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「イントゥ・ザ・ウッズ」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「イントゥ・ザ・ウッズ」


作詞・作曲:スティーヴン・ソンドハイム
脚本:ジェームズ・ラパイン


演出:熊林弘高
翻訳・訳詞:早船歌江子
音楽監督・指揮:小林恵子


美術:杉浦充
照明:笠原俊幸
音響:山本浩一
衣裳:原まさみ
ヘアメイク:鎌田直樹
ムーブメントディレクター:柳本雅寛
指揮:大河内雅彦
歌唱指導:やまぐちあきこ、横山達夫
稽古ピアノ:若林優美、森本夏生
演出助手:田丸一宏
舞台監督:藤崎遊


企画・制作:梅田芸術劇場


昨秋、偉大なクリエイターであり、本作の作詞・作曲を手掛けたスティーヴン・ソンドハイムが亡くなった。とはいえ、本公演の稽古中のことだったらしいので、追悼で上演が企画されたわけではない。
私自身、これまで、本作を観劇したことはなかったが、望海風斗退団後初ミュージカル出演…ということで、今回は食指が動いたという感じ。
ストーリーも全然知らずに席に着いたが、思っていたのとは、ちょっと違う、皮肉で悪ふざけのような「なにか」だった。


ベッドの上で休もうとする三人の子供たちに話して聞かせるように、謎の男(福井貴一)が物語を始める。三人の子供たちは、やがて物語の登場人物になっていくー
このミュージカルは、「赤ずきん」「シンデレラ」「ジャックと豆の木」「塔の上のラプンツェル」の登場人物たちが出てくる。そこに、オリジナルキャラクターのパン屋の夫婦が絡む。
子供が欲しいのに恵まれないパン屋夫婦(渡辺大知・瀧内公美)は、その原因が、魔女(望海風斗)の呪いだと知る。魔女は、彼女の望む4つのものを手に入れてくれたら、二人への呪いを解くと約束する。森には、不良になりかかった赤ずきん(羽野晶紀)、ちゃっかりしたシンデレラ(古川琴音)と継母(毬谷友子)、二人の姉(湖月わたる・朝海ひかる)、ジャック(福士誠治)と母(あめくみちこ)、ラプンツェル(鈴木玲奈)、そして王子たち(廣瀬友祐・渡辺大輔)らが、それぞれの理由でやって来ている。
パン屋夫婦は、赤ずきんから赤いずきん、シンデレラから金の靴、ジャックからミルキーな白い牛、ラプンツェルからコーン色の髪を手に入れることができるのだろうか。
という、アイテム集め的なストーリーと思わせておいて、第2部になると、いろいろと悲劇的な展開に…[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]


童話が原作だし…と、構えずに観ていたら、一筋縄ではいかない展開に、あわあわ、と焦っているうちに、終幕。まさか、次々に登場人物が死んでいく展開とは思わなかった[あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)][あせあせ(飛び散る汗)]
ソンドハイムの作詞・作曲ミュージカルというと、唯一ちゃんと観たのが「メリリー・ウィー・ロール・アロング」で、あれも、ちょっと難しい話だったなぁ…。
世間では、本作の演出と、一部の出演者の歌唱力への批判がすごいと聞く。
たしかに、メロディーラインが複雑で、歌いにくそうな曲だな~と思ったが、圧倒的な歌唱力で、音符の海を自在に泳ぎ回る望海の歌声は、難解ゆえの楽しささえ感じさせ、この人の歌声に浸かっている幸せがすごすぎて、あんまりほかの出演者の歌唱力については、覚えていない。
でも、二人の王子とラプンツェルも素敵な歌声だったし、(王子ズのデュエットのハモりの美しさ、ラプンツェルの声量は圧巻[るんるん])ちょこちょこ挟まれる、日本でしか通用しなそうなギャグも、それなりに笑ってしまったし、もっとイケてないミュージカルなんていくらでもあるのに、どうしてここまで叩かれたんだろうな~と思った。
「イントゥ・ザ・ウッズ」の本邦初演は2004年(この時、神田沙也加がミュージカルデビューしている)だそうなので、その頃からこの作品を観て、ナンバーにも詳しい方は、「ちがーう、こんな曲じゃない[exclamation×2]」と思うのかな[あせあせ(飛び散る汗)]


シンデレラの影(歌なし)が、シンガー・則松亜海だったことも、攻撃に拍車をかけているのかもしれないが、(96期で最初に抜擢されたため、叩かれまくった宝塚時代を思うと、こんな時代が来るのか…と不思議に思う)そもそも、則松は、スウィングとしてこの作品に参加しているので、それを書かずに批判するのは、どうかと思う。
スウィングは、複数の役に対応する代役。誰かが出演できないことが発生しない限り、舞台に出演することがないのが本来だが、それでは申し訳ないということか、日本の場合、「最終的に舞台に出演するスウィング」というのもあって、今回の則松は、そちらのパターン。
スウィングは複数の役(今回だと、女性役全部)を覚えるので、本役を付けられると、その分さらに覚えることが増えるから、歌のない影というのは、ちょうどいい落としどころだったのだと思うので、亜海ちゃんが美声を聞かせてくれなかった…とお嘆きの皆様は、ぜひ、夏の帝劇「ミス・サイゴン」をご覧くださいね。


望海のミュージカル・デビューは、予想通り、見事な歌唱だったし、濃いキャラを楽しそうに演じる姿に、今後の活躍を確信した。
先輩の毬谷、湖月、朝海コミカルなトリオも美しく、宝塚ファンにも楽しい作品だったことも付け加えておきたい。


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