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「SHOW ル・リアン」感想 その2 [┣大空祐飛]

その1は、こちらです。

イフ・ゼイ・クッド・シー・ミー・ナウ(「スイート・チャリティ」より)
「スターダスト」を歌い終わったDIVA(大空祐飛)は、MC(HIDEBOH/本間憲一)のエスコートでお立ち台を降り、後ろ向きになって、エンターテイナーたちに囲まれてガウンを脱ごうとする。お立ち台を降りる時に、ガウンの裾が開いて、中の青いロングスカートが覗いていたので、ロングドレスだろうと思って一瞬、気を抜いた。
(その青いスカート部分は、ガウンと一緒に回収されていたので、見せスカートだった模様[バッド(下向き矢印)]

なんと、真っ赤な丈の短いスリップドレス…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]祐飛さんが登場[exclamation]

うわ…やられた[ふらふら]と思ったと同時に、えーと…目のやり場に困った…[爆弾]

なんとご立派な肩と上腕…[ひらめき]まさに逆三角形[exclamation×2]短いスカートから覗く、アミタイの細長いおみ足の上には、スカートと同じ赤い見せパン(太腿丈)。相変わらず腰は細いのに…いやはや…[あせあせ(飛び散る汗)]
こんな逞しい祐飛さんと踊ってくれたのは、おヒゲを付けてダンディーな姿の青柳塁斗くん。
最後には、お姫さまだっこまでしてくれました[黒ハート]

何度も出てくる歌詞が「いい女になった[exclamation]いい顔して、そう宣言しているのだから、よしとしましょう[るんるん]
歌とダンスは、とてもキュートでした[揺れるハート]
途中から、ケーンとオペラハットを持って歌い踊るのだけど、これがまた男役とは違っていて、本間さんが、男役とは違う魅力みたいなものを引き出そうとしてくれているのを強く感じた。
途中、オペラハット(トップ部分が折りたためるトップハット)の出っ張りを出したり引っ込めたりしながら、歌うところで、下腹部の前でぼこっと出して見せ、あらやだ[キスマーク]みたいな笑顔を見せるところがあって、なんだか意味わかってるのか、わかってないのか…な、さらっとした感じが、いかにも祐飛さんだな~と思った。

トゥー・ダーン・ホット(「キス・ミー・ケイト」より)
ここで、村井良大くんが、けだるげに登場。
舞台の前の方では、大貫勇輔くんと、寺元健一郎くんが、一触即発。みんな、暑くてイライラしているようだ。
二人を制して、村井くんが歌い始める。歌いながら、原宏美ちゃんを誘って踊り出す。絶対宏美ちゃんの方がデカいよな…[わーい(嬉しい顔)]とか思っている間に、その気になった宏美ちゃんを放り出す村井くん。
「なによっ[むかっ(怒り)]
という感じで、宏美ちゃんが、右手を軽く宙に持ち上げる。決して、中指は立っていないのだけど、気持ちは伝わる。ちょっとした手の動きだけど、とってもキレイ[ぴかぴか(新しい)]
一方、松原剛志くんと、寺元くんも女の子にアタックしたくなってる。暑くてダルいはずなのに、誰かとぶつかったり、誰かをハントしたり…自分たちが熱くなっていく。こちらも、ミュージカル「キス・ミー・ケイト」のシーンを思い出すようなダンスだった。

このシーンの後は、天才音楽家、奥田弦くんによるピアノ演奏。「My Favorite Things」をモチーフに、がんがんジャズピアノを聴かせてくれた。そこから、さらにもう1曲、クロスオーバーっぽいサウンドの曲を弾いてくれた。
この曲に合わせて、大貫くん、青柳くんが、すごい身体能力のダンスを展開してくれる。そして、そこに、HIDEBOHさんのタップが加わり、三人の世代を超えたダンス。そして、大貫くんと青柳くんが先にハケると、(ハケ際にイスの座と背もたれにそれぞれ片足ずつ乗せて体重を移すことで椅子を倒す芸を見せて去って行く。これ、「Familia」の時も使われていた技だったなぁ~[るんるん]と、懐かしく思った)HIDEBOHさんのタップとくんのピアノのセッションになる。
(4月2日は本間憲一さんがMC役で出演したが、この場面は、ソロで踊るのではなく、バンドのメンバーを紹介する場面にしていた。公演の主催として、自分が目立つことを避けたのかもしれない。)
このセッションは、日増しにすごさを増していき、くんが、HIDEBOHさんのタップが作り出すリズムを受けて、次の音楽を演奏していくところなど、お互いの刺激によってさらにすごいものが生み出されていくのを感じ、震えるほど感動[ぴかぴか(新しい)]

セッションが終わり、客席がホーッと息をついたところで、学校の始業のチャイムが聞こえる。
エンターテイナーの6人が生徒になって登場、「ル・リアンJazz学園」の校歌を歌う。…と、大空先生の登場だ。
大空先生は、白いブラウス、黒いパンツ、白いジャケット、黒ぶちのメガネ、髪は夜会巻風のアップという姿。この場面で、祐飛さんが、「転校生」という形で、くんを紹介し、彼の天才の一部をお披露目しちゃおうというシーン。
しかし、日を追うごとに、生徒たちが勝手に騒ぎ出し、くんまで一緒になって大空先生を困らせる…ということに。祐飛さん、トークショーでしみじみと、「男子校の先生役は大変です」と。

大空先生の紹介によってわかったこと…奥田弦くんは、2001年10月10日生まれの14歳。9歳の時にCDデビューを果たし、12歳の時にプロの作曲家としてデビューした。今回のSHOW「ル・リアン」のテーマ曲も彼の作曲。
くんは、3歳の時にはおもちゃのピアノで「チューリップ」を弾いていたそうで、普通のピアノも5歳の時から弾き始めたとか。
最初はクラシックをやっていたが、ビル・エバンスの「Autumn Leaves」を聞いて、ジャズってかっこいい[exclamation]と目覚め、ジャズの道へ。
この時、祐飛さんが毎日やっていたネタとしては、「Autumn Leaves、日本語で何だかわかりますか[exclamation&question]」というのと、「皆さんが、子供の頃、かっこいいと思った曲は何ですか[exclamation&question]先生は、近藤真彦の『ギンギラギンにさりげなく』です」というヤツかな。
くんは、『ギンギラギンにさりげなく』、タイトルは知っているそうです。でも、他のメンバーが口にした、『CHA-LA HEAD-CHA-LA』(景山ヒロノブ)は、ハッキリと「知らない」と。そっか…ドラゴンボール知らない世代なのか…
(私はLAZYも知ってる世代ですけどね)
少なくとも、初日が終わった後は、ここにいる全員が「Autumn Leaves」=「枯葉」だと知っているわけだけど、それでも当てられた人は、知らない体でダメな生徒を演じていて、その受け答えが毎回ツボだった。

くんの紹介が終わった後は、「リズム」をテーマに、足のリズムと手のリズムを合わせてやってみる[exclamation]というコーナーに。ここで、毎日、客席から、5人の犠牲者が選ばれ、舞台上でリズムを刻む羽目に。
東京の初日からやっていたものは、かなり難しかったようで、途中で「日替わり&簡単」なものに変更になったとか。当日のリズムは開演前に通達されるため、ル・リアンJazz学園の時間に思い出すのが大変だった…と祐飛さん。
大阪は、笑いも仕込まれていて、それをやってのける祐飛さんは、サイコーでした[黒ハート]千秋楽は、「…YO!」というラップのポーズが、オトコマエでカッコよくて惚れ惚れ~[揺れるハート]

「リズム」の後は、「作曲」。
でもこれはお客さんが作曲するのではなく、5人のお客さんが見ないで選んだ札に「ド」とか「ファ♯」とか音の名前が記載されていて、その5音を使って、くんが新曲を作るというコーナー。
5音に加えて、お客さんのイメージを伝えるだけで、まったく新しい音楽が生まれてくるのは、驚愕[exclamation×2]
ここで、はからずも出演したお客さんは、ルリアンノートという冊子をもらっていた。←これだけはうらやましい。

ここから、もうひとつ、「私の特技」を生徒が披露するという場面が。その特技にもくんが、音楽をつけてくれる。だいたい1公演2~3人が披露していたので、全員の技を見ることができたが、こんな感じだった。
村井良大…割り箸を使って4つの地名を表現(日本・北京・ヒューストン・ノルウェー)。
平方元基…スプーン曲げ。
青柳塁斗…モノマネ。武田鉄矢はかなり似ていた。
寺元健一郎…「カエルの唄」を歌いながら気持ちを高め、平方くん(一番長身)の背を飛び越える。平方くんと輪唱しながら、飛び越えると同時にスプーンが曲がるという合わせ技もあった。
松原剛志…目に見えない怪獣(とかバルタン星人とか)と戦うウルトラマン。ル・リアンのテーマを聞きながらヒーローソングを歌うというネタも披露。
大貫勇輔…ピルエット3回転の後、けん玉のけん先に玉を入れる、というもの。大千秋楽に大成功して、かなり盛り上がった。

