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「明日への指針」感想 [┣宝塚観劇]

プチ・ミュージカル・プレイ
「明日への指針―センチュリー号の航海日誌―」

作・演出:石田昌也
作曲・編曲:手島恭子
音楽指揮:西野淳
振付:御織ゆみ乃
装置:新宮有紀
衣装:加藤真美
照明:佐渡孝治
音響:大坪正仁
小道具:今岡美也子
歌唱指導:楊淑美
演出助手:野口幸作
装置補:國包洋子
舞台進行:高橋絢子

歌劇団の職人的作家、石田先生による30分ちょいの短いミュージカル・プレイ。
内容は、そこはかとなく「愛するには短すぎる」が意識されている。おそらくは、原案の小林公平氏へのオマージュとして。
大西洋航路4日間の船旅、そこで再会した男と女のラブ・ストーリー。あちらは、ちょっとほろ苦い結末だったけど、祝祭劇のこちらは、気持ちよくハッピーエンドとなっている。

舞台は、タイタニック号の事件が起きた時、ナポリに向かっていた客船、カルパチア号の船内からスタートする。タイタニックからのSOSを受け、カルパチア号は進路を変更して、タイタニックの乗客救助に向かった。
そこに一人で乗船していた少年ジェイク(晴音アキ)は、船員(珠城りょう)のアドバイスを受け、タイタニックから救出された同じような年頃の子供たちと友達になり、彼らを慰めようとしていた。

時が経ち、ジェイク(龍真咲)は、通信士として、船に乗っていた。
今回の航海では、いつもの通信士仲間ナイジェル(凪七瑠海)に加え、新入りのルーカス(美弥るりか)が乗船していた。ナイジェルは、婚約者のミーナ(花陽みら)をこの船に乗せていて、二人はNYで結婚することになっていた。が、ナイジェルは、まだミーナに言っていない秘密があった。
ある夜、ジェイクは、船の上で大きな犬のぬいぐるみを抱いた小さな女の子、アンジェラ(海乃美月)に会う。おませなアンジェラと話すうち、彼女を見失ったジェイクは、そこで一人の女性(愛希れいか)に出会う。花束を抱いた彼女がタイタニック号の犠牲者に花を手向けようとしていることに気づいたジェイクは、船がもっとも遭難地点に近づくのは明日であることを伝え、それまで花束を保冷庫に預かりましょう、と申し出る。
すると彼女は、ジェイクが持っていた「航海日誌」という名の自作の小説をその代わりに取り上げ、持って行ってしまう。その時、彼女が告げた名前にジェイクは愕然とする。レイラ…[exclamation]

30分という短い時間の中で、幼い頃に意識し合った男女の20年ぶりの出会いとか、スターをめぐるハニートラップだとか、犯罪だとか、「愛するには短すぎる」の要素がちゃんと盛り込まれていて、後味のよい小品に仕上がっている。
この短い芝居に月組生を全員出演させた、石田先生の手腕はたいしたものだと思った。

ラストのハッピーエンドに至る過程で、ヒロインのレイラがブチ切れて、ジェイクに迫る場面は、石田先生のコメディではよく出てくるシチュエーションだが、愛希のキャラに似合っていて、とても可愛かった。
が、最後にサイモン(沙央くらま)が船長に扮する意味が、まったくわからなかった。すぐ後ろに本物の船長(飛鳥裕)が立っているのに、意味あるのだろうか?

そして、1930年代前半に“第一次世界大戦”という呼び方をしたかな?という疑問は残るが…ま、祝祭劇なので、それは、些末なことですね[あせあせ(飛び散る汗)]

【今日の言葉】~宝塚日めくりカレンダーより~
「心配するな。どんなことが起ころうとも、婉容は私の皇后だ」by溥儀@『紫禁城の落日』
作・演出:植田紳爾
星組 1991年

掲載されている写真は、日向薫さん、毬藻えりさんでした。


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