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宝塚歌劇星組シアター・ドラマシティ公演「CATCH ME IF YOU CAN」観劇 [┣宝塚観劇]

「CATCH ME IF YOU CAN THE MUSICAL 

脚本:テレンス・マクナリー
作詞・作曲:マーク・シャイマン
作詞:スコット・ウィットマン
日本語脚本・歌詞・演出:小柳奈穂子
音楽監督・編曲:手島恭子
音楽指揮:御崎惠
振付:AYAKO、KAZUMI-BOY
装置:二村周作
衣装:有村淳
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:増田恭兵
歌唱指導:彩華千鶴
演出助手:竹田悠一郎
舞台進行:阪谷諒子

東京で観劇できなかったので、DC公演が初見。
5月に続いて、6-7月も、大阪―福岡―大阪な旅をしてしまった[あせあせ(飛び散る汗)]

さて、話は3年前に遡る。
祐飛さんが、サヨナラ公演「華やかなりし日々」で詐欺師の役を演じるにあたり、参考にしたDVDの中に「CATCH ME IF YOU CAN」があった。そのことをお茶会で聞いた後、興味を持って、アマゾンでDVDを購入した。

映画は、レオナルド・ディカプリオとトム・ハンクスの主演。とにかく、レオ様の年齢不詳っぷりに唖然とした[がく~(落胆した顔)]
レオ様の顔は私的には好みではないので、ブレイクした時も傍観していたが、このDVDで突然興味を持ち、その後、「華麗なるギャツビー」も見に行ってしまったくらい[あせあせ(飛び散る汗)]

10代の少年が全米を股に掛ける詐欺事件を引き起こした実話をもとに、少年とFBI捜査官の追いつ追われつの攻防を、ハートフルに描いたこの作品は、後にミュージカル化され、それを偶然見た小柳先生が宝塚で上演したいと、熱心に企画を通したとのこと。
でも、まだ少年だった主人公が、大人の振りをして詐欺を行う過程では、少年なら当然回避できるはずの、オトナのカンケイが登場したりする。そんな生々しさを内包しているこのミュージカルを宝塚でやってしまおうとした小柳先生…すごい[exclamation]

でも、ちゃんと、テンポのあるご機嫌なミュージカルに仕上がっていた。
それでいて、宝塚らしい清潔感のある舞台だった。これってすごいことだと思う。

まずは、物語から。
プロローグは、マイアミ国際空港。ここで、いきなり、フランク・アバグネイルJr.(紅ゆずる)が、FBIに包囲される。万事休すとなった時、フランクは、自分語りを始めようとする。偶然、この空港に居合わせて捕物に付き合わされた「観客」のためにも…とフランクは歌い始める。舞台には、生オケが乗っており、彼らを取り巻くように階段とその上の小ステージという装置。

フランクは、父、フランク・アバグネイルSr.(夏美よう)を心から尊敬していた。
父は、フランクに言う。ヤンキースが強いのは、ピンストライプのユニフォームを着ているからだ…[exclamation×2]と。着るものは、着ている人を勝手にブランディングしてくれる。この言葉は、フランクに強い影響を与える。
(ここで、ピンストライプのユニフォームの上だけを着た娘役ちゃんたちの可愛さは特筆したい[かわいい]
今、父は税金滞納で、税務署からマークされている。
母のポーラ(夢妃杏瑠)と父は、とてもロマンチックな出会いをしたらしく、二人の愛は父の自慢でもあった。

ある日、フランクは、学校で新しい教師と間違われ、そのまま授業を行ってしまう。そのことで、校長(毬乃ゆい)からこってり絞られたフランクだったが、ブレザーを着たら教師に見えるという事実に、フランクは夢中になっていた。
そして、フランクは、父から愛されている母が、父の親友、ジャック・バーンズ(輝咲玲央)と不適切な関係にあることを、なんとなく気づいてしまうのだった。

父と母は離婚することになり、フランクは父か母か、どちらかを選ばなくてはならなくなる。
フランクはどちらも選べなかった。
選べなくて出奔したフランクは、小切手を換金して生活。すぐにお金がなくなったフランクは、小切手の偽造を思いつく。次には、銀行員に怪しまれないために…と、パイロットになりすます。そして、10歳以上年をごまかしたフランクは、シェリル・アン(真彩希帆)に出会い、とうとうオトナへの階段を昇る…[黒ハート]

さて、FBIでは、全米をまたにかけた小切手偽造事件の捜査が始まる。妻子に愛想を尽かされた仕事一途な捜査官ハンラティ(七海ひろき)は、今日も部下(如月蓮・瀬希ゆりと・瀬央ゆりあ)と、犯人を追っている。
そして、とうとう、LAのモーテルで犯人と対面するが…

フランクを取り逃がしたハンラティのオフィスに、電話が架かってくる。相手はフランク。
その時、ハンラティは、知った。相手がまだ、少年だということを。
それは、ハンラティにとって、フランクが、憎むべき宿敵ではなく、保護しなければならない対象となった瞬間―

第2幕になると、フランクは、アトランタの総合病院に医師として勤務、看護婦のブレンダ(綺咲愛里)と恋に落ちる。
フランクは、ブレンダとの結婚を考えるようになり、ブレンダの両親(悠真倫・毬乃ゆい)に会う。
しかし、そうこうするうちに、FBIはフランク包囲網を徐々に狭めていた。

すべてを知ったブレンダは、フランクの人生を守るために、彼をFBIに委ねる決意をする―

そして冒頭のシーンに繋がって、フランクは逮捕される。が、ここからフランクの新しい人生が始まる。

…と、ほぼ映画と同じ展開で進んでいき、同じ結末だったが、ミュージカルらしい楽しさがいっぱいつまっていて、大満足な舞台だった。

ステージ上のオケは、フランクの指示で演奏を始めたりする設定だったが、オケも出演者のように使って、転換もスマートに見せた。宝塚歌劇ではあるが、そういうところは、アメリカンなミュージカルだなぁ[るんるん]と感じる。
(松岡充主演版のミュージカルを観ていないので、どこまで宝塚的演出なのか、いまいちわからないのですが…)
映画は、まだ少年のフランクが、大人の振りをすることで、女性との関係もオトナのそれを経験していくことになり、その辺の映像がリアルだった。宝塚版でも、フランクを娼婦らしき女(シェリル・アン)が誘惑する場面があるが、演じているのが、可愛らしい下級生の真彩ということもあり、色っぽい場面とわかっているのに、不思議な安心感がある。
決して宝塚ということに逃げているわけではないが、宝塚としての品を失わないラインを、女性演出家である小柳先生の肌感覚が絶妙に守っていると感じた。

そして、88期のに対して、一期下の七海が、ちゃんと保護する立場の大人の包容力を見せているので、話にすごく入り込んで観ることができた。
また、フランク・シニアを演じた夏美ようのダメ親父っぷりが最高で、この父親がいたから、こんなことが…[もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)][もうやだ~(悲しい顔)]もう、夏美パパの子供は、ホントに不幸になっちゃうのよ~[もうやだ~(悲しい顔)]というお約束の展開がまた、ひとつ…[あせあせ(飛び散る汗)]

FBIのメンバーが歌い踊る『Don't Break the Rule』のナンバーは、楽しくて、耳に残る最高のナンバーでした[黒ハート]

出演者への感想は、別記事でお届けします。


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