月組大劇場公演感想 [┣宝塚観劇]
大劇場公演を観劇した。
大劇場公演の恒例により、箇条書き形式で感想を書いていきます。
『宝塚をどり』
- 前回、相当斬新な公演をして、賛否両論というよりは、非難ゴウゴウだった植田先生、今回はちゃんとチョンパで幕開けだった
- 1場から、桜の娘という役で、初舞台生も参加、2場で口上となる。組長から紹介してもらえるため、口上台詞自体は例年より少ない。このため、今年は毎公演2名ずつが口上を述べる。(例年は3名)ここで、台詞量が少ない分、最後の言葉、「よろしくお願いいたします」が妙に上から目線に感じてしまった。初舞台なのだから、謙虚に「お願い申し上げます」でもよかったのでは?という気が…
- 次は天女、松本悠里の祝舞。荘厳な感じ
- 続いて、三番叟。龍真咲を中心に、おめでたい雰囲気。背景は松羽目なのだが、松をやわらかい色合いで描き、後ろを板目にせず、金モールのようなカーテンにしたのは、宝塚らしくて、よいアイデア
- そして、よさこい。珠城りょうをセンターに、宇月颯、鳳月杏らが、元気いっぱいに踊る。この盛り上がりが心地よい。民謡の場面は、渡辺武雄先生以来の伝統を今後も続けていくという意気込みかもしれない
- 続く場面は、牡丹と獅子の戯れ(龍&愛希れいか)と、石橋の獅子と胡蝶、そして若い獅子達(龍&各組トップ)の勇壮な場面。私が観劇した時は、蘭寿とむが龍と一緒に舞ったのだが、勇壮な中に、春らしい軽やかさがあって、とてもいい場面だった。短い稽古だったと思うが、両トップの息もピッタリだった。
- 最後は、日本ものなのに、センターにマリア像がいるという、非常に不思議な空間で全員の祝舞。やはり、最後はすみれのボレロよね~!と、非常に納得できるショーだった
『明日への指針』
- 石田先生の愛と職人的作品作りがキラリと光った作品
- 物語の冒頭で、タイタニック号の事件が発生し、助けるためにカルパチア号が航路を変更して事故現場に向かうというシーンがある。その時、カルパチア号に乗っていた少年(晴音アキ)は、この時のことが忘れられず、大人になると、通信士として船に乗るようになる。それが、主人公のジェイク(龍)。ただ、タイタニック号の事故は1912年なので、どう100周年と結び付けるのだろう?と思っていたら、物語の舞台が、ジェイクの乗る“センチュリー号”の100回目の航海という設定だった。うまい
- 下手花道のセリは、歌舞伎で言うところのスッポンにあたる。スッポンから出入りするのは、幽霊とか妖怪とか狸や狐の化けた姿などと決まっている。ここからアンジェラ(海乃美月)が上がって来た時は、“うまい!”と、唸ってしまった
- これを、『愛するには短すぎる』のスピンオフと言ってしまう石田先生、ステキすぎる。そして、あの時、結ばれなかった二人を演じた、龍と愛希のハッピーエンドがそれゆえに、さらにあたたかい気持ちで見守ることができた
- それにしても、ラストの愛希の啖呵が可愛すぎる
『TAAKARAZUKA花詩集100!!』
- 初舞台生、日本ものでは、美人が誰もいない!と焦ったが、ショーでは、何人か可愛い子がいて安心。日本もののメイク、もう少し白塗りではダメなんだろうか
- ショーは、珍しく別緞帳ではなかった
- 緞帳があがると、白いドレスの数人の娘役が、さまざまなポーズで本を読んでいる。その本がライトのように娘役を照らすという幻想的な演出。龍が登場して照明が入ると、それは、娘役の手首についている本の形のグラスファイバーらしい、とわかる。素敵な演出だった
- そして、すぐに100期生のラインダンス。外国人のデザイナーなので、センスがなんか………
足元だけを紫色にした、肌色の網タイってどうよ?しかも、肌色ってのが、いや、むしろ多少黄色っぽいカラーが、微妙に差別チック………照明のせい?それとも靴に黄色が入ってるから、錯覚なのかな?あまり、素敵には見えなかった - そして、ここでまず大階段のパレード。男役は、トップハットをモチーフにした、不思議な高い帽子(しかもナナメカット)をかぶって、なんかちょっと笑える。片方の袖は薔薇の花が咲いたみたいになってるし。どうにか着こなしているところが、タカラヅカの矜持だろうと思う
- 他組トップコンビもパレードに登場。蘭&蘭コンビはさすが花組だけあって、花がお似合い
- 美弥率いる若手場面は、宇月、紫門ゆりや、煌月爽矢、鳳月。この4人は、今回、ほぼセットで使われている
