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ミュージカル「ローマの休日」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「ローマの休日」


原作:パラマウント映画「ローマの休日」
脚本:堀越真
演出:山田和也
音楽:大島ミチル
作詞:斉藤由貴
オリジナル・プロデューサー:酒井喜一郎


音楽監督:竹内聡
歌唱指導:山川高風、やまぐちあきこ、高野絹也
振付:桜木涼介


美術:松井るみ
照明:高見和義
映像:栗山聡之
音響:山本浩一
衣裳:前田文子
ヘアメイク:岡田智江
アクション:渥美博


イタリア語翻訳:関口英子
イタリア語指導:マルコ・ズバラッリ


指揮:若林裕治
オーケストラ:東宝ミュージック、ダット・ミュージック


舞台監督:佐藤博
演出助手:鈴木ひがし


プロデューサー:服部優希、今村眞治、村田晴子


製作:東宝


コロナ禍の後、最初に行った帝国劇場は、「ジャージー・ボーイズ・コンサート」だった。その時以来の帝国劇場は、もうだいぶ対策も落ち着いていて、安心して観劇ができた。
「ジャージー・ボーイズ・コンサート」を観ながら、ボブ・クルーの配役が変わったことに、太田基裕ファン※として、ちょっと残念な気持ちはあったが、でも、この「ローマの休日」アーヴィング役は、宝塚でいえば2番手役だし、初帝劇でWとはいえ2番手なのは、素直に嬉しい。
※いろんな俳優さんのファンを公言していますが、公式FCに入っているのは、ゆうひさんとスタジオライフともっくんだけなので、かなりちゃんと観ている…ハズ。


物語は、パラマウント映画「ローマの休日」そのままに進行していく。プログラムに脚本の堀越氏が記載しているように、この映画のファンの方は、本当に細かいシーンまで記憶していて(時には、妄想の記憶もある…[爆弾])、それゆえに、些細な変更もできかねた様子。
とはいえ、ミュージカルなので、アン王女が宿泊先の宮殿を抜け出すシーンなどは、盆を利用して楽しいミュージカルシーンに転換されている。楽曲も美しくて、耳なじみがいい。(なんと、作詞が斉藤由貴と知って、驚いた[ひらめき]
また、場所がローマなので、イタリア語があちこちで登場する。
映画的には、町の人々がイタリア語で話し、アメリカ人のジョーやアーヴィング、新聞社の人々は英語で話し、外国からやってきた王女たちも英語で話している。
舞台では、通訳しないと話が進まないと思われる最低限だけ通訳的なセリフ(イタリア語の後に日本語で繰り返すとか)を入れたり、ヴェスパが市場に突っ込んだところでは、ジョーとアーヴィングが町の人々の言葉をアテレコする演出があったり…の工夫が見られた。


ご存じのとおり、ハッピーエンドとはいえないラストだけど、ジョーとアン、双方の成長物語として、幸せな気持ちになれるラストシーンだった。
ただ、主演がアン王女の方だったということは、カーテンコールまで気づかず、びっくりした。え、そっちなの[exclamation&question]


では、出演者感想。(太田基裕FCでチケットを取ったため、残念ながらアーヴィングWキャストの藤森慎吾さんの観劇だけはかないませんでした。ご了承ください。)


アン王女(朝夏まなと/土屋太鳳
某国の王女。ヨーロッパ歴訪の旅最終地点であるローマに到着し、そろそろ疲れもピークに達している。自らにのしかかる重い責任と、道具のように日程をこなすだけの毎日に、精神が揺らぎ始めている。それが爆発し、医師から精神安定剤を注射された直後に宮殿を抜け出したため、夜の街で人事不省に…[exclamation×2]助けてくれたジョーが新聞記者で、アン王女の独占取材を狙っていることなど、少しも知らずに、ただ親切に感謝し、やがて二人は惹かれあうが…
土屋太鳳は、アン王女の持つ、輝くばかりの若さと美しさを体現していて、若いって素敵ね~[ぴかぴか(新しい)]と思った。ただ、お歌が…なんだか、どうしようと思うほどで…やっぱりミュージカルだから、どうなんだろう[exclamation&question]という気がした。
ジョー役の二人が長身だったので、背伸びしてのキスシーンは、あ~こんなに身長差[exclamation×2]と思ったが、少女漫画とか宝塚じゃないので、実際に身長差のあるカップルって、こういうつま先立ちのキスはしないだろう…とか思う私は、冷めすぎでしょうか。ダンスは優雅で美しかった。
朝夏まなとは、王女の高貴さが自然と身についている感じ。長身に衣裳が似合っている。つま先立ちのキスシーンはどうするのか…と思ったら、なるほど、こうやるのか~という感じ。違和感を感じさせないところは、宝塚で培った技術だなぁ~と思った[キスマーク]しかし、朝夏も歌が…え、ここまで[exclamation&question]という驚き…そもそも初演が大地さんなのに、そんなに難しい歌なんだろうか…わからない…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


