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ちょっとだけ古事記3 [┣宝塚作品関連本等の紹介]

またまた時間が経過してしまったが、「ちょとだけ古事記」の続きです。前回は、こちら

こうして天孫降臨を果たした、日子番能邇々芸の命(ひこほのににぎのみこと)は、笠沙の岬で美しい娘に出会う。その娘は、大山津見の神(おおやまつみのかみ)の娘、木花の佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)。
大山津見の神は、あひちゃん(遼河はるひ)が演じた神様ですね。話は少しズレますが、宝塚の専科にも木花咲耶(このはなさくや)さんという女役さんがいらっしゃいました。植田紳爾先生の作品によく出演していたような…。
大山津見の神は、娘と邇々芸の命の結婚をたいそう喜んだ。そして、木花の佐久夜毘売に、その姉、石長比売(いわながひめ)を副えて奉った。
邇々芸の命は、かなり率直な性格だったようで、たいそう醜い容貌の石長比売は、送り返してしまった
それを知った大山津見の神は、邇々芸の命に言った。
「石長比売をお側にお使いくだされば、天つ神の御子の御生命は、たとえ雪が降り風が吹くとも、その名のように、つねに石のごとく、いつまでも固く、常盤であり、また木花の佐久夜毘売をお使いくだされば、木の花の栄えるごとく、いつまでも栄えるでしょう。しかし、ひとり、木花の佐久夜毘売だけをお側にお留めなされたので、天つ神の御子のご寿命は、木の花の咲く間だけ、ということになりましょう。」
永遠の命を持つ神の子孫である、邇々芸の命。
その子孫である天皇家の人々の命が永遠でないのは、邇々芸の命が、美女・木花の佐久夜毘売の不器量な姉を送り返したこと、が原因のようである。とすれば、ヤマトタケルの死も、元はと言えば……おそるべし、大山津見!

さて、恐るべしなのは、美女・木花の佐久夜毘売もである。
その一夜の契りで、懐妊したことを伝えると、邇々芸の命は、そんな1回くらいで妊娠するものか、どうせ国つ神の子であろう…とか、超失礼なことを言ってのける。すると、木花の佐久夜毘売は、産屋に火をつけ、本当に天つ神の子であれば、この中で無事に出産できるはず、と次々に子供を生む。
ひぇぇぇぇぇ~

こうして生まれた長男の火照の命(ほでりのみこと)は、別名を海幸彦という。弟の火遠理の命(ほおりのみこと)は、別名を山幸彦という。間に火須勢理の命(ほすせりのみこと)というのがいるらしいのだが、その話は出てこない。
この山幸彦、兄の仕事に憧れ、道具を交換したいとしつこく言う。
しょうがないから、兄はほんの少しだけ、と道具を交換し、山幸彦は、海に釣りにでかける。
ところが、そこで、山幸彦は、釣り針をなくしてしまう。
それで、自分の剣を壊して、釣り針を作ろうとするが、許してもらえない。あの針を返せ、と兄は言い張る。

山幸彦が、困り果てて海辺で泣いていると、塩椎(しおつち)の神が来て、
「虚空津日高(そらつひたか)、空の高い日を仰ぎ見るように貴いあなたが何を泣いているのですか?」
と聞くので、山幸彦は、事情を話す。
塩椎の神は、山幸彦のために舟を用意してくれる。
その舟に乗ると、綿津見の神の宮に着く。
えりさん(嘉月絵理)の宮、ですね。
そこで、綿津見の神の娘、豊玉毘売の命(とよたまびめのみこと)と出会い、結婚する。
ちなみに、虚空津日高は、山幸彦の別名らしい。天津日高日子穂々手見の命(あまつひたかひこほほでみのみこと)という別名もあるらしい。
で、3年も幸せに暮したあげく、山幸彦は思い出した。
そういえば、兄さんの釣り針をなくしたんだった。あれがないと、兄さんは困るだろうなー。
困るどころじゃないと思いますが…

話を聞いて、探してみると、咽喉に針がささって苦しいと言っている鯛がいたので、海の神は、その針を取り出して、山幸彦に返す。その時に、兄には呪いの言葉とともに返すように言う。そして、兄が攻めてきたら、こうしろとか、いろいろと知恵を授ける。
で、その結果、最後には、海幸彦は、山幸彦に隷属することになる。

なんか、「古事記」って、姉が不細工だったり、兄がなんにも悪いことしてないのに酷い目にあったり…そんな話が多いような…。なんとなく、納得がいかないのは、私が長子だからかもしれない。
海幸彦は、隼人の阿多の君の祖と言われている。

参考資料は、こちらです。次回から、ようやくヤマトタケル登場の予定です。
(↓)

神と歌の物語―新訳古事記

神と歌の物語―新訳古事記

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本

【去年の今日】
「あかねさす紫の花」の瀬戸市公演を観劇。あれから1年が経過したとは、信じられない…。


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