- マーガレット(愛希)をめぐるちょっとバレエチックな場面。白の王子(凪七瑠海)のソロから始まるが、凪七はあくまでもノーブル。そこへ、黒の王子(珠城)。黒が似合うようになってきたし、凪七に伍して、引いていない。短いが、ドラマチックに決まって、次は、赤いケシ(星条海斗)が、若い僧(龍)を堕落させる話。藤井先生、こういうテーマ好きだね…
- 美弥るりかは女装でタコ足ダルマ姿だったが、以前よりは足に肉がついたようだし、タコ足が程よく隠してくれてもいたので、悲惨ではなかった
- 続いて蘭の場面。ここが中詰かな?青い蘭は、歌姫、光月るうを囲んで、宇月以下4人が銀橋を渡る。そして、蘭の王と月下美人という、男役が総タイツで踊るいわゆるニューハーフショー場面。藤井先生も齋藤先生同様、このテイスト好きだな曲は、『NEW WAVE!』でも使用された「月下の蘭」。(あっちは普通にかっこいい男だったのに…)ニューハーフにぴったりな珠城。(←これは男役には褒め言葉!)もちろん輝月ゆうまもいる
- ラテンの激しいリズムで、他組トップも登場し、龍と一緒に踊り狂う。蘭寿さん、素敵すぎます!そしてトップ娘役二人も登場してダブルデュエットダンスとなる。なんて、贅沢な眺め
- 総踊りのあとは、再びニューハーフの珠城を囲んで宇月以下4人の男役。藤井先生、珠城のニューハーフをかなり気に入ったらしい…
- ここで、雰囲気がガラリと変わり、沙央くらまがセリあがって、「召しませ花を」と歌う。退団者の都月みあと紫乃加りあに、花売り娘の台詞がある
- 龍が「すみれの花」を歌い、若手の男役が羽扇で囲む。ここで、千海華蘭にちょっとおいしい振りがついている
- 龍は、さらに銀橋でも歌い続けるが、さすがにこの辺は出ずっぱりで、汗を拭く暇もない。以前も藤井先生のショーで感じたが、トップが出ずっぱりのあと、銀橋で歌うのは、汗がダラダラになって気の毒。こういう場面は改めてほしい
- 男役郡舞は、「花詩集」のアレンジで
- 続いて、愛希が薔薇のドレスで銀橋を歌い、渡る。大きな薔薇のついたドレスの裾を、叶羽時と海乃が持って渡るのも印象的
- そして、100本の薔薇に扮して、初舞台生と上級生、合計100名が一緒になってロケット。これも薔薇の茎のデザインがストッキングに描かれていて、足短く見えるんでは?と思って、納得がいかなかった
- 続いて、ミリタリー風ゲイファッション?的な衣装(大胆!)姿の龍に8人の男役が絡む場面。曲は、「黒き薔薇」
- 続いて、ゲストスター(花組トップコンビ)の銀橋場面。『ザッツ・レビュー』の主題歌、「レビュー・明日への希望」が歌われたが、これって花組だから…なのかしら?それとも、『ザッツ・レビュー』のショーシーンで『花詩集』が使われていたから
- 蘭・蘭コンビは、ピンクの可愛らしい衣装だったが、幕が上がると、シルバーと黒のシックな衣装で月トップコンビ大階段のデュエットとなる。このメリハリは素敵だと思った
- パレードの衣装がすごい!夜桜だ、これは桜で洋ものショーのフィナーレとは、斬新すぎる
- でも桜をまとった蘭寿が、今、まさに満開の花を散らそうとしている蘭寿が、桜にピッタリで、この時をともに過ごせた幸せに、深く感謝した時間だった!宝塚のトップスターとは、まさに桜のごときものなんだな~
宝塚の桜は、まだ開花したばかり。まるで初舞台生のような初々しさ
【今日の言葉】
「君の眼差しに触れ、君の声を聞き、君のぬくもりを感じていると、忘れていたものが、僕の中で一度に吹き上げる。激しい音を立てて」byエリオ@『哀しみのコルドバ』
作・演出:柴田侑宏
星組 1985年
掲載されている写真は、峰さを理さん、湖条れいかさんでした。
なんと!
私も本日蘭寿さんを堪能してまいりました。
しかも奇跡の1列め。
花詩集Cでは蘭寿さんが目の前に止まって歌う…至福の時間でした。
少しも手を抜かない心意気を浴びてまいりました。
by 月光 (2014-03-25 21:13)
夜野さま
私は明後日観劇予定です!!
桜の中の蘭寿とむ…想像するだけで我が人生に悔いなし!!
by ★とろりん★ (2014-03-25 22:09)
月光さま
おおー、おめでとうございます!
蘭寿さんのあの笑顔、たまらなかったですねぇ~♪
「宝塚をどり」も「花詩集100」も、どちらも素敵でした。短いお稽古だったのに、本当にすごいと思いました!
★とろりん★さま
まばたきする時間はありません。
最高の蘭寿さんを、どうぞお楽しみください!
私も、行ってよかったです♪
by 夜野愉美 (2014-03-25 23:20)