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宝塚歌劇雪組公演「ルパン三世」観劇 [┣宝塚観劇]

NTT東日本・NTT西日本フレッツシアター
ミュージカル
「ルパン三世―王妃の首飾りを追え!―」

原作:モンキー・パンチ
脚本・演出:小柳奈穂子
オリジナル作曲:大野雄二
作曲・編曲:青木朝子
音楽指揮:御崎惠
振付:AYAKO、KAZUMI-BOY
殺陣:栗原直樹
装置:二村周作
衣装:有村淳
照明:勝柴次朗
音響:大坪正仁
小道具:加藤侑子
歌唱指導:山口正義
映像:奥秀太郎
アクセサリー協力:KEULA
演出助手:樫畑亜依子
衣装補:加藤真美
舞台進行:香取克英

大劇場で観劇した時、よくまあこの作品を宝塚にしたものだ…と思ったが、東京では、大劇場からさらにパワーアップしていて、新生雪組のスタートダッシュの良さに、感動してしまった。
物語は、テレビアニメ第2シリーズの「ルパン三世」をベースに、ルパン一行と銭形警部が18世紀のフランスにタイムスリップしてしまった、というオリジナルの事件の顛末を描く。
そもそも男性漫画雑誌に掲載されていた「ルパン三世」を、女性客の多い宝塚で上演しようというのが、冒険っちゃー冒険だが、荒唐無稽は宝塚としても得意分野、これを逃げたんじゃ、女がすたる…というわけで、小柳先生が渾身のパワーで作り上げた宝塚版「ルパン三世」を、新生雪組がこれまた渾身のパワーで上演した、という感じだろうか。
宝塚が最も得意とする分野、ロココ時代のフランスを舞台に、漫画チックに描かれるマリー・アントワネットや同時代の人物たちがルパン世界に融合する様は、101年の幕開けに相応しい、「攻めの宝塚」を象徴する舞台で、マーケティング的にも成功したよき一例だったのではないかと、ファンの一人として喜ばしく感じている。

私は、「ベルばら」初演から、「ルパン」も第2シリーズ初回から見ている世代なので、(どちらも本当の本当の最初には間に合わなかったが、ブームには乗った)非常に楽しく観ることができた。ルパン大ファンで、初めて宝塚をご覧になったお客様がどんな感想を持たれるかはわからないが、かつて、月曜7時はルパンタイム!だった、でも、劇場版を観に行ったことはないレベルの私には、文句なく楽しめる芝居だった。
(もちろん、テレビ放映されたものは観てますよ←劇場版)

ベルサイユ宮殿で展示中の「王妃の首飾り」を盗み出す!と予告状を送付したルパン三世。
ICPOルパン専任捜査官の銭形警部(夢乃聖夏)は、さっそくベルサイユ宮殿にかけつける。そこで、さっそく、ルパン一味らしき服装の連中が現れたという報告を聞き、現場に向かおうとした警部は、報告した警備員に疑問を感じる。その時、展示会場から非常ベルが鳴り響く。
警備員の一人が「おいルパン」と言った声を銭形は聞き逃さなかった[exclamation×2]

オープニングから、ベタな、けれど非常に盛り上がる設定で、変装を解いたルパン(早霧せいな)と次元(彩風咲奈)が登場する。そして、大野雄二作曲の「ルパン三世のテーマ」が演奏される。
演奏の間に、追うもの、追われるものが入れかわり、五ヱ門(彩凪翔)、不二子(大湖せしる)も登場する。ここで、完全に客をつかんだ[exclamation×2]と思った。宝塚の場合は、FC主導の完璧なタイミングでの拍手も演出の強い味方となる。
「王妃の首飾り」展示会場には、完璧な防御システムが導入されている。
ここで、防御システムを破ろうとする間に、ルパン一行は、時を越えるための条件をすべて揃えてしまう。もちろん偶然に。
王妃の首飾り(展示品)・マリアの涙(ついでに不二子がゲットしたペンダント)・ネズミの死骸(偶然の産物)・そしてルパンが冗談で発した呪文「エロイムエッサイム…」+「開けゴマ」。行き先は不二子が呟いていた。「こんな宝石が作られた時代に行ってみたいわ」
銭形と警備員たちに取り囲まれて、万事休す状態となったルパン一行は、こうして、偶然の導くまま、時の彼方に移動することとなる。ルパン逮捕のために状況をかえりみずに飛び込んできた銭形と共に。

