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宝塚花組全国ツアー公演「メランコリック・ジゴロ」ほか観劇 [┣宝塚観劇]

サスペンス・コメディ
「メランコリック・ジゴローあぶない相続人ー」


作・演出:正塚晴彦
作曲・編曲:高橋城
編曲:高橋恵
振付:尚すみれ
装置:大橋泰弘
衣装:任田幾英
照明:嶋田友紀子
音響:大坪正仁
小道具:加藤侑子
演出助手:栗田優香
衣装補:加藤真美
舞台進行:日笠山秀観


柚香光と水美舞斗…同期生の二人が中心となって回していく舞台、ということで、バディものの作品が選ばれたんだろうな…と思った。2番手スターが主演する全国ツアー公演、最近はそれほど珍しくないが、そのほとんどは、トップ娘役がヒロインを演じている。それができない場合は、公演2番手の男役が事実上の相手役を務めるべき…ということなのだろう。


で…その演目が「メランコリック・ジゴロ」なのか…。
私が観劇したのは、横浜公演。スタートの地だ。そして、若手の吸収力はすごい。自信のついた若者は大化けする。だから、千秋楽には、まったく違う感想が出ていてもおかしくないと思いつつ、私の観た、横浜の「メランコリック・ジゴロ」感想を書かせていただこうと思う。あくまでも、横浜時点での感想として。


私は、観ていないのだが、某女子大のミュージカルサークルの今年の学園祭の上演作品が「メランコリック・ジゴロ」だったらしい。このサークルの公演が、実際の宝塚の公演と時期が被るというのは、すごく珍しいと思うのだが、若手中心の今回の公演を観た時の第一印象は、「文化祭…[exclamation&question]」だった。
若さとわちゃわちゃ感に溢れていて、ふと青春時代を思い返してしまう…思えば、初演以来「メランコリック・ジゴロ」は、大人の芝居力で若さを表現していたんだな…本物の若者感は、これなんだな…という思い…そして、そういった意味での懐かしさと同時に、演劇として、ちっとも面白くない、と思った。
演劇って、リアルを見せるのとは、少し違っていて、リアルに見えるようにフィクションを提示するものなんだな。
演出は、正塚先生ご自身だったようだが、さすがの正塚マジックも、ここまでの若手布陣では、どうにも働かなかった…ということかもしれない。


では、出演者感想。
柚香光(ダニエル)…とにかくダニエル役が似合う、と思った。すんなりダニエル、どう転んでもダニエル、そしてたぶん、れいちゃんのダニエルは、最後にレジーナを罵倒しない方が似合うな。これからも王子様的な役、リアル男子的な役、色々な柚香光を魅せてくれるだろうし、その姿を見つめたいと思う。


水美舞斗(スタン)…柚香のダニエルがピッタリだっただけに、私としては、水美のスタンが残念だった。れいまいのバディものありきだったら、「愛するには短すぎる」の方が似合っていたと思う。
ちょっとちゃらい柚香の数倍ちゃらい水美という設定には違和感があった。ちょっとちゃらい柚香には、誠実な水美が似合うと思うのだが。うーむ…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]水美の特徴的な発声というのかな、声質と、カチッとしたセリフ回しには、あの、自分本位で、いい加減で、それなのに憎めない世良さん@まんぷくのようなスタンは、どうも違う。
もちろんキャラ違いだけが、残念の原因ではなく、若手の多いメンバーの中で、気合いが少々空回りしている感も、スタンらしくなかった。これは、もしかしたら、終盤にはまったく違っていたかもしれない。


舞空瞳(フェリシア)…のーんびりした、でも、ちょっと薄倖そうな役作りが、新しいフェリシアで、柚香のダニエルには、そんなフェリシアが似合っていた。初めてダニエルに会うシーンの空気読めない感が、「うざい」にならなかったセンスは大いに褒めたいと思う。


