文楽「卅三間堂棟由来」感想 [┣演劇]
3本立てだったので作品ごとに感想を書いていたら、2ケ月も経ってしまった
記録は残しておきたい…ということで、今回もお付き合いくださいませ。
「卅三間堂棟由来」
(さんじゅうさんげんどうむなぎのゆらい)
平太郎住家より木遣り音頭の段
中 豊竹睦大夫 鶴澤清志郎
切 豊竹嶋大夫 豊澤富助
<人形> 進ノ蔵人 吉田文昇
平太郎の母 吉田蓑一郎
女房お柳 吉田蓑助
横曽根平太郎 吉田玉女
みどり丸 吉田玉誉
家来 大ぜい
木遣り人足 大ぜい
囃子 望月太明蔵社中
(中、切とあるのは、前半と後半で演者が交代するからで、切が後半になります。最初に記載しているのが義太夫(語り)、後に記載しているのが三味線の演奏者です。)
よく狐や狸と結婚した…的な物語は出てくるが、今回のヒロイン、お柳(りゅう)は、なんと、柳の木の精
前半は、後白河法皇の病気平癒のため、柳の木を切って、三十三間堂を造るように…という熊野権現のお告げを知ったお柳が、木が切られてしまえば、自分もこうして人間の姿ではいられなくなる…という嘆きの場面、後半は、柳の材木がテコでも動かない現場に、夫と息子が現れ、夫の木遣り唄で、幼い息子が木を曳くと、あれよあれよと材木が動く…という場面。
前半は、クドキと呼ばれる、お柳が涙ながらに、夫、姑、息子との別れを語る場面が、泣かせる現代劇でこれをやられたら、かなりしつこい長さなのだが、浄瑠璃と人形だと、それが全然気にならない
と、同時に、宝塚の植田先生は、これをベルばらでやるから、くどいんだわと、思ってしまった。
そして、後半は、みどり丸の健気な姿に、涙が…
囃子方などが登場する時、上手の回転座横の扉から、ささささーっと狭い舞台に人々が並んでいくのを見て、その手際のよさに驚いた。
こんな風になっているのか
今回も大変勉強になった文楽。これからも細々と学んでいきたいと思った。
【今日の言葉】~宝塚日めくりカレンダーより~
「今夜は、貴女の為に特別の月を雇つてあるんです。本当のハワイを見せましよう!」byリチヤード@『アロハ・オエ』
作・演出:内村禄哉
雪組 1948年
掲載されている写真は、春日野八千代さんでした。
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