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「黒蜥蜴」観劇 [┣演劇]

「黒蜥蜴」


原作:江戸川乱歩
脚本:三島由紀夫
演出:デヴィッド・ルヴォー


美術:伊藤雅子
照明:西川園代
衣裳:前田文子
ヘアメイク:UDA
音楽:江草啓太
音響:長野朋美
映像:栗山聡之
舞台監督:小川亘
宣伝AD+D:東海林小百合
宣伝写真:土井浩一郎


興味はありつつも、直前まで予定が決まらなくて、もう行けないか…と思ったが、千秋楽の一週間前にどうにか行くことができた。


三島由紀夫の「黒蜥蜴」(原作=江戸川乱歩)は、過去にも観劇している。
美輪様の主演する版と、宝塚版と。(宝塚版は、三島由紀夫の脚本に拠っていない体を採っているが、原作から直接脚本を起こしたものとは思えない。登場人物のセリフは三島版を避けているかもしれないが、構成は原作より三島版に近い。)


今回は、日本通の演出家デヴィッド・ルヴォーの演出で、中谷美紀演じる黒蜥蜴と、井上芳雄演じる明智小五郎が対決する。
映像の世界で活躍する中谷と、ミュージカル界のプリンス・井上が、ザ・昭和な耽美的ストレートプレイに挑戦する。しかも、演出家は、親日家とはいえ、イギリス人のルヴォー。その、少しだけストライクゾーンを外れた部分の緊張感が面白い舞台だった。


メインの出演者は、ほかに、岩瀬早苗役の相楽樹、家政婦と見せかけて実は黒蜥蜴の手下役の朝海ひかる、宝石商・岩瀬役のたかお鷹、そして、雨宮潤一役の成河
それ以外の出演者は、ほぼセリフがなく、ダンスやパントマイムで状況を表現する。いつも、素晴らしい歌唱で宝塚出身者の名を高めてくれている真瀬はるか嬢も今回は、台詞なし。まあ、それでも、ホテルの行き交う人々や、岩瀬家のお手伝いさんなどは可愛かった。黒蜥蜴のアジトに舞台が移って位からは、アンサンブルメンバー、顔を墨で汚したようなメイクになっていて、これは何を表しているんだろう…と不思議な気持ちになってしまった。真瀬贔屓だからかしらね。
しかし、黒ずくめのスタイルで、何やら蛍光灯の棒のようなものを動かして、黒蜥蜴をサポートしつつ蠢く手下たちは、彼らこそがリアル黒蜥蜴のようでもあり、その不気味さがクセになる感もあった。


早苗の身代りである葉子と雨宮は、このドラマで唯一結ばれる恋人同士で、そうなるとも知らないうちに黒蜥蜴はこの二人の肉体を使って「恋人同士」像を作ろうとしている。さすが女の勘。
で、それって、若さの迸る清冽なエロ表現になる予定だと思うんだけど、なんというか、もうそれはない、と思った。
なんというか、この二人は、エロじゃない。ま、実際に、エロ像は実現しないので、よかったです。
二人とも演技派なので、不満ではないけど、エロしかないような男女を配しても面白かったのでは[exclamation&question]
最後に、相楽の二役で、本物の早苗さんが婚約者と登場するのですが…えーと、この人でよかったんなら、あの騒ぎはなんだったんでしょうか…[爆弾]すみません[あせあせ(飛び散る汗)]


中谷の黒蜥蜴は、圧巻の美しさ、儚さ。
40代になって、少しふっくらしたかな。腰のラインが豊かになったような…衣装のせい[exclamation&question]
でも、その肉感が、伝説の女賊に相応しい。オペラグラスから目が離せなかった。
井上の明智は、実にイケメン。それだけで絵になる。一度、美輪様とも組んでほしい…と思ったけど、顔の大きさ違いすぎるか…[爆弾]
朝海も、黒蜥蜴の子分として異彩を放っていて、ステキだった。でも…私の中では、朝海・成河・相楽って、ほんと、エロと真逆のキャラなの…なんか、わざとなのかな、このキャスティングって。井上も爽やかだし…もう少しエロがほしかった…[バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)][バッド(下向き矢印)]


ルヴォーのステージングは、マジックみたいで面白かった。ガラスを挟んでの表現とか、蛍光灯の縛りとか、どれも忘れ難い。
やはり観てよかったです。


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