華優希(ティーナ)…可愛かった。そんなにうざくも、そんなにおバカにも見えない、ただもうスタンが大好きな、可愛い存在。
今回、若い二人の娘役は、新しい視点で、ステレオタイプでない、ちゃんと観客から愛されるヒロイン像を作っていて、今後の花組が大いに楽しみになった。


高翔みず希(浮浪者)…さすが花組のお父さん。この温かさに座組が救われた気がする。


羽立光来(フォンダリ)…びっくらしい、フォンダリ。びっくについつい求められるコメディリリーフ的な部分にも応えつつ、ただもう恐ろしい存在のおじさんでもあり、カティアの前では、やんちゃでステキな恋人だし…。今回は、恋人としてのフォンダリさんが特にステキでした[黒ハート]


飛龍つかさ(バロット)…一発でおなじみのバロット。飛龍は、笑いに偏ることなく、妻への愛に溢れ、でも、やっぱり面白くて愛すべきバロットになっていたし、やっぱり、こんなキャラでもカッコいいっていうのがすごいと思った。


真鳳つぐみ(ルシル)…キャラ的にはピッタリだと思っていたが、これだけの大役は初めてだった…のかな、ちょっと荷が重かったかも。あるいは、メイン2人を同期として気遣って自分が後回しだったのか…不満の残る出来だった。
でも、ラストの引っ込みは可愛くてよかった。


鞠花ゆめ(カティア)…いい女だった。やっぱりゆめ様で、場面の質がグッと上がる。今回は、びっくとラブラブで、二人の再会シーンにドラマがいっぱい見えた。


春妃うらら(アネット)…新進娘役用のワンポイント的な役を、演技力でここまで意味のある役にできるのか…と、もはや感動の域。もっと活躍してほしい娘役の一人だなーとあらためて思う。


華雅りりか(レジーナ)…意外と言っては失礼かもしれないが、良かった。
たぶん、「メランコリック・ジゴロ」の世界観、男役としては、まだまだイケるけど、女役は半分くらいの役が、今の時代、こんな風な描き方はダメ[exclamation]の典型になっている。そんな役を、今の女性の完成で、若手娘役たちが再構築してくれて、なんとか上演できているんじゃないかな。


冴月瑠那(ベルチェ)…安定の芝居で舞台を盛り上げ、安心させてくれた。るなちゃんがそんな存在になるなんて…と、公演のたびに感動している。ロジェ役の和海しょうと二人で、寒いギャグも全身で受け止めて演じていて…本当にお疲れ様でした…


一之瀬航季(マチウ)…いいところのない気の毒な役なのだが、ちゃんと二枚目だったし、ちゃんと可哀想だな…と思えるマチウ。花組の若手は、ステレオタイプで役を作らない子が多いのか[exclamation&question]5年後の花組の芝居がめっちゃ楽しみだぞ。


スパークリング・ショー
「EXCITER!!2018」


作・演出:藤井大介
作曲・編曲:青木朝子
作曲・編曲・録音音楽指揮:手島恭子
録音音楽指揮:橋本和則
振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、平澤智
装置:新宮有紀
衣装:任田幾英
照明:嶋田友紀子
音響:関谷健一
小道具:加藤侑子
歌唱指導:彩華千鶴
演出補:鈴木圭
衣装補:加藤真美
舞台進行:日笠山秀観


主演の柚香光は、初演からずーっと「EXCITER!!」に出ていて、「EXCITER!!」が大好きだそうだが、まあ、そもそも、「EXCITER!!」って生粋の花男のためのショーじゃないんだよね…[爆弾]だって、これまでは、他組から花組に組替えしてきたトップさん(真飛聖、明日海りお)の時に上演していて、花組育ちの蘭寿とむの時代は、一度も上演されていないもの。
だから、私は、「EXCITER!!」は、花組育ちじゃない男役が、花男になるための儀式だと思っている。
というわけで、生粋の花男であるれいまいがやらなくてもな…と思うのだが、なにしろ本人たちの意気込みがすごいのだから、しょうがなかったのかな…


