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宝塚月組バウホール公演「幽霊刑事」観劇 [┣宝塚観劇]

バウ・プレイ
「幽霊刑事」


原作:有栖川有栖
脚本・演出:石田昌也
作曲・編曲:手島恭子
振付:平澤智、AYAKO
擬闘:清家三彦
装置:稲生英介
衣装:加藤真美
照明:安藤俊雄
音響:山本浩一
小道具:福井良安嗣
歌唱指導:山口正義
演出助手:指田珠子、栗田優香
舞台進行:阪田健嗣
舞台美術製作:株式会社宝塚舞台
録音演奏:宝塚ニューサウンズ
制作:真加部隼
制作補:西尾雅彦
制作・著作:宝塚歌劇団
主催:阪急電鉄株式会社


珠城りょうの「サヨナラする、その前に」というサブタイトルがついたバウホール公演、緊急事態宣言下という状況だったから、なのだろうか、有難くも観劇することができた。
プログラムの演出家挨拶を読むと、「恋愛要素も匂わせつつ、鳳月杏とのバディー物の要素も…と依頼され」とある。恋愛相手は誰でもいいが(トップコンビのプレサヨナラ作品は、あえて別々に行われる。DSとMS開催が多い)、バディー相手は、鳳月杏限定なのか…[exclamation×2]なんか、胸アツである。
珠城りょうの主演作品を、節目節目で手がけた石田先生。上田久美子と石田先生、ある意味両極端の演出家に育てられたからこそ、これだけの振り幅を持つスターになったのかもしれない。(ゆうひさんも、そういえば、節目節目で石田先生にお世話になっている。)
(今、あらためてプログラムを眺めているが、裏表紙が…たまらん…[ハートたち(複数ハート)]


刑事、神崎達也(珠城りょう)は、冒頭、上司の経堂芳郎(光月るう)に殺害され、幽霊になる。
母(京三紗)も妹(結愛かれん)も婚約者の森須磨子(天紫珠李)も、幽霊になった達也に気がつかない。しかし、警察学校同期で、巴東署に異動してきた早川篤(鳳月杏)は、おばあちゃんが恐山のイタコで、本人も霊媒体質だったらしく、神崎の存在に気付いた。
そんな早川に自分を殺した経堂を捕まえてほしいと訴える神崎だが、なにしろ証拠がない。
幽霊のポテンシャル(どこにでも現れる)を生かした捜査で、経堂有罪の証拠をつかみたい神崎だったが、先輩幽霊、雲井光雄(汝鳥伶)と出会い、幽霊が地上にとどまれる時間は有限であることを知る。そして、経堂の犯行の証拠を追ううち、当の経堂が自殺した…という情報が入るー


原作のある作品ということもあって、ヒヤヒヤすることも少なく、安心して観劇できた。
(石田先生=ヒヤヒヤorハラハラ)
ろうあの少女、愛ちゃん(白河りり)というオリジナルキャラクターを出してきたことが、石田先生の主義主張シリーズだなーとは思ったが、これくらいなら、受け止めようと思った。珠城りょうのラストバウなので、こちらも、心が広くなっている。
ヒロイン役の天紫にも、それ以外の娘役たちにも、それぞれ見せ場があり、男役も適材適所、主役が若くして死んでしまう内容ではあるが、サヨナラ公演に向けた月組メンバーの底上げに、ひと役買う公演になったなと思った。


では、出演者感想。


珠城りょう(神崎達也)…かっこよかったです[黒ハート]幽霊という、一風変わったキャラを演じることになったものの、安心できるメンバーに囲まれて、生き生きと役を楽しんでいるように感じた。