そして最後にお約束の場面が[ひらめき]

オール・ザット・ジャズ(「シカゴ」より)
大空先生の特技を見せて下さいと言われ、抵抗を続けていた祐飛さん、突然、豹変して、ジャケットを脱いで、メガネを外し、歌い始める。
ミュージカル「CHICAGO」で、元宝塚の面々が歌い踊ったあの曲を祐飛さんで聴けるとは思わなかった[黒ハート]
この場面も、メガネで髪をひっつめたカタブツっぽい女教師が、突然、色っぽく大変身…とか、男の妄想の極致だったりすると思うのだが、そういう想像されてるってのを意識してるんだか、いないんだか、あくまでも若干キレかかった大空先生として、上品な艶っぽさを見せる祐飛さんでした[わーい(嬉しい顔)]

ここでコーラスに入った生徒たちが、「えー、いつもと違うオオゾラサン」[るんるん]Alll That Jazz[るんるん]
「おー、はげしすぎるよオオゾラサン」[るんるん]Alll That Jazz[るんるん]
「ねー、思い出してよ、そう、清く正しく、オオゾラサン、オオゾラサン」
と合いの手を入れるのが、なかなか楽しかった。“Alll That Jazz”と“オオゾラサン”の語感が似ているのをうまく使った感じで。

曲が終わると、ささっとメガネを装着し、何事もなかったかのようにジャケットを持って退散する祐飛さん、そのすましたお顔が大変ツボでした[わーい(嬉しい顔)]

次の回で最後まで書き終えたいと思います。

“今日は何の日”
【4月8日】
1994(平成6)年、細川護熙首相、退陣表明。

細川首相…そんな時代もありましたね。


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「SHOW ル・リアン」観劇 [┣大空祐飛]

「SHOW Le Lien(ル・リアン)」

構成・振付・演出:本間憲一
構成・脚本:本間ひとし
音楽監督:上柴はじめ
テーマ曲作曲:奥田弦
タップ振付:HIDEBOH
照明:吉田一統
音響:新田寛
衣裳:馬場友美
ヘアメイク:田中エミ、白川生美(Beuty Salon nagomi)
歌唱指導:西野誠

幕が開くと、一人の少年タクミ(松本拓海)が、テレビゲームに興じている。
出かける準備をしているのか、コート姿の母親(大空祐飛)が、声をかける。しかし、非難はするものの、最終的には「どうしたらいいか、自分で決めなさい」と言って去っていく。
タクミはゲームを続けるが、テレビはザッピングしながら、往年のミュージカルの名曲を奏で始める。画面は、客席からは見えないが、タクミの様子から、画面の方もジャックされてしまったようである。
そして、雷。
パーカのフードをかぶるタクミ。いつの間にか、外[exclamation&question]
開幕ベル。そこへ、青年(村井良大)がやってきて、「開幕なのになんでここにいるんだ」とタクミを無理やり袖に引き込む。

オーバーチュア
音楽監督、上柴はじめ編曲による、ショーナンバーのダイジェスト。
音楽の編成は、ピアノ2台+エレピ1台(演奏者は2名)、ウッドベース、ドラム。

ル・リアン
14歳の天才少年、奥田弦によるオリジナルのテーマ曲を出演者全員で。
タクミが迷い込んだ「ル・リアン」のショーステージ。そこには、6人の青年(エンターテイナー)、3人の娘(スリー・エンジェルス)、そしてタップダンサーの“MC”と、“DIVA”がいる。このDIVAを演じるのが、祐飛さん
雰囲気は、DIVAというより、ラスボスっぽい感じ[どんっ(衝撃)]
黒のノースリーブドレスに、赤い羽根のストールを纏い、手には煙管。女子になっても、なぜか、タバコ系が似合ってしまう…[わーい(嬉しい顔)]
男子たちの歌の後、サビの部分から、パーンと華やかに歌うDIVA[ぴかぴか(新しい)]これまでと全然違う祐飛さんでした[黒ハート]
特に大阪は、声がさらに伸びやかになっていて、高音部もクリアに聞こえた。また新しい祐飛さんVOICEに出合えた感じです[るんるん]

ここでタップダンサーのMC(HIDEBOH/本間憲一)が、招待状はお持ちですか[exclamation&question]と聞くと、タクミのポケットに招待状が入っている。

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東京プレミアムシート、大阪S席のチケットには、こんなインビテーションカードが特典になっていた。タクミくんも、赤いカードを持っていたので、一緒だと思う。なんだか銀河鉄道のチケットみたい[わーい(嬉しい顔)]
客席の我々を含め、世界中から選ばれたゲストのための特別なショーがこれから始まる。

ショウほど素敵な商売はない(「アニーよ銃をとれ」より)
MCが、ショーに必要なものを語り、青年と娘が歌い、踊りながら、ショーの準備をする。
初日に聴いた時、音楽のテンポが遅いような気がしたが、歌詞を聞きとれるテンポにしたのかな。
こうして1曲の間に、次のシーンの準備が整う。ベンチ、チョウチョ、鳥、ベンチの手すり…

ス・ワンダフル(「ファニー・フェイス」より)
真っ白なワンピース&赤い靴に着替えた祐飛さんが登場。手には、青い本を持っている。
ベンチに腰掛けて、本を読み始める。トーマス・キンセラの詩集。ちなみに、トーマス・キンセラとは、アイルランドの詩人だそうです。
そこへ、一人の男(HIDEBOH/本間)がやってきて、同じベンチで新聞を読み始める。
3人の娘(石毛美帆・中西彩加・原宏美)が天使の姿になって登場、二人の恋を演出しようとする。祐飛さんの方は、わりと素直に天使の作戦に引っかかるのだが、男性の方がどうもうまくいかない。それでも、最後はハッピーエンド。
ここは、祐飛さんのピュアな愛らしさが、可愛くてしょうがない場面[黒ハート]
タップダンスとやさしい歌声も楽しめました[るんるん]
ラストで、ベンチに座った二人の周囲に、ベンチの手すりを外して重ねるとハートマークになる…[黒ハート]という、演出が見事[exclamation]そこに矢が突き刺さった形を天使ちゃんたちが作ってくれるのだが、その「矢」が赤い傘で出来ていて、その後、突然の雨に、二人は相合傘で帰って行く。

雨に唄えば(「雨に唄えば」より)
その雨の中、街灯の下で、楽しそうにポーズをしている一人の男(大貫勇輔)。
先ほど、一度引っ込んだ男(MC)が出てきて、彼に黒い傘を渡す。
タクミは、「あの人、どうしてうれしそうなんですか」と不思議そう。タクミのそばには、この先、たいがい村井くんがいて、いろいろと解説をする。村井くんは、この一座のエンターテイナーの一人でありながら、タクミをこの世界に誘う役割も担っているようだ。
黄色いレインコートの男女をバックに、歌い踊る大貫くん。振付は、往年の映画「雨に唄えば」にかなり忠実。
最後にタクミは大貫くんに聞く。
「踊るのって楽しいですか[exclamation&question]
「楽しいさ。かわいい女の子と手も繋げるしね」
という答えは、かのジーン・ケリーのものなんだとか。

ルート66
ごきげんなナンバー、「ルート66」を、松原剛志・寺元健一郎・青柳塁斗で。 
黒いシャツに赤いジャケット、赤いネクタイ、サングラス…という衣装がなんともカタギじゃなくて素敵[わーい(嬉しい顔)]
そういえば、このナンバー、祐飛さんのDSで聴いた気がする。

君の瞳に恋してる(「ジャージー・ボーイズ」より)
スタンドマイクのマイクチェックに余念がない平方元基。チャラい雰囲気がたまらない。
今回平方くんは、髪形も60年代くらいのコーラスグループというイメージで7・3で少しリーゼントが入ったものがすごく似合う。端正な、でも薄い顔立ちだから、どんな髪形もそれなりに似合ってしまうのよね[るんるん]
質問するタクミの髪の毛をオールバックにして、おでこをぺしっとやるところとか、たまらなく可愛かったです[揺れるハート]
平方くんをリードボーカルに、先ほどの3人がコーラスで登場して、「君の瞳に恋してる」
夏にクリエで、『ジャージー・ボーイズ』が上演されるし、この間の宙組のショーで“アイ・ラヴ・ユー・ベイベー祭り”だった記憶も新しい。曲中、平方くん以外の3人が客席降りして、客席も大いに盛り上がった。
平方くんの力強いハイトーンは、役柄【ルリアンのトップシンガー】が納得できるものだった。

煙が目にしみる(「ロバータ」より)
もうひとつ、ハイトーンのボーカルでおなじみの、プラターズのナンバー、「煙が目にしみる」
こちらも、上の4人のコーラスで聴かせる。偶然なんだろうけど、これも宙組のショーで使われていた。
歌をじっと聴いていたタクミは、同じ恋の歌でも、楽しい曲や悲しい曲がある、ということに気づく。村井くんは、そんなタクミに、ふたつの曲の由来を語るのだが、あまり聞いてもらえていない[あせあせ(飛び散る汗)]しかも、オジサンとか呼ばれてるし…[がく~(落胆した顔)]

