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「お勢、断行」感想(2) [┣大空ゆうひ]

「お勢、断行」、ゆうひさん以外の出演者の感想です。あらすじとゆうひさんの感想はこちらです。


倉科カナ(浅葉勢)…お勢。「お勢、登場」時にお勢を演じたのは、黒木華。倉持さんの中では、黒木華と同じ棚にいるんだな…というのが最初の感想。舞台への適正という意味では、倉科に変えた意味は理解できる。2017年当時の黒木は、舞台より映像が向いている女優だった。今、倉科は、舞台が旬な女優ではないかと思う。これからも、ガンガン舞台をやってほしい。
あと、男を次々翻弄していく魔性の女=お勢だと、黒木華っていうのがしっくりくるけど、千代吉や泉原先生との関係は匂わす程度で、むしろ、18歳のお嬢様・晶との「エス」の関係を色濃く見せるという意味でも、倉科の起用は正しい気がする。
大正時代らしい衣装の着こなしも素敵で、肝の据わりっぷりが心地いい、かっこいいお勢様でした[exclamation]


梶原善(六田梅次郎)…カイザー髭に紋付き袴で、常にえらそうな代議士先生。腹の据わった男に見えて、実は、小心者で、女とみれば見境ないところもある。お金のためなら、土下座くらい平気でできそうだが、その実、人に見下されると激昂する。典型的な「偉い人」ですね。
「鎌倉殿の13人」でアサシン善児をやりながら、この振り幅[exclamation×2]さすが、梶原さん、です[黒ハート]


正名僕蔵(坂口三紀夫)…本当に病気じゃないのに、家族の希望でやっかいな人物を入院させている坂口医院。入院患者の待遇は、極めて悪い。もう二度と退院させないわけだし、家族も面会に来ないのだから、推して知るべし。警察での捜査がストップしたのは、六田が手をまわしているゆえ[exclamation&question]警察官を辞めてまで、捜査を続けている天野の存在によって、危機感を感じている。そうなると小心者の本心が表われ、他人の失策が気になって仕方がない。
そんな小物感が、めちゃくちゃツボでした[黒ハート]


千葉雅子(西民子)…坂口医院の院長より肝が据わっている看護婦長。無駄口をきかずに最適な行動をとるし、納得しかねることも上の指示であれば、反論はしない。それでも、胸にわだかまる思いを忘れることはない。生後8ヶ月で亡くした長男を「生きていれば28」と、死んだ子の年を数え続ける一面も。
ハスキーボイスがセクシーでかっこいい。「マーキュリー・ファー」日本初演のヒメ役の千葉さんと共演できたのは、ゆうひさんにも幸運な出会いだったと思う。


江口のりこ(仁村真澄)…松成家の女中。飄々とした風貌で、常に毒をはらんでいるようなセリフを吐く。表立っては口に出さないが、実は、奥様に肩入れしているのではないか…と思われる。電灯工夫の河合とは同郷で、過去に何かがあったようではある。
人が死んだり、閉じ込められたり…と陰惨な物語の中で、江口のすこーんとぶっ飛んだ演技が、からっとした空気を醸成して、よいスパイスになっていた。
真澄だけは幸せになってほしいな。


福本莉子(松成晶)…2020年公演では上白石萌歌がキャスティングされていた。もかちゃんだったら、どんな晶だったんだろう[exclamation&question]
素直で愛らしく人を疑うことを知らない両家のお嬢さん。それは嘘ではないけれど、序盤から最後まで、父親への強い愛情を表明し続ける。それが、既に執着の域に達していることが、物語の最後で明らかになる。
ヘタウマなのか、本当に下手なのか、よくわからない女優さんだな…[あせあせ(飛び散る汗)]色々わざと演じていたんだろうか。


池谷のぶえ(泉原初子)…もう、ヤバい[あせあせ(飛び散る汗)]大きく結った時代っぽい髷姿にど派手な着物。嫌味な口調。そして、やたらブチ切れる。ゆうひさんとのキャットファイトとか、もう、見たいものみんな見せてもらえて、超うれしい。大好きです[黒ハート]


粕谷吉洋(天野潮)…しつこい探偵さん(元刑事)。一番理不尽に殺されてしまったけど、一番、核心に近かった人かな。電殺シーンが怖かったです…[爆弾]


堀井新太(河合信也)…2020年公演では柳下大がキャスティングされていた。もう引退してしまったので、今回は堀井さんが演じることになった。不運な巡りあわせになっちゃう人っていますよね、と、ついつい頷いてしまうキャラ。しかも同情されずに、さらに貶められる的な…[あせあせ(飛び散る汗)]
逆ギレしてもちっとも怖くないし、最後に六田に撲殺されるのも、あー、だよねーって思ってしまう、気の毒な信也くん…素敵でした、というのもアレですが。


阿岐之将一(六田梅次郎・代役)…梶原さんが濃厚接触者となった兵庫公演で六田役を演じたスウィングの阿岐之さん。もしかしたら、大物政治家なのかも…と思える部分もあり、生来の二枚目な姿を生かした役作りを感じた。阿岐之さんの加入で、兵庫公演は、少しリアル寄りだった気がする。どちらも観劇できて、さらに作品の奥深さに気づかされた気がする。


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