しいことを要求するのであれば、ついてこれるようにガイドするのも制作サイドの責任。最低でも事前に「振付講座」と同様のものをSNSで拡散するくらいしてほしいし、そのうえで、数人の出演者には、ガイド的に最後まで手拍子を続けるような演出があってもよかった。
しかし、そんな宝塚歌劇団制作陣の失策を、放置したり糾弾したりすることなく、月組ファン(複数)は、自ら手拍子講座をSNSで拡散したのだった。月組ファンは、どんなことがあっても手拍子を揃える[exclamation×2]…というファンの矜持を感じる出来事だった。(初回は唖然とした私も、おかげで2回目は、しっかり対応できたのでした[るんるん]


続いて、月城かなとによる「コンパス・オブ・ユア・ハート」。東京ディズニーシーのアトラクション「シンドバッド・ストーリーブック・ヴォヤッジ」のテーマソング。アトラクション内では、ミュージカル俳優の坂元健児の歌声が朗々と流れ続けているが、月城の歌で聴くと、深みがあって、こちらもなかなか味わいがある。


そして、海乃美月による「How Far I’ll Go」。この曲、昨年の「ディズニー声の王子様」で、太田基裕が歌った曲。「モアナと伝説の海」のヒロインの歌なので、女性が歌うべき歌ではあるのだが、ものすごく力強い楽曲なので、もっくんが歌ってちょうどいい感じだった。それを娘役が歌うのかっ[あせあせ(飛び散る汗)]と思ったけど、すごく力強くて、かっこよかった。海ちゃんのカッコよさが、私は好きだ[ぴかぴか(新しい)]


今回、ディズニーソングは少なく、ここからは、ディズニーじゃないジャパニーズ・アニメのメドレーへ。
鳳月を中心とした「銀河鉄道999」は、ちょうど中川晃教主演のミュージカル版でも歌われていたし、かなり昔の作品だが、知っていた人も多いのでは[exclamation&question]
そのまま、曲は「宇宙戦艦ヤマト」へ。まあ、かなり有名楽曲だから、知ってる人多そうだけど…昔すぎない[exclamation&question]昔すぎるから、たぶん誰も知らなかったんだろうけど、「…ヤマト」では、乗組員が敬礼し合うことはないんだよね。振付が互いに敬礼してて、うーん…となってしまった。
そこから、いきなりの「コブラ」。貴矢先生が好きだったのか[exclamation&question]でも、白河りりを中心に、咲彩いちご、一乃凜のトリオによる歌唱は、下級生なのに色気たっぷりで、素晴らしかった。
次が、彩みちるが歌い、海乃がセンターで踊る「乙女のポリシー」娘役がみんな可愛くて、どこを見ていいかわからず、挙動不審になってしまった[あせあせ(飛び散る汗)]麗泉里ちゃんの笑顔がキュートすぎるっ[exclamation×2]白雪さち花おねえさまも、セーラームーン好きだよね、好きだったよね[exclamation&question]と思ってしまうくらいノリノリでした。
さらに、月城が登場して、海乃とデュエットで「ムーンライト伝説」を歌う。ここでは、バックダンサーが鳳月をはじめとする男役陣で、あの曲で、キザに踊るところがツボすぎた。


ここでMCタイム。コンサートあるあるの、日ごとに違うメンバーを呼んでのおしゃべり。適度な緩さが月組らしくて、ほのぼの感じてしまう。下級生が発する「トップさんすごい」トークも、「トップさん大好き」トークも、客席のファンが引いてしまうほどの強火ではなく、微笑ましく感じられるレベルなのも、月組らしさかもしれない。本人が次の準備のために中座している時間を使って、れいこちゃんのどこが好きかを語り合うという、欠席裁判的なシチュエーションも面白かった。司会的なポジションで、話の交通整理をしてくれるちなつちゃん、有能な秘書みたいでした[ぴかぴか(新しい)]
コンサートや別箱ショー作品では必ず出てくると言っていい日替わりMC場面、なかなか下級生を覚えられない私などには、とてもよい機会。これキッカケで注目した生徒さんが、その後、スターになっていくのを「あんなことを言っていたあの子がね…」とニマニマしたり、退団する時に懐かしく思い出したり、自分で主体的に見つけてこなかった生徒さんに気づくよいチャンスだなと思う。


