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劇場クラスターの顛末 [┗エンタメへの想いとか薀蓄とか]

1年ぶりに、劇場からクラスターが発生したことが話題になっている。そこで、ちょうど1年前、シアターモリエールで起きたクラスター事件の記事をもう一度、掘り返してみたいと思う。こちらが、その時の記事です。


一方、今回のクラスター、出演した女優さん(PCR陰性)のNOTEが唯一の情報なので、偏りがあるかもしれないが、驚くほど、昨年の問題点を踏襲していた。
[1]体調の悪い出演者、感染が確認された出演者がいたにもかかわらず、全員の検査、対象者の休演など、適切な処置を取らなかった[ひらめき]
[2]アルコール消毒、舞台と客席の距離など、公演中の感染予防対策が不十分だった[爆弾]
[3]出演者・観客の安全より、集金を優先していた[有料]
[4]キャストと観客の交流(終演後面会・2ショットチェキ撮影)を無理やり実施したことから、観客にも感染が確認された[がく~(落胆した顔)]
[5]主催が、あらゆる意味で、責任を放棄している[むかっ(怒り)]


今、劇場でクラスターが発生するとしたら、これ以外の原因は考えられない。


その理由はハッキリしていて、主催(プロデューサー/演出家)が、その公演を「金づる」としか考えていなかったからだ。
この公演を、安全に多くの観客に届けたい、という演劇関係者としての当然の思いが、そこにはなかった。
劇場との当初の約束通りの配席ではなく、少しでも客を多く入れようとしたり、舞台から近い1列目の観客にフェイスシールドを渡すこともしないで、トイレ等の石鹸液・消毒液の補充も怠り、そのくせ、キャストから不安の声が上がっているのに、チェキ撮影を実施し、その上がりを主催が総取りとか…もうどこから突っ込んでいいか、わからない。
若手で、十分にギャラが貰えない俳優ばかりが出演する公演の場合、「物販の収益は当該俳優へ」という暗黙の了解さえ、無視した悪魔の所業。そのくせ、各俳優には、自分の「お客様」に、積極的にお声がけするように、と指示していたらしい。


朗読劇だった公演は、3組の別々のチームが、それぞれ交わらずに、交代で出演するものだった。しかし、どのチームからも感染者が出た。そのなぞは、公演終了後、解ける。演出家であった主催が感染していたのだ。
ありえないだろ、それ…[あせあせ(飛び散る汗)]


まだ、テレビや雑誌で紹介されていない若い俳優は、見ず知らずの人に応援してもらうチャンスは少ない。
その時期を支えてくれるのは、家族、親戚、知り合い、その知人…みたいな人達だ。ファンというよりは、身内のような気持ちで応援している。直接連絡を取り合えるような関係の、そんな、無償の愛を捧げてくれる方たちが感染したら、俳優はどんな気持ちになるだろうか。
本当にひどい事件だと思った。


これが、今の時期、本当に特殊な事例でありますように…と、願ってやまない。


緊急事態が収束した頃を目指して、秋の公演が、今、目白押しになっているが、どの公演も昨年より、1000円~2000円ほどチケット代を上げている。それが、リスクの対価だと思う。
月間10公演以上観劇する身としてはつらい。でも、これは、必要経費だと思っている。
俳優を泣かせないために。劇団を潰さないために。みんなに嘘をつかせないために。


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