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「エレクトラ」観劇 [┣演劇]

「エレクトラ」

エレクトラ:高畑光希
オレステス:村上虹郎
イピゲネイア:中嶋朋子
アイギストス:横田栄司
クリュソテミス:仁村紗和
アガメムノン:麿赤児
クリュタイメストラ:白石加代子

演出:鵜山仁
上演台本:笹部博司
製作:りゅーとぴあ


白石加代子と高畑充希主演の「エレクトラ」。
上演されることは、昨年の「オフェリアと影の一座」の時から知っていた(おなじりゅーとぴあの製作なので)が、実際に観てみようと思ったのは、2月に観劇した「アトレウス」がことのほか面白かったから。その時の感想は、こちらです。
あらすじも書いてあるので、ぜひ読んでください。

今回の「エレクトラ」も、内容は「アトレウス」とほぼほぼ同じような展開。つまり、ギリシャ悲劇である。
ただ独白が重要なポイントになってもいるので、それぞれの独白枠をいい感じに繋ぎ合わせることもあって、内容は多少前後していた。

面白さという点では、「アトレウス」に軍配をあげたいが、最後の唐突な終わり方は完全に忘れていた。今回は、そこが全部持って行った感があるので、やはり、白石のインパクトはすごいと言わざるを得ない。
そういえば、アイギストスとクリュタイメストラが殺される順番は逆だった[exclamation×2]
でも、オレステスの遺体だと偽って相手に見せるというのは同じで、どっちにしても残酷な話である。(死んでほしいと思っていた相手の遺体を見るつもりでいたら、最愛の人の遺体だったわけで…)

実は生きていたことが明らかになる、イピゲネイア役の中嶋朋子、やっぱ好きだわ、このひと[るんるん]儚げな感じがたまらない。
ただ、この作品では、白石演じるクリュタイメストラが、自分を正当化するために、イピゲネイアが生贄になる場面をまるで見てきたかのようにおどろおどろしく語るので、この作品では殺されてしまったのか…と思っていた。白石の演技力にミスリードされてしまった人は多いのではないかしら[exclamation&question]

ダブルヒロインの高畑充希も、身体を張って、難役に挑戦していた。その迫力はすごかった[exclamation]
ただ、彼女はとても理知的な雰囲気が強く、セリフの喋り方も、相手を納得させてしまうような語り口なので、誰からも理解されないヒステリックな王女、エレクトラとはちょっと違うタイプかな…と思った。
そんなせいもあるのだろう、ダブル主演なのだが、やっぱり白石加代子の圧倒的な存在感が印象的な舞台だった。

舞台美術が素晴らしかった。プログラム買っていないので、どなたの作品かわかりませんが…家族の中に荒野があるような、ヒリヒリとした空気を感じさせるすごいステージだった。終わりの方で、オベリスク風の装置が、吊り上げられ、中に仕込まれていたアテネ像を使うところなんか、なるほど~[ひらめき]と、楽しく観ることができた。

そうそう、あと、さすが「パブリック」シアター[exclamation]と思ったのは、軽食がリーズナブルに提供されていること。近くのお店で食べるより、ここで食べた方がいいような気がする。


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