ここからは宝塚作品の場面。
MC途中で退席した月城を中心とする場面は、まさかの「るろうに剣心」[exclamation×2]四乃森蒼紫と御庭番衆がセリ上がってくる。るろ剣の頃は、刀への興味がまるでなかったので、蒼紫が長い太刀を持ってセリ上がってきた時は度肝を抜かれた。
え、なに、大太刀[exclamation&question]
仕込み鞘による二刀流だったのか…[あせあせ(飛び散る汗)](四乃森蒼紫は、小太刀二刀流なんですよね。すみません、知らなくて。)
「最強という名の華を添えて」
歌でるろ剣であることはわかったが、歌詞は今回あらためてちゃんと聴いたように思う。公演時は、御庭番衆が強烈すぎてなにも入ってこなかったんだな…[爆弾](今回は、大太刀は持っていたものの、衣装は白燕尾だったしお面もなかったので、少し冷静に見られた。)
無血開城は江戸の民のことを思うと、正しかったと思うぞ。もちろん、幕臣(直参)の処遇が正しかったとは思っていないけれども。榎本が蜂起したのだって結局それが原因だったわけだし。
続いて、「1789」より「誰の為に踊らされているのか?」鳳月を中心としたナンバー。
トップコンビによる「ミー&マイガール」を経て、「ロミオとジュリエット」から「世界の王」で舞台も客席も一体となって盛り上がった。
ここから、ショー作品の主題歌を3曲。
「ル・ポァゾン」「ヒート・ウェーブ」「Apasionado!!」
「ル・ポァゾン」は、私が大人になってから宝塚ファンを始めた年の公演だったし、「ヒート・ウェーブ」は、私が宝塚を観ていない時代の作品だったし、「Apasionado!!」は、私がガッツリ宝塚に嵌っていた時代の作品だったし、曲に対する自分のスタンスが全部違っていて面白かった。


休憩なし1時間50分なので、残念ながらここで終演の時間になってしまう。
こういうスタイルのショーが作られるのは初めてなので、若干、手探りのところはあったと思うが、ショータイムが少し短かったかな…という残念感はあった。もう少し、月組ショーを振り返るシーンがあったらよかったのにな、とか、そもそも、中途半端な内容の芝居は必要だったかな、とか。
とはいえ、これまで舞浜で見せられてきた、いたたまれないコントがなかったのは、精神衛生上、とてもよかった。コントよりは、中途半端でもお芝居の方がいい。


舞浜アンフィシアターは、舞台の高さがとても高いので、本舞台中央に吊り下げられた、形状を変えながらキラキラ輝く吊り物がとてもステキ、空間をうまく使っていると感じた。
あと、すり鉢状の半円形の客席だったので、リストバンド型のペンライトを劇場側で制御して、色々な色で輝かせる演出が、「舞台側から見てキレイ」なだけでなく、客席側から見てもキレイで、それが星の海に見えたり、演出として効果を発揮していた。
ただリストバンド型というスタイルについては、これをつけた状態でオペラグラスを持つために、手を顔の横に持ち上げた時、隣席の方の目を眩ませてしまう…という欠点があることが判明したため、今後の改良が必要なるだろう。てか、ここ以外の劇場では、そもそもこれだけの効果は得られないかも…。
舞浜アンフィシアターについては、10月から劇団四季専用劇場として、しばらくの間「美女と野獣」を上演することになるそうなので、次に宝塚の公演をやるのは、いつのことになるやら…。地元の宝塚ファンとしては残念ですが、幕張メッセでコンサートというのも期待したいところです。


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