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Studio Life「ヴァンパイア・レジェンド」観劇 [┣Studio Life]

2/27(Venom)、2/28(Vice)観劇。
Venom、Viceっていうのは、この劇団独特の癖で、Wキャスト公演をAキャス、Bキャスと呼ばずに、こうやって名前をつけるんですよね。たぶん今回は、公演タイトル「ヴァンパイア・レジェンド」に絡めて、V始まりの単語にしたのだと思う。
ちなみにVenomは、さそりや蜂などの毒液、Viceは、悪とのこと。
Wキャストの上に、この公演は「ヴァンパイア・レジェンド」と「DRACULA」のW上演なので、観劇感想は、Wキャストを纏めて1公演ひとつにしようと思う。

「ヴァンパイア・レジェンド」
原作:ジョセフ・シェリダン・レ・ファーニュ「カーミラ」
脚本・演出:倉田淳
美術:松野潤
照明:森田三郎、森川敬子
舞台監督:北條孝、土門眞哉
音響:竹下亮
ヘアメイク:角田和子、片山昌子
衣裳:竹原典子
殺陣振付:渥美博
ダンス振付:TAKASHI
美術助手:渡辺景子
演出助手:平河夏
大道具製作:俳優座劇場
小道具:高津映画装飾

「ヴァンパイア・レジェンド」(略してヴァンレジェ)は、8年ぶりの再演ということだが、ファン歴が短い私は初観劇。原作「カーミラ」は、女吸血鬼カーミラと処女ローラの物語。そこを「耽美劇団」(らしい)らしく、18歳の少年同士の物語に変えて上演。
それはこの劇団が男優集団で、耽美劇団だと思われているから、というだけではないかもしれない。唯一の女性である脚本家には、多少フェミニズム的思想が感じられるので、処女ローラの知らないところで、邪悪な女吸血鬼は、彼女の父親や協力者の手によって葬られていました、少女は何も知らず、故に傷つかず、幸せになりました…的なドラマは書けなかったように思う。
そういうわけで、この物語は、多分に、というか、ほとんど完璧にホモセクシュアルなドラマになっている。男優同士の激しいキスシーンに動揺していては、観られない。(いや、思い切り動揺しましたが。)

ドラマは、最初、日本の貧乏ったらしいアパートからスタートする。しんちゃん(青木隆敏/関戸博一)のPCに見たことのない東ヨーロッパの古城が現れるのだ。そこでしんちゃんは、友人のコンピュータ技師ようちゃん(下井顕太郎)を呼ぶがどうにもならない。
ヨーロッパの古城―そこから物語は、ジョージ(曽世海児/山本芳樹)の回想に移る。曽世は明快なセリフ廻し山本は陰鬱でぼそっとした独白。導入部からまるで別の作品のようだ。
このナレーションが長い。しかも文語体。聞いてから意味がわかるまで時間がかかる。そういう意味では、山本の訥々とした話し方の方が理解しやすかった。が、山本、ここで首をぐるりんと回すのは、ちょっと不気味。(意味はあるのだけど)
あ、そうそう。登場はセットの階段の上を歩いてくるのだが、山本の歩き方が貴族っぽくて、宝塚の男役みたいで、なかなか頑張っていたと思う。(後半いつもの姿勢悪い山本だったけど。)

ジョージは、古城に母と二人だけで住んでいる。ほかは使用人のみ。
人里離れた寂しさの中で、無為に過ぎていく日々。
事件といえば、12年前の6歳の時(子役は深山洋貴)、ベッドの中に誰かがやって来て、首筋を噛まれたことくらい。その相手がゼーリヒなのだが、この場面での及川の吸血シーンが美しかった。普通、歯を見せて威嚇するような表情をするものなのに、目を閉じ、息をすーっと吸ってからキスするように深山の首筋に顔を埋めていて全体的に及川は、所作を美しく優雅に見せるように気をつけていたように思う。
彼は、少し離れた場所に住んでいる隣人のシュピールスドルフ将軍(寺岡哲/奥田努)が甥のヴェルト(三上俊/松本慎也)を連れてくるのを楽しみにしていた。同年代の友人など見たことがなかったから。
が、将軍から手紙が来て、ヴェルトは急死したことがわかる。
落胆しているところで、馬車の事故に遭遇。
大きな事故のわりには、乗っていた親子は無事。母(舟見和利)は、息子を連れての旅は無理だと言い、それを聞いていたジョージの母・エリザベス(林勇輔)が、お帰りまで息子さんを預かりましょう、と申し出る。
息子の名はゼーリヒ(笠原浩夫/及川健)、ジョージと同じ年だった。
同じ年の友人を得たジョージは、ゼーリヒに夢中になる。が、ゼーリヒは、ジョージを友情以上の世界に引き込もうと、画策している。一方、ゼーリヒが来てから、近くの村では若い女が次々に死んでいく。その伝聞と、ゼーリヒの必要以上のスキンシップが繰り返されていく。
そんなある日、シュピールスドルフ将軍が城を訪れ、自分とヴェルトに起きた恐ろしい出来事を話し始める。似ている…すべては、自分とゼーリヒの状況に似すぎていた。
最後に姿を見せたゼーリヒを「あれがヤツだ!」と叫ぶ将軍。
ゼーリヒの最期はジョージのモノローグで語られる。そして、(ここで山本の首まわしが生きるのだが)ゼーリヒの命がジョージに受け継がれたことを観客は知る。(ここで衝撃のラブシーン)最後にジョージが現代日本の「しんちゃん」のもとに現れてドラマは終わる。

