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スタジオライフ「PHANTOM」観劇 [┣Studio Life]

「PHANTOM THE UNTOLD STORY」

原作:スーザン・ケイ
脚本:倉田淳
美術・映像:マット・キンリー
照明:ニック・シモンズ

舞台監督:本田和男(ニケステージワークス)
音響:竹下亮(OFFICE my on)
映像プログラミング:泉次雄(RISE)
照明スタッフ:辻渉(RISE)
照明オペレーター:小川大貴(RISE)
衣裳:竹原典子
衣装製作:砂田悠香理、種村百合香、矢作多真実
ヘアメイク:川村和枝(p-bird)
ヘアメイクスタッフ:西村真美(p-bird)、鈴木真育
アクション:渥美博
振付:新海絵理子
演出助手:平河夏
美術助手・小道具製作:渡邉景子
大道具製作:俳優座劇場
小道具:高津装飾美術・TPT

ライフ版「PHANTOM」の第1部「The Unkissed Child」、第2部「The Kiss of Christine」の連鎖公演を観劇。
初演は、林勇輔の神演技があったな~とか、及川マドレーヌ素敵だったな~とか、今回出ていないキャストに思いを巡らせつつ、ちょっと忙しい時期だったこともあり(「ヘッズ・アップ!があったので…)、松本エリックと笠原エリックを1回ずつ観ることになった。(芳樹、ゴメン…)

林の退団を受け、新たにエリック役として、松本慎也が入った。主役総なめの松本だけに、ま、当然かもしれない。そして、その母、マドレーヌに同期の関戸博一。これは意外なキャスティングだった。せきどっちは、今後、女役をメインにしていくのだろうか[exclamation&question]

美術・映像と演技がさらにシンクロするようになって、この映像込みで、「PHANTOM」の存在価値があるのだ、ということを深く感じる。これがあるからこそ、大劇場の「オペラ座の怪人」や「ファントム」に伍してスタジオライフの「PHANTOM」が大好評のうちに、連鎖公演で再演できたのだろう。

それでは、「The Unkissed Child」の出演者感想。
その前に簡単に設定紹介。
第1章 産み落としし者 エリックの母、マドレーヌに焦点を当てた物語。美貌でわがままなマドレーヌは、17歳の時、シャルルと結婚し、すぐに身ごもる。しかし、流行病で両親が死に、事故でシャルルが死に、最悪な精神状態の中、出産を迎える。生まれた子は、二目とみられぬ化け物のような顔だった。洗礼を与えた神父によりエリックと命名された息子は、マドレーヌの手により仮面を与えられる。エリックの望み、キスしてほしい、を聞いて、マドレーヌは、それは言ってはいけないこと、と厳しく戒める。
そして、天使の声で歌い、父からの遺伝か、建築学に異常な才能を見せた。また、母の友人、マリーから腹話術の本をもらい、読破したり、奇術的なものに興味をもっていた。神父の学友で建築学の権威、ギゾ教授の個人授業を受けてエリックは成長する。やがて、母は医師エティエンヌと恋をするが、それを妨害するためにエリックは策を弄する。
そんな中、エリックが化け物であるとして、村の人たちから攻撃を受け、これ以上ここにはいられないと感じたエリックは、一人出奔する。
第2章 産み落とされし者 一人、家を出たエリックは、ジャベールという見世物小屋の雇われ親方に拾われる。ジャベールはエリックの素顔を見ると、これは商売になると感じた。エリックは、腹話術と美しい歌声を使って人々を喜ばせ、最後に素顔を見せるというショー構成を提案し、ジャベールの虐待から逃れることとなった。しかし、今度は、異常性愛を好むジャベールから、「死体と姦ったことはない」という言葉を聞き、彼を殺して出奔する。
第3章 死にゆく者 さまざまな経験を重ねたエリックは、大道芸の世界で生きていたが、イタリア巡業中に、街を眺め、かつて建築を愛していたことを思い出していた。そこで石工のマイスター、ジョヴァンニと知り合い、彼に弟子入りすることを決意する。真面目に勤めるエリックの姿に、ジョヴァンニは後継者にしたいという気持ちが高まる。しかし、娘のルチアーナがエリックに恋をして、わがままに彼を責め立てるので、ジョヴァンニはどうしてよいかわからなくなる。とうとう彼の素顔が見たいというルチアーナの願いを認めてしまい、その結果、ジョヴァンニはルチアーナを失い、エリックも去って行く。

初演の時、この「The Unkissed Child」のタイトルはあったのかな[exclamation&question]後編が「The Kiss of Christine」だったことは憶えているけど。そういえば、第1章「産みおとしし者」、初演は「産み落とし者」だったけど修正されてる[exclamation×2]倉田さん、このブログ読んでる[exclamation&question]

松本慎也(エリック)…子供時代の可愛かったこと[黒ハート]そして、ジョヴァンニ編のストイックな姿にもドキドキ[ぴかぴか(新しい)]最初から最後まで、とにかく切ないエリックだった。

関戸博一(マドレーヌ)…やさしいマドレーヌだった。いいか、悪いかはわからないけど、初演とは全然違うアプローチ。エリックをずっと愛し続けていたことが素直に信じられるマドレーヌだった。でも…キスはできなかったんだね…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

牧島進一(マンサール神父)…すごい善人なのは伝わる。役に立たない善人ほど最悪なものはない、と思えるほどに…。こちらも初演の山崎さんとは全然違うアプローチだったなぁ。

緒方和也(マリー・ペロー)…善人であり、しかも強い。彼女は、エリックにキスすることもできただろう。その強さは、善人であり、他人だからなんだろうな…なんか、そんなことまで感じられる、緒方のマリーだった。

倉本徹(ギゾ教授)…初演と同じテンション、声の張り、命懸けなんじゃないかと思うくらい、すごかったです[ぴかぴか(新しい)]

船戸慎士(エティエンヌ・バリー)…なんかとても普通の人に見えた。言ってることも正しいし、エリックを施設に入れようとしたのは、決してマドレーヌと二人だけで暮らしたいからではなく、エリックの顔だけではない異常性に医者だからこそ既に気づいていたのだと思えた。初演でまったくそう思えなかった、ラブラブな二人も好きなんだけどね[あせあせ(飛び散る汗)]

奥田努(ジャベール)…異常なまでの残虐さがくっきりと見えた[ぴかぴか(新しい)]

田中俊裕(デューニカ)…この記事を書くために、配役を見て、あ…田中だったのか…と知った。すみません[あせあせ(飛び散る汗)]ロマなのに、キリスト教徒と恋をして弄ばれた娘。だけど、エリックに対しては、いたぶる側に立つ。傷ついたからこそ、傷つけずにいられないイタい娘を的確に演じて、小憎らしかった。

曽世海司(ジョヴァンニ)…誠実なマイスターだからこそ、すべてが切ない。なんで、顔が見たいって言ったんだろうな…[もうやだ~(悲しい顔)]二枚目の曽世だけど、老ける時は、平気で老けができる。そこがすごいなと思う。

久保優二(ルチアーナ)…でかいけど、可愛い。わがままだけど可愛い。エリックは、ルチアーナが好きだったんじゃないか、と初めて思った。まあ、松本は、前回ルチアーナを演じたから、気持ちがわかるのかも。

深山洋貴(イザベラ)…奥さんがコレだったので、ジョヴァンニさんの不幸は始まったのね…と素直に思えるほどの芝居だった[あせあせ(飛び散る汗)]回想シーンだけなのにね。

最後に。エリックを追い詰める民衆たちのシーンが、ものすごい迫力だった。モブシーンの力をあらためて感じた芝居だった。


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