ジョー・ブラッドレー(加藤和樹/平方元基
タイプの違うジョー。加藤は、たぶん、こんなところに居るべき人ではないんだろうなぁ~というのが伝わってくる。何かがあって、今、ローマで意に沿わない仕事をしてるんだろうなぁ~というか。そして、王女を金の道具にせず、何かを守ったことで、元の自分を取り戻すようなイメージ。平方は、ローマでの生活をエンジョイしている日常があって、それが、王女との出会いを経て人生が変わる感じ。
どちらでも成立する話なんだな~[わーい(嬉しい顔)]映画の、グレゴリー・ペックは加藤型だったけど、だからって平方が不正解なわけではない。丸一日の恋が、その人の人生を変えるのであれば、どっちでもいいのだ。
何から何までかっこいい加藤ジョーと、どこを切り取っても可愛く感じられる平方ジョー、どちらも大変素敵でございました[黒ハート]
歌の安定感といい、ストーリーを回していく力強さといい、どうしてこの作品、ジョーが主役じゃないんだろ[exclamation&question]
百歩譲ってもW主演じゃない[exclamation&question]


アーヴィング・ラドヴィッチ(太田基裕)※Wキャストの藤森慎吾さんは観ていません。ごめんなさい[あせあせ(飛び散る汗)]
映画版のアーヴィングや、三人芝居版の小倉さんが小柄なので、上背のあるアーヴィングがちょっと違和感だったけど、最初のナンバーで、すぐにその違和感も消える。
山田演出では、アーヴィング=三枚目ではなく、二枚目半。ジョー以上にローマでの生活をエンジョイしているアメリカ人だし、ジョーとの関係性もよき相棒だと分かる。そして、ポーカーで大勝したこともちゃんと伝わっている。宝塚版で足りなかったのはここだな…と、あらためて感じた。(宝塚版の感想はこちら。その2にリンクしていますが、そこからその1も見ることができます。)
カフェに呼び出されたアーヴィングは、椅子を倒されたり、酒をかけられたり、さんざんな目に遭うが、ここの酒は、本当に水をかけられていて、その日によって本当にぐっしょり濡れていることもあって、舞台はまさに水ものだな~と思ったが、ここでイヤな気持ちにならないのは、男性が演じるアーヴィングだからなのか、演出の妙なのか。立ち直りの早いアーヴィングのカラッとした明るさや、ジョーに対して主体性が感じられるところ☆…などから、かわいそうに感じなくてすむのかな。
☆アーヴィングがやってきたのは、もちろんジョーに呼ばれたからだが、最終的には、彼自身が「これはよい仕事ができる」と考えたから。決して引きずられているだけではない。それが感じられることで、ジョーに振り回されている感が減じ、イヤな感じがしなかったように思う。ちょっとした演出の妙を感じる。
一世一代の写真公表の危機に、「俺だってスミティは好きだよ…ちくしょー」みたいなセリフが、あったかくて、心にしみた。恋愛が絡んでいない分、彼が特ダネを諦めるのは、彼の心からのやさしさゆえ…これこそ、アメリカの正義、かっこいい[exclamation×2]
最後の取材時、あえてライターのカメラを使う茶目っ気まで映画を踏襲してくれた演出にも感謝したい。
初の帝劇2番手(Wではありますが…)の重責を十分に果たせたのではないか、とうれしく感じた。カーテンコールでの主役三人のわちゃわちゃ記念撮影も毎回楽しく観ることができたし、終演後のアナウンスも楽しかった。


ヴィアバーグ伯爵夫人(久野綾希子
王女の教育係としてヨーロッパ巡幸に同行している。コメディリリーフ的ポジションでもある。可愛らしいおばあちゃんであり、貴婦人である雰囲気はさすが。今回の作品では、音域が合わなかったのか、やや歌唱面で不調だったような気がする。


プロヴノ将軍(今拓哉
護衛の責任者としての同行だろうか。伯爵夫人とよいコンビ。歌も芝居も安心・安定、素敵な将軍でした。


マリオ・デラーニ(岡田亮輔
王女をショートカットにする、イタリア男らしいイタリア男の美容師。王女にそれと知らず惹かれているのはもちろん、でも彼女の意思を尊重する素敵なジェントルマンでした。


もう60年以上前の作品だけど、色褪せない魅力ある作品でした[黒ハート]
音楽が美しいので、できれば、歌唱力ありきでキャスティングしてほしいな~とは思いますが…。


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