SSブログ

「逆転裁判2」 その2 [┣宝塚観劇]

「その1」は、こちらです。

ライト法律事務所に、無事開放されたローズ・アレイア(光あけみ)と、娘のルーチェ(純矢ちとせ)が現れる。ローズは礼を言いに来たのだが、ルーチェは、母が助かった代わりに恋人が犯人として捕まってしまったので、「母を助けてとは言ったけど、彼を罪に陥れてくれとは言っていない。弁護士なんか大嫌い」と叫んで去って行った。
それを言うためについて来たのか!暗いぞ、ルーチェ[ふらふら]

休憩は、ここで、呆然と立ちすくむニック…という辺りで入った方が、ドキドキ感があってよかったんじゃないだろうか?
いや、私は、大空さんの姿を見られて、ずっとドキドキしてましたが[揺れるハート]

で、普通、この辺で、マヤちゃん(すみれ乃麗)が騒々しくニックを起こしにくるのだが、それがないなーと思っていたら、誘拐されていた。
ニックはさっそく、留置所にローランド(七海ひろき)を訪ねた。
マヤちゃんを助けてほしければ、ローランドを無罪にすること!なんて条件なのだ。そりゃ、ローランドに話を聞きに行かなければ!
第1幕では、好青年→いきなり犯人という展開だったが、ここでのローランドは、片頬でニヤリと笑うようなイヤな男になっている。そして、「あなたは僕を助けないわけにはいかない。大丈夫、プレゼントもある」とかなんとかうそぶいている。
いやーん、好青年に見えて、悪い感じがめっちゃ好みだ[揺れるハート]
しかも、端正な美形、というのがいい。「薔薇に降る雨」新公に続き、七海、私の中でかなり大きな存在になりつつある[るんるん]

というところで、いきなり客席登場エッジワース(悠未ひろ)の歌。
これは文句なく盛り上がった。
エッジワースは、ゲームキャラ(ミツルギ)のままなので、この恰好で客席登場は盛り上がる。
エッジワース役の悠未は、前回この役を演じた七帆ひかるが、二枚目の中のおかしみを隠し味的に入れたのに対して、表面は二枚目、その実かなり面白い人物として演じている。三枚目的部分をよりコミカルに出した演技というか。“2”においては、その方が効果的だったし、悠未の柄にも合っていたように思う。
エッジワースの歌が終わると、舞台上でニック(蘭寿とむ)の歌。
いや、歌連続はだれるでしょう[バッド(下向き矢印)]
マルケス殺しの犯人であるローランドを無罪にすることに抵抗を感じるニックだが、そんなニックにマイルズは、自分を信じろとか、なんとかアドバイスをする。
ニックとエッジワースの対立軸というのは、少し残っているものの、基本的には消滅しているんだな、ということをここで再確認。

公判。
カルマ検事がいない。サイバンチョ(風莉じん)が、「カルマ検事はどうしたんですか、弁護人」と振る。ニックのつぶやきも含めて、こういうくすぐりが面白すぎるのは、「1」から変わっていない。
そこへカルマ検事が狙撃されたという情報が入る。
そして、手術中のカルマ検事に代わって、エッジワースが検事席に座る。
ニックは、マヤの件があるので、ローランドの完全無罪を主張する。真実を手放した瞬間。その苦悩が色っぽい。
さらにまずいことには、苦し紛れに見つけた証拠で、ローランドが無罪になってしまいそうになる。
一方、エッジワースの指示により、ディック刑事(春風弥里)は、マヤちゃんを誘拐した連中のアジトを襲撃。これにカルマ検事(藤咲えり)も加わって彼らを鞭でビシビシやっている。

裁判の方では、ルーチェが登場し、証言したいと申し出る。
そして、マルケス氏が心臓発作の持病を持っていたこと、しかもローランドがそのことを知っていたのがわかってくる。さらに証拠写真により、マルケス氏がペンダントをしていなかったことから、ローランドが心臓の薬、「ハートフル」の入ったペンダントを奪い、マルケス氏を死に至らしめたことがハッキリする。
真相が明らかになった後、ローランドの長い告白。被害者は父の敵だった。

こうして、真実が分かり、マヤちゃんも帰還、ニックもエッジワースも仕事への情熱を取りもどす。
ルーチェはニックに愛を告白するが、ニックは、ローランドを待っていなさいと言ってさわやかに、一生レオナを愛することを誓うのだった。
ルーチェ役の純矢は、ハッとする美貌の健気なキャラだったので、恋愛が成就しなかったのが気の毒だった。母親役の光あけみは、芯の強い女教師が似合っていたし、ルーチェの母親なのがよくわかる美しさもあって好演だった。

短いが、逆裁ファンを宝塚の虜にするような、派手なダンスショーは健在で、衣装も分かりやすく綺麗で、安心できるフィナーレナンバーだった。

「逆転裁判」は、2月に上演した“1”が非常に好評だったので、宝塚的には異例中の異例な感じで、半年後に“2”を上演することになった。
こういうコラボを成功させたことは大きい。この功績は評価されるべきだと思う一方、鈴木先生は頑張っていたが、内容としては、“1”の出来がはるかによかったので、“2”は難しいよなーという思いが強かった。
“1”のラストで、レオナが収監され、エッジワースと和解したため、恋愛ものとしても、好敵手ものとしても、一応の終結を見てしまったため、続けようがなくなった。今回、レオナが病死したということで話を繋ごうとしたが、その部分のエピソードが中途半端なイメージを払拭できなかった。
レオナの存在を消してしまうことで、ニックに新しい恋の予感、みたいな部分が生まれれば、それはアリだったかもしれないが、却ってそれが足枷となって、ニックが自由に恋愛できない雰囲気になってしまった。
また、ニックがレオナを思って、一生恋愛をしないは、ニックの勝手だが、自分がそうだからといって、ルーチェにまで、「ローランドを待っているように…」と言うのは、余計なお世話だと思う。警察官のように、規定で決まってはいないと思うが、犯罪者が身内にいる弁護士って、やっぱり顧客にしたら躊躇すると思うし、犯罪者が更生してくるのを待つって、そう簡単にできることではないなーと感じる。
いっそ、レオナとは、お互いにもう一度自分を見つめ直すことになった、という設定にして(=別れた)、ルーチェともいい感じまでは行くが、お互いの過去はやはり消せなかった…という展開にしたらどうだったんだろうか?
死別よりは離別の方が、次の恋に対して楽に進めると思うし。
事件→裁判については、「逆転裁判」の形式にのっとっているので、特に注文はないのだが、宝塚作品として恋愛的背景は重要なので、そこをもっとじっくりと鈴木先生には考えてほしかったな。

逆裁組が加わって、全員が揃った宙組、全員が活躍する舞台「カサブランカ」が楽しみだ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0