SSブログ

ILMセクハラ騒動 [┗エンタメへの想いとか薀蓄とか]

クリスマスイブ、いつものように忙しく働き、そのままヤマハホールに直行、「I LOVE MUSICAL」を楽しんだ。その後、タイムラインを確認することなく、能天気に、「楽しかった[わーい(嬉しい顔)]」とツイート。(夜野アカウントではなく、以前から使っている個人アカウントです。)たいしてフォロワーもいないアカウントなのに、知らない人のリツイートが数件入っていて、不思議だな…と思っているうち、全く知らないアカウントのツイートがリツイートされ、たいへんなことが起きている…と知った。
ショックだった。
私が見たツイートは昼公演に対するものだったが、夜公演でも似たようなことが繰り広げられていて、私は、それを、微笑ましく観ていたのだ。ふだん、フェミニストを自認している私が、まったくスルーしてしまった…[爆弾]ということに、唖然とした。
それと同時に、新納さんが、セクハラ男優として拡散されていることに、戦慄した。
そんなあれこれを、考えてみたい。


<私が見た事実と、その時の私の受けた印象と、そう思うに至った背景>
夜公演では、新納さんが美弥ちゃんの手の甲に軽く触れ、「これが退団後初舞台ということは、舞台上で初めて手を握った男、ということですね」というような、発言をしたと思う。
あと、別の場面で、私生活でもスカートをはいたりしないという美弥ちゃんに、「どうせなら、短いスカートはいて、胸元もバーンと開けて、ファンを成仏させちゃえばよかったのに」というような発言もあった。
ただ、しつこく手を握って離さなかったみたいなことはなかったし、美弥ちゃんが怯えたり、嫌がったりしているようには見えなかった。それは、美弥ちゃんが、美弥ちゃんらしさを失わず、飄々として見えたからでもあるし、私が、長年見てきた新納さんという俳優を信頼していたからでもあるし、そして、このようなやり取りに慣れ切っていたからでもあると思う。


<タイムラインで流れてきたツイート>
昼公演を観た方の発言。
新納さんの名前は書かれていなかった。
昼公演では、肩に触れていたらしい。そして、「舞台で最初に触った男」というような表現だったらしい。
この方は、以前、新納さんが「パジャマゲーム」で、みっちゃん(北翔海莉さん)に対しても、「舞台で最初にキスした男」というのを言っていたのを観たらしい。
そして、普段、私達、働く女性が、言うに言えず受け入れざるを得ないセクハラを、こうやって楽しみにしているエンターテイメントの世界で追認させられることの苦痛について語っていた。
その結果、楽しみにしていた公演が、つらい体験になった、とつづられていた。


<その後の展開>
このツイートについて、ものすごい数のリツイートが流れ、引用リツイートで、「新納ゆるせない」的発言もガンガン流れて行った。
それを見て、私は、すごく心が痛んだ。
それは、この発言に対して私自身が「何も感じなかった」ことに対するショック、そして、すべてを新納慎也ひとりの責任に帰してしまうのは、違うんじゃないか…という思いでもあった。


<令和の時代にそれはダメだよね>
この発言、昭和なら無問題、平成でもスルーされてきたようなこと。
でも、声をあげる人が出てきて、あ、そうだよね、そういう発言って、もう笑いを取れるものじゃなくなってる…って、やる側が自覚しなきゃいけない問題なんだな…と気づかされた。
宝塚って基本的に恋愛作品を多くやっているから、抱擁もリフトもキスシーンも、皆さん経験豊富。(キスシーンはフェイクですが[あせあせ(飛び散る汗)])なのに、「男性との経験」みたいな括りでことさらあげつらうのは、失礼だよね。


一方、キスシーンがフェイクなことで、退団後、●●さんとキスした[exclamation]と希少価値的発言をされることは、元ヅカあるある。というわけで、令和の時代は、宝塚もリアルなキスシーンをやってみるってのは、どうでしょうかね[exclamation&question]キスシーンの大好きな小池先生、いかがでしょうか[exclamation&question]
それと、フェイクのキスシーン、だからこそ、すごいステキなラブシーンができる…ということもあるわけで、(口紅がこすれたりするとその後の顔がマヌケになるため、舞台では、キスしながら角度を変えるような情熱的なキスシーンはできない)外部の舞台でも、キスをしないキスシーンの技術を元ヅカの生徒さんに伝授してもらい、よりラブシーンの完成度の高い舞台を目指す…というのも、ありなんじゃないかな、と思います。


<新納さんが悪いの?>
そして、今回の件、すべてを新納さんのせいにしてしまうのは、なんだか気の毒に感じた。
それは以下の理由による。
[1]今回のショーについては、構成・演出部分に、出演者も関わっていると、MCで語られていた。だから、このMCも出演者がある程度は関与している。また、昼公演で問題があったと出演者たち自身が気づいていたなら、出演者の意志で夜公演ではカットされるはずなので、(問題が公になった25日の公演ではカットされていた)新納さんの責任を問うならば、他の出演者(美弥ちゃん含む)の責任も問われるべきだと思う。
(もちろん、出演者の連帯責任にしたいと私が思っているわけではなく、言った一人の責任にしておしまいって話ではないということ[ひらめき]
[2]そもそも、新納さんが今回の発言が問題ないと思ってしまったのは、これまで、長きに亙って、このような「卒業直後の洗礼」みたいなものを、普通に受け入れ、声を上げてこなかった、歴代のOGのせいもあるかもしれない。てか、いまだに、バラエティーで笑い話のように語っている人もいる。「大丈夫だ」と思わせてしまう要素は、これら多数の卒業生が醸成してきたものかもしれない。
[3]芸能界にデビューしたばかりの美弥ちゃんがイヤとは言えなかったはず、という意見があったが、もし、24日の1stステージからこれを排除しようとしたら、美弥ちゃんが頑張るしかなかった。これで美弥ファンがイヤな思いをしたのなら、やっぱり責任の一端は美弥ちゃんにある、という風にツイート・リツイートした人は思わなかったのかな。
(宝塚時代は、贔屓以外の生徒の批判は書きづらい…ということもあり、我々ヅカファンは長年、作品が良くなかったら、演出家のせい、スタッフのせい、と書いて済ませてきた部分がある。少なくとも、私は、そういう自覚をしている。でも、外部で、何もかもを他の出演者のせいにする書き込みは、問題かもしれない。)
また、批判的なツイートにもあったように、現在の芸能界では、男役をやめたら女優になる…というのが既定路線になっている。もし、新規路線を行くのであれば、ファンだけの間で「性別・美弥るりか」と認識されるのではなく、例に出して恐縮だが、七海ひろきのように、自分の方向性を発信していく必要がある。MCのある今回のステージは、それに相応しい舞台でもあった。これからは、自分の思いややりたいことを効果的に発信していかないと、既定の枠にはめたがる周囲には勝てない。
会社で女子社員が、偉い人に「セクハラヤメテ」なんて言えない、というのとは次元が違う。自分発信をどれだけできるか、が生き残りをかけた戦いなのだと私は思う。
(もちろん、この件について、美弥ちゃんが、特に発信する気がなかった…という可能性はあるし、美弥ちゃん自身が大したことだと思わなかった、だから放置していた可能性もある。その場合、舞台裏で、私のせいですみません…みたいな話になっていたら、逆に可哀想だな…という気もする。)


というわけで、宝塚出身者の第二の人生スタート時においては、いろんなことがあるけれども、私は今後も、今回のILMメンバーみなさんを応援したいな~と思っている。(個人の感想です。)


nice!(1)  コメント(0) 
共通テーマ:演劇

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。