ここで、三人の女子メンバー(石毛・中西・原)による、古き良き時代のヒットナンバーのメドレー。
Anything Goes~Night and Day~Begin the Beguine~(I Love a Piano)~Alexander's Ragtime Band~I Got Rhythm~I Feel Pretty~星に願いを
いや、もう、可愛い、歌ウマい、ダンスきれい、幸せ…[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]
この三人、クレジットも文字は、他のメンバーよりちょっと小さい=コーラスガールという位置づけなのだろうと思うが、誰かのバックではなく、三人の場面を一つ設けたというところが、このショーのステキなところ。
日本のミュージカルやショーは、コーラスラインがない[exclamation]てか、プリンシパルとアンサンブルのボーダーラインがあいまいなとこが、日本らしい気がするのは私だけ[exclamation&question]

スターダスト
三人の可愛いナンバーが終わると、黒いガウン姿祐飛さんが登場し、ピアノをバックに「スターダスト」を歌う。
歌詞は全部英語。とーってもカタカナっぽいのだけど、音節と音符のハマり方は完璧、そして、変に崩して歌わないので、英語の歌詞がすごくよくわかった。
「クライマックス」の時、男役で歌ったナンバーを、女子として歌うっていうのが、なんだか不思議。でもしっとりとした歌い方で、とっても胸に沁みた。
金髪のボブもよく似合っていた[かわいい]そして、ここから、まさかの展開になるのだけど、それは、次の記事で。

“今日は何の日”
【4月7日】
1945=昭和20年、戦艦大和が、アメリカの戦闘機、爆撃機の攻撃により撃沈。

まさか、2199年にこの大和が「宇宙戦艦ヤマト」として、イスカンダルに向かって旅立つことになろうとは…[exclamation×2]


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「ル・リアン」初日 [┣大空祐飛]

初日観劇してきました。
祐飛さん、可愛い。
歌のセンスもますますアップして、今後が楽しみ♪
白いワンピース、赤いスリップミニドレスなど、これまでにない衣装も見られて、ドキドキでした。
大空先生にはツボります。
懐かしい音楽もたくさん登場しますので、これからの皆さん、どうぞお楽しみに。

“今日は何の日”
【3月31日】
教育基本法、学校教育法公布(1947=昭和22年)。

これにより、各学校の卒業までの年数が、現在の6・3・3・4制に移行した。


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準備万端 [┣大空祐飛]

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祐飛さんが音声ガイドを担当するルノワール展、お得なペアチケット(一人で2回見るのも可)、ゲットしてきました。
楽しみ[黒ハート]

“今日は何の日”
【3月29日】
1683=天和3年、八百屋お七が、放火未遂の罪により、鈴ヶ森刑場にて火刑に処された。
(←旧暦。新暦では4月25日となる。)


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「表現者ノマド」-5 [┣大空祐飛]

「表現者ノマド」5回目。
前回同様、工学院大学での開催。

祐飛さんは、髪をハーフアップにして、インディコブルーみたいな色のシャツワンピースに黒のレギンスを合わせていた。シャツの胸元には黒で鳥のデザイン。

今回のゲストは指揮者の山田和樹さん。
まず、最初に祐飛さんのみが登壇し、山田さんの指揮を映像で鑑賞。なんか、かなりフリーダムな指揮をする方とお見受けした。(しょっぱなから、指揮棒振ってないんだもん…[あせあせ(飛び散る汗)])でもすごく演奏家の気持ちを引き出して、いい雰囲気を作られる方だな~という印象を持った。
素晴らしい演奏に客席が、ホーッ[ダッシュ(走り出すさま)]という雰囲気になったところで、ご本人が登場[exclamation]

祐飛さんは、「表現者ノマド」で対談される候補の方の下調べには余念がない。
そして、今回も、まだハッキリ決まっていない段階で、山田さんのライフワーク「マーラー・ツィクルス」を聴きに、コンサート会場に足を運んだそうだ。
この「マーラー・ツィクルス」は、現在第2期の3カ月連続公演が行われており(1-3月)、第1期も含めて、武満徹+マーラーという組み合わせで演奏されているようだ。
祐飛さんが聴きに行ったのは、どうやら、1月に演奏されたマーラーの交響曲4番の時のようで、この時、武満作品は、谷川俊太郎さんの詩集「はだか」から6編の詩が朗読される「系図―若い人たちのための音楽詩」が演奏された。
(祐飛さん、次回作「ル・リアン」の取材記事でも、このコンサートへの感動を語っていた。なぜか「マーラー・ツィクルス」なのに、武満に感動したとしか思えないコメントだったけど…[爆弾]
今回の講座入口で「マーラー・ツィクルス」第2期のチラシもいただけたのだが、それによると、この時の詩のナレーターは、上白石萌歌さんだったようだ。上白石姉妹は、月組の大先輩、瞳まりあさんのスクールから東宝シンデレラに合格した。そんなちょっとした繋がりが嬉しかったりして[るんるん]

さて、一応、今回のノマドにはサブタイトルがついていて「指揮者と音楽」だそうです[わーい(嬉しい顔)]

対談が始まってみると、山田さんは、トークもフリーダムな方で、あっちへ飛び、こっちへ飛びして、人を食った発言もたくさんあって、さすがの祐飛さんもたじたじ…という感じ。とても、内容を纏めるのは難しい。なので、私がへーと思ったツボを中心に書き留めることにしたい。

まず、クラシック音楽について。
クラシックがえらいとかは全然思っていないけど、「すべてのルーツはやはりクラシックというのは、あると思う。矢沢の永ちゃんだって、クラシックがなければ存在していない」と笑わせる。

指揮者は、「はじめまして」の状態から、短い時間でオーケストラの心を掴み、一緒に音楽を作って、観客に届けることもあるわけだが、そんな人心掌握術については、「個人心理と集団心理というのがあって、個々の関係は良好でも、指揮者とオーケストラという関係で対峙したら最悪ということもあるし、その逆もある」と。
仕事のプロジェクトでも、そういうことってあるなーと思いながら、興味深く聞いた。

祐飛さんが指揮者という仕事に興味を持つように、山田さんもまた、宝塚のトップスターというものに興味津々のようで、「祐飛さんは、トップという仕事をやりやすかったのか[exclamation&question]」みたいな話が出た。
祐飛さんは、「いろいろな考えの人がいると思うけど、自分は、トップのちょっと下のポジション(2番手・3番手[exclamation&question]より、断然やりやすいと思った」とのこと。
山田さん、ちょっと下のポジションのことを「右大臣・左大臣」と納得していた。お雛様かっ[exclamation]
祐飛さん、「ちょっと下、というのが一番やだ」と言ってました。トップさんのやりやすいように、気を遣ってサポートするというのが、自分には向いていない…と。
(2番手時代が一番おいしい、と言われる宝塚。でも祐飛さんがそういうポジションだった時、トップさんは同期だったり、下級生だったりしたので、おいしさを味わうというよりは、居方が難しかったのかもしれないですね[ひらめき]
祐飛さんのファンとしては、山田さんみたいに、よくわからない方が、ぶっちゃけ質問してくれると、へぇ~ということに出合えるので、大歓迎です[黒ハート]

指揮者とトップスターの比較ということで、出てきたのが、その他の出演者は、トップさんの方針(やりたい方向性)にNOと言えるか、という話も出た。
「トップには、口ごたえできないですね[爆弾]という宝塚の上下関係がちょっと羨ましそうな山田さんだった[あせあせ(飛び散る汗)]

トップスターと組長は、どっちが偉いのか、という質問もあった。
祐飛さんは、丁寧に、責任の持ち方が違っていて…と、説明、「トップは作品全体の芸術的責任」、「組長はプライベートも含めた総合責任」みたいなことを言っていた。
これに対して、山田さんは、指揮者は、どっちかというと、組長のように、舞台だけじゃない責任があるような気がする、と。
たとえば、劇場に入ったところの段差で誰かが躓いてけがをしたり、入口でチラシ配っている人の態度が悪くて腹が立ったりしたら…それで演奏が楽しくなくなるのなら、それもまた指揮者として責任を少し感じる…と。祐飛さんも、その話を聞くと、たしかに、劇場に入った瞬間から、その体験のすべてを楽しんでほしいと思いますね…と同感していた。

山田さんがおっしゃるには、指揮者にとって、「演奏家は敵」という部分があるとか。音楽をどう解釈するか、という部分では対立もあるでしょうし、コンサートマスターから、「この若造が…」なんて思われることもあるかもしれないですよね。
で、俳優にとって、それは演出家なのではないか、祐飛さんは演出家に殺意を抱いたことはないか[exclamation&question]という、なかなか面白い質問も登場[exclamation×2]
祐飛さん、「それはちょっとここでは言えない[あせあせ(飛び散る汗)]そうですが[わーい(嬉しい顔)]
そんな祐飛さんに、「激しい方なんですね」と、山田さん。あ、そうか、「そんなことありません」って言うのか、普通は[あせあせ(飛び散る汗)]
初対面の時は、もっと女性的な印象があったそうで、対談している今は、祐飛さんのどこかに男性的なものを感じるとか。祐飛さんは、あの時は緊張していたから…とアウェー感を強調していたが、お仕事モードになると、どこか男役キャラが登場するのかもしれない。ファンからしたら、既にがっつり究極の男役を見せられているので、今の祐飛さんは、可愛い女性にしか見えないけれど。
山田さん、元男役だった祐飛さんの男性性のスイッチはどこで入るのか、とか、そういうところにも興味津々の様子。
祐飛さん、自分の中の男性性を「彼」と呼んでいた。在団中は、「彼」が普通に前面に出ていて、今は後ろに隠れている、と。で、助けが必要になると、「彼」がサポートしてくれる…と。なんか、面白いな~と思った。

