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「ジャージー・ボーイズ・イン・コンサート」 [┣ミュージカル・音楽劇]

「ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』イン・コンサート」


演出:藤田俊太郎
脚本:マーシャル・ブリックマン&リック・エリス
音楽:ボブ・ゴーディオ
詞:ボブ・クルー


翻訳:小田島恒志
訳詞:高橋亜子


音楽監督:島健
音楽監督補・ヴォーカルデザイン:福井小百合
振付:新海絵理子


照明:日下靖順
音響:山本浩一
映像:横山翼
衣裳:小林巨和
ヘアメイク:井上京子


稽古ピアノ:森俊雄
音楽コーディネート:東宝ミュージック


演出助手:郷田拓実、守屋由貴
技術監督:小林清隆
舞台監督:山本圭太


演出部:中村貴彦、倉科史典、柴田浩平、和田健汰、柳川瑛美奈
制作助手:上村幸穂、寺本奈央


プロデューサー:今村眞治、村田晴子


製作:東宝


美術:平山正太郎
ムービング・プログラマー:岩田佳奈


大道具:打越裕、秋山真梨子(東宝舞台)
小道具:田辺光子(東宝舞台)
衣裳製作:坂東智代、森口真緒(東宝舞台)
靴レンタル:アーティス
小道具協力:高津装飾美術
楽器:岸拓央(三響社)


ライブ映像:野藁宗好、田辺圭祐、播島暁(WOWOW)


宣伝協力:石垣裕之、西川直之、松本有希子、寺尾梨花(WOWOW)


あの「ジャージー・ボーイズ」が帝国劇場に進出[exclamation×2]ついでに矢崎広、帝劇初出演[黒ハート]と盛り上がったのは、いつのことだったか…[もうやだ~(悲しい顔)]
チケットも先行抽選で3枚ゲットし、あとは観劇を待つばかりだった。
しかし、公演は中止、コンサート形式でソーシャルディスタンスに配慮して行われることになった。
チケット、取り直し…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
電子チケットしかダメだったせいか、コンサートも余裕で3公演ゲットすることができた。しかし、スタッフに陽性反応が出たため、初日から数日は無観客配信公演。My初日は、観客を入れて2日目のことだった。
もう、すっかり帝劇がアウェイになってしまった気分…[あせあせ(飛び散る汗)]
まあ、電子チケットというのが、そもそも、プレッシャー。いつ、提示画面を開けばいいのか、よくわからない。以前、仕事で電子入館システムを使用したところ、入館直前に電波競争に負け、入館画面が開かず、万一のために印刷していたメール文面を見せて入館するという、超恥ずかしい経験をしている。いやー、緊張[あせあせ(飛び散る汗)]
無事、電子チケットを提示し、帝劇に入り、席に着いたら…寒い[もうやだ~(悲しい顔)]
忘れていた。帝劇は寒い。さらに換気のため、空調を強めにしているのだった。チケットのことばかり考えて、ノースリーブで着てしまった[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]
館内アナウンスを聞くと、万一クラスターが発生した場合に連絡をもらえる登録ができるそうで、そのQRコードを受け取るためにロビーに出向く。客席よりロビーの方が少し暖かいが、ロビーのソファもソーシャルディスタンスなので、居場所がない。すごすごと席に戻り、登録を始めたところで、電波が届かなくなった。開演5分前ー
(終演後に登録できました!)


アッキー(中川晃教)の開演アナウンスで、不安とか、アウェイ感とか、いろいろな感情がすーっと消える。これが、ミュージカルの力だな~と素直に思う。まあ、アッキーの力でもある…かな。
「ジャージー・ボーイズ」のコンサートバージョンは、2018年にも上演されている(シアターオーブ)が、私は観ていない。(博多にいたような気がする。)
それ以外の本編(2016年、2018年)は、REDとBLUEを観劇している。(ぴろしファンなのでお許しください。)今回は、BLACKとGREEN、両方を観劇する予定だったが、コンサートになったので、どちらのキャストも観られるのはラッキー[揺れるハート]


ジャージー・ボーイズの7名は、ソーシャルディスタンスを保って歌い、コーラスメンバーは、彼らより後ろが定位置。その後ろにアクリル板を置き、オーケストラ(バンド)・指揮者が舞台上に並ぶ。初めて「ジャージー・ボーイズ」を観る観客のために用意された映像でストーリーを紹介し、舞台上では、歌とモノローグ、そして、ちょっとしたやり取りが言葉だけで行われる。
それがすべての始まり…であっても、フランキーとボビーは握手さえしない。でも…客席は、熱かったし、あたたかかった。
クリエで観た再演は、いつの間にか、コアなファンばかりになった客席が、いささか鬱陶しくもあり、初演ほど、のめり込めなかった。そこがいい感じに薄まって(客席もソーシャルディスタンス)、あと、隣の席の方の動向が気にならないのも、集中できる感じ。それでいて、全体のあたたかい空気感は伝わる。
「ジャージー・ボーイズ」をあらためて好きになったコンサートだった。


