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「さよなら、チャーリー」観劇 [┣演劇]

ロマンティックコメディー
「さよなら、チャーリー」


作:ジョージ・アクセルロッド
訳:小田島恒志
演出:岡本さとる


以前、紫吹淳主演のものを観たように思ったが、その時のタイトルは、「グッバイ・チャーリー」で、しかも、私が観たのは、浅倉大介が音楽を担当したミュージカル版だった。
その時の感想は、こちらです。


そんなにハッキリと覚えてはいないが、なんとなく、途中の流れがベツモノのような気がした。ミュージカルということで、色々と改変されていたのかもしれない。


今回のチャーリーは、凰稀かなめが演じている。日本初演のチャーリーは越路吹雪だったそうだし、男性の役を演じるノウハウを持っている元宝塚スターが主演するのに適当な作品ということかもしれない。しかも、卒業していなきゃ、演じられない、本物の男の役だし。かつて男役だった女優さんが、本物の男の役を演じる、というのは、その人の知られざるポテンシャルを知ることができて、ファンの人も惚れ直すだろう、と思う。
男役とは、やろうと思えば男を演じられるのに、あえて、ファンタジーな存在を作る、特殊な職人なんだなーと、この舞台を観ながら、そして紫吹のチャーリーも思い出しながら、あらためて思った。


舞台は、浮気の真っ最中に、ダンナに見つかって撃ち殺されたチャーリー・ソレル(凰稀かなめ)の葬儀から始まる。諸般の事情により、彼の住んでいたアパートで。参列者は、“親友”のジョージ・トレイシー(辰巳拓郎)、チャーリーのマネージャー、アーヴィング(島崎義久)、そしてハリウッドの大プロデューサー、ズイマーマンの夫人・フラニイ(枝元萌)。
あっという間に葬式は終わり、というか、アーヴィングの希望で短縮させられ、終わったところで、今回の事件の原因である、ラスティ(松山メアリ)が花を抱えて現れる。そして、ジョージの前で、その時のことを泣きながら語る。どうやら、夫のメイヤリング(置鮎龍太郎)は、保釈金を積んで即日保釈されることになるらしい。
これは、現代劇ではなく、1920年代くらいのハリウッドが舞台になっているので、「妻と家を守るための殺人は正当防衛」ということが認められたらしい。浮気現場を押さえられたラスティが、無理矢理襲われたと言えば、そういうことになるわけよね…[バッド(下向き矢印)]
ラスティが帰った後、さらに誰かが現れる。
トレンチコートに裸足の女性。彼女は、自分をチャーリーだと言う。信じられないジョージだが、チャーリーしか知らない数々のエピソードを聞かされ、信じざるを得なくなる。
女になってしまったことにショックを受けたチャーリーだったが、だんだん、女性としての人生を楽しもうと、前向きに考えるようになる。そして、身体に合わせて、少しずつ心が女性化していく。(この辺が1920年代)
たとえば、親友・ジョージの男性としての魅力を全然分からないと言っていたのが、少しすると、たしかにセクシーだと言い出す。そんなチャーリーの女性化の過程が、後半の見せ場となっていく。
ハリウッド御用達の美容サロンに「男爵夫人」と称して現れたチャーリー。そこには、ラスティやフラニイもいた。どうやら、浮気相手のチャーリーが死んだことで、やることもなくなり美容サロンで暇をつぶしているらしい。二人に、自分はチャーリーの未亡人だと自己紹介したチャーリーは、彼の暴露本を出版することになるかも…と言って二人からお金を巻き上げる。
一方で、女性化したチャーリーとの関係を疑われ、ジョージは恋人のジェニファー(帆風成海)と別れることに。
チャーリーは、一度は、小切手を切ったものの、思い直して訪ねて来たラスティの本音の言葉を初めて聞く。そして、自分が、女性の心をどれだけ弄んできたか、ということに初めて思い至る。
その上で、チャーリーは、ジョージに思いを告白するのだが、あっさりと振られる。ジョージも女性化したチャーリーに恋をし始めていたが、それでも、チャーリーがチャーリーである以上、これまでのすべてを水に流して恋をすることはできない、とジョージは答える。
もし神がいるのなら、女性の心を踏みにじって来たチャーリーに相応しい罰が与えられているのかもしれない。本当に人を愛するとはどういうことなのか、を知ったのに、その相手には、決して振り向いてもらえない…翌朝、チャーリーは姿を消していた。
そして、数ヶ月後、チャーリーの紹介状を持った美しい女性(凰稀)がジョージのもとを訪れる。ジョージは、そこに恋の始まりを感じるのだが、髪の色が違うだけで、それってチャーリーなんじゃないの[exclamation&question]と客席が思うところで幕。


感想は、ちょっと箇条書きで。思うことが、かなりバラバラなので。


[1]三越劇場は、やっぱり素敵な劇場だな~[ぴかぴか(新しい)]


[2]それほど大きくない劇場なのに、男性陣もバッチリメイクしていた。最近の舞台には珍しい[あせあせ(飛び散る汗)]


[3]枝元萌ちゃん、可愛い[黒ハート]ていうか、私、枝元萌を目的にお芝居を観に行ったことはまだないにもかかわらず、行けば必ず枝元に落ちて帰ってくる。そろそろ目的にした方がいいんじゃないか…ともいう(笑)そして、私が観に行った回、客席が総スタオベになったんですが、そのことにうるうると感動してくれる萌サマに、私も萌え萌えでした[揺れるハート]


[4]お目当てのホタテは、今回も可愛かったですが…あの髪形は、いかがなものか…ま…コメディだから…とはいえ…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]横山ノック[exclamation&question](古い…)[あせあせ(飛び散る汗)]


[5]本作、ラブコメディなのですが、御年60歳の辰巳拓郎様が、しっかりラブコメの片方を演じているのが素晴らしかった。舞台なら、まだまだイケメンで通用するオジサマ、まだまだたくさんいる気がする。みなさま、頑張りましょう[exclamation]とエールを送りたくなりました[ひらめき]


[6]松山メアリさんは、お初だと思う。すごく個性的な女優さんで、可愛いし、鼻にかかった声も魅力的なのだが、この役は彼女でよかったのだろうか。人妻っぽい女優さんの方がよかったのでは[exclamation&question]


[7]アーヴィングとメイヤリング、出番すくなっ[爆弾]


[8]客席の凰稀かなめさんのファンの皆さんが、すごくあたたかく舞台を支えているのが、お花の多さや、拍手ポイント、そしてスタオベのタイミングで、ぐっと伝わって来た。ファンの方に愛され、ファンの人をとっても愛している、双方向で繋がっていることが、伝わってくる温かい舞台だった[かわいい]


[9]この作品、宝塚トップ出身者が主役を演じるにふさわしい作品だと思う。ファンも嬉しいと思うし。でも、さすがに、外見が女性になったら、心も女性になるとかいう芝居、もうそろそろ通用しない時代なんじゃないかという気がする。そろそろ、「さよなら、チャーリー」にさよならしなきゃダメなんじゃないかな[たらーっ(汗)]


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