山田さん、入り・出の時もファンの方が待っているから、舞台と同じような気持ちで臨むのでしょう[exclamation&question]と、おっしゃる。そんなに有名なのか、宝塚の入り・出はっ[exclamation×2][爆弾][爆弾][爆弾]
祐飛さん、苦笑していたが、客席は密かに大爆笑だった。(どう見ても寝てるよね…という入りの可愛い姿を、山田さんにも見ていただきたかった[exclamation]

さて、祐飛さんから見た山田さんの魅力は、少年っぽいということ。(興味の持ち方が、少年みたいだなーと私も思った)
それについては、要求を通すのに、一番簡単な方法は、子供になることだから…[ひらめき]という人を食ったお答え。
「頑張れば頑張るほど人が引く」という経験もしているからこそ、「空回り」しないように、「何もしない」という境地に辿り着いている部分もあるそうだが、初めて会ったオーケストラに対しては、「そのオーケストラの良さが出る」ことを念頭に指揮をするとのこと。

ここで、山田さんと祐飛さんが意気投合した話が深くて面白かった。
とはいえ、「良さが出る」ってなんだ[exclamation&question]と。
今回、用意されたペットボトルのお水を二人とも全然飲まなかったが、そのボトルを使って、山田さん、「これはどこにあるべきなのか」という話を始めた。いきなり哲学[exclamation]
そもそもあるべきと思われる場所、自分にとって気持ちのいい場所、観客から見て見栄えのいい場所…いったいこのボトルはどこにあるのが正解なのか…山田さんは、自分にとっての位置が嵌まった時には、指揮をするのに力がいらないと言う。体重を感じなくなると。あるいは、指揮棒の先に、一人一人の演奏家が糸でつながっているような感覚。
祐飛さんも、そういう感覚がわかる、と言う。
自分の居る場所が決まると、すべてがすとーんと落ち着く、と。
でも宝塚時代は公演数が多かったので、毎日同じ感覚ではいられない。その日はちょっと違う場所にポイントがあったりして、それを探したりしていた、と。その感覚が面白かったとか。

でも、最近は、コンサートのような一回しかやらない作品の面白さも知ったとか。
「キミに読む物語」とか「安倍晴明」とか、最近、一回こっきりが続きましたもんね。
で、野球で言ったら、いつもホームランは無理でも「打ち損ねることはしたくない」と。なんか、最初のノマドで、意外と、観客の反応を気にしているんだな…と感じたことを思い出す。
私にとって祐飛さんは、常にヒットを打つ人、そのヒットがミラクルヒットだったり、クリーンヒットだったり…という印象です。

あとは、大切なとこでメガネを落とすとか、コケるとか、そういう「持ってる人」っていいねという話とか、みんなが緊張している時に、オーケストラにだけわかるような小さなミスをわざとして、緊張感をとくソリストがいる話とか、そいういう小ネタも面白かった。

指揮者とは、ドライブ(車の運転)ではなくキャリー(馬車の御者)でなければならない、みたいな話も。最終的には、馬に委ね、でもコントロールする…みたいなこと、かなと思ったが、最初に車が登場した時、「ホースレス・キャリッジ(馬のいない馬車)」と呼ばれていたと思う。最初から「ドライブ」という言葉で運転を表現していたのか、ちょっと知りたいな…と思った。
あ、本題からずれちゃった…[あせあせ(飛び散る汗)]

山田さんは、日本フィルの常任指揮者なのですが、それ以外に大学の同級生と一緒に「TOMATOフィル」というプロジェクトもやっているのだそうです。自分がやりたくてやっているオーケストラなので、その分演奏会の前は緊張もひとしおとか。
小澤征爾さんも、自分が総監督をしている「サイトウ・キネン・オーケストラ」の指揮をする時は、前の晩眠れないくらい緊張するとおっしゃっているそうで、どうやら、指揮者とはそういうものらしいです。
そんな山田さんの夢は指揮者で居続けること、とキラキラと少年のような瞳で語ってくれました。

ちなみに祐飛さんは、もし指揮をするなら、ミュージカルの指揮をやってみたいとか。指揮ができるかどうかは別にして、一番大好きなオーバーチュアは、「WEST SIDE STORY」のものだそうですよ。

あと、印象に残ったのは、祐飛さんは、ストレートプレイの時などは音楽を聞きながら準備するのに、ミュージカルとかの時は音を聴かないんだとか。一日に聴きたい音楽量があるのかもしれない、と祐飛さん。山田さんも普段はあまり音楽は聴かないそうです。

初めて祐飛さんに会ったその日に、忙しいけれども、この人とは対談しなきゃだめだと感じて、オファーを受けて下さった山田さん。とてもチャーミングな方でした。久しぶりに演奏会とか行ってみたくなった、そんなノマドでした。

“今日は何の日”
【3月25日】
電気記念日。1878(明治11)年
のこの日、初めて電灯に灯がともり、家庭用配電が始まった。


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「新版 現代能 安倍晴明」観劇 [┣大空祐飛]

祐飛さんの出演する、ただ一度きりのスペシャルなステージ、「安倍晴明」を観劇してきました[exclamation]

「新版 現代能 安倍晴明」

原作:吉田喜重
脚本補綴:藤間勘十郎
演出:梅若玄祥、藤間勘十郎、野村萬斎

舞踊振付:藤間勘十郎
舞台美術:前田剛
装置:たつた舞台
照明プラン:安藤俊雄
音響:兵恵 貴光
舞台技術:雨森晃志朗
舞台監督:旅川雅治
企画・制作プロデュース:西尾智子(ダンスウエスト)

<配役>
安倍晴明:野村萬斎(狂言方和泉流)

榊の前・葛の葉:大空祐飛

舎人:月崎晴夫(狂言方和泉流)
   高野和憲(狂言方和泉流)

晴明の式神:初姫さあや、琴音和葉、花柳まり草、吉野実紗(文学座)、伊藤安那(文学座)、西尾萌

道満の式神:松山隆之(シテ方観世流)
      川口晃平(シテ方観世流)

花山帝・語り部:桂南光

蘆屋道満:梅若玄祥

日本手妻:藤山新太郎(東京イリュージョン)、藤山大樹(東京イリュージョン)、石井裕(東京イリュージョン)、キタノ大地(東京イリュージョン)

能 囃子 笛:竹市学(笛方・藤田流)
     小鼓:大倉源次郎(小鼓方・大倉流宗家)
     大鼓:山本哲也(大鼓方・大倉流)
     太鼓:林雄一郎(太鼓方・観世流)

     鳴物:望月左太寿郎

     筝曲:佐藤亜美

     謡:山崎正道(シテ方観世流)

後見:赤瀬雅則(シテ方観世流)
   土田英貴(シテ方観世流)

序幕  宮中術比べの場
同二場 榊の前骨寄せの場
同三場 都大路の場
二幕目 安倍晴明館の場
同二場 洛外一ツ家の場
大詰  一条戻り橋の場

上記6つの場面からなる物語…とはいえ、所要時間は各幕とも40分程度だったかな…[たらーっ(汗)]

前回祐飛さんが参加した公演「天守物語」は、泉鏡花の戯曲を使用した上で、能・狂言・歌舞伎・元宝塚・現代演劇・ミュージカル・映像…という様々な分野から出演者を集めた。今回は、少し出演者の範囲を狭めているが、その分、濃さは増している。
なにしろ、主演が、映画「安倍晴明」で一世を風靡した、野村萬斎さん。そして、晴明と術比べをする蘆屋道満を梅若玄祥さんだ。
狂言にとどまらず、日本演劇界で、次々と作品を発表していく萬斎さん。そのお忙しい萬斎さんに、当たり役の晴明をやってもらう…というだけでも大変なことなのだが、その萬斎さんと戦う蘆屋道満に玄祥さんが挑むというのがすごい[exclamation×2]
能と狂言はセットで上演するのが基本だが、同じ演目に双方のトップスターが同時に出てくるということはない。それだけでもすごいのに、さらに宝塚のトップスターも出すのだから…[ぴかぴか(新しい)]

物語は、安倍晴明と、蘆屋道満という当時の二大陰陽師の術比べを見たい…という花山天皇の希望により、二人は、宮中で術を見せあった。その結果、晴明に軍配が上がったのだが、負けて悔しがる道満は、晴明に一泡吹かせようと、晴明の父、安倍保名の恋人だった「榊の前」の墓を掘り起こして、彼女を蘇らせる。

