「CATCH ME IF YOU CAN」感想 その2 [┣宝塚観劇]
全体的なミニ感想はこちらです。
では、出演者感想いきます。
紅ゆずる(フランク・アバグネイルJr.)…両親のロマンチックな出会いの話を聞くのが大好きなフランク。そんな二人が離婚することになり、どちらかを選ぶように言われたフランクは、それができずに出奔する。その優しい繊細な少年ゆえの歪みのようなものが、紅の個性にマッチして、紅のフランクが出来上がっていた。
生来のエンターテイナーである紅ゆずるというスターの個性にも、自己顕示的なフランクのキャラは合っている。
作品がウェットに流れなかったのも、紅の個性あってのもの。この公演が、紅の新しい飛躍のキッカケになりそうな予感
綺咲愛里(ブレンダ・ストロング)…第2幕から登場するヒロイン。少し大人になったフランクは、女性経験を積むのではなく、本当の恋を経験する。そして、素直に結婚したいと考えるようになる。その相手が、ブレンダ。けれど、フランクが年をごまかしていて、自分より年下であることを知り、彼の犯罪を知ったブレンダは、彼を愛するがゆえに彼の逮捕に協力する決意を下す。
超キュートなヒロインが、一瞬で大人びる…それも、たった一曲でガーッと変わる、その表現が素晴らしかった。ヒロインとしては出番も少ないけれど、その少ない出番で、しっかりと存在を印象づけたと思う。
歌が上手くなったな~というのも、感心したところ。
七海ひろき(カール・ハンラティ)…七海は、紅の一期後輩。しかし、宝塚という世界では、後輩の方がずっと年輩の役を演じることがよくある。決して器用な生徒ではない七海が、その不器用ささえも武器にして、ハートでハンラティを演じた。ハンラティが年輩に見えたのは、テクニックではなく、彼のハートが伝わる芝居からだった。
七海には、これからもずっとそういう役者でいてほしい。
ただ、歌とダンスに関しては、もう少しテクニックを磨いてほしいかも。
仲間の如月蓮・瀬稀ゆりと・瀬央ゆりあとのやり取りがすごく楽しかった
夏美よう(フランク・アバグネイルSr.)…またまた夏美さんの息子に生まれたばかりに…的悲劇の物語でも、これはテッパンだね。
奥さんへの愛が痛々しいことも含め、素晴らしいお父様でした
悠真倫(ロジャー・ストロング)…こちらも第2幕のみに登場する人物。ブレンダの父親で、本当の恋をしたフランクが初めて人を騙すことにハラハラさせられる場面が出てくる。そこのくすぐりが絶妙で、悠真の起用は、大成功だったと思う。
専科のお二人の出演は適材適所、しかも頼り過ぎないピンポイントというのがすごいと思った。
夢妃杏瑠(ポーラ・アバグネイル)…いつまでも夢を見続けている夫を見限って、夫の親友(輝咲玲央)に走る妻。その気持ちの流れが素直に伝わって来た。息子を愛しているけれど、彼の犯罪は理解できない…その保身は、かつて彼女が夫を裏切ったことと根が同じなんだなーと思えた。たぶん、フランクシニアとは、まったく違うタイプの人間なんだろうなぁ~とても印象に残る役だった。また、輝咲もかっこいいし
オシャレなミュージカルであることと、宝塚であることを見事に両立した出演者に乾杯
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