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「ボヘミアン・ラプソディー」 [┣本・映画・テレビその他エンタメ紹介]

だいぶ昔に…と、調べてみたら、なんと、13年前の2005年のことだったが、クイーンのヒット曲だけで構成されたミュージカル、「We Will Rock You」を観劇した。しかも、リピーターチケットで、リピートもしていたらしい。
その公演を2回とも一緒に観た友人と、今回の映画も一緒に観た。その友人の方が、クイーン愛は深いと思うが、私も小学校6年生の頃からクイーンの楽曲には親しんでいるので、まあ、それなりに細く長いクイーンファンだと自覚している。
ちなみに、その公演は、新宿コマ劇場で上演されていて、なにしろタイトルが「We Will Rock You」だけに、観客が足を踏み鳴らすような場面があった。そのため、地下のシアターアプルに芝居をかけていた、キャラメルボックスさんがえらく迷惑した…という出来事があったらしい。当時の私のブログには、そんなことが書いてあった。
新宿コマ劇場は、その3年後に取り壊されてしまったので、おそらく、老朽化ということもあったのだろう。


で、ここからが、歴史の面白いところなのだが、「We Will Rock You」というミュージカルは、近未来の地球が舞台になっている。グローバル・ソフト社に支配された世界では、インターネットを通じて配信される毒気のないコンピュータ音楽しか存在しない。楽器を持つことは法律で禁じられ、ロックは歴史ごと封印されていた。そんな世界にも自由な音楽を愛するボヘミアンたちが、出現する…というような話なのだが、この、「毒気のないコンピュータ音楽しか存在しない」世界観って、後年、キャラメルボックスの人気演目となる「無伴奏ソナタ」のそれに似ている。
「無伴奏…」の初演は、2012年。上の劇場、うるさいぜ[exclamation]と思いながら、シアターアプルで公演していた、その、7年後に、同じテーマで、でも決して足を踏み鳴らしたりしない芝居を作るとは…わざとじゃないと思いつつ、なんとなく因縁を感じる。


このミュージカルは、監修に、クイーンメンバーのブライアン・メイとロジャー・テイラーを迎えていた。そして、登場人物の名前は、ガリレオ・フィガロとスカラムーシュ。あれから、13年して、今度は、楽曲を使ったミュージカルではなくクイーン自身の物語が、やはり、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの監修で製作されたことになる。
(ベースのジョン・ディーコンは、だいぶ前に音楽活動から引退しているそうだ。)
もっとも、ウィキペディア先生によると、「We Will…」のミュージカルも、最初はフレディの伝記的ミュージカルにする予定だったそうだから、15年の時を経ての、初志貫徹…ということだったのかもしれない。


前置きが長くなってしまった。
伝説のロックバンド「クイーン」の1970年頃から、ライブエイドの1985年くらいまでのフレディとクイーンメンバーの物語。
音楽シーンもふんだんに登場するが、長い尺を取っているのは、「ボヘミアン・ラプソディー」のレコーディング風景と、ラストのライブエイド。
それ以外は、短い音楽シーンを繋ぎつつ、ほぼ、フレディの人生を追っている。
トップスターだけが感じる孤独。家族的な雰囲気のクイーンだけに、メンバーがみな、結婚してからは、どんな時もメンバーは夫人同伴だったりして、そういう時に感じる孤独。ちやほやされて、クイアなパーティーに溺れる中、本当に大切なものは何なのかを見失っていくフレディと、そんな彼から離れていく人々…やがて、宣告されるエイズ…(彼がエイズと診断されるのは、この映画で描かれているより、数年先だそうだが。)
小学生からファンだったとか、ずうずうしく書いたものの、実際のところ、高校生になると洋楽からすっかり離れてしまい、再びフレディに接するのは、彼がソロアルバム「ミスター・バッド・ガイ」を出した頃だった。当時、エアロビクスの第一次ブームで、私も友人とつるんで、スタジオに通っていた。いつもヘトヘトになるエアロビの教室、ただ、「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」のロング・バージョン(旋風リミックス)がかかると、最後まで頑張れた。途中でランナーズ・ハイ的な状態になれるのだ。それは、フレディのあの声ゆえだと今も信じている。
なので、フレディのソロ活動が、メンバーへの裏切りのように描かれているのを見ると、なんだか、しょぼーん[もうやだ~(悲しい顔)]実は、これまでクイーン版の「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」は好きじゃなかった。打ち込みの音楽をバックに、フレディのボーカルが気持ちよく流れるオリジナルに比べ、それを分断するようなブライアンのギターソロが長い…とか思ってしまって…でも、この映画を見て、反省しました。
和解した新生クイーンが、もし、「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」を演奏することがあったら、フレディのボーカルは、クイーン用に新たな展開を見せていたと思うし、残された音源とクイーンの演奏を重ねているから、若干の違和感があったのかな…なんて、素直に思うようになり、YouTubeなどで、もう一度聴いてみて、うーん、いいかもしれない、ブライアンのギターソロ…なんて、宗旨替えしてます。


フレディの恋人から、生涯の友人となるメアリの物語も痛々しかったな~。
もう恋人じゃないのに、(てか、自分から離れて行ったくせに)真夜中に電話してくるフレディとかさ…ボーフレンドを紹介すると、なんか不満そうな顔するフレディとかさ、超ジコチューで笑った。人を見る目ないし、ジコチューなのに、周囲にはメンバーやメアリを始め、ジムなど、いい人が残る…という、フレディ無双な物語でした。


ブライアン・メイと、ジョン・ディーコンが、あまりに似ていて、絶句しつつ…ロジャー・テイラーを演じた、ベン・ハーディーが、マイ・ツボを直撃[exclamation]おデコの広い金髪は、どストライクなのよね…[黒ハート][黒ハート][黒ハート]
そして、ライブエイドが、後に本物の映像を確認してみると、ジョンのシャツのデザインとか、ピアノの上のペプシのカップとか、ディテールの再現率が凄すぎて、ウケまくっております。監督、オタクだよね、たぶん。


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