榊の前を演じる祐飛さん、最初は面を付けて登場。顔より前に台詞を聞くことになったが、おどろおどろしい感じの中に、切なさもにじませ、型の芝居の中に的確に心情を織り込むところが、ニクい。
そして、起き上がるまでに、何度もくずおれる、“足萎え”の風情が見事だった。何十年も死んでたんだもんね…[もうやだ~(悲しい顔)]
ま、エリザベートの死者の黒いヴェールみたいなのを引きはがして、再生する場面で、うまく剥がれないヴェールを引きちぎっていたような気もするけど…[あせあせ(飛び散る汗)]そのオトコマエなベリベリッ[どんっ(衝撃)]感も含めて、祐飛さん、ステキでした[黒ハート]

こうして蘇った、榊の前と都大路ですれ違った晴明、なぜか、「母上…」と呟くのであった。

設定として、榊の前と晴明の母である葛の葉が似ているらしい。
榊の前は、自分の死後、保名がこともあろうに畜生(狐)と契って子をなしたことが、恨めしい。
しかし、似ているということは、

  1. 保名が榊の前を忘れかねていたからこそ、同じ顔の葛の葉を愛した[揺れるハート]
  2. そもそも、葛の葉が保名の前に現れるために、人間に変身する時、保名の心が望んでいた顔にした、ということは十分あり得る[exclamation]

こういう理由もあったのでは[exclamation&question]

2幕目では、晴明に対峙し、一瞬ごとに、榊の前と葛の葉を演じ分ける祐飛さん。
ちゃりーんという音で、キャラが変わる。保名を愛するがゆえに、保名とその子供である晴明を呪う榊の前。そして狐の自分を呪い、共に暮らせない息子への愛に溢れる葛の葉。慈愛と狂気と切なさと恨みと…様々な感情が祐飛さんの身体から、広いフェスティバルホールいっぱいに広がる。
やがて、晴明と保名を混同した榊の前は、恨みながらも愛しそうに晴明に寄り添う。その妖しい美しさ[揺れるハート]
人外を演じさせたら、ほんと、神がかるわ[ぴかぴか(新しい)]
そんな榊の前の背に貼られた護符を引きはがす、晴明[exclamation×2]またしても勝負は、晴明の勝ちとなる。

野村萬斎さんの晴明は、やっぱり今でも素敵。そして梅若玄祥さんの立っているだけでもすごいパワー。
そんな中、祐飛さんの存在感、美しさ、色気[キスマーク]

式神のセンターで踊るさあやの可愛さもたまらないし、ちびあず(琴音)のちょこちょことした動きが、実に式神っぽくてツボでした。
そして、「天守物語」でも共演した文学座の二人が、台詞のない場面でしっかり芝居をしている姿に感動した。

願わくは、再演を[exclamation×2]東京でも観たいな~[るんるん]

“今日は何の日”
【2月27日】
豊臣秀吉、吉野で花見を行う(1594=文禄3年)。
(←旧暦。新暦では4月17日となる。)

5000人もの家臣を従えて吉野で5日間の盛大な花見って…どんだけの権勢、どんだけのワガママ…[あせあせ(飛び散る汗)]


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「誤断」終わりましたね! [┣大空祐飛]

WOWOWで放映されていた、連続ドラマW「誤断」全6回、終了しましたね[exclamation]

第1回放映から、怒りに震えまくる「隠ぺいの恐ろしさ」を描くドラマでしたが、まあ、率直な感想を書くと、最終回だけは、肩透かしでした[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

ご覧になっていない方のために簡単にドラマの内容を説明すると、大手製薬会社の長原製薬の広報部に勤務する槙田(玉山鉄二)は、通勤途中に人身事故を目撃する。列車に轢かれて亡くなった男は、長原製薬の薬を使用していた。実はこの薬、コーヒー等のカフェインと一緒に服用すると意識の混濁を起こす薬だったのだが、「使用上の注意」欄にその旨の記載が洩れていた。
しかし副社長の安城(小林薫)は、この事実を闇に葬り、被害者の家族には、お見舞金を支払うことで、すべてを解決しようとし、槇田に特命を与えた。安城の指示に従いながらも、槙田は激しい違和感を感じる。やがて、槙田は安城自身が40年前の新入社員時代に、会社の隠ぺい工作に加担、それを足掛かりに創業者一族でもないのに、重役に出世したことを知る。
その40年前の事件…台風が長原製薬の拠点を襲い、タンクが倒壊、廃液が海に流れ込んだことにより、死んだ魚を食べた住民が、次々に発病し、亡くなるという事件が起きた。安城は、死者が出たすべての家との間に示談を成立させ、事件は収束した。
ところが、40年が経過した今頃になって、その時子供だった住民が、40年前の住民と同じように発病していることがわかってきた。40年前、土地は長原製薬の恩恵を受けていた。しかし、既に本社は東京に移転、もはや長原の恩恵を受けなくなった住民は、あらためて訴訟の準備をしていた。そのリーダーとなったのが、弁護士の高藤(柳葉敏郎)。祐飛さんは、高藤を助ける弁護士、宮本佳織役。

高藤は、長原病を発症した妹を既に亡くし、自らも長原病を発症した状態で訴訟の準備をしていた。
そんな原告団に対して、槙田は、訴訟ではなく、和解を提案する。
謝罪と、賠償、そして、特効薬の開発を条件として。

ドラマのラストで、副社長の安城は罪を認め、謝罪する。そして、長原製薬は国の保護のもと再建を図る。槙田は、長原製薬に残り、婚約者の真弓(蓮佛美沙子)と古い新居に引っ越すところでドラマは終わる。
高藤は、海を見ながら、ひっそりと亡くなる。

ちょっと待った[exclamation×2]
新薬の開発はどうなった[exclamation&question]
もちろん、一朝一夕に特効薬ができるなんて、思っていない。でも、原告団が訴訟を諦めたのは、槙田の「長原製薬の新薬開発能力は日本一です」という発言に賭けたからだと思う。
そして、40年前のカルテ焼却を救った、長原家三男・紀博(甲本雅裕)も、死にたくない、できれば、結婚したい、子供も欲しいと言っていたのに、叶わないのか[exclamation&question]そんなの、可哀想じゃないか…[もうやだ~(悲しい顔)]
ハッキリ言って槙田の引っ越しシーンなんかいらないから、せめて、新薬の開発頑張ってる場面をほんの少しだけでも見せてくれたら救われたのにな…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]

そして、監督の言っていた、祐飛さんのとっておきの笑顔のシーンって、どれ[exclamation&question]

“今日は何の日”
【1月4日】
獄門廃止。(1879=明治12年)

「市中引き回しの上、打ち首、獄門!」時代劇の裁判シーンではおなじみですが、「獄門」とは、罪人の刎ねた首を街角にさらすこと。「さらし首」。明治時代になってからは、「梟示(きょうじ)」という名前でこの刑罰は継続され、佐賀の乱を起こした江藤新平は、梟示されています。
明治12年の太政官布告第1号により、「獄門・梟示」は廃止されますが、「斬首の刑」自体は、1881年まで執行されています。


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丸の内キャリア塾スペシャルセミナー [┣大空祐飛]

25ans 大空祐飛にきく、タカラヅカ流・自分磨きの視点~ビジュアルも、メンタルも、より美しく… 

無事参加することができましたので、私の目線での感想をアップしてみたいと思います。

第一部は、おなじみ竹下典子さんとのトーク。祐飛さんは、可愛いアレンジポニーテールの髪に、シャツワンピ、腿のところに穴のついたレギンスに厚底のブーツ(オープントー)。全身黒の上に、さらに黒のネックレス。雰囲気だけ、へたくそな絵でご紹介してます。

25ans.jpg 

宝塚は昨年100周年を迎えた。そのイベントなどに参加し、自分が歴史の一人だったことが、あらためて不思議に感じられる。本当に自分だったのか、と。
宝塚は人間としても、女性としても、自分のキャリアになっている。素晴らしい教育を受けたと思います。

子供の頃は、自分としては、スチュワーデス(現キャビン・アテンダント)になりたかった。
宝塚は、母が好きだったので、自分も観ていた。
中学に入った頃、急に目が悪くなり、裸眼である程度の視力が必要なスチュワーデスが選択肢からなくなり、同じ頃、向いていると勧められたこともあり、宝塚が目標になった。

中卒で最初の受験、合格。ただ、この時は、受かると思ってなかったので、15歳で人生が「決まっちゃった」という感じ。
とはいえ、いきなり両親から離れての生活にも、ホームシックにかかったり…とかは、なかった。音楽学校生活に戸惑いもなかった。宝塚が好きで、同じ目標の友達がいる生活が幸せだった。むしろ、中学時代は、まだ目標のない人が多いので、話が合わないというか、馴染めなかった。クラスメイトと自分のモチベーションが違うので。
…なんだけど、中学時代、真剣にレッスンに通っていた…というわけでもなかった(笑)。