行き先は、王妃の首飾りが作られた時代、つまり18世紀のフランス、ベルサイユ宮殿。
ここで、ルパンは、王妃マリー・アントワネット(咲妃みゆ)に出会う。パンがなければお菓子を食べればいいのに…なんて言って国民から嫌われていた王妃は、本当のことを聞かされなかったばかりに、色々ボタンを掛け違ってしまった、ちょっと気が強いけど、根は素直で笑い上戸のキュートな女性だった。ルパンの心は、ここできゅん[揺れるハート]となる。
とはいえ、18世紀に留まるつもりのないルパンは、時を越える錬金術師と噂のカリオストロ伯爵(望海風斗)のもとに向かう。しかし、錬金術師の時代は終わり、カリオストロは、サギまがいの占い師(まるでマジシャンの憂鬱なみ)として生計を立てていた。
なんとかカリオストロに時を越える秘術をやらせ、現代に戻らなければ…ということで、王妃に、先王ルイ15世の寵姫デュ・バリー夫人注文のダイヤの首飾りを売りつけたい宝石商コンビ(透真かずき・久城あす)や、王妃に取り入りたいロアン枢機卿(蓮城まこと)らを巻き込んでルパンの作戦が発動する。

さて、ルパン三世は、モーリス・ルブラン著「怪盗ルパン」の孫という設定になっている。
「ルパン三世」劇場版には、「カリオストロの城」という人気作品があるが、本家のルパンシリーズにも「カリオストロ伯爵夫人」という物語がある。
まだ、ラウル・ダンドレジーと名乗っていた頃のルパンが、男爵令嬢クラリスとこっそり深い仲になっておきながら、年上の怪盗カリオストロ伯爵夫人の色香に迷い、色々あって、やはり年増はいやだ、ということで手ひどい別れ方をする話だ。ルパンは、その後、クラリスと結婚するが死別、生まれた子供は、彼を恨んでいたカリオストロ伯爵夫人に誘拐されてしまう、というオチがついている。
また、そもそも、ルパンの最初の犯罪は、ロアン枢機卿の弟の家に世話になっていた当時、母親を侮辱されたことに怒ったラウル少年が、家宝の「王妃の首飾り」を盗み出す、というものだった。(ジャンヌ・バロアに首飾りを奪われた責任を感じ、ロアンの弟は私財をなげうってダイヤを買い戻し、首飾りを修復して子孫に残していた。)
つまり、王妃の首飾りも、カリオストロも、ルパンにゆかりのある題材だったわけだ。

ちょっと変わった、けれど、とても魅力的な王妃を「マリーちゃん」と呼ぶようになったルパンは、21世紀に戻るだけでなく、マリーちゃんを死なせない作戦も同時に展開する。
それはかなり荒唐無稽な作戦ではあるのだが、漫画らしく…ということかもしれない。

あまりにも荒唐無稽だったかもしれないが、楽しい作品で、私は、満足だった[るんるん]

冒頭、ベルサイユ宮殿の首飾り以外の展示品という体で、蝋人形になって登場する一同(マリーちゃん、カリオストロ、ルイ16世、ロアン枢機卿、ロベスピエール)が、肖像画から飛び出したように素敵だった。王妃なんか、肖像画のまんま[黒ハート]にしか見えなかった。
それと、ギロチンの場面は、まさに処刑シーンの絵画のようで、市民たちのポーズがとてもきれいだった[ぴかぴか(新しい)]

最後のルパンの歌は、音域の関係で、サビのところで声を張り上げる感じにならないのが、どうも盛り上がらない。キーを変えてもどうにもならなかったのかなぁ[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

ラストの空中ステップは、まさに、アニメ[かわいい]幸せな夢を見せてもらいました[わーい(嬉しい顔)]

今年もお雛様が綺麗[ひらめき]

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