今回のコンサート版、BLACKとGREENの両キャストが同時に出演する。春・夏・秋、それぞれの語りも二人のキャストが交互に行う。今回の公演は、3人の新キャストが出演することになっており、どの役も、その役を演じたことのある俳優と、まだ演じていない俳優の組み合わせとなっている。
まだ、その役の人生を生きていないのに、こんな風に、帝劇の舞台でどーんと出てきて役で喋るって、かなり度胸がいると思うけど、その新鮮な三人と、クリエで丁寧に役を生きてきた旧キャストの三人が、それぞれの人物を立体的に浮かび上がらせてくれた。
矢崎広と、藤岡正明は、2016年版のREDチームで一緒だったが、今回は、チームが分かれてしまった。矢崎ファンで藤岡のトミーが大好きな私は、今回両バージョンを観るつもりでいたが、図らずも二人が同じ舞台に立っているのを観て、脳内にREDチームが浮かび上がっていた。コンサートになってよかったな、と思えた場面だ。
新たにボブ・ゴーディオを演じることになった東啓介すごく長身で、都会的な感じがする。いきなり、高音を聞かせ、一気に客席を引き込むのもすごい。実直な矢崎のボブと対照的で、彼はどんなボブになったんだろう、観たかったな、と思う。
矢崎は、“Oh What a Night!”のシーンで、舞台に一人残って歌うのだが、両サイドの観客にアピールするために、舞台上を走り回る場面でも、どこかシャイな表情で、オーバーアクションはしない。コンサートなのに、ボブそのもの…なステージングは、矢崎らしいな、と思った。帝劇でコンサートやれるなんて、二度とないチャンスかもしれないのに、やっぱり役を演じているんだな~と。
めちゃくちゃやんちゃで、初めての帝劇を楽しみまくっていたのは、「歌舞伎界の大谷翔平」こと尾上右近。もちろん帝劇は初出演だが、そもそも大きな劇場には慣れているし、普通の歌舞伎役者と違って、彼は、歌舞伎座で歌う経験もしているから(若干語弊が…)、そういう度胸はあるんだろうな、と思う。カメラ目線(配信用のカメラがあって、その映像は舞台上のスクリーンにも映される)ではしゃぐ姿は、まさに現代の若者。
トミーというのは、男性の中の少年性の部分が反映された役なのかな、と思う。藤岡には藤岡の、中河内雅貴には中河内の、伊礼彼方には伊礼の、右近には右近の少年性(やんちゃぶり)があって、それゆえに振り幅の大きな役のように思う。右近のトミーは、どんなふうにSpiのニックを翻弄したんだろう、と思うと、観たかったな…と、絞り出すように感じる。でも…中川フランキーよりも、矢崎ボブよりも年上役[exclamation&question]
そして、ニック役で初登場したのは、大山真志温和なルックスが、いかにも…だ。刑務所に入りそうな雰囲気はないけど。ちょっとした仕草がとてもチャーミングで、どんなニックになったんだろう…と思う。Spiのニックは、ノーム・ワックスマンの場面をスクリーンで紹介していたこともあって、2年前の切なさを思い出しながら、観た。2.5次元舞台と、本格ミュージカルを垣根なく行き来する飄々とした芸風には、ますます磨きがかかっているようだ。
帰ってきた藤岡トミー(2016年の初演でトミーを演じ、2018年版には出演していなかった)は、フリートークでも無茶ぶりしたり、どこまでも自由で、やんちゃで、それでいて歌声は、時に繊細で、透明感があって、4年前以上に気持ちよく…本人も、フォーシーズンズのコーラス(時に7人組)や、中川とのデュオをとても楽しんでいるように思えて、貴重な公演を、私も心から楽しんだ。
カーテンコールで、客席に向かって、ペンライトの色、チームカラーの色(黒)がないとか、めちゃくちゃなことを言い出すのも、トミーっぽいなぁ~と思った。それでいて、藤岡くん自身がやんちゃだな~[黒ハート]とも思わせるところが、彼らしい。
カーテンコールといえば、ぐだぐだと終わらなくて、最後に、ここは矢崎広が締めますとか、アッキーに無茶ぶりされたぴろしが、やんちゃな先輩(中川・藤岡)のことを右近に詫びつつ、まじめに締めてくれたのも、らしいなぁ~という感じ。その時に感じた華があったからこそ、“Oh What a Night”は、役として…だったんだな、と思えたのかもしれない。だったら、無茶ぶりしてくれたアッキーにも感謝[黒ハート]
2018年版は、後半に1回しか観劇しなかったため、中川の歌の自由度が高くなりすぎてて、ちょっと受け入れられない感があった。今回は、あらためて、フォーシーズンズの楽曲をしっかりと楽しめたし、芝居部分がほとんどなかったことによって、中川の声質の透明感が強く保たれていたことも、感動に繋がった。
今回のコンサート版でも、フランキーがシェイクスピアの言葉になぞらえて語る場面が残っていたのだけど、シェイクスピアはシェイクスピアでも、「十二夜」に登場するマライアの偽手紙を引用しているのがツボ[わーい(嬉しい顔)]真顔で言われても、まんま信用できないよね、これ。


終わってみれば、寒さなどどこにもなくなっていた、熱く拍手している自分に気づいた。
帝劇復活、おめでとうございます[黒ハート]


蛇足ながら…
二人のボブ・クルー(加藤潤一・法月康平)は、それぞれ個性的で、この役は、コンサート版でも必要な大きな役だったんだな…と感じただけに、太田基裕のクルーを帝劇で観たかったとも思った。「ボーイズ・イン・ザ・バンド」の太田が素晴らしかったので、分身の術でもない限り無理なんだけど…。
でも、いろんなクルーを観ることができ、楽しかったです。


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