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「フランケンシュタイン」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「フランケンシュタイン」


音楽:イ・ソンジュン
脚本・歌詞:ワン・ヨンボム
潤色・演出:板垣恭一
訳詞:森雪之丞
音楽監督:島 健
振付:黒田育世
美術:乘峯雅寛
照明:高見和義
音響:佐藤日出夫
衣裳:十川ヒロコ
ヘアメイク:宮内宏明
擬闘:渥美 博
ステージング:当銀大輔
歌唱指導:福井小百合
指揮:八木淳太
オーケストラ・コーディネイト:東宝ミュージック
舞台監督:廣田 進、松井啓悟
演出助手:長町多寿子
プロデューサー:篠﨑勇己(東宝)、住田絵里紗(ホリプロ)
Art Direction:小倉利光(YELLOWNOTES)
Photographer:HIRO KIMURA (W)


初観劇でした。
この「フランケンシュタイン」は、メアリー・シェリーの怪奇小説をベースに、すべてのメインキャストが二役を演じるという、趣向が取られている。フランケンシュタインという怪物の誕生に、人間の醜さや欲望の存在があるので、そういった人間の二面性を描く…という意味があったのかな、と思った。
しかし、とにかく楽曲が難しくて、同じ人が演じる役なのに、それぞれ音域も違ってたりして、これって、一人二役で演じるには、日本人キャストの実力が足りないのでは[exclamation&question]と思ってしまった。特に女性キャスト…ほんとに韓国(あ、この作品は、韓国ミュージカルです[exclamation])では、この二役をできる女優さんがゴロゴロしてるのでしょうか[exclamation&question]


ストーリーは、大筋、シェリーの原作に沿っているが、細かい部分については、改変もされている。
いちばんの改変ポイントは、怪物の「人間だった頃」を創作した点だろう。原作では、名もなき死体から、フランケンシュタイン氏(博士ではない)が、怪物を「創造」したことになっているが、このミュージカルでは、ヴィクター・フランケンシュタインとの間に交流があったアンリという人物を怪物にした、ということになっている。自分のせいで死刑(ギロチン)になってしまったアンリの首と胴を繋ぎ、蘇生を試みる。はたしてアンリの蘇生に成功するが、彼の中身は、心優しい生前のアンリのものではなくなっていた。


「怪物」となったアンリは、紆余曲折の末、見世物小屋に拾われていた。
ここでは人間の欲望や、卑しい心がむき出しになっていて、メインストーリーのキャストが、ここで別人物を演じる…というのが、この作品の見どころになっている。(アンリ⇔怪物は、このカテゴリに入らないけど…)


19世紀ヨーロッパの都会に巣食う退廃と、キリスト教的保守性を堅持した田舎を対比した、面白い演出なのだが、一人二役前提であるにもかかわらず、譜面は、別の音域の二人用としか思えないような感じ。さらに、どの曲も、めっちゃ難曲で、歌ウマと思われる出演者が、めっちゃ苦戦しているのだ。そこまでして、二役やる必要あるのかな…というのは、考え所だな…と思った。
同じ人が演じるからこそ、人間というものの二面性を表現できる、観客に知らしめることができる、というのは、もちろんあって、その一方で、本当に美しいメロディーを表現しきれないのでは、勿体ないというのも、もちろんある。原産国の韓国には、これだけの譜面をものにできる、歌が上手くて音域の広いミュージカル俳優がごまんといる…ということなのだろうか[exclamation&question]


「フランケンシュタイン」としてのもの悲しさはそのままに、人間の心が持つ美しさ・醜さを余すところなく描いた舞台、それを100%表現できるミュージカル俳優が、日本にもいっぱい登場してほしいな、と思った。
アッキーだけは、余裕を感じる出来だったけれど。


<出演>
ビクター・フランケンシュタイン/ジャック…中川晃教(※Wキャストで柿沢隼人)
アンリ・デュプレ/怪物…小西遼生(※Wキャストで加藤和樹)
ジュリア/カトリーヌ…音月桂
ルンゲ/イゴール…鈴木壮麻
ステファン/フェルナンド…相島一之
エレン/エヴァ…露崎春女


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