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「ジャンヌ・ダルク」観劇 [┣矢崎広]

「ジャンヌ・ダルク」

演出:白井 晃
脚本:中島かずき
音楽:三宅 純
原案・監修:佐藤賢一

ジャンヌ・ダルク……有村架純
マリー・ダンジュー……佐藤藍子
傭兵ケヴィン……尾上寛之
ベッドフォード公……山口馬木也
アランソン公……矢崎 広
クルパン……青木 健
サントライユ……吉田メタル
傭兵レイモン……堀部圭亮

タルボット……上杉祥三
ラ・イール……春海四方

ヨランド・ダラゴン……高橋ひとみ
コーション司教……田山涼成

ラ・トレムイユ卿……西岡德馬

シャルル7世……東山紀之

渋谷樹生 / 進藤ひろし 前田 悟 松上順也 神原弘之 神田敦士 湯田昌次 横山恒平
内海一弥 嶋村昇次 安田昌弘 林 愛子 稲葉まどか 今國雅彦 稲葉俊一 松浦慎一郎

ジャンヌ・ダルクの名を知らない人は、まずいないだろう。神の声を聞いて、フランスを勝利に導いた14歳の少女。しかし、その後、捕えられ、異端者として火刑に処せられ、19歳で死んだ…
とはいえ…神の声を聞いた、という時点で、歴史の教科書的に「マジか[exclamation&question]」という感想が出るのもまた、当然ではある。
10年以上前、宝塚でも「傭兵ピエール―ジャンヌ・ダルクの恋人」という作品が上演され、物議をかもした。実は、今回の原案は、その作品の原作者である佐藤賢一氏。

知ってたら、たぶん、観劇しなかったと思う。

それくらい、あの作品は、私の中でトラウマなのだが…。

今回の舞台は、なかなか面白かった。

まず、100人は超えるだろうと思われる出演者に圧倒された。これは、どんな仕掛けになっているのだろうか。無言の兵士がほとんどなので、エキストラを募集したのか。「奈落と行き来する階段」というセットを使い、この兵士たちが舞台に上がっては、奈落に下りる…という演出を繰り返すことで、何万の兵士が容易に想像できる。
この演出には度胆を抜かされた。映画ではごく当たり前の演出だが、1ヶ月近い日々、毎日1-2回、鎧を着て何度も階段を上り下りするなんてことをさせる演出があり得るのか[exclamation]と。
この人海戦術によって、3時間超の舞台に惹きつけられた部分は大きかった。

次に、映画なら「特別出演」枠になるだろう東山紀之の新境地。
冒頭、あまりに滑舌が悪く、やる気が感じられない芝居に、どうしちゃったんだろう[exclamation&question]と本気で心配したのだが、それは、演技だった。
それこそ、まさに、その時点でのシャルル7世の姿だったのだ。ジャンヌ・ダルクを利用して、見捨てて、その死を聞かされた後味の悪い君主…その資格があるかどうかさえわからない男…これまで、こんな東山を観たことがなかったので戸惑ったが、ラストはちゃんと感動へ持っていった。
シャルル7世という人について調べてみると、色々複雑な背景をいっぱい抱えた人のようで、気弱な王様だったんだろうなーと、納得[ひらめき]

「傭兵ピエール」では、ジャンヌがイングランドに捕えられた後、イングランド兵士たちに蹂躙されたという展開になっていたが、今回は、ギリギリのところで助かり、純潔のまま処刑される。不器用で、頑固で、鈍感なくらいに無垢なジャンヌを、主演の有村は、逃げずにひたすらまっすぐ演じていて好感が持てた。
でも、まあ、有村主演と言いながら、この芝居を引っ張ったのは、周囲の芸達者な面々だったのは間違いない。
特に高橋ひとみ佐藤藍子のイケズな感じは、見事だった。

【今日の言葉】~宝塚日めくりカレンダーより~
「君は日本で第一番の女優じゃないか。勲章だって貰ったじゃないか」by川上音二郎@『夜明けの序曲』
作・演出:植田紳爾、酒井澄夫
花組 1982年

掲載されている写真は、松あきらさん、若葉ひろみさんでした。


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