「花の秘密」観劇

「花の秘密」

作：チャン・ジン
翻訳・企画：洪明花（※）
演出：横内謙介

美術：池田ともゆき（※）
照明：藤田隆広（※）
音響：百合山真人（※）
衣裳：萩野緑（※）
ヘアメイクプラン：tae
舞台監督：今村智宏

演出助手：藤嶋恵
美術助手：岩本三玲
舞台監督助手：深沢亜美、敦澤穂奈美、武藤麗子
照明オペレーター：久松夕香
ヘアメイク：比嘉奈津子

大道具製作：株式会社俳優座劇場　大橋哲雄
小道具：藤浪小道具株式会社　石井昭
ウィッグ提供：ラパンドアール
運搬：株式会社明和運輸

キャスティングプロデューサー：仲村和生
アシスタントプロデューサー：松本峻汰、岸ゆりえ
プロデューサー：夏川正一
制作：公益社団法人日本劇団協議会

主催：文化庁、交易社団法人日本劇団協議会

退団以来のこまちゃん、そして「グッド・バイ」以来のきりちゃんを観てきました

昨年末のスタジオライフ公演と同じ＜次代の文化を創造する新進芸術家育成事業　日本の演劇人を育てるプロジェクト＞の一環として上演される公演なのだが、今回の公演は、出演者が現在時点における育成対象者ではない。新進芸術家海外研修制度（もしかして、宝塚の先生方が何人も海外に留学したアレでしょうか）を使って各国に留学したメンバーが集結して作られた舞台ということで、文化庁の主催公演となったもよう。一応スタッフ表に（※）印のついている方が派遣メンバーです。
出演者も、翻訳・企画の洪明花（女優名＝みょんふぁ）、中島唱子の２名が派遣メンバーだったりする。
原作は、韓国の劇作家、チャン・ジンの作品。これを平成25年度に韓国国立劇団に留学した洪が企画して日本初上演にこぎつけた。なんだけど、舞台は、イタリア北部の田舎町。そこに住む平凡で、ちょっと人生に疲れた４人の主婦達が、とある偽装工作のために全身全霊で男に成りすます…という物語。

平凡な主婦・ソフィア（中島唱子）の家で物語は終始する。ワンシチュエーションの物語だ。
ソフィアの作るオリーブオイルが美味しいので、それをもらいに来るのが、モニカ（沙央くらま）。モニカは、学生時代は演劇をやっていたが、卒業公演で主役を演じたのに、華々しく芸能界にデビューすることもなく平凡な主婦に落ち着いている。それというのも、彼女の代に限って主役はムッソリーニで、男を演じたモニカが美少女だということには、誰も気づかなかったのだ。
昼間から酒に溺れるジャスミン（みょんふぁ）、挙動不審なジーナ（原田樹里）…年齢も性格もバラバラだが、しょっちゅうつるんでいるらしい。そして、それは、４人の夫も同じくつるんでいるという意味でもある。
さて、この村にも生命保険の勧誘があり、４人の夫たちは、その契約と健康診断を明日に控えている。が、ジーナの様子が尋常ではない。よくよく聞き出してみると、夫の浮気に気づいたジーナは、車に細工してブレーキが利かないようにしてしまったという。（このジーナ、今は平凡な主婦だが、実はミラノ工科大学を卒業している！）そして、その車に、ソフィア達の夫も乘った状態で、全員が谷に転落したというのだ。
唖然とし、悲しみにくれた４人だったが、やがて、明日の健康診断をクリアすれば、保険金が手に入ると気づき、男装して健康診断を受けようということになる。男装の手ほどきは、かつてムッソリーニを演じたモニカ。
そして翌日、健康診断のために医師・カルロ（岩崎う大）、看護師・サンドラ（澤田美紀）がやって来る。
そこからは、もう爆笑に次ぐ、爆笑。
最後には、奇跡が起きて谷底に転落した４人の夫も生きていることがわかり、大団円というお話。

いやー、本当に面白かったです。

やはり男装して、カルロとサンドラが登場してからの盛り上がりがすごい。
体格がよくて、胸も大きいソフィアは、カーテンを身体に巻き付けているので、聴診器を当てても心臓音が聞こえない…とか。質問への回答は、喉が酒ヤケしているジャスミンが一括して答えるとか。
あげく、モニカの夫だけが内視鏡検査を受けていなかったため、その場で検査をすることになり、バスルームで自らカメラを挿入するとか、ギリギリの下ネタが下品にならないレベルで面白い。
沙央くらま本気の男役がめちゃめちゃカッコよくて、観に来てよかったな～と。
そして、絶対男顔、男役似合うハズ、と思ったキリちゃんやっぱり、似合う。でも、声は高いし、ブルブル震えるし…という役で、可愛かったけど、そこは残念だったかな。今度はモニカ役で出てくれないかしら