鳳月杏(早川篤)…珠城のバディーとして、これほど絵になる人はいないだろうな、と思う。シリアスな「月雲の皇子」でも、コメディタッチの「幽霊刑事」でも、しっくりとハマる。これだけ、ピッタリくると、この二人なら、宝塚のタブーであるBLだってやれたかもしれない…と、夢は広がるが…[爆弾]
もっとも、鳳月の持ち味は、コメディよりは悲劇であり、テンポのいい現代劇だと、セリフの速さに口が追い付かない感じもあって、そこが少し気になったりした。しかし…足が長い…[あせあせ(飛び散る汗)]


京三紗(神崎比佐子)…夫も殉職し、女手ひとつで育てた息子も殉職し…って、もう、悲劇以外の何ものでもないし、さすがに憔悴しきっていたが、それだけでは終わらない、胆力を感じる亜沙子との会話など、さすが、専科さんのお芝居でした[ぴかぴか(新しい)]


汝鳥伶(雲井光雄)…最初から幽霊として登場し、幽霊がどんな風にこの世を離れるか…について、神崎に教える役どころ。さすがの存在感[ひらめき]


光月るう(経堂芳郎)…神崎の殺害実行犯。すごく難しい役どころだと思う。警官殺しの犯人が内部にいた、というのは、それだけですごくシリアスな話。でも作品のテイストはコメディ寄り。経堂は、軽い場面にも、重い場面にも登場する。その辺の居方が、さすがの組長だな[ぴかぴか(新しい)]


紫門ゆりや(新田克彦)…半年前に殉職しているので、回想シーンにしか登場していない刑事。それゆえに、大胆にデフォルメした演技で、楽しませてくれた。珠城時代を全力で支えた一人だけに、自身の役割を忠実に実行してるな…という感じ。役者・紫門ゆりやとしては、ちょっと役不足ではあったが[爆弾]


白雪さち花(久須悦子)…通称マダムX。クセの強い役は、お手のものでしたね[るんるん]


香咲蘭(天乃頼子)…ろうあの少女、愛の母親。愛とは、ずっと手話で会話している。その自然な手話は、かなり勉強したんだろうな…と感じた。と、気づいてから、けっこうガン観してました[exclamation×2]


輝月ゆうま(毬村正人)…資産家でキザでイヤミな主任刑事。しかし…という、ヤハリの真犯人。完璧でした[ぴかぴか(新しい)]完璧すぎて、誰も驚かない結末…というのが、なんとも…[あせあせ(飛び散る汗)]


晴音アキ(漆原夏美)…県警本部から副所長として異動してくる…という、怪しい動きは、何を表すのか[exclamation&question]と、ミステリ好きとしては、考えなきゃいけないところなんだけど、あまりの生活感溢れる濃いキャラに、ついスルーしてしまいました[たらーっ(汗)]さすが、です。


春海ゆう(弾き語りの青年)…96期なのに、警官などさまざまな役をアンサンブル的に演じてくれて、功労賞だと思う。一応、ポイントとなる役が「弾き語りの青年」なんだけど、カセットテープ(古…[爆弾])というショックで、彼の存在感が薄れてしまった気がする。


朝霧真(中井洋佑)…署長。ものすごい個性ぞろいの巴東署メンバーの中で、ちゃんと署長に見えるんだから、さすがギリギリ[どんっ(衝撃)]


英かおと(佐山潤一)…ガンマニアが高じて警察官になっただけでなく、拳銃を自宅に持ち帰っていたという、とんでも刑事。ダーティーハリーが好きすぎて、自称ダーティー佐山。めちゃくちゃ面白いキャラでした[いい気分(温泉)]


天紫珠李(森須磨子)…射撃の名手の女刑事。神崎の婚約者。かっこいい部分、婚約者として亡き神崎を思う部分、宝塚のヒロインらしさの少ない役を、そのまま素直に演じていて、恋愛が芯にないバウホール公演としては、こういう居方の娘役は、あってもいいな、と思った。


ほかに、キャラの濃い女警察官役の妃純凛、ろうあの少女天乃愛役の白河りり、神崎の妹で身重の亜沙子役の結愛かれん、経堂の妻役の蘭世惠翔が印象に残った。


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