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「11人いる!」 [┣Studio Life]

音楽劇
「11人いる!」


原作:萩尾望都『11人いる!』(小学館)
脚本・演出:倉田淳


舞台美術:乘峯雅寛
舞台監督:倉本徹
照明:山崎佳代
音響:竹下亮(OFFICE my on)
編曲・演奏・作曲(酒は愉し):明石隼汰
衣裳:竹原典子
ヘアメイク:川村和枝(p.bird)
演出助手:宮本紗也加
宣伝デザイン:宇佐見輝


「11人いる!」、6年ぶり…かな[exclamation&question]
今回は、「音楽劇」になった。一部、作曲された曲もあるが、往年の洋楽に日本語詞をつけて…というのがほとんど。ライフ音楽劇の基本パターンだ。DVD出さないって決めてるなら、こっちの方がお得なんだろうな。そして、上演時間は2時間…短くなった。さらに、11人いる!というよりは、11人しかいない!という辺りが変更点。
そのため、冒頭の宇宙大学長官による送り出しの挨拶は、倉本徹のナレーションになっている。これは、よい効果もあって、集合する10人を暗闇の中に浮かび上がらせる(長官がステージにいないので、舞台上を明るくする必要がない)ことで、11人目を推測できない仕組みが作れた。
その分、試験結果公表の場面をグレン・グロフ一人に任せてしまったことは、ちょっと辻褄合わないかな…とも思った。


宇宙大学入試の最終試験は、漂流する宇宙船「白号」に乗って53日間を過ごす…というもの。何が起こるかわからない宇宙でのアクシデントを協力して乗り越える能力が受験生には要求される。
そして、10人一組と言われている受験生は、現場についてみると11人いる。これは、大学側の仕込みなのだが、まず、そこでひと騒動持ち上がる。さらに白号には、他のグループにはない、別の仕込みもされていた。受験生のタダトス・レーン(タダ)が封印された過去である白号乗船メンバーに選ばれたのだ。
さらに、大学側も予想していなかったアクシデントは起こるは、11人目の妨害交策はやり過ぎるは…とにかく、日々問題が起きる。その上、男性だけのチームと言われていたはずなのに、性別未分化のメンバーが二人もいる。はちゃめちゃな船内で、疑心暗鬼になり、殺し合いにまで発展しそうになるが、個性豊かなメンバーが、時に熱く、時に冷静に、誰かが止めてくれ、また、それぞれがアイデアや能力を出し合って、どうにか45日目まで到達する。
しかし、ここで、フロルベリチェリ・フロルが伝染病に感染、全員一致で非常ボタンが押される。その潔さもまた素敵な作品。そして、タダとフロルの今後は[exclamation&question]というラブ要素もあったりして、さすが、昭和の少女マンガ[exclamation]
(平成だったら、フロルは男の子のままラブ要素に行くわね…)


今回もライフらしくamopacoの2チーム上演。
そんな出演者たちの感想です。
タダトス・レーン<タダ>(関戸博一松本慎也)…「なのはな」に続いて、主演は、関戸松本。今度は男の子。前回もタダを演じた安定の松本(文句なし[exclamation]に対し、関戸のタダは新鮮だった。特に、過去の記憶を呼び覚ましていくところなど、リアルな芝居が新しい主役像を作っていたと思う。集団の中にいると埋もれる主役(別の人が喋ってるシーンね)…ってのも、関戸らしい居方だな~[わーい(嬉しい顔)]好きよ[黒ハート]


フロルベリチェリ・フロル<フロル>(松本慎也伊藤清之)…主演に対するヒロインポジも「なのはな」に続いて、松本伊藤松本は、これが初フロル。なんかそうは思えないピッタリ感。関戸との同期コンビは、相性抜群[exclamation×2]関戸に言いたい放題の奔放さが可愛かったし、関戸もがっつり受け止める辺りが、同期の良さ。一方の伊藤は、ひたすら可愛い。演技的にはまだまだだが、今は、可愛さと体当たりが武器で良いと思うし、それだけでフロルを演じられるのは、若さゆえ。(おじさんは演技力なかったらフロルはやれない…)このまま突っ走ってほしい。


マヤ王バセスカ<王様>(宮崎卓真(客演)曽世海司)…宮崎は、この公演中、一番進化したキャストだった。初日は、なんでみんなマヤ王の言うこと聞くのかな~と、不思議に思っていたのが、威厳やリーダシップを日に日に身に着け、もはや王にしか見えなくなっていた。成長を楽しめるのが演劇の良いところよね。曽世は、安定のマヤ王。即位したばかりには、とても思えない傲慢だけど憎めないバセスカだった。


ソルダム四世ドリカス<フォース>(千葉健玖)…シングルキャスト。今回はイケメンキャラ。ハンサムボーイの久保が抜けたからか、てらいなく美形キャラを演じることができていて安心。千葉の芝居は、派手ではないが、すごく納得性があるんだよね。今回もいい仕事してました。


アマゾン・カーナイス<アマゾン>(牛島祥太宮崎卓真(客演))…女の子も演じる牛島が、肉体強化しているアマゾン役なのはちょっと意外だったが、これがなかなかのヒットだった。はっちゃけキャラ、いけるかも。宮崎は、集団芝居の中で、ライフにすっかり溶け込んでいるのが印象的。


チャコ・カカ<チャコ>(高尾直裕(客演))…シングルキャスト。メイクも良く似合って、可愛かった。芝居の口跡もよく、歌もうまい。集団芝居でも埋もれない。また、ぜひ客演してください[黒ハート]


ドルフ・タスタ<赤鼻>(若林健吾)…シングルキャスト。可愛いし存在感もある。そして、若林健吾以外の何者でもなかった。集団芝居の中で目立つ手段としては、それもアリだと思う。


トト・ニ<トト>(鈴木宏明)…シングルキャスト。いや~鈴木も可愛かった。てか、こんな可愛いトト役は初めて見たかも。あまり背も高くないし、一度女役で見てみたいな。


ヴィドメニール・ヌーム<ヌーム>(宇佐見輝)…シングルキャスト。沼で逆立ちする佐清ポーズが忘れられない。(←観た人しかわからない…)短命な種族の中にあって、未分化なヴィドメニールという特殊な存在だけが何百年の寿命を持つ。その運命を受け入れた人の超常感を常に纏っているのが、上手いな~と思う。それでいて、コミカルな時もあったり、目が離せない存在。


ガニガス・ガグトス<ガンガ>(船戸慎士)…シングルキャスト。ガンガは船戸しか演じていないし、あまりにもピッタリすぎて、もはや、感想すら見当たらない。船戸ガンガさえいれば、「11人いる!」になってしまうのではないか…とも思う。


グレン・グロフ<石頭>(曽世海司藤原啓児)…石頭というか、頭頂部がやたら長く盛り上がっている姿が面白い。こういう石頭もアリだな~。リピート観劇すると、<11人目>らしいリアクションをあちこちでこっそりしているのが、二人とも、さすがベテラン。
すべてが明らかになった後の長ゼリフもさすがでした[ぴかぴか(新しい)]


初日付近は、ものすごく客入りが悪くて、不安になったけど、翌週はもう満席になっててよかった~[黒ハート]
狭い会場なので、出演者はマイクを使わない。そのため、歌の場面だけ(伴奏音楽が流れるため)ハンドマイクを持ってくる。それが、ちょっと笑える。どうにかならないのだろうか。


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