初舞台の思い出。
ラインダンスをやりたくて入ったわけじゃないので、踊りながら、「まだ、これか」という感じ。
初舞台で盛り上がる同期の傍らで、「私がやりたいのは、これじゃない。早く、次、いこーよ」みたいにクールな生徒だった。
もちろん、同期の友達のことは大好きで、同期全員が一緒に出られるのはこの初舞台公演が最初で最後なことは十分分かっていたのに、日々考えていたのは、そんなことだった。
でも、そこからガーッと上がったか、というと、全然のんびりしていて、カメの歩みだったんですけどね。

芸名ができて、生まれた時から持っている本名との使い分けに悩んだのは、5年~7年くらいの間。
本当の自分との間の違いが大きくて。「シブヤという…あ、言っちゃった、みんな知ってますよね[exclamation&question][わーい(嬉しい顔)]」本名の自分を消して行く作業が必要だった。同時に自分の中の女性性も。
気持ちがリアルに動きたいから、芝居や映画を見ても男性心理を追っている。そのうちに、楽しくなってきて…そうやって男役・大空祐飛が厚みを増して行った気がする。

節目は、18年目…[exclamation&question]いや、違う…(しばらく考えて)何年目か忘れましたけど、月組から花組へ組替えになったこと。
カメだった、というか、一番出世が遅かった記録保持者なんですが、この組替えで、カメじゃなくなった。
周りが自分を変えてくれた、というか。

とはいえ、出世が遅かったけど、自分の中では、トップになったのは、ベストタイミングだった。万一、早く出世していたら、楽しめなかったと思う。やりたいキャラクターを演じることができたのも、カメだったおかげ。

同期が早く出世したり、下級生に追い越されたりした時の気持ちは、「しょーがないなー、人に負けても」だった。自分には克服できてないことは、自分が一番わかっているから。
おススメはできないけど、一番遅いからこそ、一番楽しんだと思う。役者として、抽斗が増える。
あまりにも紆余曲折なジェンヌ人生を送って来たため、組替えになったり、抜かされちゃったり、足踏みしたりしている後輩から、よく相談を受ける。
そういう時、「経験が財産だよ」って言っている。「あなたを抜いた人は、この思いを知らない」と。

「読書家ですよね?」と聞かれて、「本から学ぶというより、切り替えるのに読書は有意義」と。読書家なんてものじゃなく、濫読。でも、小さい頃から本を読んでたおかげで、読解力はできたと思う。
感覚がつかめる。本が友達。本の中の人と気が合う感じ。

トップになれたことは、男役を味わい尽くしたいと考えていたから、嬉しかった。
退団については、すでに、なってもならなくても退めることを考える時期だったので、むしろ、これで退められる、という感じかな。ただ、納得して退団められることは、幸せだと思った。

退団後は、しばらくしんどいだろうなーと思っていた。トップという仕事は、下山が一番大変だと、先輩にも聞いていたので。
山をちゃんと降りるために、退団後、まず、富士山に登って下山を経験しようとした。
その時二つ考えていたことがあって、なかなか富士登山というのは、最初から成功しないと聞いていて。でも、登頂できたということは、その時考えていたことは、GOなのかな[exclamation&question]と思った。(富士登山に賭けた思いの具体的な話はなくて残念[たらーっ(汗)]
宝塚でトップが受けるスポットはきついので、暗いところだと、何も見えなかったりする。そして、しばらく、引きこもりのナマケモノ生活へ。
でも、ちゃんと(トップを)下山したんじゃないかなーと思います。早めに下りられた方だと思う。色々なことを受け止めながら。

で、苦労は続く…という感じ。
また、すべてが経験。
女優人生、最初からうまくいくはずはないと思っている。そして、また抽斗が増える。…ということで、苦労を楽しんでいる。
退団後、やっぱり舞台に立ちたい思いと、女優にイメージがわかない思いと、その両方があって、どうしたらいいかわからなかった。
でも、蜷川幸雄さんに出会って、「滝の白糸」を教えてもらって、自分はこれやらないと後悔する、と思った。
結局、中毒というか、板の上の方が楽。舞台に立っている方が、健康にもいい気がする。
自分が好きなことをやったらいいんじゃない[exclamation&question]と思う。
今は劇団じゃないので、毎回違うカンパニー。いろんなジャンル、いろんな役者さんと出会うのが新鮮で面白い。でも、人見知りが激しいため、なじんだ頃に千秋楽が来てしまうのは、残念。少し、改めなくては、と思います。

女を演じることについては、どうかという質問に、「それより、宝塚は夢の世界。竜宮城。世界が違う。お客様も宝塚ファンの方」と。
演劇を見に来るお客様は違う。応援するつもりで来てはいない。
男役女役ということより、ステージのジャンルの違いの方が大きい。宝塚で女役を演じても、ここまでの違いはない。

今後の目標については、「目標は立てたことがない」と。
「今を精一杯やれば、いつか、どこかにたどり着くでしょう」という言葉で、締めくくられた。

第二部は、「25ans」編集部の本田さんも加わって、「美しくなる」というテーマについてのお話。スクリーンに実際の25ansの誌面が映し出され、祐飛さんもそれを眺めて率直な反応を示したり…。「少女マンガ顔を作る」という記事に、笑っていた。

どうしたら、美しく「魅せる」ことができるか、ということについて。
全身写す鏡が大事だと祐飛さん。現役時代から、全体像をいつも必ず見ていたとのこと。遠くから見た自分、その全体的なバランスを見ていたとか。それは、「人からどう見えるかな」という確認でもあったのかも[exclamation&question]

本田さんは、25ansの取材で、宝塚の生徒さんにも何人か会っているということで、「タカラジェンヌが基本、ファッション等、セルフプロデュースしている」ことに驚いたとか。
祐飛さんの美へのアプローチは、「自分を知ること。姿勢、歩き方も大切」ということ。

25ansでは、「動いた時にキレイ」という特集もやっていたそうで。そか。姿勢と歩き方ね[exclamation×2]
祐飛さんは、現在、「体幹トレーニング」をしているそうです。基本、いつも、体は動かしてるみたい。

ダンスとかは?と聞かれて、「ダンスは体にいいような、悪いような…」と。相変わらず、ダンス、嫌い[exclamation&question]
ダンスは体のためにやるものではないので、無理な動きとかもあるとか。

この辺で、「お忙しい中、お越しいただきまして…」的な発言を聞き、首を振る祐飛さん。ヒマなのかっ[あせあせ(飛び散る汗)]

「美」といっても、やはり重要なのは、「健康的な美」。
祐飛さんは、「健康食品に弱くて…」健康にいいと聞くと、つい買ってしまうらしく、現在、「朝から飲むもの多すぎて」困っているそう。なので、無理に全部食べるのではなく、基本的に「今、欲してるものを食べる」そうです。
ただし、「酵素はずっと飲んでます」とのこと。
わーい[るんるん]私と一緒[黒ハート]
健康食品は、「過剰摂取もよくないから、追い詰めないようにしています」と。

次に、女優になって、変わったこと…という質問に、悩んで、悩んで、答えが出ない。
「変わってないのかしら[exclamation&question]」と笑う祐飛さん。
ただ、男役時代は、今とは体形が違っていたとのこと。男性役と女性役では、使う筋肉が違うから。
今は、「うっかり大股で歩き過ぎないというのは、演じてる時は気をつけてます」とのこと。プライベートでは、いいらしい[わーい(嬉しい顔)]

ファッションについて、ほかに語っていたのは…
「役によって気分が変わる」
ほぉ…真昼野ひかるさんは、可愛くて綺麗な気分だったのですね[ぴかぴか(新しい)]
「昨日似合ってた服が今日は似合わないってこと、ありません[exclamation&question]
これは、お友達と最近、そうだよね、と同意した話らしく…そういう微妙な違いにも気づく職業なんだなぁ~とあらためて思った。いや、私が、鈍感なのかもしれないけど。
「気分に合わせて変える。変わった気分に合わせて、ピッタリなものを身に付ける」と。
「高めたい時、緩めたい時」、それに合わせてファッションも変える。「そのバランスが大事」。

「最近、ヘアスタイル変えた」と言い出した祐飛さん。しかし、その髪形では、変わったのがわからないよー[もうやだ~(悲しい顔)]
だいぶロングに?と聞かれると、「ロングって言うほど伸びてない」と。たしかに、長さはわりと一定かな。よく鬘を使う祐飛さん的には、一番いい長さなのかもしれないですね。

プライベートでは、「緩めのパンツスタイルが好き」だそうです。
「マニッシュだけど、緩め」という「甘辛のバランスを気にしてる」んだとか。あと、「好きな黒を着られるように、全体のバランスを考える」そうです。黒でパンツだと、どうしたってマニッシュになりすぎる、でも、女優としてちゃんとフェミニンに装いたい、だから、バランスを考えているんだろうな。それも、日によって、マニッシュよりだったり、フェミニンよりだったり、気分で変える…そんなことなんじゃないかな。

女優として、「人の視線で美しくなるというのは、ある」と思っている。
女性だけじゃなく、男性の俳優も、「舞台に出ると、みんな稽古とは顔が違う」いい顔になっているそうです。だから、一般の人も、
「キラキラする場に出かけたら顔変わるかも[exclamation&question]」と。

