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「ラ・マンチャの男」観劇 [┣ミュージカル・音楽劇]

ミュージカル
「ラ・マンチャの男」

脚本:デール・ワッサーマン
作詞:ジョオ・ダリオン
音楽:ミッチ・リー
訳:森 岩雄、高田蓉子
訳詞:福井 崚
振付・演出:エディ・ロール(日本初演)
演出:松本幸四郎
演出スーパーバイザー:宮崎紀夫
プロデューサー:齋藤安彦

振付:森田守恒
装置:田中直樹
照明:吉井澄雄
音響設計:本間俊哉
衣裳協力:桜井久美
音楽監督・歌唱指導:山口琇也
音楽監督・指揮:塩田明弘
歌唱指導:櫻井直樹
振付助手:萩原季里
演出助手:宗田良一
舞台監督:菅田幸夫
製作補:関 恭一
制作助手:村上奈実
アソシエイト・プロデューサー:塚田淳一

なんと、これまで未見だったミュージカルですが…きりやんのおかげで初挑戦することができました[exclamation×2]

初めてゆえに、とんちんかんなことを書いているかもしれませんが、初心者だからな…[爆弾]と、あたたかい目で見ていただければ…と思います。

では、感想です。
まず、セットがすごい[exclamation×2]
開幕前から、なんじゃ―こりゃー[がく~(落胆した顔)]という巨大なセットがそびえている。
芝居が始まると、やっと意味がわかる。ここは地下牢なんですね[exclamation]用がある時だけ、階段が下りてくる。
すげー、かっこいい[グッド(上向き矢印)]
と同時に、帝国劇場という劇場の得意なセットってのがあるんだなーと感じた。「エリザベート」もそうだけど、重厚なセットがすごく劇場空間にマッチしている[ぴかぴか(新しい)]

さて、オーバーチュアの間に、薄暗い照明の中を、出演者たちが登場するのだが、暗くてもなぜかしっかり見えて、その動きで飽きさせない。
ミュージカルのオーバーチュア(主だったナンバーを編曲したインストルメンタル)は、幕開き前に演奏されることが多いが、この舞台は緞帳が開いた状態からスタートするため、こういった演出になったものと思われる。ただ、あまり動きすぎては、観客がそこに意味を求めてしまったりするので、ちょうどよい照明とちょうどよい動きだなーと思った。

セットが動き出し、おおっ、これは階段だなっ[exclamation]と気づく。
階段がゆっくりと下りてきて、現れたのは、セルバンテス(松本幸四郎)と従者(駒田一)。セルバンテスは、教会に税金をかけようとした罪で、宗教裁判にかけられようとしている。
でも、法の下の平等を訴えながら、宗教裁判にはビビっている。けっこう人間味あるな[わーい(嬉しい顔)]
牢名主(上條恒彦)が、セルバンテスのカバンを奪い取る。そこには、彼の最新戯曲が入っていた。セルバンテス以外には、何の価値もないものだが、字の読めない人にしてみれば、価値がわからない。ものすごいものかもしれない…と、疑心暗鬼。さらに、新入りのセルバンテスを監獄内の裁判にかける…と言い出したので、自らの正当性を証明するため、セルバンテスは、牢の中の囚人たちにその戯曲を演じさせようとする。
おお、こんなところにも、獄中の芝居という設定が[exclamation]
税吏でありながら、詩人で戯作者で俳優でもあるセルバンテスは、自ら、鬘、ヒゲ、眉毛を付け、化粧を始める。

こうして始まった劇中劇もまた、さらに入れ子構造になっていて、一人の老人、アロンソ・キハーノ(幸四郎)の妄想の中の老騎士がドン・キホーテ(幸四郎)という設定。アロンソの周囲の人間としては、姪のアントニア(ラフルアー宮澤エマ)や、神父(石鍋多加史)、家政婦(荒井洸子)、アントニアの婚約者で精神科医のカラスコ博士(宮川 浩)がいる。
アロンソは、様々な世の不条理に心を病み、とうとう遍歴の騎士、ドン・キホーテとして旅に出ることにしてしまう。アントニアはおじのことを心配しつつも、おじがおかしくなったことで、自分の結婚に影響があることも心配している。