全体で2時間の1幕もの。ライフにしては短い作品。
とにかくジョージのモノローグが長い。が、ベテランの二人はそれぞれきっちりとこの役を余裕で演じていた。
ゼーリヒは、もう別物。だって、身長が25センチくらい違うよね、この二人。笠原は若き好青年、実は化け物。及川は妖しい美少年、実はトート閣下。笠原は襲っているが、及川は誘っている。事故で倒れたゼーリヒが、少し回復したから、と初めてジョージに面会する場面、ベッドの上で横座りしてるんだから。オスカル様の横座りより、ずっとしおらしかった。クッションの上に両肘をついて寝っころがる、というのも、及川だけのオプションで、どうやら自分の可愛さを知り抜いているように思えた。
(というより、こんなに柔らかい演技ができるのなら、どうして及川は女役の時にあんなにガサツなんだろう。)
ジョージの母・エリザベス役の林。もう、最高!久しぶりに真面目な美女役が回ってきたが、さすが!曽世の母をやっているVenomの方が、少し笑いを取る役作りに思った。
ジョージの家庭教師と侍女は、藤原啓児・関戸博一と石飛幸治・青木隆敏。関戸くん、めちゃくちゃ庶民的で可愛い。そして青木くん、どうしてそんなに美しいの?
将軍役に若手の寺岡哲と奥田努。奥田くんの方が老け役は上手かったが(しかも涙を流すくらいの熱演)、激しすぎてセリフが危なかった。ヴェルト役とのバランス、というか将軍がヴェルトを溺愛していると素直に思えたのは、寺岡の方だった。
ヴェルト役は、美少年。寺岡に「高い高い」されていた三上俊は、まさに適役。正統派トップ娘役に一番近い存在かもしれない。美しくて純粋であどけない。松本も可愛い若手だし、それなりによかったのだが、三上の美しさを先に見てしまっていたので…。
舟見の演じたゼーリヒの母は、長ゼリフが少し冗漫だった。が、仮面を付けた時の雰囲気の美しさ、華やかさは、さすがに雪穂が身に付いたせいかも。
行商人役で、姜暢雄が美しい脚を見せたり、というサービスもあり。
でも、ひっこみの時、きゃあきゃあとアドリブをやっていて、深山さんを思い切りたたいていて、「いたいっ!」と言われていた。(さすがライフのタニちゃん)
ヴァンパイアの影を演じた佐野考治。メイクも綺麗で、アクションもすごく頑張っていた。
今回の公演では、舞踏会の場面が長々とあり、しっかりと振り付けもある。
どうしてヴェルトは将軍と踊っているのだろうか?(たとえ、二人が道ならぬ関係だったとしても、男同士でダンスは…)という疑問は最後まで解けない…。
ま、でも、及川のダンスと殺陣のポーズがびしっと決まっていて、ちょっと感動した。小さいから、全身で踊ろうと気をつけているんだと思う。

上演時間も短く、Wキャストの違いが際立っていて、面白い公演だった。

朝からバタバタと仕事をこなし、やっと1月分の処理を完了させた。
月曜は、2月分を一気にこなしたい。
ついでに、諸々の問題を解決すべく、電話と会議に奔走。よく働いた一日だった。
早めに会社を出て、「DRACULA」を観劇。こちらは、後日感想を書きたい。

【去年の今日】
見込みを提出したようだ。
で、微妙な数字よりは、思い切りダメの方が言い訳のしようもある、と書いてある。去年はそうだった。でも今年、思い切りダメってのはナシだったよな。
少しずつ、結果を出し始めたキャラたち。あと、もう少し…と思うのだが、うちの会社の人は、全員が「自分はやってるけど、人がダメなんだ」って言いすぎ。


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