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ショー「Sante!!」感想 [┣宝塚観劇]

レビュー・ファンタスティーク
「Sante!!~最高級ワインをあなたに~」


作・演出:藤井大介
作曲・編曲:青木朝子、手島恭子
指揮:塩田明弘
振付:羽山紀代美、御織ゆみ乃、若央りさ、ANJU、KAZUMI-BOY
装置:新宮有紀
衣裳:河底美由紀
照明:佐渡孝治
音響:大坪正仁
小道具:加藤侑子
歌唱指導:彩華千鶴
演出助手:竹田悠一郎
装置補:國包洋子
舞台進行:岡崎舞、荒川陽平


2002年、大劇場デビュー2作目のショー「Cocktail-カクテル-」は、ちょっとしたセンセーションだった。
デビュー作の「GLOURIOUS!!」もそうだったが、中詰にJ-POP…というより、歌謡曲をガンガンに持ってくる当時の藤井先生のスタイルが、宝塚的には珍しくて、それを宝塚のスターがかっこよく歌うのが目からウロコで…。
色々な意味で、若手演出家の新しい風を感じるショーだった。


あれから15年―
藤井先生は押しも押されもしない、歌劇団の中心的ショー作家に成長した。
そして、満を持して発表するのが、「Cocktail」の続編的なこのショーということになる。


序章 ル・ミリオー・ヴァン(最高級ワイン)
芹香斗亜・瀬戸かずや・鳳月杏・水美舞斗・柚香光の5人が、ボルドーの5大シャトーの美女に扮して銀橋で美を競う。長袖のレオタードの上にガウンをまとったスタイルで、美脚を微妙に隠しながらのダンスがニクい[ぴかぴか(新しい)]
そして、酒の神バッカス(明日海りお)やアンジュ<天使>の音くり寿・華優希・咲乃深音・舞空瞳が現れ、華やかにショーが始まる。
今回の舞台、これまでショーでは、あまり見たことのない、ワインカラー×金色の衣装が豪華。その衣装で、大階段にワイングラスの形に並ぶところとか…娘役もかっこよくて、ドキドキ[exclamation×2]
あとは、もう、スターがあっちにもこっちにも…というウハウハを楽しんでいたら、さらに客席降りがある…という…[ぴかぴか(新しい)]
大劇場の時は、客席降りメンバーは手ぶらだったのだが、ファンの声に応え、東京公演は、それぞれグラスを手に客席のファンと「サンテ」(グラスを当てて乾杯のポーズ)[ひらめき]まさに神演出[るんるん]


第2章 アロム・ド・フリュイ(果実の香り)
前章でバッカスから最高級の男グランクリュとなった男(明日海)が、さらに、KIZZAとなって客席を煽る。さらに、二人のソムリエ、ルージュ(美穂圭子)とブラン(星条海斗)も加わり…
KIZZAがフルーツや野菜で作ったワインを飲むたびに、ワインのレディが登場する。
ここの場面、詞はワインのことを歌っているのに、音楽は石原裕次郎の「ブランデー・グラス」というのが、笑える。藤井先生が枯れた頃、ブランデーをテーマにしたショーも観られるのだろうか…。
最後にKIZZAがべろんべろんに酔っぱらう姿は、「Cocktail」の頃と変わらないな~と思った。


第3章 オドゥール・アニマル(動物の香り)
ANJU先生振付のスーツ+ソフト帽の場面。
まずは、酒瓶片手にジゴロA(芹香)が登場し、銀橋で一曲。
そこから、一人、また一人とジゴロたちが登場して、チーム(芹香・瀬戸・鳳月・柚香)ごとにダンス合戦。そして、最後にジゴロS(明日海)が登場、30人以上いるジゴロ全員が一列になってピタリとポーズを決めるところは、ハッとする美しさだった。


