東京宝塚劇場月組新人公演（舞音）ミニ感想

新人公演担当は、景子先生ご本人！
ということは、景子先生が細かくチェックしたのか、あるいは、演出助手よりも演技指導の汐美真帆先生が前面に出ていたという意味か…どちらにしても、汐美先生が関わっていることは間違いない新公…ドキドキしながら観劇した。

新人公演を観て初めて、難しい楽曲で構成されている公演だと気づいた。とても美しい音楽だとは思っていたが、歌うのは難しいらしい。それをとても簡単そうに歌っている本公メンバーの力量にまず、驚く

主演は、これで新公卒業となる、95期の朝美絢。
歌はかなり辛そうだったが、演技面では、見事だった。愛することの奥深さを知り、すべてを受け入れようとする深い愛情が感じられた。
美貌は折り紙付きなので、白い軍服がとても似合っていた。

叶羽時（マノン）…研1から抜擢されていた叶羽だが、意外にも新公ヒロインは初めて。今回は、スレンダーなダンサーということでの起用だと思われる。
ファム・ファタルになり得る容姿か？と聞かれると微妙かもしれないが、主演の朝美が美しすぎるので、却って美女でない方がリアリティがあった。腹出しの衣装も見事に着こなしていたし、丁寧に芝居を繋いでいたと思う。

暁千星（クオン）…本役の珠城もたいがいだが、暁に至っては、手も足も出なかった印象。可愛すぎる
アオザイを着た状態で座る、それがちゃんとサマになっていない。珠城はそこがちゃんと出来ているから、これが男役の経験値なんだろうな。普通のズボンとアオザイでは座り方も違わなきゃいけない。男役の促成栽培は、難しい…
残念ながら、今回の公演は、褒める箇所がなかった。

蓮つかさ（クリストフ）…シャルルとの関係性がよかった。親友で、互いを思いやる関係。でも、クリストフはシャルルがマノンに惹かれて堕ちていくことが理解できない。理解できないまま、それでも彼のために力を尽くす。バカなやつだ、と思っている。でも傷ついているのはクリストフの方なんじゃないか…そういう関係性が本公演より濃密に感じられた。

英かおと（もうひとりのシャルル）…綺麗で華やかなもうひとりのシャルルだった。

朝霧真（ベロン長官）…男顔なので、こういう役は似合うな、と思った。

海乃美月（マダム・チャン）…いやー、クールだわ組織のスパイみたいな役、ホント似合うな～

輝月ゆうま（ディン・タイ・ソン）…本役の宇月がクールなデキる男なのに対して、圧倒的なボス感で演じ切った。そのため、クオンがどうして取って代われると思ったのか、まったく理解できなかった…のは残念。

“今日は何の日”
【1月21日】
薩長同盟締結（1866＝慶応2年）。（←旧暦。新暦では3月7日となる。）
共に倒幕勢力だった薩摩藩と長州藩、なかなか共闘できずにいたが、この年、坂本龍馬、中岡慎太郎の尽力もあり、小松帯刀邸で同盟の締結に至った。