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「THE SMALL POPPIES」観劇 [┣Studio Life]

「THE SMALL POPPIES」
  by DAVID HOLMAN


上演台本・演出:倉田淳


美術:乘峯雅寛
舞台監督:倉本徹
照明:日下靖順(ASG)
照明オペレーター:伊藤直子
音響:竹下亮(OFFICE my on)
衣裳:竹内陽子
衣裳協力:井口茉実
ヘアメイク:MUU
大道具:俳優座劇場
演出助手:宮本紗也加
宣伝美術:嶋倫子
語学協力:ギリシャプラザ、東洋大学教授 村田奈々子、東京中央日本語学院、HOANG THI QUYNH、中村祐介、マイ
デスク:武井啓子、平河夏
制作:大野純也、三浦未来
制作協力:東容子、小泉裕子
Special Thanks:天沼蓉子


オーストラリアを舞台に、小学校入学前の子供たちを主人公にした芝居に、男優だけの劇団スタジオライフが挑戦する[exclamation×2]
といえば、刺激的に聞こえるかもしれないが、今やスタジオライフにとって、年齢や性別は、「演じる」上で、それほど大きな要因にはなっていない。彼らは魂を演じる劇団なのだ。


今回の公演もWキャストになっている。(コアラカンガルーの記載順。シングルキャストは黒字
主人公のクリント(山本芳樹岩崎大)は、5歳の子ども。オーストラリアでは、5歳になると、小学校入学前の準備学校に入学する。作品では、「大きい子のがっこう」と呼ばれている。クリントは、揺れている。両親は離婚、母親(仲原裕之)には既に新しいボーイフレンドができたようだ。その上、一緒に大きい子のがっこうに行くつもりだった、唯一の親友・マリア(緒方和也江口翔平)は、引っ越してしまうという。
それでもどうにか、初登校にまでこぎつけるが、同じがっこうには、やたら落ち着きのない元気印の少年、テオ(笠原浩夫船戸慎士)がいたり、いじめっ子っぽいシェーン(藤原啓児)がいたり、言葉の通じないカンボジア難民女子のレップ(宇佐美輝松本慎也)がいたり…5歳のハートはもう壊れそう…[爆弾]
出身も言葉もバラバラな子どもたちを預かるのは、ウォルシュ先生(関戸博一緒方和也)。でも、やっぱり、英語の話せないレップの面倒を見ることが多くて…。ぼっちで落ち込むクリントをそっとサポートするのが、校長のブレナン先生(笠原浩夫船戸慎士)。これをテオを演じる俳優が早変わりで演じているところがすごいところだ。
そして、いつの間にか、クリントは、テオとレップを「親友」と呼べるようになって、母親と新しいパートナーのことも受け入れられるようになる。そんな、クリントの生まれて初めての冒険物語。


まず、舞台装置が秀逸。客席前方からは全容は見えないのだが、「子どもたちのお絵かき」という体で、全面にエネルギッシュな絵が描かれているとか。この舞台を出演者たちが手動で回らせ、そこで残りの出演者がめちゃめちゃ踊る…という、冒頭からものすごいエネルギー放出[exclamation×2]みんな最後まで保つの?と不安になるが、シニアの出演者も元気・元気[exclamation]
そして、謎のハイテンションキャラクター、ジョーカー(岩崎大・船戸慎士山本芳樹・笠原浩夫)が登場する。彼らのショートコントを挟んで、クリントたちの物語が、少しずつ進んでいく。ジョーカーの役割はよくわからない。おそらく原作にもあるのだろう。ただ、内容は日本版用に倉田さんがアレンジしているようだ。
よくわからないが、軽快なコントというか、漫才みたいで面白かった。
ただ、「詩」という意味で、ポエットと言っていたように聞こえたが、poetは詩人だよね[爆弾](文学のカテゴリー的な意味の「詩」ならpoetry)
このよくわからないジョーカーたちのテンションの高さと、成人が子役を演じるテンションの高さが似ていて、そのせいで痛々しさを感じない、ということはあるかもしれない。
コントみたいなショートリリーフで区切ることにより、クリントたちのエピソードが、それぞれスケッチのように浮かび上がる効果があった。


出演者は、みんな5歳に見えて、本当に可愛かった。
主役のクリントは、ポツンと寂しそうな雰囲気の似合う山本、爆発力がハンパない岩崎、どちらも魅力的だった。レップは、嫌味のない子役の宇佐見、そして演技でレップを積み上げていく松本、どちらも真摯に役に向き合っていて好感がもてる。テオは、笠原船戸も5歳児以外の何者でもなかった。あー、でも、すね毛はどうなんでしょうね…(笑)
ブレナン先生への早変わりは、笑うしかなかった。でもブレナン先生、二人ともオトコマエでした。
宇佐見松本が演じたトゥアン役も好対照。宇佐見は、まさにトゥアンとして存在していたし、松本は、ウォルシュ先生をサポートする存在としてトゥアンを捉えていて、気働きのきく女の子だなぁ~と思った。あと、レップの姉、ノイを演じた若林健吾、可愛かった~[かわいい]
ウォルシュ先生は、関戸緒方も、ちょっとどうかと思うほどの画伯ぶりだったが、心底優しい関戸先生、女性的な魅力もありつつ、涙もろい緒方先生、どちらも魅力的。
クリントのママを演じた、仲原は、なかなか美人なお母さん。恋と息子の間で揺れる心情を見事に表現していた。パンティストッキングをはく時の、がに股スタイルは、客席をさらっていた[爆弾]


この作品は、スタジオライフにとってエポックメイキング的な作品になるんだろうなぁ~なんてぼんやり考えている。 


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