さらにそこから、3組のダンスへ。明日海・仙名彩世のトップコンビを軸に、芹香・白姫あかり柚香・朝月希和の3組が、セクシーに踊り、銀橋を渡る。


第4章 サントゥール・デピス(香辛料の香り)
中詰は、まさかの料理フルコース。
まず、なぜか宮廷服とワッカのドレスに身を包んだ、ムッシュ・ライ(夕霧らい)とマダム・イブ(梅咲衣舞)たちがフランス料理店に入っていく。そこでは、シェフ(柚香)がアシスタント(城妃美伶)らと、調理の真っ最中。
プログラムによると、レストランの名前は「シャトー・ドゥ・ベルサイユ」。
ここから、シャンソンに乗って、料理たちがラテンの衣装で歌い踊る、というシーンへ(意味不明)。
オードブル(瀬戸・華雅りりか)⇒ポタージュ(星条・花野じゅりあ)⇒魚料理(芹香)⇒肉料理(明日海・仙名・美穗)⇒チーズ(鳳月・水美)⇒アントルメ(鳳月⇒桜咲彩花)と次々に踊り、歌い、さらに、柚香を中心としたカンカンもあり、そして、最後は全体でパレードとなる。
ここで再び客席降り。いや、本当にご馳走様でした[exclamation×2]


第5章 エルブ(ハーブの香り)
和海しょうの見事な歌唱に乗って、瀬戸水美(女役)が見事なオリエンタル風のバレエを見せる。何回観ても、水美の腹筋の美しさに吸い込まれてしまう私なのでした[黒ハート]


第6章 オドゥール・ドゥ・トレファク・シオン(ローストの香り)
エディット・ピアフ(美穂)と、ボクサーのマルセル・セルダン(星条)の悲恋を、名曲「愛の讃歌」乗せて描く場面。
ピアフの歌うシャンソニエ(シャンソン酒場)に登場する男女の衣装と動きがステキ。そして、恋人を不慮の事故で失っても、高らかに「愛の讃歌」を歌い続けるピアフの姿に、胸が熱くなった。


第7章 スー・ボワ(土の香り)
吟遊詩人ムッシュ・ポエット(芹香)と少女フィル・ダムール(仙名)だけが愛と平和を信じている世界。その他の住人・エラフルールは、天使(舞空)の翼をもいだり、互いに争ったり、すさみきっている。そこに、祈りの神デュー・ド・ラ・プリエール(明日海)が現れ、平和のために自分は何が出来るか、と歌い続ける。エラフルールたちは、デュー・ド・ラ・プリエールにも襲い掛かり、彼を屠り去ってしまう。
哀しみの中、フィル・ダムールが踊り、それに呼応するように、エラフルールの一人()が歌い出す。一人、また一人と、エラフルールは愛に目覚めていく。
そして、デュー・ド・ラ・プリエールがワインの神、デュー・デュ・ヴァンとして現代に蘇る。私の血が極上のワインとなって希望と命を注いだのだ、と。
キリストの死と復活をワイン(キリストの血)とかけている場面なのかな…と思うが、とにかく、群舞が素晴らしい。スターが後ろに回って若手が前方で踊ったり…とか、フォーメーションの変化が全員のパワーを呼び込んだのかな。しっかり盛り上がる場面でした。


第8章 フェルマンタシオン・マロラクティック(乳酸発酵による香り)
ムッシュ・ポエットとエラフルールの衣装のまま、序章で5大シャトーに扮した5名(芹香・瀬戸・鳳月・水美・柚香)が、男役として、序章の歌から主題歌を歌い、銀橋を渡る。
そして、仙名を中心とした娘役たちが、ダルマで踊りながら銀橋を渡る。


第9章 フルール・ルージュ(赤い花の香り)
「Cocktail」のANJU先生振付、長渕剛の「乾杯」の音楽を使った大階段の黒燕尾ダンスを再現。ボレロのリズムを刻みながら、銀橋に集まる黒燕尾の男役たち…これぞ宝塚!な、素晴らしい場面でした[揺れるハート]


そこから、トップコンビのデュエットダンス。新トップコンビのお披露目公演らしい、初々しいデュエット。


終章 Sante!!(最高級ワインをあなたに)
エトワールは、乙羽映見・朝月・更紗那知の同期トリオ。
仙名のヘアスタイル(ワインの瓶6本くらいが頭に乗っている)は、いかがなものか…と思いつつも、満足度の高いショーだった。


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