第1章 Dream EXCITER!!ー夢の革命ー
ドリームゲートキーパーという、幕開きの若手男役は、飛龍つかさ、高峰潤、一之瀬航季の三人。
98・99・100期かぁ~[るんるん]若いね~[揺れるハート]
お芝居では、舞空瞳がヒロインを務めたが、ショーの方は、ポスターに掲載された二人の娘役が、場面ごとにヒロインを分け合った。が、芝居とのバランスを取るためか、上級生の華優希が、センターを取る場面が多かったと思う。
そんな華の最初の見せ場が、第1章を〆る主題歌のリプライズなのだが、これは…苦しかった…[爆弾]
お歌、頑張ろうね…[exclamation×2]


第2章 Beautiful Exciter!!ー美の革命ー
組長演じるゲイのデザイナーが登場し、クラシックの名曲を使って、各時代の男女が歌い踊る…みたいな、それほど面白い場面ではないのだが、初演が神配役(なんたって、まぁみりおんの初共演[exclamation])だったので、変更もされずに今日に至っている。
ま、若手に歌う機会が行き渡っていいか…という場面。


第3章 Men's Exciter!!ー男の革命ー
「EXCITER!!」おなじみのMr.YUからのシリーズ。
前回の「EXCITER!!」で、柚香は、Mr.RIO(明日海りお)のライバル、Mr.REIを演じていた。Mr.REIは、「マリンズJr.カンパニー」の若き社長。父・マリン氏(悠真倫)や、兄・SO氏(壮一帆)の写真も出てくる。
マドンナは、が演じるプリティ・ハンニャ。でも、この場面では、主役とマドンナは結ばれない。
昨年のリオのカーニバルで変身したクイーンハリーナ(羽立光来)が今年も少しでも美しくなりたいと、チェンジボックスに入るが、機械が故障、修理したビューティー・マイティ(水美舞斗)が、社長になってしまう。
Mr.REIは掃除夫に降格。やはり主役は掃除夫になる運命なのだった。ちなみに、クイーンハリーナは、無事変身して、クイーンヒットン(舞空)に。
そして、ドリームガールズ(華雅りりか・真鳳つぐみ・音羽映見)によって、無事、変身し、クラブへと向かうのだった…[ぴかぴか(新しい)][ぴかぴか(新しい)]
長い長い連続シリーズを見ているようで、面白いのよね、この場面。
でも…ドリームガールズの歌は、ちょっと…いや、相当やばかった。やっぱ、歌うま三人娘揃わないと難しいよね、ここ。


第4章 Love Exciter!!ー愛の革命ー
ここで変身してイケメンになったMr.REIが、セクシーに踊りまくるのが、この章。
シーンの最後に、柚香、水美、飛龍と一緒に一之瀬が残って、美を競っていたのには、おおーーーっと思った。てか、名前は、「スターダム」の時に覚えたのだけど、顔は、今回、ようやくバッチリ覚えました[わーい(嬉しい顔)](遅い…)


第5章 Life Exciter!!ー命の革命ー
ハバナの場面。ここでは、舞空がヒロイン。
水美飛龍が、舞空を取り合ってナイフなんかを取り出したところへ、命の旅人、柚香が現れてナイフを地面に突き刺すと…
全員がダンサーなので、とっても緊迫した素晴らしい場面だった。


第6章 Tomorrow Exciter!!-明日への革命ー
そのままのエネルギーでフィナーレまで駆け抜けた感じ。
柚香・水美・華・舞空の4人によるWデュエットダンスも、若々しくて素敵だった。
「EXCITER!!」自体が完成されたショーなので、2番手の初主演ショーであっても、ある程度成功するというのは、あったかなーと思うが、これも、れいまいで回るのであれば、もう少しダンサブルなショーにした方がよかったかなぁ~とは思った。(個人の感想です)


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