客席でオシャレしてる人は、舞台からわかるそうです。そういえば、前にお茶会にいらしていた芸妓さんに、今日、舞台ご覧になってましたよね?と聞いていたことがあった。明るい色の方が、舞台から気づきやすいみたい。

休日は、「おひさまをあびたり、本を読んだり、美術館二行ったり」。
というところで、竹下さんから、2016年春から開始される、『ルノワール展』の音声ガイドを担当する、という発表があった。そして、祐飛さんは、とても熱心で、仏頭展の時も、奈良まで見学に行ったんですよ、みたいなことを教えてくれた。
「自分がかかわるものは知っていたい」んだそうです。
「出合ったもの、すべてに興味もちたい」とのこと。

最後に、「より美しく」について、祐飛さんのコメントは…

  • 美しいものをそばに置くと、呼吸できる気がする[ダッシュ(走り出すさま)]
  • すべての出合いがギフトだと思う[ぴかぴか(新しい)]
  • 規則正しい食生活は大事。夜何時以降は食べないとかはなくて、遅くても食事はする。だって、終演時間が遅いから。でも、そういう時は、翌朝調整して、全体でバランスとれればいいかな[わーい(嬉しい顔)]
  • 一番楽しいことは、家で本を読むこと。あと、エキサイティングな舞台。出合いが自分を磨いてくれる[かわいい]
  • 輝いている人の周りには人が集まる。だから、自分を磨きたい[ひらめき]

女性みんなで、がんばりましょ[るんるん]

と締めくくった祐飛さんは、最高にキュートでした[黒ハート]


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「表現者ノマド」-4 [┣大空祐飛]

「表現者ノマド」4回目の今回は、会場が同じ新宿の工学院大学になり、人気教授の大会場での講義みたいな感じで、ちょっと面白かった。後方席は階段状になっていて見易かったし、席の前がテーブルになっていたので、メモも取りやすかったし。でも、わりと背筋を伸ばして拝聴している方が多かった印象。
祐飛さんは、髪を纏めることもなく、眼鏡をかけることもなく、黒地に白い模様のシャツワンピースに黒のレギンスを合わせ、黒のミュール。
ゲストは作家の平野啓一郎さん。お、初めての男性ゲスト!
まず、現在、毎日新聞に連載中の小説「マチネの終わりに」の冒頭部分を、平野さんと祐飛さんが交互に朗読するところからスタートした。しかも、最初の仕切りは平野さん。
いつもは、祐飛さんがスタートの挨拶をしてゲストを呼ぶ感じだったが、今回は二人が同時に登場。帰る時も、平野さんが先に出たのだが、なんか祐飛さんが一緒に来ないのを怪訝な感じで見ながらの退場だったので、同時スタート同時解散的に考えていらっしゃったのかも?
(一応シリーズものなので、祐飛さんは、今日のまとめとか次も楽しみにしてくださいとか、言わなきゃなのですよ[あせあせ(飛び散る汗)]

あくまでも地の文を含めた朗読であるが、ヒロインの小峰洋子が話すシーン付近で交替し、そこは祐飛さんが担当する感じで進んでいく。わりと素で朗読する祐飛さんは、先日の「赤毛のアン」とは違って、祐飛さんのしゃべりのクセが出ていた気がする。
だから、“…アン”に関しては、演劇の公演に出演すると同じように、口跡を矯正し、何度も練習を繰り返したんだろうな…と、逆に感動[ぴかぴか(新しい)]そして、それでも、平野さんの朗読とは全然違う聞きとりやすさで…これがプロってやつなんだろう、と思った。
平野さんの朗読は、作者朗読ってやつで、普通に小説を目読したのでは感じ取れない作品のニュアンスが伝わって、おお…なるほど…と思ったが、やはり日本語の特徴として語尾が弱くなる。そして、自分の作品ゆえに「あえて平板に」読んでしまったのか、それほど面白くはない。
この間、坪内逍遥先生が自ら翻訳した「ハムレット」を堂々と朗読しているテープを聴かせていただいたが、昔の文豪って、役者やなぁ[わーい(嬉しい顔)]
出だしを聴いた感じでは、「失楽園」とかそういう方向性に行きそうな、運命のラブストーリーが予感できたが、私が電車の中で読んだ最新の部分では、別の女性が主人公の槙野の妻に収まっており、妊娠中だった。どゆこと?
(そこはバックナンバーを読みましょう…ってことですかね)

平野さんは、1975年6月22日生まれ。祐飛さんがちょうど1歳お姉さんってことですね。
子供の頃は本が嫌いだったそうで(「暗夜行路」(志賀直哉)なんか読むからだとは思う)、中学生の時に「金閣寺」(三島由紀夫)を読んで感動し、本が好きになったと。で、その頃から、思いついたことを文字に書きたい欲というのが生まれてきて、たとえば、線路の表面が月に照り映えて美しい…みたいな感動を文字に残したいという風に思うようになった。そして、17歳の時に小説を書きたいと感じた。
とはいえ、そもそも、子供のころから、本当のことと、ウソとの境界線があぶない少年だったようで、「作文」で本当のことを書くよりは、面白いことを作って書いていたとか。
一番ヤバかったのが、「人権週間」で募集された作文で、いじめられていないのに、いじめられている少年になりきって作文を書いて賞をもらったこと。職員室に呼び出されて、いろいろ質問されたとか。最近、時効かな?と思って話し始めた出来事だそうで。
みんなが作文に本当のこと(=つまらない)を書いているなんて、思わなかったらしい。(そうとう変わっている…[あせあせ(飛び散る汗)]

そして、史上最年少(当時)で、芥川賞を受賞。以来、様々なジャンルの小説を書き続けている平野さん。
ここから、クリエーターとして、アーティストとしての平野さんに、祐飛さんが質問していく。まず、祐飛さんが、自分がどんな風に平野作品を読んでいったか、を語った。
最初に読んだのが、「決壊」。すごーくすごーく怖い話だったとか。でも、次に読んだ小説は、まったく違った風合いのもので、作品によって文体までガラリと変える平野さんのスタイルに、すっかりやられてしまったとのこと。
祐飛さんは、そんな作風を「演劇的」と感じたようです。
「俳優には、役を自分に近付けて演じる人と、自分が役に飛び込んでいく人と二つのタイプがあると思うけど、小説家もそういう風に分けるなら、平野さんは後者な気がします」と言う祐飛さんに、平野さんは、文体も、登場人物も、「世界観を伝えるアート」のパーツである、みたいなことを話してくれた。祐飛さんはすごく共感したみたいで、自分も役を演じる時、その役の人物として生きるだけじゃなく、ハコ、額縁を考えて計算する、みたいなことを語ってました。
平野さんは、マイルス・デイビスがジャズとは、サウンドであると言ったように、文体で世界観を出したいと思っているとのこと。でも、その世界観も、今の社会状況とは無縁ではなくて、大きな事件や災害が起きた時などは、こういう世界観のものを書いていていいんだろうか…と、思うこともあるとか。
祐飛さんも作品を選ぶ時、振り幅広く…とか考えるけれど、それだけじゃなく、「今、何が求められているのか」ということは、常に念頭にあるそうです。あと、自分と違う人物を演じると、豊かになるというか、役から何かを学べるというようなことも言っていたかな。
平野さんは、19世紀の文豪バルザックが、「典型としての人物」の描き分けみたいなことをしていて、たとえば警官のプロ、通行人のプロみたいな登場人物がいて、それがすごい、結局はそこに回帰するということを言っていた。これは祐飛さんには面白かったらしく、平野さんは「典型」じゃなく、そこからちょっとねじ曲がったところを書くのかと思っていたと。でも小手先じゃない「典型」には、やはり力があって、そこに+αの味付けをするっていうことは、あるけど…みたいな話だった。「こく」が必要だと。
平野さんは、作品をクライマックスから考えるそうで、そこに至る道として、冒頭から物語を紡いでいくとか。山道みたいなものなんだとか。だからラストシーンから考えるわけじゃないと。クライマックスまでくれば、自然とあとは勝手にラストに辿り着く…みたいな。ただ、最近は、起承転結じゃなくて、起・転・転・転・結みたいな構成を編集者から求められることがあって、と苦笑。
だけど、長編っていうのは、その長さを体験したこと、読破したこと、も含めての読書なので、そんなに事件ばっかりあって目先の興味を惹くのも違うんじゃないか…的なやんわりとしたお話も。
祐飛さん、爆発するにはエネルギー(をためること)がいるのにねーと。
ただ、長編を引っ張っていく主人公や主な登場人物は、それだけの力が必要なので、「脳内オーディション」をやっているんだとかいう面白い話もありました。平野さんって脳内が演劇的なのかもしれないですね。戯曲とかは書かないのかしら?
そして、ここから、今日の対談のテーマ的な部分に入っていく。
ちょうど40代にさしかかった才能ある二人だからこそのテーマ。
平野さんは、大学生の時に芥川賞を取って、作家として順調に成功してきているので、「30代までにやりたいことはやってしまった」人。そして祐飛さんは、10代~30代の多くの時間を宝塚の男役として過ごし、今、ゼロからの女優人生を歩き始めた人。
40歳というのは、スタート切るのが早かった人にとっては、さて、これからどうしよう?となる時期のようです。
平野さんが祐飛さんに、「退団したあとの人生設計は、在団中から、していたんですか?」という質問をされていました。
「男役を極めることしか考えていなかった」と答えた祐飛さんは、退団後、女優という道を選択して、今、新たな一歩を確実なものにしつつある。そんな祐飛さんにとっての40代は、「出力上げたら部品がついてこないこともあるかもしれない。でも若いエネルギーだけじゃないものが出せるかもしれない」とのこと。
また、40代の恋愛について、「恋愛が人生の全部にはもうできない」と、平野さん。そんな風に書いたら非現実的。だから、複雑な条件下じゃないと恋愛ができない、と。もちろん、これは、小説ということだと思うけど、逆にもう少し年齢が上がると、再び、敢えて恋愛が人生のすべてになる小説が書けるのかもしれない。「失楽園」を書いた渡辺淳一さんのように。
で、この辺で、平野さんから、「宝塚で男役を極めてきた大空さんだから、実生活の恋愛模様は、男性を知り過ぎていてやりにくいのではないか」という直球質問が登場。
たぶん、興味津津だったと思うんですよね。
宝塚の元男役トップスター。でも、今目の前の祐飛さんは、楚々とした知的な美女で。
祐飛さんは、現役時代、映画を見ても芝居を見ても、男性側に感情移入して見ていた。そうやって、自分の中に「男性脳」ができて、どんなときにも男性的な考え方ができるようになった。そこまで10年くらいかかった。だから、今は、男性の方とお話ししても、だいたいどんなこと考えているかわかりますね、とのこと。
それは嫌ですね…と言う平野さんに、「そうじゃなくて、気持ちを理解してもらえる、と考えてほしい」とのこと。
そして、今の女性は…男性はもちろんですが、仕事もしっかり頑張っている人が多いので、恋愛だけに全部行ってしまうのは、難しい方が多いんじゃないかと思いますね…みたいな、自分事でなく、女性全般に向けたさすがの如才ない発言に、それ以上突っ込まなかった平野さんも、ちゃんと空気読んでるな…と思った。

