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「中島鉄砲火薬店」観劇 [┣演劇]

文化庁委託事業 令和3年度次代の文化を創造する新進芸術家育成事業
日本の演劇人を育てるプロジェクト 新進演劇人育成公演俳優部門
「中島鉄砲火薬店」


脚本・演出:伊藤栄之進
美術:松生紘子
音響:今里愛(sugar sound)
照明:大波多秀起(デイライト)
衣裳:中村洋一(東京衣裳)
ヘアメイク・かつら:川村和枝(p.bird)
音楽:佐々木久夫(Sean North)
殺陣:新田健太(ジャパンアクションエンタープライズ)
舞台監督:田中翼
演出助手:田邊俊喜


大道具:俳優座劇場


アシスタントプロデューサー:川瀬良祐(SET)、矢崎進(Spacenoid Company)
プロデューサー:鈴木庸子(SET)


宣伝協力:幕末ジャーナリスト
制作協力:スーパーエキセントリックシアター、Spacenoid Company
Special Thanks:中島大成氏


制作:公益社団法人日本劇団協議会
主催:文化庁、公益社団法人日本劇団協議会


育成対象者:大見拓土、松井勇歩、市橋恵


「侍戦隊シンケンジャー」以来、その渋さに惚れている唐橋充サマ主演の「中島鉄砲火薬店」を観劇した。
意図してなかったが、10日の間に2回も新国立劇場小劇場に来てしまった。国立の立派な劇場が、若い俳優の出演する舞台(ミュージカル「刀剣乱舞」でおなじみの伊藤栄之進さん(旧名:御笠ノ忠次)が脚本・演出なので、2.5舞台に出演している俳優も多く参加している)に門戸を開いてくれているのは、ありがたいことだなと思う。


本作は、函館戦争まで戦った元新選組隊士、中島登(のぼり)のその後の人生を少しだけ切り取った物語。
西南戦争も終わり、侍の世は完全に終結した。けれど、生き残った新選組隊士は、まだ、この日本のどこかに何人も生きている。が、最近、最後の局長、相馬主計をはじめ、不審な死に方をした者がいるらしい。
そんなことも知らず、ここ、浜松では、中島登(唐橋充)が、昼寝をしていた。今日は、昔、捨てたといってもいい息子の登一郎(とういちろう・小西成弥)がやってくる日だというのに。浜松での生活が安定し、再婚もしたので、息子を引き取ることにしたのだ。
新妻のヨネ(福永マリカ)は、その妹のヨシ(市橋恵)ともども、よくしゃべる明るい女で、今日も、石田散薬の薬売り(飯野雅彦)を富山の薬売りだと勝手に決めつけ、相手に話すスキを与えない。
この辺のテンション高いやり取りは、初演が、SET(スーパーエキセントリックシアター)だったことと関係があるのかもしれない。
一方、甘利正太郎(田村心)という若者は、登を父の仇と狙い、相棒の内山孝介(松井勇歩)と一緒に、登の動向をうかがっている。そのために、鶴太郎(松本寛也)と亀吉(大見拓土)をスパイとして中島家の周辺に放っている。が、この二人の気配は、登はじめ、色々な人に見破られている。
この辺の、慎重にまじめにやっているのに、バレバレみたいなネタも、SETっぽい。たぶん、SETで上演された時は、お笑い、でも少し人情もの…みたいな作風だったんじゃないかな、と思った。演出次第で、舞台って、雰囲気変わるんだな。
登は飄々と生きているようで、心にたくさんの重荷を抱えている。そして、時々、心の中の土方歳三(高木トモユキ)と会話し、生きるべき道を探ろうとしている。その結果、突然、今持っているものをあっさりと捨てたりする。
甘利と内山が近くに道場を開く予定なので…と挨拶に来ると、いっそ…と、門人ごと道場を譲ると言ったり、貧しさゆえに甘利に雇われた鶴太郎に、土地の権利書を渡したり…すごいのは、妻のヨネが、そんな登を、どうにかなる…と、認めて、どーんと構えているところ。人の話を聞かないヤバいテンションだけの女じゃなかった。
甘利の父親を殺した理由も、なるほど…と思えるものだったし、ラストシーンも最高。
月一回、決闘を定例会にして、戦う前から、次回のスケジュール調整するなんて、もう、それ、殺す気ないでしょ[exclamation&question]大好きで、会いたいだけでしょ[exclamation&question]


あ、そうそう、石田散薬さん、実は、元隊士の不審死を調査しに来ていた、警視庁の藤田五郎こと、斎藤一でした[黒ハート](政府の中枢にいる、元薩長藩士が、過去の恨みを忘れず、元隊士殺害にお金をばらまいていたという設定でした。)


唐橋さん、シンケンジャーの頃は、マジやばいかっこいい…[揺れるハート]って感じだったけど、40代になって、いい感じに枯れたイケオジになってました[黒ハート]でも、殺陣とかは、もちろん衰えてないし、ほんと、動きがシャープで無駄がない。
高木さんとは、同い年とのことで、現実と脳内の世界の会話なんだけど、すごく嚙み合ってる。高木さんの、土方は、やっぱりかっこいい。ほんと、2.5次元界、イケオジ枠が充実してるわ。
石田役の飯野さんや、元隊士の大島役の栗原功平さんなど、ベテランの力が発揮される中、若いメンバーが生き生きと全力でぶつかってくる。ほんとにステキな座組だった。
新進演劇人育成として、とてもよい演目だったと思った。
ところで、育成対象者は、役者歴10年未満と聞いていたのだが、田村心が対象者になっていないのには理由があるのだろうか[exclamation&question](主演経験があったらダメとか…)


中島鉄砲.jpg


 


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