旅のお供は、サンチョ(駒田)。しかし、ドン・キホーテは、サンチョの言う事なんか、全然聞いていない。風車に突撃して、剣をぐにゃぐにゃにされたりしている。
めげずに、ドン・キホーテは、「城」を訪れる。ここで、騎士に任じてもらおうというわけだ。
しかし、サンチョには、そこは、どう見ても、街道筋の安い旅籠にしか見えないのだった。
旅籠には、アルドンザ(霧矢大夢)という娘が働いている。彼女は、そこに寝泊まりするラバ追いの男達と寝ているが、男が好きなわけでもセックスが好きなわけでもない的な歌を歌っているので(あからさまな言葉ではないですよ)、小金目当ての行為なのだろう。
ところが、ドン・キホーテ、どういうわけか、彼女を騎士が想うに足る女性、ドルシネア姫と信じてしまう。

ドン・キホーテとアルドンザの会話はどこまでも噛み合わない。しかし、二人が話していることで、待ちぼうけを食わされたペドロ(大塚雅夫)がやってきて、アルドンザを殴ったことから、ドン・キホーテが怒り、彼に戦いを挑む。しかし、老いた騎士が若いラバ追いに敵うはずもない。サンチョが加勢し、老人虐待を見ていられないアルドンザも加担する。
途中から飛び込んできたラバ追いの男達も次々に片付け、三人はスカッとした気分を共有する。その時、アルドンザの中で、何かが変わった。

しかし、アルドンザは、あとでラバ追いたちから報復を受け、ドン・キホーテもムーア人の一味に身ぐるみ剥がれてしまう。そして、後を追ってきたカラスコ博士によって、周囲に鏡を立てられて、自分がドン・キホーテではなく、アロンソ・キハーノでしかないことを認識させられて失神する。
瀕死のアロンソは、ドン・キホーテとしての記憶を失っていたが、アルドンザが現れて、「見果てぬ夢」の歌詞を耳元で聞かせると、少しずつドン・キホーテとしての記憶を取り戻し、そして死んで行く。

そして、ちょうど、役人が現れ、裁判に向かうセルバンテスを、囚人たちが見送る。

歌舞伎じゃない幸四郎を観たのは、初めて。
もちろん歌舞伎の芝居とミュージカルは違うが、時々、あー歌舞伎とおんなじことやってるなぁ~という場面もあったりして、その辺が既に“幸四郎ラ・マンチャ”として定着してるんだろうなぁ~と思った。
歌舞伎あんまり観ない人には、ちょっとびっくりな口跡かもしれないけど(笑)まあ、概ね、台詞は重要なところが聴き取れればいいんです。
なんか楽しそうに演じているなぁ~[黒ハート]父上の代から、松竹より東宝と縁のある家柄。歌舞伎界も人材難だけど、それでも東宝ミュージカルを捨てるなんて考えもしないんだろうなー[あせあせ(飛び散る汗)]
そして、老騎士より、老田舎貴族より、セルバンテスに一番年齢が近く感じられたのは、心強い。元気な幸四郎を見られて満足。カーテンコールでは英語版の「Impossible Dream」を聴かせてくれた。

で、きりやん、ですよ。
すごいかっこいい[グッド(上向き矢印)]
衣装もピッタリだし、動きがきびきびしてて、気持ちいい。
ラバ追いたちからリンチを受ける場面は、やっぱり女なので、最終的には強姦、それも輪姦されるという悲劇なのだが、そのダンスシーンもキビキビと演じているので、痛々しさが若干和らげられた感じ。
ただ、歌声は、低音・中音は聴かせるが、高音が相変わらず弱い。美しい声ではあるが擦れるし。そして、意外と声量が感じられない。なんでだろー[exclamation&question]

サンチョ役の駒田が相変わらず素敵(当然)[るんるん]
そして、ミュージカルで初めて観たが、ラフルアー宮澤エマの歌声がとても美しくて、また次に観るのが楽しみになった。


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