祐飛さんは、宝塚時代、男性としてリアルな感情が動く人物を作りたかったが、その一方で、やはり宝塚だし、観客はほとんど女性なので、最後は夢で…という風に考えていたとのこと。そんなリアリティと美しさと細やかさを平野さんの小説から感じるそう。
そんな共感の秘訣について、平野さんは「偉人と共感すると嬉しい」みたいな話を。すっごくダメダメなことがあっても、「トーマス・マンもそうだった」と思えれば慰めになる…みたいな。
祐飛さんも、相手が魅力的だと共感したいと思うんじゃないか…という話をして、客席の共感は役者のエネルギーになると、だから、共感持っていったもん勝ちだとにっこり。
祐飛さん自身は、共感しやすいというか影響されやすい部分があって、人物にも本にも影響を受ける。
平野さんの小説もそうだけど、難しい山に登りたいような本がある。空想の余白に快感を感じると。
それに対して、「わからない快感」というものもある、と平野さん。わからないとこが同じヒトと話す楽しさってのもある、と。
舞台も最後は、人間味、人柄になると思うが、平野さんがこの順番で書いているということに興味がある、と。全体通しての私、みたいなのを感じるとか。
平野さんの読書スタイルも、一人の作家を全部読む…みたいなところがあるそうで、ここでも二人は共感しているみたいだった。
色々なタイプの小説を書いている平野さん、「ある一定のクオリティがあれば、どんな内容でもついてきてもらえる」と考えているそう。信頼第一。
祐飛さんも、たしかにチケットを売っている以上、期待には応えるという気持ちがあると。
平野さんは、「お知らせ」の部分からもう作品は始まっていると考えているそうで。そういえば、今回の講義にあたって配られたチラシの中に、連載開始時の作者コメントがあって、そこからして、ホントのこと?それとも、ここさえフィクション?と思わせる謎を秘めている。こうやって読者のハートを掴むのが平野流エンターテイメントなのだろう。
新聞連載は、原稿用紙にすると1日2枚半くらい。1話の中に必ずクライマックスを持ってくる必要はないけど、切れ目には気を遣うとか。あんまりスッキリ終わっても、あんまりハラハラするところで終わっても続きを読んでもらえなそうなので…と。

小説を書いたりしないんですか[exclamation&question]と平野さんに聞かれた祐飛さんは、小説家という職業に憧れたことはあったけど「才能がない」とキッパリ。でも、文字や言葉が好きだし、一人でできるし、自分が考えていることを吐き出したい気持ちもある…だから、エッセイみたいなものから始めたいかも[グッド(上向き矢印)]と。
それは読んでみたいです[黒ハート]
でも、平野さんは、小説の方が本音が書けると自分は思っているので…と、小説をおススメしていた。

仕事を選ぶ時の姿勢、祐飛さんは、かじりつきたい、食らい尽くしたい、欲望だけ[どんっ(衝撃)]
平野さんは、動機づけというか、書く意味について考えているというようなことを。なんか最後の最後に祐飛さんの方がやんちゃに思えて来た[わーい(嬉しい顔)]
そんな平野さん、書く上で大切なことは「寝ること」だそうです。
特に連載が終盤になってくると、山の上の方が酸素が少ないように、それまでの睡眠量では足りなくなるとか。
「マチネの終わりに」終了まであと少し、4月には単行本が出るとのこと。ぜひ、その際は、二人の恋愛の始まりから終わりまでをしっかりと読んでみたいと思っています。


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「キミに贈る物語・赤毛のアン」 [┣大空祐飛]

祐飛さん出演のリーディング名作劇場「キミに贈る物語」、急に決まった公演だったので、万障繰り合わせ、行ってまいりました[exclamation×2]

文化村.jpg

Bunkamuraに向かう途中、こんなものを見つけました。あの頃エッフェル塔の下で、嵐が過ぎ去るのを待っていた若者は、こんなに立派な女優さんになったんだなぁ~と[黒ハート]

今回の公演は、紙芝居・朗読・よみ語り・歌語り…などなど、様々な「語る」パフォーマンスを、出演者一人一人が単独で見せる…「語り」のコンサートのような不思議な舞台でした。一人一人のパフォーマンスが完全に独立しているため、今回は、祐飛さんのパフォーマンスのみ、ご紹介したいと思います。

舞台に登場した祐飛さんは、なんと、着物姿[ぴかぴか(新しい)]
美しい…[黒ハート]
行った甲斐があった[exclamation×2]…その瞬間、そんな思いで胸がいっぱいになった。
着物のことは恥ずかしい位、全くわからないのですが、斬新なコーディネート[ひらめき]生成りに紫色のヒエログリフみたいにも見える幾何学的な柄の…紬なのか、小紋なのか、遠目だったので予測すらつかない私ですが、それに、黒地に赤や黄色や青など、ビビットな色を筆でシュッと掃いたような帯を合わせていて、よくわからないけど、素敵[揺れるハート]でした。
半襟と足袋が色柄もの(半襟は紺地にドット柄だったかな[exclamation&question])で、足元は塗下駄。何を着ても似合うけど、こういう挑戦も素敵だなー[わーい(嬉しい顔)]髪形も、ヘアピースを使って華やかに仕上がっていて美しかったです[かわいい]

その姿で、語り始めたのは、「赤毛のアン」。
まず、このギャップにやられる[グッド(上向き矢印)]
作者、モンゴメリがどのような女性であったか…という説明から始まり、朗読へ。アン・シャーリーこそ、モンゴメリ自身では[exclamation&question]というような位置づけで、物語は始まる。たぶん、「赤毛のアン」ファンの方には、おなじみのストーリーだと思うが、「待ちこがれるピクニック~アンの告白」のくだりが朗読された。(アニメだと11話~12話の辺りかな?)
ここは、ほぼ、アンとマリラの会話で成り立っている。
アンという少女と、マリラという中年女性。祐飛さんの手にかかると、どちらもめちゃくちゃ魅力的な女性に思えるし、その言葉はどちらも説得力がある。
ふたつの章の間に、祐飛さんは、「What a Wonderful World」を日本語で歌うのだが、まさにアンの感じる世界は、そんな感じ。マリラの平凡な普通の人生さえもキラキラと輝いているよう。
私が「アン」のシリーズを読んでいたのは小学校の高学年くらいだったと思う。その時は、マリラがめっちゃ怖いおばさんに思えた。
でも、祐飛さんの演じるマリラは、素直に表に出せない優しさに溢れていて、ステキな女性[黒ハート]だった。

とても幸せな師走の贈り物でした。

「どうせやるなら覚悟を決めて10年やる」という森信三の言葉も引用し、最後に、祐飛さんが歌ったのは、玉置浩二さんの「しあわせのランプ」。力強い歌声に感動しました[黒ハート]


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